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1年 1学期
第4話 透明人間の人気 - invisible popularity -
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「まもる、朝ごはんできてるよー。冷めちゃうから早く起きてきなさい」
朝7時半、俺は母の呼ぶ声で目が覚めた。昨日は早く寝たはずなのだが、あまり寝た気がしない。
(昨日は眠れなかったなー。次の日が楽しみで寝られないなんてまるで遠足前の小学生だな。でも何年ぶりだろ。こんなに学校に行くのが楽しみなのは)
俺は朝食のトーストに口を運びながら昨日の出来事を思い出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
木村と俺が和解すると教室にいたみんなが俺のところに集まってきた。
「ねぇねぇ、触ってみてもいい?」
「科学的にどういう理論で君の体は透明なのか詳しく教えてくれないか?」
「親も透明なの?それともおじいちゃんやおばあちゃんも?」
「生まれてきた時は見えないのにどうやってわかったの?」
「のぞきし放題だな、羨ましいなー」
「なぁ、パン買ってきてくれよ」
いっぺんに質問してくるなよ。てか最後の透明関係ないだろ。ただのパシリじゃねぇか。
「こらこら、蔭野君が困ってるじゃないか。みんな落ち着けよ」
「いいよキム。みんながこれだけ興味を持ってくれてるってことは俺の話を信じてくれたってことなんだからさ」
俺は純粋に嬉しかった。もしかしたら目の端には涙も溜まってたかもしれない。
「実を言うとさ俺も自分の体についてよくわかってないんだよ。ただ両親も祖父母もみんな普通の人だよ。透明なのは俺だけ」
そう言うとみんなは俺の体についてあまり聞かなくなった。けどその後もたくさん話した。LANEもみんなと交換した。それで帰るのが遅くなって母さんに怒られたっけ。でもみんなの話をしたら母さんも父さんも嬉しそうだったな。
そんなことを思いながらごはんを食べていると家を出る時間になった。俺はメガネをかけマスクをつけてカツラをかぶって家を出た。
「いってきます!」
今日は足取りも軽い。あっという間に学校に着いた。俺はマスクやメガネを外し教室に入った。
「おはよう」
「あ、蔭野君。おはよう。」
真っ先にキムが俺に気づいて近づいてきた。その後ろにはキムの友達である中田 伸介(なかた しんすけ)もいる。みんなからはしんちゃんと呼ばれている。
「蔭野君キムと仲直りできたんだね。昨日はごめんね。変とか言ってさ」
「もう気にしてないよ、済んだことだし」
俺たちがこんな会話をしていると谷内先生が教室に入ってきた。
「みんなおはよう。早速で悪いんだが、今日は1時間目から身体測定だ。五十音順で男女別々に廊下に並んでくれ」
保健室に着くとキムが小さな声で俺に聞いた。
「蔭野君は身長わかりにくいよね。目線がどこなのかもよく分からないからどこに向かって話しかけたらいいの?」
「身長は俺も分かんないけど、どこに向かって話しかけてもいいよ。大体あってるし」
「蔭野はどこ中なの?」
後ろを振り返るとそこには高宮 敦己(たかみや あつき)がいた。脈絡のない話し方からして少し天然なのか?
「俺は県外の学校からこっちに引っ越してきたんだ。だから、高宮知らない学校だと思うぞ」
「そっか。そりゃあ中学の時に苦労したら別のとこ行くよな。ところでさ、このクラスの女子で誰がタイプ?」
ホント急に話が変わるな。こいつか昨日俺にのぞきし放題とか言ってきたやつは。
「まだ1日でそんな覚えてないよ。高宮は誰なんだ?」
「俺か?俺はやっぱり佐々木さんかな?顔がかわいいし清楚っぽいよな。でも深田さんも捨てがたいよね。おっぱいでかいしさー。キムちゃんは誰が好み?」
「え?僕はそんなことは考えなかったな。そんなことを思うのは女の人に対して失礼だと思うし。」
「えーつまんないなー。でも、キムちゃんってムッツリっぽいよねなんか」
「き、君はなんてこと言うんだ。あって間もないのに、し、失礼だぞ。」
「あれ?キム動揺してるね。もしかして図星?」
「そ、そんなことない。しんちゃんまで要らないことを言うな。」
焦るキムを尻目に俺は楽しんでいた。なんかみんなとこうやってふざけるのも久々だなー。
そんなくだらない話をしている間に身体測定は進み教室に戻ることになった。
「なぁ蔭野、身長いくつだった?俺は162」
「俺は170だったよ。高宮よりは大きいみたいだな」
「えー結構でかいじゃん。てか背伸びしたんじゃないの?」
「そんなことしないだろ子供でもないし。ちなみに僕は165だったよ。」
「キム伸びたね。俺あんまり変わってなかったなー。178だったよ」
「えーみんなでかいなー、いーなー。しんちゃんなんかモデルみたいじゃん、細いし」
「そんなことないよ、女子で言えば前川さんとかも背高いよ。それに中学の時バスケやってた畠山君なんかもっと大きいよ。185ぐらいあるんじゃない?」
こんな風に俺たちが自分たちの身長で盛り上がっていると後ろで暗い声が聞こえた。
「なんで蔭野なんかが人と仲良くしてるんだよ。名前通り人の影に隠れてひっそり暮らしてたらいいのによ」
「お前まさか中嶋?」
そこにいたのは中学の時に俺をいじめていた中嶋 宏通(なかじま ひろみち)だった。
——————————————————————
ちなみに体重はこちら
まもる:55kg
キム:53kg
しんちゃん:58kg
高宮:50kg
畠山君:85kg
朝7時半、俺は母の呼ぶ声で目が覚めた。昨日は早く寝たはずなのだが、あまり寝た気がしない。
(昨日は眠れなかったなー。次の日が楽しみで寝られないなんてまるで遠足前の小学生だな。でも何年ぶりだろ。こんなに学校に行くのが楽しみなのは)
俺は朝食のトーストに口を運びながら昨日の出来事を思い出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
木村と俺が和解すると教室にいたみんなが俺のところに集まってきた。
「ねぇねぇ、触ってみてもいい?」
「科学的にどういう理論で君の体は透明なのか詳しく教えてくれないか?」
「親も透明なの?それともおじいちゃんやおばあちゃんも?」
「生まれてきた時は見えないのにどうやってわかったの?」
「のぞきし放題だな、羨ましいなー」
「なぁ、パン買ってきてくれよ」
いっぺんに質問してくるなよ。てか最後の透明関係ないだろ。ただのパシリじゃねぇか。
「こらこら、蔭野君が困ってるじゃないか。みんな落ち着けよ」
「いいよキム。みんながこれだけ興味を持ってくれてるってことは俺の話を信じてくれたってことなんだからさ」
俺は純粋に嬉しかった。もしかしたら目の端には涙も溜まってたかもしれない。
「実を言うとさ俺も自分の体についてよくわかってないんだよ。ただ両親も祖父母もみんな普通の人だよ。透明なのは俺だけ」
そう言うとみんなは俺の体についてあまり聞かなくなった。けどその後もたくさん話した。LANEもみんなと交換した。それで帰るのが遅くなって母さんに怒られたっけ。でもみんなの話をしたら母さんも父さんも嬉しそうだったな。
そんなことを思いながらごはんを食べていると家を出る時間になった。俺はメガネをかけマスクをつけてカツラをかぶって家を出た。
「いってきます!」
今日は足取りも軽い。あっという間に学校に着いた。俺はマスクやメガネを外し教室に入った。
「おはよう」
「あ、蔭野君。おはよう。」
真っ先にキムが俺に気づいて近づいてきた。その後ろにはキムの友達である中田 伸介(なかた しんすけ)もいる。みんなからはしんちゃんと呼ばれている。
「蔭野君キムと仲直りできたんだね。昨日はごめんね。変とか言ってさ」
「もう気にしてないよ、済んだことだし」
俺たちがこんな会話をしていると谷内先生が教室に入ってきた。
「みんなおはよう。早速で悪いんだが、今日は1時間目から身体測定だ。五十音順で男女別々に廊下に並んでくれ」
保健室に着くとキムが小さな声で俺に聞いた。
「蔭野君は身長わかりにくいよね。目線がどこなのかもよく分からないからどこに向かって話しかけたらいいの?」
「身長は俺も分かんないけど、どこに向かって話しかけてもいいよ。大体あってるし」
「蔭野はどこ中なの?」
後ろを振り返るとそこには高宮 敦己(たかみや あつき)がいた。脈絡のない話し方からして少し天然なのか?
「俺は県外の学校からこっちに引っ越してきたんだ。だから、高宮知らない学校だと思うぞ」
「そっか。そりゃあ中学の時に苦労したら別のとこ行くよな。ところでさ、このクラスの女子で誰がタイプ?」
ホント急に話が変わるな。こいつか昨日俺にのぞきし放題とか言ってきたやつは。
「まだ1日でそんな覚えてないよ。高宮は誰なんだ?」
「俺か?俺はやっぱり佐々木さんかな?顔がかわいいし清楚っぽいよな。でも深田さんも捨てがたいよね。おっぱいでかいしさー。キムちゃんは誰が好み?」
「え?僕はそんなことは考えなかったな。そんなことを思うのは女の人に対して失礼だと思うし。」
「えーつまんないなー。でも、キムちゃんってムッツリっぽいよねなんか」
「き、君はなんてこと言うんだ。あって間もないのに、し、失礼だぞ。」
「あれ?キム動揺してるね。もしかして図星?」
「そ、そんなことない。しんちゃんまで要らないことを言うな。」
焦るキムを尻目に俺は楽しんでいた。なんかみんなとこうやってふざけるのも久々だなー。
そんなくだらない話をしている間に身体測定は進み教室に戻ることになった。
「なぁ蔭野、身長いくつだった?俺は162」
「俺は170だったよ。高宮よりは大きいみたいだな」
「えー結構でかいじゃん。てか背伸びしたんじゃないの?」
「そんなことしないだろ子供でもないし。ちなみに僕は165だったよ。」
「キム伸びたね。俺あんまり変わってなかったなー。178だったよ」
「えーみんなでかいなー、いーなー。しんちゃんなんかモデルみたいじゃん、細いし」
「そんなことないよ、女子で言えば前川さんとかも背高いよ。それに中学の時バスケやってた畠山君なんかもっと大きいよ。185ぐらいあるんじゃない?」
こんな風に俺たちが自分たちの身長で盛り上がっていると後ろで暗い声が聞こえた。
「なんで蔭野なんかが人と仲良くしてるんだよ。名前通り人の影に隠れてひっそり暮らしてたらいいのによ」
「お前まさか中嶋?」
そこにいたのは中学の時に俺をいじめていた中嶋 宏通(なかじま ひろみち)だった。
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ちなみに体重はこちら
まもる:55kg
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高宮:50kg
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