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1年 1学期
第3話 透明人間の告白 - invisible confession-
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(何言ってんだよこの人。バラしちゃダメってサブカル校長から聞かなかったのか?そりゃいつかはバレると思うけどさー、今じゃないじゃんトリセツ先生)
説明書が要りそうなめんどくさい男という意味でトリセツ先生と名付けた俺は半ば呆れていた。
「確かにいつかはバレると思いますけど、今じゃなくても良くないですか?」
「いや、そうでもないと思うぞ。校長からは極秘と言われたが一緒に生活していればバレないわけがない。こういうことは最初に言っておくべきだ」
「そうじゃないんですって。だって俺は中学の時にそれで...」
「それも校長から聞いてるよ。中学の時に蔭野が苦しんでいたことも。いや、中学の時だけじゃないか」
「ならなぜバラす必要があるんですか。リスクが高すぎます。」
「蔭野が怖がる気持ちもわかるけど、中学では隠してたのがバレて揉めたんだろ?周りの生徒からしてみれば嘘をつかれたようなもんだ」
「それは自分が透明人間って言っても信じてくれないと思ったからです。それに透明人間ということで目立ちたくはなかったので。」
「そうは言っているが、俺が教室に入る直前に木村と揉めてただろ?まぁ蔭野からしてみれば良い迷惑だとは思うが、話さないと分からないんだよ。みんな知らないんだからさ」
「でもそれとみんなが信じてくれるかは別です。」
「証明すれば良いんだよ。自分が透明人間であることをさ。大丈夫だ。俺がフォローする。絶対に上手くいく!だって会ったこともない俺も校長から言われて信じたんだからさ。」
「トリ、先生。」
俺は少し考えた後に大きく息を吸ってから先生に言った。
「分かりました。みんなに俺のこと話します。」
「よく言った」
俺は緊張して、先生はにこやかに教室に入った。
「みんな、遅くなってすまない。今から蔭野から話がある。大事な話だから真剣に聞いてほしい。」
教室が静かになったのを確認して俺は少し震えながら口を開いた。
「あの、みんなに俺のことで話があります。今から言うことは信じられないことかもしれないけど聞いてください。気になっている人もいると思うんだけど、この顔仮装とかではないんです。」
俺はカツラとマスクとメガネを外し、教卓に置いた。
「俺は生まれた時から透明人間なんです。別に着ている服とかは透明になったりしなくて体だけ透明なんです。透明だから実体とかがないわけじゃなくてちゃんと感覚もあるし、物を掴んだりもできます。信じられない人とかは確かめてもらっても良いです。頭とか触ってもらうと見えないのに髪の毛の感触とかあるので。みんなとは違うので気持ち悪いと思うかもしれないですけど、良かったら仲良くしてほしいです。」
最後の方はもう何を言っているのか分からないぐらい小さい声になった。見えないけどおそらく今の俺の顔は真っ赤になっているだろう。
「そういうことだ。先生は事前に校長から知らされてたけどみんなは初めて聞いたと思う。蔭野自身も最初はみんなに話すつもりはなかったらしい。まぁ他の人と違うということもあり、中学までは本当に苦労したと言っていた。それに自分が透明人間だということをみんなが信用してくれるかどうかも不安だったようだ。先生はまだみんなのこと全然知らないけど、みんななら蔭野の言ったことを信じてくれると思うし、蔭野を受け入れてくれると信じてる。俺からは以上だ。蔭野も席に戻っていいぞ」
先生は言葉を選びながら俺の話に補足するかのように話した。みんなの顔は怖くて見れなかった。
その後は何もなかったかのようにホームルームは進み、帰る時間になった。
「じゃあみんな明日から授業があるから教科書を持ってくるように。さようなら」
帰りの挨拶が済むと1人の生徒が俺の方に近づいてきた。俺は顔を合わせられないため、誰が来ているのか分からない。
「君は本当に透明人間なのかい?」
声の主は先程俺に突っかかってきた木村だった。周りの人もこちらに注目している。
「そうだけど、信じてくれるのか?」
「君が話し始めた時はこの人は何を言っているんだぐらいにしか思わなかったけど、先生からも話があって。君も先生もあんなに真剣に話しているから嘘を言っているように見えなくて」
「そっか。さっきは言わなかったけどさ、俺中学の時にイジメられてたんだ。透明だからって物を投げられたり、顔を殴られたりさ。それでみんなに言うのが怖くてさ。最初に話さなくてごめん」
俺は今自分がどんな気持ちなのか分からなくなった。嬉しいような、ホッとしたような、泣き出しそうなそんな気持ちだ。俺がそんなことを思っていると、木村は深々と頭を下げた。
「本当にすまなかった。君の気持ちも考えず、仮装などとふざけたことを言ってしまった。そんな自分が今はとても恥ずかしい。許されることではないにしても謝らせてほしい。ごめんなさい。」
「いいよ。さっきも言ったように始めに話さなかった俺も悪いよ。分かってくれただけで俺は十分だよ。」
「本当にいいのかい?君は優しい人だな。そんな君に僕から改めて自己紹介をさせてほしい。僕の名前は木村 幹斗(きむら みきと)。友達からはキムって呼ばれてる。何か困ったことがあったら言ってくれ。僕にできることがあれば協力するよ。」
「俺の名前は蔭野 衛だ。よろしくな。」
木村と俺は自己紹介した後に握手をした。すると周りから大きな拍手が起こった。俺は少し照れくさくなった。でもこのクラスでのこれからの生活がすごく楽しみにもなった。
説明書が要りそうなめんどくさい男という意味でトリセツ先生と名付けた俺は半ば呆れていた。
「確かにいつかはバレると思いますけど、今じゃなくても良くないですか?」
「いや、そうでもないと思うぞ。校長からは極秘と言われたが一緒に生活していればバレないわけがない。こういうことは最初に言っておくべきだ」
「そうじゃないんですって。だって俺は中学の時にそれで...」
「それも校長から聞いてるよ。中学の時に蔭野が苦しんでいたことも。いや、中学の時だけじゃないか」
「ならなぜバラす必要があるんですか。リスクが高すぎます。」
「蔭野が怖がる気持ちもわかるけど、中学では隠してたのがバレて揉めたんだろ?周りの生徒からしてみれば嘘をつかれたようなもんだ」
「それは自分が透明人間って言っても信じてくれないと思ったからです。それに透明人間ということで目立ちたくはなかったので。」
「そうは言っているが、俺が教室に入る直前に木村と揉めてただろ?まぁ蔭野からしてみれば良い迷惑だとは思うが、話さないと分からないんだよ。みんな知らないんだからさ」
「でもそれとみんなが信じてくれるかは別です。」
「証明すれば良いんだよ。自分が透明人間であることをさ。大丈夫だ。俺がフォローする。絶対に上手くいく!だって会ったこともない俺も校長から言われて信じたんだからさ。」
「トリ、先生。」
俺は少し考えた後に大きく息を吸ってから先生に言った。
「分かりました。みんなに俺のこと話します。」
「よく言った」
俺は緊張して、先生はにこやかに教室に入った。
「みんな、遅くなってすまない。今から蔭野から話がある。大事な話だから真剣に聞いてほしい。」
教室が静かになったのを確認して俺は少し震えながら口を開いた。
「あの、みんなに俺のことで話があります。今から言うことは信じられないことかもしれないけど聞いてください。気になっている人もいると思うんだけど、この顔仮装とかではないんです。」
俺はカツラとマスクとメガネを外し、教卓に置いた。
「俺は生まれた時から透明人間なんです。別に着ている服とかは透明になったりしなくて体だけ透明なんです。透明だから実体とかがないわけじゃなくてちゃんと感覚もあるし、物を掴んだりもできます。信じられない人とかは確かめてもらっても良いです。頭とか触ってもらうと見えないのに髪の毛の感触とかあるので。みんなとは違うので気持ち悪いと思うかもしれないですけど、良かったら仲良くしてほしいです。」
最後の方はもう何を言っているのか分からないぐらい小さい声になった。見えないけどおそらく今の俺の顔は真っ赤になっているだろう。
「そういうことだ。先生は事前に校長から知らされてたけどみんなは初めて聞いたと思う。蔭野自身も最初はみんなに話すつもりはなかったらしい。まぁ他の人と違うということもあり、中学までは本当に苦労したと言っていた。それに自分が透明人間だということをみんなが信用してくれるかどうかも不安だったようだ。先生はまだみんなのこと全然知らないけど、みんななら蔭野の言ったことを信じてくれると思うし、蔭野を受け入れてくれると信じてる。俺からは以上だ。蔭野も席に戻っていいぞ」
先生は言葉を選びながら俺の話に補足するかのように話した。みんなの顔は怖くて見れなかった。
その後は何もなかったかのようにホームルームは進み、帰る時間になった。
「じゃあみんな明日から授業があるから教科書を持ってくるように。さようなら」
帰りの挨拶が済むと1人の生徒が俺の方に近づいてきた。俺は顔を合わせられないため、誰が来ているのか分からない。
「君は本当に透明人間なのかい?」
声の主は先程俺に突っかかってきた木村だった。周りの人もこちらに注目している。
「そうだけど、信じてくれるのか?」
「君が話し始めた時はこの人は何を言っているんだぐらいにしか思わなかったけど、先生からも話があって。君も先生もあんなに真剣に話しているから嘘を言っているように見えなくて」
「そっか。さっきは言わなかったけどさ、俺中学の時にイジメられてたんだ。透明だからって物を投げられたり、顔を殴られたりさ。それでみんなに言うのが怖くてさ。最初に話さなくてごめん」
俺は今自分がどんな気持ちなのか分からなくなった。嬉しいような、ホッとしたような、泣き出しそうなそんな気持ちだ。俺がそんなことを思っていると、木村は深々と頭を下げた。
「本当にすまなかった。君の気持ちも考えず、仮装などとふざけたことを言ってしまった。そんな自分が今はとても恥ずかしい。許されることではないにしても謝らせてほしい。ごめんなさい。」
「いいよ。さっきも言ったように始めに話さなかった俺も悪いよ。分かってくれただけで俺は十分だよ。」
「本当にいいのかい?君は優しい人だな。そんな君に僕から改めて自己紹介をさせてほしい。僕の名前は木村 幹斗(きむら みきと)。友達からはキムって呼ばれてる。何か困ったことがあったら言ってくれ。僕にできることがあれば協力するよ。」
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