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1年 1学期
第2話 透明人間の自己紹介 - invisible introduction -
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そして、入学式の開始時刻になり、俺を含め新入生は列になって講堂に入る。
着席すると何やら後ろの男女2人がコソコソしゃべり始めた。
「ねー、あれってさ、なんかのドッキリなのかな」
「どれのこと?」
「あれだって、あの前のやつ」
「前のやつ?あーあれは違うだろ。ドッキリにしてはモロバレじゃん」
「そうかな?でも周りの人は気づいてなさそうだよ。現にあなたも気づいてなかったでしょ」
(何の話だろ。ドッキリ?前見てもそんなのないけどなー。それにみんな気づいてないし。あ、ドッキリってそういうもんか)
と俺が考えている間に入学式は滞りなく進み、ドッキリなんかもなくフツーに終わった。強いて言えば、校長の趣味にサブカルちっくなものが多かったのが気になったぐらいだ。『コミケにもよく行きます』とか入学式で言うことじゃないだろ。どこぞのセレブ姉妹じゃないんだから。
講堂から退場すると壁にクラス分けが書かれた紙が貼ってあった。
(ええっと、俺のクラスは1-Bか)
クラスはAからCの3クラスで1クラス40人。この高校は3学年で計360人と小さめの学校だ。俺からすれば透明であることが広まりにくいから好都合だ。
「それじゃあ各自自分のクラスが分かったら教室に行ってください。その後の説明は教室で担任の方からあります。」
指示通り、教室に行くと席はもうすでに3分の2ぐらい埋まっていた。俺が自分の席に座ってさっき配られた資料に目を通していると突然前から来た人に顔を覗き込まれた。
「お前いつまで仮装してる気だ。初対面でこんなこと言うのもなんだが、入学式という静粛な場ですることじゃないだろ」
「は?」
(入学して初めて話しかけられたのがこれかよ!なんか厳格そうなやつだけど、こいつは俺が仮装してると思ってるのか?透明人間の仮装なんて見たことないぞ。てかしてても見えないけどさー。)
「最初は先輩たちのレクリエーションの類とも考えたが、教室まで入ってきて資料に目を通しているところを見ると君も僕と同じ新入生なんだろ?インパクトはあるけどやることにも限度ってもんがあるだろ」
(好きでやってんじゃねえよ。辞められたらどんなにいいことか。なんだインパクトって。俺の中での1番のインパクトはお前だぞ。なんで入学早々同じクラスになったやつに怒られなきゃいけねーんだよ。)
周りの生徒たちもこちらに注目するようになった。母さんごめん、早速目立ちまくりだよ。
「おい、そのくらいにしとけよ。周りの人も見てる」
どうやら怒ってきたやつの友達のようだ。とりあえずは収まりそうだな。
「そうは言ってられないだろ。こんなことしていいわけがない。」
「そうやって昔からキムは変な事に首突っ込みすぎ。変なやつにわざわざ関わりに行く必要ないだろ?」
キムと言われた彼は渋々俺の席から離れていった。周りにいた人たちも俺から視線を外して自分のことをし始めた。
(なんか丸く収まったぽくなってるけど、すげー誤解されてないか?第一印象は大事だと思って自己紹介も考えてきたのに。最初から俺は入学式に透明人間の仮装をする非常識な奴というレッテルを貼られた。そんなやつ俺だって会いたくないよ)
とか思ってるとこのクラスの担任らしき人が入ってきた。30代半ばってところか?
「みんな、おはよう。とりあえず席に着こうか。これからホームルームを始めて行くわけだけど、まず自己紹介からしようか。俺の名前は谷内和也(やうち かずや)だ。担当科目は英語で、授業でも顔を合わせる事になると思う。1年間よろしくな。」
(フツーの先生だな。ひねりがないというか何というか。まぁ変な先生じゃなくてよかった)
俺がちょっと失礼なことを考えていると、五十音順に自己紹介が始まった。みんな自分の名前と中学の時にやってた部活のことを言っている。そして俺の番になった。
「あひょ、俺の名前は蔭野 衛って言います。中学の時には部活には入ってませんでした。よろしくお願いします。」
出だしから噛んだし、簡素だけどなかなか良くできたのでは?と俺が思っていると後ろの方からボソッと「仮装野郎なのに自己紹介は普通じゃん」という声が聞こえた。
(やっぱりそう思うよなー。だから第一印象大事にしたかったのに。)
先生からこれからの学校生活の過ごし方とかの話があり、ホームルームも終わりに差し掛かったその時、
「あのこれで説明は大体終わりなんだけどさ、蔭野ちょっと来てくれ」
と先生に呼ばれ、教室の外に連れ出された。
「あの先生、何ですか?」
「何だと思う?」
(フツーそうなのにめんどくさいこと言うなー。あーたぶんこの人おいくつですかって聞かれたらいくつに見えるって聞き返しちゃうタイプの人だ。)
「分かりません。」
「そうか。それなら俺から言わせてもらうけど、もうクラスのみんなには蔭野のこと話した方がいいんじゃないかと思ってるんだよ。透明なことをさ」
・・・
え?マジすか
着席すると何やら後ろの男女2人がコソコソしゃべり始めた。
「ねー、あれってさ、なんかのドッキリなのかな」
「どれのこと?」
「あれだって、あの前のやつ」
「前のやつ?あーあれは違うだろ。ドッキリにしてはモロバレじゃん」
「そうかな?でも周りの人は気づいてなさそうだよ。現にあなたも気づいてなかったでしょ」
(何の話だろ。ドッキリ?前見てもそんなのないけどなー。それにみんな気づいてないし。あ、ドッキリってそういうもんか)
と俺が考えている間に入学式は滞りなく進み、ドッキリなんかもなくフツーに終わった。強いて言えば、校長の趣味にサブカルちっくなものが多かったのが気になったぐらいだ。『コミケにもよく行きます』とか入学式で言うことじゃないだろ。どこぞのセレブ姉妹じゃないんだから。
講堂から退場すると壁にクラス分けが書かれた紙が貼ってあった。
(ええっと、俺のクラスは1-Bか)
クラスはAからCの3クラスで1クラス40人。この高校は3学年で計360人と小さめの学校だ。俺からすれば透明であることが広まりにくいから好都合だ。
「それじゃあ各自自分のクラスが分かったら教室に行ってください。その後の説明は教室で担任の方からあります。」
指示通り、教室に行くと席はもうすでに3分の2ぐらい埋まっていた。俺が自分の席に座ってさっき配られた資料に目を通していると突然前から来た人に顔を覗き込まれた。
「お前いつまで仮装してる気だ。初対面でこんなこと言うのもなんだが、入学式という静粛な場ですることじゃないだろ」
「は?」
(入学して初めて話しかけられたのがこれかよ!なんか厳格そうなやつだけど、こいつは俺が仮装してると思ってるのか?透明人間の仮装なんて見たことないぞ。てかしてても見えないけどさー。)
「最初は先輩たちのレクリエーションの類とも考えたが、教室まで入ってきて資料に目を通しているところを見ると君も僕と同じ新入生なんだろ?インパクトはあるけどやることにも限度ってもんがあるだろ」
(好きでやってんじゃねえよ。辞められたらどんなにいいことか。なんだインパクトって。俺の中での1番のインパクトはお前だぞ。なんで入学早々同じクラスになったやつに怒られなきゃいけねーんだよ。)
周りの生徒たちもこちらに注目するようになった。母さんごめん、早速目立ちまくりだよ。
「おい、そのくらいにしとけよ。周りの人も見てる」
どうやら怒ってきたやつの友達のようだ。とりあえずは収まりそうだな。
「そうは言ってられないだろ。こんなことしていいわけがない。」
「そうやって昔からキムは変な事に首突っ込みすぎ。変なやつにわざわざ関わりに行く必要ないだろ?」
キムと言われた彼は渋々俺の席から離れていった。周りにいた人たちも俺から視線を外して自分のことをし始めた。
(なんか丸く収まったぽくなってるけど、すげー誤解されてないか?第一印象は大事だと思って自己紹介も考えてきたのに。最初から俺は入学式に透明人間の仮装をする非常識な奴というレッテルを貼られた。そんなやつ俺だって会いたくないよ)
とか思ってるとこのクラスの担任らしき人が入ってきた。30代半ばってところか?
「みんな、おはよう。とりあえず席に着こうか。これからホームルームを始めて行くわけだけど、まず自己紹介からしようか。俺の名前は谷内和也(やうち かずや)だ。担当科目は英語で、授業でも顔を合わせる事になると思う。1年間よろしくな。」
(フツーの先生だな。ひねりがないというか何というか。まぁ変な先生じゃなくてよかった)
俺がちょっと失礼なことを考えていると、五十音順に自己紹介が始まった。みんな自分の名前と中学の時にやってた部活のことを言っている。そして俺の番になった。
「あひょ、俺の名前は蔭野 衛って言います。中学の時には部活には入ってませんでした。よろしくお願いします。」
出だしから噛んだし、簡素だけどなかなか良くできたのでは?と俺が思っていると後ろの方からボソッと「仮装野郎なのに自己紹介は普通じゃん」という声が聞こえた。
(やっぱりそう思うよなー。だから第一印象大事にしたかったのに。)
先生からこれからの学校生活の過ごし方とかの話があり、ホームルームも終わりに差し掛かったその時、
「あのこれで説明は大体終わりなんだけどさ、蔭野ちょっと来てくれ」
と先生に呼ばれ、教室の外に連れ出された。
「あの先生、何ですか?」
「何だと思う?」
(フツーそうなのにめんどくさいこと言うなー。あーたぶんこの人おいくつですかって聞かれたらいくつに見えるって聞き返しちゃうタイプの人だ。)
「分かりません。」
「そうか。それなら俺から言わせてもらうけど、もうクラスのみんなには蔭野のこと話した方がいいんじゃないかと思ってるんだよ。透明なことをさ」
・・・
え?マジすか
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