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フェロモンのせいで

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「……っ、ミリー……」
 きゅ、と緩い力で田加井はミリーの背中を抱きしめて、お互いにハグし合う体勢になった。
 さっきよりも密着すると、ミリーにも田加井の鼓動の高鳴りや、反応してしまっている下半身にも気がついてしまうものだった。
「た、たかいさん」
「すまん、これは……後で、自分でどうにかするから」
「でも……」
「君にいきなり無理はさせないから……大丈夫だから」
 沸き起こる感情をやり過ごすために抱きしめたはずなのに、ちっともどうにもできやしない。むらむらと腹の底からこみ上げてくるものを、田加井は必死に無視をした。

 ミリーはどうしよう、と頭がぐるぐるした。
 そんな覚悟なんてできていない。けれど、こんなに身体が反応してしまっているのに、必死で我慢して自分を怖がらせまいとしている姿に、どうしようもなくきゅんきゅんとときめいてしまう。

 ミリーは脳みそが熱暴走してしまったみたいだった。
 熱いのは苦手で、怖くて、恥ずかしいのに。目の前の男が欲しくて、喉がかわいて仕方がない。

「たかい、さん。きす、してください……」
「……っ、いいのか」
 ミリーがそう言うと、田加井は律儀に確認してきた。そういうところがたまらないと、ミリーは思った。
「いいから、して……ッ、ん、む」
 昨日したのよりも、強く吸いつかれるキス。お互いに、昨日初めてしたキスよりもずっと興奮している。
 ぬる、とミリーの唇を割って田加井の熱い舌が入ってくる。ミリーのそれと絡み合って、口の中までもが同じ温度になっていくようで、ミリーは身震いした。
 こんなキスは、これまで経験がない。人間とこんなキスができるなんて、夢にも思っていなかった。ここまで深く絡み合ってしまえば、体温なんて既にどちらのものなのかもわからなくなってきた。

 あつい。あつくて、あつくて、くらくらする。それでも、触れたい。
 ミリーはそんな欲求が止められなくて、キスをしながら田加井の衣服の盛り上がった部分を指先ですりすりと撫でた。
「……っ、ミリー、それは」
 そこはミリーには信じられないほどに熱くて、指がぴりぴりとした。熱くなったそこにひやりとした手で触られた田加井も、少し大げさにびくりと反応してしまい赤面した。

「……おっきい」
「そこは、さわれるのか」
「……わかんないです。でも、なんだか……」
 この気持ちをどう言葉にしたらいいのか、ミリーはわからない。ぞくぞくとした寒気が身体に走り、それがとても怖いはずなのに。

 でもどうしようもなく、この衣服の下に隠されているものに興味がある。なんだかとんでもないごちそうがそこにあるような気がして、お腹のあたりがもぞもぞとするのだ。

 言い淀む間にも爪の先でかりかりと軽くひっかかれるようにして触られて、田加井は色々と限界だった。
 さっきまで初心な態度でハグだけで緊張していたくせに、そんなミリーがもうそれのことしか考えられないという風に自分の下半身に夢中になっている。

 そんなのはちょっといくらなんでも、エロすぎる。
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