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ここは、食堂。目の前に広がる王道ストーリー。


朱音は、素晴らしい王道ちゃんだった。


アンチ部分もあったが、結構いい印象を生徒会に与えられたと思う。


だが、王道じゃないとこがあった。


会長が、朱音にチューをしなかったことだ。


あと、司が朱音よりも俺にひっつき虫になってるところだ。


なぜだ……?


「ねぇ。朱音はどうして、りくかいが見分けられたの?」


そう爽やかくんが言う。


「だって、2人とも似てるけどよく見れば違うぞ!」


当たり前だと言わんばかりに言う朱音。


庶務の双子は、その言葉が嬉しい半分恥ずかしいも半分ってとこだろう。


耳が真っ赤になってる双子は見てて可愛い。


「あかねちゃーん♡ほんっとにかーいいね♡俺とデートしなーい?」


言い方がとても軽いチャラ男。


腰パンが似合うチャラ男は会計。俺は苦手なヤツである。


「そんな、事やって傷つくのは、お前だぞ。」


口を膨らませながら、でも何処か悲しげに朱音は言う。


これを、アンチと言うものもいるけど。朱音は、本心で言ってるのだ。


朱音は、優しさが空回りする。そういう主人公だ。


「おい。お前、なんでそんなに司に懐かれてんだ?」


会長が、俺にそう問う。


ちなみに、司は俺をあすなろ抱きの形でそばにいる。


司は、あすなろ抱きが大好きらしい。


「俺……。幸哉……。しんゆ……。となり……いたい。」


なんで、親友にこだわるのだろうか?


「司…?俺はどこにも行かない。だから、そんな悲しそうな顔をしないでくれ。」


だって、司は、笑顔が1番似合ういい男なんだからさ。


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