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3宮園 風輝
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3宮園 風輝
宮園風輝(ミヤゾノ・フウキ)札幌市で宮大工として働いていた。
風輝の憧れはイエス・キリスト。 職業も当然大工という単純な発想であった。
桜が満開に咲く5月初めフウキは大工仲間から誘われ桜の名所、札幌円山公園の花見に出かけた。
ジンギスカンを囲みながら缶ビールを数本飲んですっかり出来上がり、フウキは夜桜を楽しんでいた。
棟梁の池田が「おい、フウキ酒飲んでるか? いっぱしの大工になるには酒も大いに飲んで
遊びも大いにやれよ・・・」
フウキの尊敬する大好きな棟梁の池田だった。池田もフウキの事を息子の様に可愛がり、
叱咤激励しながら
いつも面倒をよくみてくれていた。
その日、フウキは花見でひとしきり酒を飲んで家路についた。
風呂に入って間もなく携帯が鳴った。納谷先輩からだった。
「風輝、棟梁のこと聞いたか?」
「・・・何ですか?」
「池田棟梁が車にはねられて死んだ・・・
あの帰り道で、棟梁の前を子供が車道に飛び出したらしい…
急に路地から車が出て来て子供を引きそうになったらしい。
咄嗟に棟梁がその子供を抱え、自分が盾になって車に激突して頭を強打。
意識不明のまま死んだらしい・・・即死みたいだ」
受話器の向こうで納谷のすすり泣く声がしていた。
葬儀は社葬となり、公私にわたる関係者が大勢列席し棟梁の人柄を偲んだ。
通夜の席で背後から「フウキ・フウキ」という声を聞いた。
それは聞き慣れた棟梁の声。が、耳でなく違うところで感じていた。辺りを見回すも誰もいない。
「あれ??確かに棟梁の声だったけど・・・??」
「フウキ、フウキ、俺だ。池田だ」また声がした。
今度はハッキリと解った。
フウキも「池田棟梁ですか?」と心で話した。
「そうだ。俺、車にはねられて死んでしまったみてえだ。
でも全然、痛くねえ・・・って言うか、ふわふわと良い感じだ」
「棟梁、僕、聞こえます。棟梁の思ってる事が伝わりますよ・・・」
「そっか!俺、死んで解ったんだけど、お前はこの世でとんでもねえ役目があるようだ。
フウキが目覚める切っ掛けを与えるのが俺の天命だったって訳さ。
これからフウキは覚醒に向け勉強しないとならない事があるんだ頑張れよ。
そんな訳で俺のこの世での役目は終わった。
この事は誰にも云うな・・・他言無用。女房子供にも云わなくていいからな。
あいつらも生まれる前からこの事は了承済みんだ。
そう云うことで頑張って下さい・・・スサ$&#%さま」
以降フウキには二度と棟梁の声は聞こえなかった。
葬儀も終わり心身ともに疲れ果てたフウキは、自宅のソファーに横になり棟梁との
会話を一語一句噛みしめていた。
そのうち寝に入った。
突然、身体を揺さぶられる感覚で目が醒めた。
あっ!ついそのまま寝てしまった。今日は風呂に入って寝ようと思った瞬間。
何かがおかしいぞ?? あれっ??
身体が浮いている? それにソファーに横になって寝ている僕がいる・・・?
「フウキ!」
「???」
「フウキ、黙って聞いて下さい。私はフレイと申します。あなたの魂の知り合い・・・
私の声が聞こえる様になるまでこの日を待っていました。
池田棟梁のおかげでこうして話が出来るようになりました。 この地球の為に早い覚醒を・・・」
フウキは我に返った。
なにこれ・・・? 夢にしてはリアル過ぎ・・・
それを期にフレイからフウキへの教育が始まった。
「今日はパラレルワールドを経験させよう。 パラレルワールドとは平行宇宙の事。
この地球が同時に幾つも存在し自分も複数存在する。
但し、各々が独立した世界で社会を形成してるから、全く同じ世界や自分は存在しない。
夢を思い浮かべて欲しい。夢の世界では自分が経験している。 でも夢を見ている自分とは
違うことが解る。実際にパラレルワールドを視て解って欲しい」
そう言い終わると二人は違う世界を上空から眺めていた。
「これもひとつの世界。同じ札幌でもどこかが違う。よく見て下さい」
「あっ!札幌駅が無い?大通りも公園じゃなくただの林になってる」
「パラレルワールドとは似て異なるもの。ここの住人はこちらの世界が本物で、フウキさんの世界が
写し世と思ってる。 次にこの世界のフウキさんを視てみましょう」
次の瞬間、もう一人のフウキの上空にいた。
この世界のフウキはイラストレーターの仕事をしていた。
フウキが言った「僕もイラストが好きなんですよ・・・」
「好きと云うことは持って生まれた才能もあるし、このように別パラレルの君がやっている事もある。
では、別の世界を視に行きましょう」
今度垣間見る世界は現実の世界と大きく違うものだった。
「ここもパラレルワールドのひとつで、アセンションしたもう一人の君の世界」
フウキは目を凝らした。
「この世界はもう天国の様な世界ですね。建物も緑も空気も全てが違う。
透き通っている・・・いや、ピュアーって云った方が方が表現しやすいかな?」
「ここの住人は半霊半物質。フウキさんの住んでる世界と霊界と呼ばれる世界の間に位置します。
細胞的には振動数が早いので粗雑なフウキさんの世界から視ると半分透けて視えるんです。
向こうの住人もフウキさんを確認出来ますよ。 もう一人のフウキさんを視に行きましょう」
次の瞬間、二人は大きな建物の中にいた。
「あそこで瞑想しているのがフウキさんです」
瞑想しているフウキは二人に気が付いた。
「やあ!もう一人の僕が来るとは初めての経験だ。ようこそ」
「こんにちは」自分に自分が挨拶している事にフウキは妙な感じがした。
「君の世界では邪神エレボスが好き放題やってると聞いてます。僕に応援出来る事があったら
何なりと申しつけ下さい。 役に立てると思います。遠慮無くどうぞ・・・僕はあなたなんですから」
「ありがとうございます」
この世界は思いが伝わって来るので、その気持ちの純粋さにフウキは心が高揚した。
「なるほど、多元宇宙はこうなってるのか」
翌日の夜、フウキは誰に教わるでもなく自然と瞑想に入っていた。
フレイもそこにいた。
「今日は自然と動物の世界の波動の確認をしてみましょう」
二人は十勝と日高の上空を散策した。
「フウキさん山の呼吸、大地の呼吸を感じ取って下さい」
「山々と大地の沸上がるエナジーを感じます」
「それから?」
「生命力と優しさを感じます」
「はい、ではあの滝を感じて下さい」
「はい、凛とした空気と独特なエネルギーを感じます」
「その独特とは?」
「息吹?・・・龍?」
「はい!次はあの動物(鹿)と波長を合わせて下さい」
「はい、これから母親になろうとしていて気が少し立っています」
「では、あのフキの葉の下に集中して下さい」
「はい!小人さんが見えます。人間のような感情が感じられますが、意識は自然を意識しています・・・妖精?」
「あの方達はコロポックルといい、昔から北海道で動物と共存して暮しています。
人間と比べると多少神経質ですが平和主義です」
「北海道の土産物屋さんにある彫刻とよく似てます。人間でも視える人がいるんですね」
「そう、昔はアイヌと共存してましたからね。 では位置をもっと上に移動しましょう」
眼下には北海道があった。
次の瞬間、意識は宇宙に漂っていた。
「今度はこの位置から地球を視てみましょう」
「フレイさん、この地球なんですけど薄暗く落ち着かないのですが・・・」
「よく視ておいて下さい。 これがアストラル体の地球。人間世界のアストラルと共鳴して
黒ずんでいるでしょ。 これだから自然災害が頻発するんです」
フレイの説明にフウキは心が痛くなってきた。
「今日は疲れたでしょう・・・次で最後にします」
意識が下に引き込まれたと思った瞬間母親の子宮の中にいた。
・・・ああ心地良い。ずっとこのままでいたい・・・
そして意識は再び宇宙に漂っていた。
同じだ・・・母親の子宮内と宇宙の波長は同じだ・・・
フウキは瞑想を解いた。
今日は沢山の事を学んだから少し疲れた。そう思いながら眠りに入った。
その後、フレイの指導がひと月ほど続いたある日。
フウキは北海道神宮の社殿の修繕工事を会社から言い渡された。
いつものように熨斗紙を口に加えて作業をしていると、意識が半分だけ身体から離れ神社のご
神体の前にあった。
もう一人の自分は無心に作業をしていた。
同時に意識が2つある体験は初めて。
ご神体の前のフウキの意識は電流が走ったように痺れていた。
その後、何事も無かった様に作業を終わらせその日は終わった。
今日のあの体験は何だったんだろう?霊的体験はもう馴れていたが、1度に二つの意識は初めての
経験だった。
風呂から出て居間で何気なく天井を見た瞬間それは起こった。
自分がこの世に生れてきてから、今までのことが瞬間的に脳裏を走馬燈のように駆けめぐった。
そして、すべてが一瞬にして解ってしまったのだった。
宮園風輝の覚醒の瞬間。
フウキはとにかく泣いた。止めどもなく涙が溢れてくる。
自分が総てとひとつ・・・いや、この宇宙とひとつだった。
それ以下でもそれ以上でも無い。
フウキの意識はサンガにあった。
そのサンガで10人の神官を前に改めて人間界での決意を
表明した。10人の神官全員がフウキを讃えた。
そして最後にアメン神官から「よくやった。だがこれからが正念場。各宮からも君の援護をする魂を
既に地上に送り込んである。
その数6名。各々天賦の才能があり、君の手助けをする為に下界した魂。
フウキ君を含め7名の波動を日本中に広め、そして世界へと広げていただきたい。同じ動きは世界で起きる。
もう一度言います。
邪神エレボスを撃退するのではなく、民衆を目覚めさせて欲しい。
それが神のやり方です。決してエレボスに危害を加えてはなりません。
我々も力を惜しまない。思う存分やって下さい」
衝撃的な一日を終え、数日間寝ないで覚醒を味わった。以前のフウキと覚醒後のフウキとは
猿と人間ほどの違いがあった。
フウキは瞑想中「まず六人の同士を探そう・・・」どのような現れ方をするのか、どんなタイプなのか
妙にワクワクしていた。
宮園風輝(ミヤゾノ・フウキ)札幌市で宮大工として働いていた。
風輝の憧れはイエス・キリスト。 職業も当然大工という単純な発想であった。
桜が満開に咲く5月初めフウキは大工仲間から誘われ桜の名所、札幌円山公園の花見に出かけた。
ジンギスカンを囲みながら缶ビールを数本飲んですっかり出来上がり、フウキは夜桜を楽しんでいた。
棟梁の池田が「おい、フウキ酒飲んでるか? いっぱしの大工になるには酒も大いに飲んで
遊びも大いにやれよ・・・」
フウキの尊敬する大好きな棟梁の池田だった。池田もフウキの事を息子の様に可愛がり、
叱咤激励しながら
いつも面倒をよくみてくれていた。
その日、フウキは花見でひとしきり酒を飲んで家路についた。
風呂に入って間もなく携帯が鳴った。納谷先輩からだった。
「風輝、棟梁のこと聞いたか?」
「・・・何ですか?」
「池田棟梁が車にはねられて死んだ・・・
あの帰り道で、棟梁の前を子供が車道に飛び出したらしい…
急に路地から車が出て来て子供を引きそうになったらしい。
咄嗟に棟梁がその子供を抱え、自分が盾になって車に激突して頭を強打。
意識不明のまま死んだらしい・・・即死みたいだ」
受話器の向こうで納谷のすすり泣く声がしていた。
葬儀は社葬となり、公私にわたる関係者が大勢列席し棟梁の人柄を偲んだ。
通夜の席で背後から「フウキ・フウキ」という声を聞いた。
それは聞き慣れた棟梁の声。が、耳でなく違うところで感じていた。辺りを見回すも誰もいない。
「あれ??確かに棟梁の声だったけど・・・??」
「フウキ、フウキ、俺だ。池田だ」また声がした。
今度はハッキリと解った。
フウキも「池田棟梁ですか?」と心で話した。
「そうだ。俺、車にはねられて死んでしまったみてえだ。
でも全然、痛くねえ・・・って言うか、ふわふわと良い感じだ」
「棟梁、僕、聞こえます。棟梁の思ってる事が伝わりますよ・・・」
「そっか!俺、死んで解ったんだけど、お前はこの世でとんでもねえ役目があるようだ。
フウキが目覚める切っ掛けを与えるのが俺の天命だったって訳さ。
これからフウキは覚醒に向け勉強しないとならない事があるんだ頑張れよ。
そんな訳で俺のこの世での役目は終わった。
この事は誰にも云うな・・・他言無用。女房子供にも云わなくていいからな。
あいつらも生まれる前からこの事は了承済みんだ。
そう云うことで頑張って下さい・・・スサ$&#%さま」
以降フウキには二度と棟梁の声は聞こえなかった。
葬儀も終わり心身ともに疲れ果てたフウキは、自宅のソファーに横になり棟梁との
会話を一語一句噛みしめていた。
そのうち寝に入った。
突然、身体を揺さぶられる感覚で目が醒めた。
あっ!ついそのまま寝てしまった。今日は風呂に入って寝ようと思った瞬間。
何かがおかしいぞ?? あれっ??
身体が浮いている? それにソファーに横になって寝ている僕がいる・・・?
「フウキ!」
「???」
「フウキ、黙って聞いて下さい。私はフレイと申します。あなたの魂の知り合い・・・
私の声が聞こえる様になるまでこの日を待っていました。
池田棟梁のおかげでこうして話が出来るようになりました。 この地球の為に早い覚醒を・・・」
フウキは我に返った。
なにこれ・・・? 夢にしてはリアル過ぎ・・・
それを期にフレイからフウキへの教育が始まった。
「今日はパラレルワールドを経験させよう。 パラレルワールドとは平行宇宙の事。
この地球が同時に幾つも存在し自分も複数存在する。
但し、各々が独立した世界で社会を形成してるから、全く同じ世界や自分は存在しない。
夢を思い浮かべて欲しい。夢の世界では自分が経験している。 でも夢を見ている自分とは
違うことが解る。実際にパラレルワールドを視て解って欲しい」
そう言い終わると二人は違う世界を上空から眺めていた。
「これもひとつの世界。同じ札幌でもどこかが違う。よく見て下さい」
「あっ!札幌駅が無い?大通りも公園じゃなくただの林になってる」
「パラレルワールドとは似て異なるもの。ここの住人はこちらの世界が本物で、フウキさんの世界が
写し世と思ってる。 次にこの世界のフウキさんを視てみましょう」
次の瞬間、もう一人のフウキの上空にいた。
この世界のフウキはイラストレーターの仕事をしていた。
フウキが言った「僕もイラストが好きなんですよ・・・」
「好きと云うことは持って生まれた才能もあるし、このように別パラレルの君がやっている事もある。
では、別の世界を視に行きましょう」
今度垣間見る世界は現実の世界と大きく違うものだった。
「ここもパラレルワールドのひとつで、アセンションしたもう一人の君の世界」
フウキは目を凝らした。
「この世界はもう天国の様な世界ですね。建物も緑も空気も全てが違う。
透き通っている・・・いや、ピュアーって云った方が方が表現しやすいかな?」
「ここの住人は半霊半物質。フウキさんの住んでる世界と霊界と呼ばれる世界の間に位置します。
細胞的には振動数が早いので粗雑なフウキさんの世界から視ると半分透けて視えるんです。
向こうの住人もフウキさんを確認出来ますよ。 もう一人のフウキさんを視に行きましょう」
次の瞬間、二人は大きな建物の中にいた。
「あそこで瞑想しているのがフウキさんです」
瞑想しているフウキは二人に気が付いた。
「やあ!もう一人の僕が来るとは初めての経験だ。ようこそ」
「こんにちは」自分に自分が挨拶している事にフウキは妙な感じがした。
「君の世界では邪神エレボスが好き放題やってると聞いてます。僕に応援出来る事があったら
何なりと申しつけ下さい。 役に立てると思います。遠慮無くどうぞ・・・僕はあなたなんですから」
「ありがとうございます」
この世界は思いが伝わって来るので、その気持ちの純粋さにフウキは心が高揚した。
「なるほど、多元宇宙はこうなってるのか」
翌日の夜、フウキは誰に教わるでもなく自然と瞑想に入っていた。
フレイもそこにいた。
「今日は自然と動物の世界の波動の確認をしてみましょう」
二人は十勝と日高の上空を散策した。
「フウキさん山の呼吸、大地の呼吸を感じ取って下さい」
「山々と大地の沸上がるエナジーを感じます」
「それから?」
「生命力と優しさを感じます」
「はい、ではあの滝を感じて下さい」
「はい、凛とした空気と独特なエネルギーを感じます」
「その独特とは?」
「息吹?・・・龍?」
「はい!次はあの動物(鹿)と波長を合わせて下さい」
「はい、これから母親になろうとしていて気が少し立っています」
「では、あのフキの葉の下に集中して下さい」
「はい!小人さんが見えます。人間のような感情が感じられますが、意識は自然を意識しています・・・妖精?」
「あの方達はコロポックルといい、昔から北海道で動物と共存して暮しています。
人間と比べると多少神経質ですが平和主義です」
「北海道の土産物屋さんにある彫刻とよく似てます。人間でも視える人がいるんですね」
「そう、昔はアイヌと共存してましたからね。 では位置をもっと上に移動しましょう」
眼下には北海道があった。
次の瞬間、意識は宇宙に漂っていた。
「今度はこの位置から地球を視てみましょう」
「フレイさん、この地球なんですけど薄暗く落ち着かないのですが・・・」
「よく視ておいて下さい。 これがアストラル体の地球。人間世界のアストラルと共鳴して
黒ずんでいるでしょ。 これだから自然災害が頻発するんです」
フレイの説明にフウキは心が痛くなってきた。
「今日は疲れたでしょう・・・次で最後にします」
意識が下に引き込まれたと思った瞬間母親の子宮の中にいた。
・・・ああ心地良い。ずっとこのままでいたい・・・
そして意識は再び宇宙に漂っていた。
同じだ・・・母親の子宮内と宇宙の波長は同じだ・・・
フウキは瞑想を解いた。
今日は沢山の事を学んだから少し疲れた。そう思いながら眠りに入った。
その後、フレイの指導がひと月ほど続いたある日。
フウキは北海道神宮の社殿の修繕工事を会社から言い渡された。
いつものように熨斗紙を口に加えて作業をしていると、意識が半分だけ身体から離れ神社のご
神体の前にあった。
もう一人の自分は無心に作業をしていた。
同時に意識が2つある体験は初めて。
ご神体の前のフウキの意識は電流が走ったように痺れていた。
その後、何事も無かった様に作業を終わらせその日は終わった。
今日のあの体験は何だったんだろう?霊的体験はもう馴れていたが、1度に二つの意識は初めての
経験だった。
風呂から出て居間で何気なく天井を見た瞬間それは起こった。
自分がこの世に生れてきてから、今までのことが瞬間的に脳裏を走馬燈のように駆けめぐった。
そして、すべてが一瞬にして解ってしまったのだった。
宮園風輝の覚醒の瞬間。
フウキはとにかく泣いた。止めどもなく涙が溢れてくる。
自分が総てとひとつ・・・いや、この宇宙とひとつだった。
それ以下でもそれ以上でも無い。
フウキの意識はサンガにあった。
そのサンガで10人の神官を前に改めて人間界での決意を
表明した。10人の神官全員がフウキを讃えた。
そして最後にアメン神官から「よくやった。だがこれからが正念場。各宮からも君の援護をする魂を
既に地上に送り込んである。
その数6名。各々天賦の才能があり、君の手助けをする為に下界した魂。
フウキ君を含め7名の波動を日本中に広め、そして世界へと広げていただきたい。同じ動きは世界で起きる。
もう一度言います。
邪神エレボスを撃退するのではなく、民衆を目覚めさせて欲しい。
それが神のやり方です。決してエレボスに危害を加えてはなりません。
我々も力を惜しまない。思う存分やって下さい」
衝撃的な一日を終え、数日間寝ないで覚醒を味わった。以前のフウキと覚醒後のフウキとは
猿と人間ほどの違いがあった。
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