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4七人の使者-Ⅰ
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4七人の使者-Ⅰ
雨上がりの大通り公園。アカシアの花の香りがとても心地よかった。
自分の意識の違いで当たり前の風景が、こんなにも違って視えるんだ。そう想いながらで
ベンチに座っていると遠くから女性の歌声が微かに聞こえてきた。
声の波長からその人の意識が解るようになっていたフウキは耳を傾けた。
声の主は20代前半と思われる髪の長い飾り気のない女の子。
フウキは女性の近くに移動し目を瞑り歌に集中した。
彼女の歌声から意識の広がりを感じていた。透き通った歌声・・・
例えるなら台風の後のような澄んだ青空。
次の瞬間アトランティスの都、ウルの神殿で歌っている光景が視えた。何曲か黙って聞き、
歌い終えるのを待って話しかけた。
「君の歌って透き通っていて、とっても良いね・・・もうすぐテレビやラジオから流れるようになるよ。
もっと曲を沢山作ってね・・・」
「はい、ありがとうございます。私もあなたのその眩しいオーラに吸い込まれそうになりました。
何している人ですか?・・・」
「僕は大工見習いだよ・・・」
「解った!宮大工さんでしょ?」
「何で?」
「私、神様に携わってる人はなんとなく解るの」
「じゃあ、何故僕が君とこうして話してるか解るかい?」
彼女は軽く目を瞑った「・・・・人集め???」
「ハハッやっぱりか、僕は宮園風輝っていいます宜しく」
「私は花梨(カリ)です。何かを表現したくて大通りや狸小路で
こうしてギターを抱え歌ってるの。その何かはまだ解らないけど・・・」
「ずばり聞くね。花梨さんは僕のこと・・・」
フウキが言い終わらないうちに「知ってるかって聞くつもりでしょ?ハイ知ってます。
だから私こうして路上で歌っていたんだわ・・・縁ある人と出会うために。
今、あなたを観て理解できました・・・」
フウキはことの経緯を話した。
花梨は「解りました。これで私の天命が少し理解できました。
私でよければお手伝いさせて下さい。とりあえず何をすればいいの?」
「歌を作って下さい。歌を作ろうとするのではなくエナジーを感じと良いかもね、曲が降りてくるのを・・・
降りて来たら譜面に起こすかメモって下さい。花梨さんなら出来ます。と言うより、もうやってますよね?」
「解りました。それでフウキさんは残り五人をどうやって探すんですか?」
天を指さし黙って微笑んだ。
二人はアドレス交換し、大通りをあとにした。
フウキは自宅で瞑想を始めた。次に出て来たのが「沖縄」というふた文字。
翌朝チケットを買い那覇に飛んだ。
国際通りにホテルを予約し平和通り商店街をぶらついた。
ここはかつて文明が栄えていた所か、なるほど・・・懐かしい・・・
呟きながら歩いていたら、1時間前に飛行場で食事をしたはずなのに急に空腹感をおぼえた。
足を止め見上げた店が「ソーキそば」と看板にあった。
暖簾をくぐり席に着いた。
「メンソーレー、いらっしゃいませ」 出て来たのは50歳前後の男性。
「いらっしゃいませ、何に致しましょうか?」
「ソーキそばお願いします」
「はい、かしこまりました」
そばを食べながら「違う・・・この人ではない・・・そんなに早く見つかるわけないか・・・」
会計を済ませもう一度店内を見渡した。
そこに一枚の絵が目に入った・・・なにか気になる・・・
「すみません、この絵を描いた方はどなたですか?」
「ああ手前どもの息子ですが・・・何か?」
「今こちらにご在宅ですか?」
「ええ、居りますが・・・あなたは?」
「突然ですみません。私は今日札幌から来ました宮園と申します。
こういう絵を探していたんです。是非、息子さんにお会いしてお話し聞きたいのですが・・・
宜しい出でしょうか?」
「構わないサー、チョッチ待って下さいネ」店主は二階に
目を向け叫んだ。
「おーい、アグニ~~!・・・」
「なに・・・父さん」上から返事が返ってきた。
「お客様がお前と話をしたいとさ」
「・・・?うん、今降りるさ・・・」
階段から降りてきたのは柿の種のような目が印象的な、
二十歳位の青年だった。
「はい、何か用ですか?」
「初めまして。突然ですみません。僕は宮園フウキと申します。 今日、札幌から来ました。
ソバを食べていたらこの絵に興味があり、お父さんに頼んで君をよんでもらいました」
「・・・はあ??・・・」
「もし差し支えなければどこかでコーヒー飲んで
お話ししませんか?」
なに?この人???「・・・良いですけど・・」
「お父さん、チョット息子さんとコーヒー飲ん来ても
いいですか?」
父親が「??はい、どうぞどうぞ・・宜しくねぇ~」
二人は近くのミルキーコーヒーに入った。
「急に呼び立ててごめんね。改めて、僕は札幌から来た
宮園フウキといいます。大工をやってます」
「はあ・・・僕は具志アグニといいます。・・・で僕に何か?」
フウキは目を瞑りアグニを透視した。
「君は今、上京したいと考えてます。そして本格的に絵を勉強したい。と考えているが父親一人を
沖縄に残しておくのも心配だし、自分が我慢するしかないと思ってます・・・」
フウキの突然の言葉に目を丸くし「えっ?あなたはユタ(沖縄の霊能者)ね?」
「唐突でごめん。でも、黙って聞いてくれるかい?・・・そして君は小さい頃に離別した母親が
東京にいるのを知っていて是非会いたい。でもお父さんの手前少し躊躇している。その葛藤で悩んでいる。
友達に相談しても意見は二つに分かれるし、自暴自棄になっている・・・」
「やっぱりあなたはユタさぁ!・・・言いたい事があったらハッキリ言ったらどうね?」
「僕はユタでも何でもない。ただ、アグニ君の絵が世界を変える一役になると視ているんです。
今言った一連の事はアグニ君のガイドが教えてくれたのをそのまま言葉にしただけだよ・・・」
「ガイド・・・?」
「そう、ガイドだよ。俗に守護霊と言うけど、僕は宗教が嫌いだからガイドと表現します」
「なんか解らないさぁ、僕は絵しか描けないし急に世界がどうとか云われてもなんのことか解らないさぁ、
それにお金もないさぁ」
「今に解るよ。今日は国際通りのホテルに泊まるから、夜、気が向いたら酒でも飲もうか・・・
気が向いたらでいいからね。 携帯に電話ちょうだい。じゃあ・・・」
メモに電話番号を書いてアグニに手渡し二人は別れた。
夜になりフウキの携帯が鳴った。
そのまま二人は会話の出来る地元の人しか行かない酒屋に入った。
「乾杯!」
アグニが「今日はつんけんした態度でごめんなさい。唐突だったからびっくりしたさ~~」
「いや、こちらこそごめんね。普段は大工していて話し方知らないから、思ったまま話しちゃった。
反省してる・・・」
それから二人は軽く世間話をして本題に入った。
話し始めたのはアグニからだった。
「今日の話の中で解らない事があるんだけどさぁ、絵が世界を変える手助けになるって・・・どういう事ね?」
「絵や音楽って云うのはひとつのエネルギーなんだ。優しさであったり恐怖や癒し、
それぞれにパワーがあるんだ。だから人はその時の心境にあった音楽や絵画などを好むんだ。
その手助けをするのがアーティストの仕事なんだ」
「僕の絵が?」
「そう、アグニ君の絵が」
「もうひとつ聞くけど、札幌からなんでわざわざ沖縄まで?」
「うん、君に会いに来たんだ」
会話していくうちに段々とアグニの心が目覚め開いて来たのを
フウキは感じた。
「アグニ君、ちょっと目を閉じて眉間に意識を集中してみて」
アグニは指示に従った。
「フウキさん、何だか光がゆらゆらと視えるさぁ」
アグニはビールジョッキを持ったまま意識が飛とんでいた。
5分程してアグニは意識を戻した。側ではフウキが笑みを浮かべていた。
「不思議さぁ。色んな景色が視えたし動物もいたさぁ。
僕に何かしたわけ?」
愛情を込めて言った「それもひとつの世界。こちらがイリュージョン。つまりこの世は幻影なんだ。
僕は目覚めたけど大半の人間はその幻影の中で生きている。
そこで君の描く絵や、これから紹介する札幌の花梨という女の子の音楽が必ずキーポイントになってくる。
目覚める人を手助けする働きがあるんだ。君の描く絵のエネルギーが人を変える役に立つ、と言うよりも
切っ掛けになる・・・」
二人は翌日もミルキーコーヒーで会う約束をして別れた。
「じゃあまた明日」
アグニは首を傾げながら手を振って別れた。帰路の途中何度も自問自答した。
アグニはそのまま風呂に入りベットに入った。
翌朝、早く目が覚めたアグニは目を疑った。
家の中が少し光って見える・・・こんな朝は初めてだった。
昨日までと違う・・・何か上手く言い表せないけど・・・
光ってて新鮮。ワクワクする・・・昨日の事が頭の中を過ぎった。
その状態のままアグニはミルキーコーヒーに入った。
店の向こう側でアグニに手を振っているフウキの姿があった。
「やあ、おはよう。よく眠れたかい?」アグニは朝の事を克明に話し聞かせた。
「良かったね。いい朝を迎える事が出来たね」
「フウキさん、こうなる事知ってたの?」
「知らないよ。予測は出来たけど・・・好い経験したじゃない。
ところで僕は1時45分のフライトで帰る。
絵を書きためておいて。頭で描くんでなく感性で描いてね・・・
7人全員が揃う時は札幌か東京で再会しよう。しばしお別れ・・」
「フウキさん、僕、なんか・・・吹っ切れました。
ありがとうございます」
フウキは沖縄をあとにした。飛行機の中ではもう次の事を
頭に描いていた。
札幌に戻りさっそく花梨と落ち合い、沖縄土産を渡しアグニの
事を話した。
「フウキさんって凄いパワーですね!会って話してるだけでフウキさんのその独特なエネルギーが
伝わってきます」
「それは僕のせいだけじゃないんだよ。受け取る側の問題さ。
既に準備が出来てるから受け入れる情報量も多くなるんだよ。
僕は単なる切っ掛けに過ぎない・・・それだけ」
「で、フウキさんはこれからどちらに行くんですか?」
「まだ、指示が来ないからとりあえず職場に復帰しないとね」
「どこからの指示ですか・・・?」
フウキは天をさし人差し指を立てた。
雨上がりの大通り公園。アカシアの花の香りがとても心地よかった。
自分の意識の違いで当たり前の風景が、こんなにも違って視えるんだ。そう想いながらで
ベンチに座っていると遠くから女性の歌声が微かに聞こえてきた。
声の波長からその人の意識が解るようになっていたフウキは耳を傾けた。
声の主は20代前半と思われる髪の長い飾り気のない女の子。
フウキは女性の近くに移動し目を瞑り歌に集中した。
彼女の歌声から意識の広がりを感じていた。透き通った歌声・・・
例えるなら台風の後のような澄んだ青空。
次の瞬間アトランティスの都、ウルの神殿で歌っている光景が視えた。何曲か黙って聞き、
歌い終えるのを待って話しかけた。
「君の歌って透き通っていて、とっても良いね・・・もうすぐテレビやラジオから流れるようになるよ。
もっと曲を沢山作ってね・・・」
「はい、ありがとうございます。私もあなたのその眩しいオーラに吸い込まれそうになりました。
何している人ですか?・・・」
「僕は大工見習いだよ・・・」
「解った!宮大工さんでしょ?」
「何で?」
「私、神様に携わってる人はなんとなく解るの」
「じゃあ、何故僕が君とこうして話してるか解るかい?」
彼女は軽く目を瞑った「・・・・人集め???」
「ハハッやっぱりか、僕は宮園風輝っていいます宜しく」
「私は花梨(カリ)です。何かを表現したくて大通りや狸小路で
こうしてギターを抱え歌ってるの。その何かはまだ解らないけど・・・」
「ずばり聞くね。花梨さんは僕のこと・・・」
フウキが言い終わらないうちに「知ってるかって聞くつもりでしょ?ハイ知ってます。
だから私こうして路上で歌っていたんだわ・・・縁ある人と出会うために。
今、あなたを観て理解できました・・・」
フウキはことの経緯を話した。
花梨は「解りました。これで私の天命が少し理解できました。
私でよければお手伝いさせて下さい。とりあえず何をすればいいの?」
「歌を作って下さい。歌を作ろうとするのではなくエナジーを感じと良いかもね、曲が降りてくるのを・・・
降りて来たら譜面に起こすかメモって下さい。花梨さんなら出来ます。と言うより、もうやってますよね?」
「解りました。それでフウキさんは残り五人をどうやって探すんですか?」
天を指さし黙って微笑んだ。
二人はアドレス交換し、大通りをあとにした。
フウキは自宅で瞑想を始めた。次に出て来たのが「沖縄」というふた文字。
翌朝チケットを買い那覇に飛んだ。
国際通りにホテルを予約し平和通り商店街をぶらついた。
ここはかつて文明が栄えていた所か、なるほど・・・懐かしい・・・
呟きながら歩いていたら、1時間前に飛行場で食事をしたはずなのに急に空腹感をおぼえた。
足を止め見上げた店が「ソーキそば」と看板にあった。
暖簾をくぐり席に着いた。
「メンソーレー、いらっしゃいませ」 出て来たのは50歳前後の男性。
「いらっしゃいませ、何に致しましょうか?」
「ソーキそばお願いします」
「はい、かしこまりました」
そばを食べながら「違う・・・この人ではない・・・そんなに早く見つかるわけないか・・・」
会計を済ませもう一度店内を見渡した。
そこに一枚の絵が目に入った・・・なにか気になる・・・
「すみません、この絵を描いた方はどなたですか?」
「ああ手前どもの息子ですが・・・何か?」
「今こちらにご在宅ですか?」
「ええ、居りますが・・・あなたは?」
「突然ですみません。私は今日札幌から来ました宮園と申します。
こういう絵を探していたんです。是非、息子さんにお会いしてお話し聞きたいのですが・・・
宜しい出でしょうか?」
「構わないサー、チョッチ待って下さいネ」店主は二階に
目を向け叫んだ。
「おーい、アグニ~~!・・・」
「なに・・・父さん」上から返事が返ってきた。
「お客様がお前と話をしたいとさ」
「・・・?うん、今降りるさ・・・」
階段から降りてきたのは柿の種のような目が印象的な、
二十歳位の青年だった。
「はい、何か用ですか?」
「初めまして。突然ですみません。僕は宮園フウキと申します。 今日、札幌から来ました。
ソバを食べていたらこの絵に興味があり、お父さんに頼んで君をよんでもらいました」
「・・・はあ??・・・」
「もし差し支えなければどこかでコーヒー飲んで
お話ししませんか?」
なに?この人???「・・・良いですけど・・」
「お父さん、チョット息子さんとコーヒー飲ん来ても
いいですか?」
父親が「??はい、どうぞどうぞ・・宜しくねぇ~」
二人は近くのミルキーコーヒーに入った。
「急に呼び立ててごめんね。改めて、僕は札幌から来た
宮園フウキといいます。大工をやってます」
「はあ・・・僕は具志アグニといいます。・・・で僕に何か?」
フウキは目を瞑りアグニを透視した。
「君は今、上京したいと考えてます。そして本格的に絵を勉強したい。と考えているが父親一人を
沖縄に残しておくのも心配だし、自分が我慢するしかないと思ってます・・・」
フウキの突然の言葉に目を丸くし「えっ?あなたはユタ(沖縄の霊能者)ね?」
「唐突でごめん。でも、黙って聞いてくれるかい?・・・そして君は小さい頃に離別した母親が
東京にいるのを知っていて是非会いたい。でもお父さんの手前少し躊躇している。その葛藤で悩んでいる。
友達に相談しても意見は二つに分かれるし、自暴自棄になっている・・・」
「やっぱりあなたはユタさぁ!・・・言いたい事があったらハッキリ言ったらどうね?」
「僕はユタでも何でもない。ただ、アグニ君の絵が世界を変える一役になると視ているんです。
今言った一連の事はアグニ君のガイドが教えてくれたのをそのまま言葉にしただけだよ・・・」
「ガイド・・・?」
「そう、ガイドだよ。俗に守護霊と言うけど、僕は宗教が嫌いだからガイドと表現します」
「なんか解らないさぁ、僕は絵しか描けないし急に世界がどうとか云われてもなんのことか解らないさぁ、
それにお金もないさぁ」
「今に解るよ。今日は国際通りのホテルに泊まるから、夜、気が向いたら酒でも飲もうか・・・
気が向いたらでいいからね。 携帯に電話ちょうだい。じゃあ・・・」
メモに電話番号を書いてアグニに手渡し二人は別れた。
夜になりフウキの携帯が鳴った。
そのまま二人は会話の出来る地元の人しか行かない酒屋に入った。
「乾杯!」
アグニが「今日はつんけんした態度でごめんなさい。唐突だったからびっくりしたさ~~」
「いや、こちらこそごめんね。普段は大工していて話し方知らないから、思ったまま話しちゃった。
反省してる・・・」
それから二人は軽く世間話をして本題に入った。
話し始めたのはアグニからだった。
「今日の話の中で解らない事があるんだけどさぁ、絵が世界を変える手助けになるって・・・どういう事ね?」
「絵や音楽って云うのはひとつのエネルギーなんだ。優しさであったり恐怖や癒し、
それぞれにパワーがあるんだ。だから人はその時の心境にあった音楽や絵画などを好むんだ。
その手助けをするのがアーティストの仕事なんだ」
「僕の絵が?」
「そう、アグニ君の絵が」
「もうひとつ聞くけど、札幌からなんでわざわざ沖縄まで?」
「うん、君に会いに来たんだ」
会話していくうちに段々とアグニの心が目覚め開いて来たのを
フウキは感じた。
「アグニ君、ちょっと目を閉じて眉間に意識を集中してみて」
アグニは指示に従った。
「フウキさん、何だか光がゆらゆらと視えるさぁ」
アグニはビールジョッキを持ったまま意識が飛とんでいた。
5分程してアグニは意識を戻した。側ではフウキが笑みを浮かべていた。
「不思議さぁ。色んな景色が視えたし動物もいたさぁ。
僕に何かしたわけ?」
愛情を込めて言った「それもひとつの世界。こちらがイリュージョン。つまりこの世は幻影なんだ。
僕は目覚めたけど大半の人間はその幻影の中で生きている。
そこで君の描く絵や、これから紹介する札幌の花梨という女の子の音楽が必ずキーポイントになってくる。
目覚める人を手助けする働きがあるんだ。君の描く絵のエネルギーが人を変える役に立つ、と言うよりも
切っ掛けになる・・・」
二人は翌日もミルキーコーヒーで会う約束をして別れた。
「じゃあまた明日」
アグニは首を傾げながら手を振って別れた。帰路の途中何度も自問自答した。
アグニはそのまま風呂に入りベットに入った。
翌朝、早く目が覚めたアグニは目を疑った。
家の中が少し光って見える・・・こんな朝は初めてだった。
昨日までと違う・・・何か上手く言い表せないけど・・・
光ってて新鮮。ワクワクする・・・昨日の事が頭の中を過ぎった。
その状態のままアグニはミルキーコーヒーに入った。
店の向こう側でアグニに手を振っているフウキの姿があった。
「やあ、おはよう。よく眠れたかい?」アグニは朝の事を克明に話し聞かせた。
「良かったね。いい朝を迎える事が出来たね」
「フウキさん、こうなる事知ってたの?」
「知らないよ。予測は出来たけど・・・好い経験したじゃない。
ところで僕は1時45分のフライトで帰る。
絵を書きためておいて。頭で描くんでなく感性で描いてね・・・
7人全員が揃う時は札幌か東京で再会しよう。しばしお別れ・・」
「フウキさん、僕、なんか・・・吹っ切れました。
ありがとうございます」
フウキは沖縄をあとにした。飛行機の中ではもう次の事を
頭に描いていた。
札幌に戻りさっそく花梨と落ち合い、沖縄土産を渡しアグニの
事を話した。
「フウキさんって凄いパワーですね!会って話してるだけでフウキさんのその独特なエネルギーが
伝わってきます」
「それは僕のせいだけじゃないんだよ。受け取る側の問題さ。
既に準備が出来てるから受け入れる情報量も多くなるんだよ。
僕は単なる切っ掛けに過ぎない・・・それだけ」
「で、フウキさんはこれからどちらに行くんですか?」
「まだ、指示が来ないからとりあえず職場に復帰しないとね」
「どこからの指示ですか・・・?」
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