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変身ヒーローと未知の国
目覚めた場所は謎の家
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……長い、とても長い夢を見ていた気がする。
内容はおぼろげにしか覚えていない。
世間全てが敵になったような……。
それがまた俺を混乱させる。
大地彰も世界に敵視された。
俺が大地彰ではないなら、あの悪意は一体……。
目を開けると俺はベッドの上に寝かされていた。
妙な感覚だった。
懐かしくて安心する。
……似ているからだ。
夢で見たような光景に。
小さな部屋だった。
白い漆喰の壁に小さな窓があって、日の光が部屋の中に差し込んでいた。
ベッドの横にはサイドテーブル。
壁際にはタンスと本棚。それに、机も置かれていた。
これでテレビがあったら、それこそ現代日本のありふれた部屋のようだ。
そう思って体を起こしたら、形だけは液晶テレビに似た黒い板のようなものがテレビ台の上に置かれている。
「え……?」
まさか、本当にここは現代日本?
ベッドから降りて窓の外を確認する。
そこから見える風景もどこか懐かしさを感じさせる。
アスファルトの道路に、隣り合う住宅。
街灯や電柱まである。
もちろん、部屋の配置や家の間取りまで記憶にあるわけではない。
だから正確には同じではないと思う。
ただ、あまりにも現代日本のような風景だった。
妹は……大地彰の妹だから便宜上そう呼ばせてもらうが、確か現代日本のような町にいるといっていた。
ここがそうだとしたら、この町のどこかにいるということか?
しかし、それだとまだ会えないといったことと矛盾する。
足取りはまだ夢の中にいるようにフワフワしているが、体に痛みはない。
……服は、脇腹の辺りと左の袖に繕った跡がある。
誰かが直してくれたのか。
靴は履いていなかったが、日本人だからか特に違和感はなかった。
部屋の扉のノブをつかもうとしたら、ノックする音が聞こえてきた。
考えてみれば当たり前だ。
俺には意識がなかったんだからベッドで寝ることも服を繕うことも出来ない。
誰かが介抱してくれた。
その人物は、まさに扉の向こう側にいる。
「だ、誰だ?」
恐れていたわけではないが、久しぶりに声を出したせいで吃った。
「あら? もうお目覚めだったのですね。入ってもよろしいですか?」
優しげで穏やかな女の声。
残念ながら聞き覚えはなかった。
ここは俺の家じゃない。
見覚えのあるようなものばかりだが、それだけは間違いなかった。
声の主がきっとこの家に住んでいる人だろう。
わざわざ許可なんか取る必要はないのに、彼女は入ってくる気配はなかった。
「もしかして、お着替え中とか? でも、確か服は着替えさせていなかったはずですが……」
「あ、いや……そうじゃないんだ。入ってくれ」
俺は少しドアから離れて迎え入れた。
ほんの少しだけ警戒してしまうのは、やはりここがどこなのかはっきりしないからだ。
「……おはようございます……と言っても、もう夕方ですけど」
朗らかに微笑む顔に安心してしまう。
まるで作り物のように美しく隙のない顔。
見た目から察するに年は二十歳くらい。
長い黒髪を腰の辺りで束ねている。
俺よりも背は低いから、だいたい百六十センチくらいだろうか。
トレーナーにふんわりとしたスカートを穿いて、その上からエプロンを着けている。
にもかかわらず、大きな胸が目立ってしまうほど激しく主張していた。
「……あの、そんなに見つめられてしまうと、さすがに照れてしまいます」
彼女は手に持っていたお盆をベッドのサイドテーブルに置いた。
お盆の上には水差しと水の入った小さなおけ、濡らしたタオルがあった。
「あ、いや……そうじゃなくて……」
何だかさっきから同じ言葉を繰り返している。
「ごめん」
俺は素直に頭を下げた。
それは目の前の女性をほんの少しでも警戒してしまったことに対する謝罪の気持ちも込められていた。
「もうお体は大丈夫なのですか?」
「この通り、すっかり元気になったよ」
「それはよかったです。死んだように眠っていたので、このまま目を覚まさないのかと心配してました」
「君が、俺を介抱してくれたのか?」
「はい。……一週間くらい前でしょうか。仕事から帰ってきたらあなたが家の前に倒れていたので……」
一週間も俺は眠っていたって事か。
それほど魔王との戦いにおける消耗が激しかったって事だろう。
しかし、自分で言うのも何だがそんな不審人物を家に入れてよく面倒を見てくれたものだ。
「ところで……そろそろお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「え、ああ。そうだな……」
確かにこれだけのことをしてもらって名前を言わないのは失礼だろう。
だが、困った。
この体は大地彰のものらしいが、俺は大地彰ではないと彼の妹に否定されてしまった。
もちろん、俺が他の誰かであるという記憶はない。
どう自己紹介をしたらいいものか……。
「……申し訳ありません。名前を聞くならまず私から名乗るべきでした」
俺が自己紹介できなかったのは、彼女が名乗るのを待っていたわけではなかったが、結果的にそうなってしまった。
「私はマーシャと言います。仕事は、魔法関係と言えば理解していただけますでしょうか」
名前と仕事。
たったこれだけの情報でここが現代日本ではないという事は確認できてしまった。
名前だけなら外国人が住んでいるだけと思うことも出来るが、魔法関係の仕事が現代日本にあるわけはない。
見た目は純日本人のようだから妙な錯覚を覚える。
「俺は……大地彰らしい……」
迷ったあげく名乗ったのはこの体の名前。
正直に言えば自分が誰だかわからない、だが。
俺はこの世界ではその名前を使ってきたから、そう言っておかないと誤解を生むと思った。
「らしい? ご自分のお名前なのに、面白い言い方をするんですね」
マーシャは口元を抑えながらクスクスと笑う。
本当は名前も記憶も曖昧だと説明する気にはならなかった。
「では、ダイチさんと呼べばいいのでしょうか?」
「ああそうか、この世界だと逆になるんだった。俺のことはアキラと呼んでくれればいい」
「アキラさんですね。わかりました」
「ちなみに、わかってもらえるかどうかわからないが、上級冒険者だ」
「……上級冒険者……知ってます。ギルドに登録している冒険者の中でもかなりの実力者しか認められないとか」
ってことは、ここはやはり異世界のままなわけだ。
「ぶしつけで悪いんだが、ここは一体なんて国なんだ?」
俺の知っている国にこんな町や家は存在しない。
思い当たるのは一つしかない。
「……申し訳ありません。今のアキラさんにそれをお答えすることは出来ないのです」
「どうして?」
「脅すようなことになってしまいますが、この町のものは外からやってくる人をあまり信用していません。アキラさんの存在が周りに知られることもできる限り避けていただきたいのです」
その割には、マーシャはよく知らない俺のことを介抱してくれた。
俺のことを恐れたり拒絶する様子もない。
あまりに自然体だからそれが当たり前だと思ってしまったが、彼女は特別俺に優しくしてくれているんだと思い直した。
客観的に考えて、年頃の女性が見知らぬ男を助けてくれるなんてありえない。
不用心だと怒られかねない話だ。
でも、少なくとも冒険者の知識があるというのは俺にとってはプラスだった。
一応、この世界では身分を証明することも出来る。
「そちらの事情はわかった。今さらかも知れないが、これが上級冒険者の証だ」
上着の胸ポケットから掌サイズのカードを取り出して見せた。
魔法による印章もあるし、これで少しは信用してもらえればいいが。
マーシャはカードをしげしげ見つめながら、眉をひそめた。
「キラキラしていて素敵なカードだとは思いますが、この町にはギルドがないので……」
ギルドがない?
それじゃ俺の身分は証明できないって事だが、それよりもそっちの情報に惹かれた。
この世界でギルドが置かれていないのは帝国と妹のいる島国……ウォルカ王国だけだ。
もう答えが出たようなものじゃないか。
妹の言う安全な場所というのは、妹がくらす町だったと言うことだ。
「マーシャ、悪いがこの国のことはわかった。この町には大地未来――いや、ミク=ダイチという少女がいるはずだ。もし知っているなら教えて欲しい」
「……は……?」
マーシャは目を丸くさせる。
驚いていると言うよりは、どちらかというと俺の言っていることがまるで伝わっていないような……。
「えーと、ここは島国のウォルカ王国なんだろ?」
「……違いますけど……」
今度は俺の思考が固まる。
違う? これだけ状況証拠が揃ってるのに?
しかし、嘘をついているようには見えない。
こういう時に頼りになりそうなAIは何も言ってこない。
ネムスギアもまだ万全ではないのかも知れない。
変身できるかどうかも含めて確かめておくべきだな。
「あの、せっかく起きたのですから、食事にしませんか? 一週間も眠っていたからお腹も空いていると思うんですけど」
「ああ、うん。ありがとう……」
あからさまに話題を変えられた。
ただ、ここまでしてもらっておいて問い詰めるようなマネはしたくなかった。
そもそも、この町ではマーシャ以外の人が外部の人間を信用していないなら、彼女に追い出されたらきっとトラブルになる。
せめて体力とネムスギアのエネルギーが回復するまでは、思いきった行動には出ない方が良い。
……あれ? でも、この町のことを知ってどうするんだ?
また妹を捜しに行くのか?
いや、妹の場所はもうわかっている。
それじゃ、会いに行く? 会いに行けるのか?
考えてみれば、俺にはもうするべき事がないじゃないか。
俺が大地彰じゃないなら、ネムスに変身して正義のヒーローのまねごとをする意味もない。
大地彰だと思っていたから。
そうすることが当たり前だと思って戦ってきただけだ。
世界を救うヒーローは大地彰であって俺の役割じゃない。
彰の妹の言う、俺の正体については記憶も曖昧だしこの世界に手がかりがあるとは思えない。
何しろ、超能力を扱う彼女でさえ俺のことは知らないと言っていたんだ。
彰の記憶を取り戻すことも出来なかったのに、俺がどうやって何を思い出せば良いのか?
暗闇の海を漂うみたいなものだ。
だったらもう……。
「大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ? やっぱりまだ横になっていた方が……でも、食事も取った方が元気になると思うんですよね……」
「気にしないでくれ。体調はそれほど悪くないんだ。ただ、ちょっと……久しぶりに考え事をしたから疲れたんだよ。たぶん……」
「それなら良いんですけど、もし体調が悪くなったら言ってくださいね。私以外の者にアキラさんのことが知られたら、どんな目に遭わされるか……」
マーシャが目を伏せた。
まるで、この異世界に来たばかりのことを思い出す。
あの時もエリーネでさえ俺のことを信用していなかった。
この町にギルドがないなら、今までの俺の功績も知らないんだろう。
おまけに、この町へ来た経緯も説明が付かない。
たぶん、妹がテレポートで移動させたのだと思うが、それを説明すると余計に不審者扱いされかねない。
それが普通の人の反応だろう。
「それだけこの町の人が外部の人を信用していないのに、よくマーシャは俺のことを助けてくれたな」
「変でしょうか? どんな事情があって私の家の前に倒れていたのかは知りませんが、傷ついた人を放っておくことは出来ません。これもきっと、何かの縁なんでしょう」
「……俺の運がよかったのか、あるいは……」
妹がそう言う人を選んでテレポートさせたのか。
「さ、それじゃ下に来てください。一階にダイニングキッチンがあります」
部屋から出ると短い廊下があって、俺が寝ていた隣にも部屋の扉があった。
廊下は木の板で、この家は木造二階建てだった。
階段は二人並んで降りるのが窮屈なくらい狭い。
だが、逆にその狭さが懐かしさを覚える。
まさしく現代日本の一般的な住宅のようだった。
階段を降りるとやはり廊下があって、廊下に面していくつか部屋の扉がある。
「突き当たりを曲がって右に行くとバスルームがあります。その手前の扉はトイレです。それから左の手前の部屋がリビングで突き当たりの左側の扉がダイニングキッチンです。あ、リビングとダイニングキッチンは引き戸で繋がっているので、どちらからでも入れます」
マーシャが手を向けて説明する。
それほど広い家じゃないから説明されなくても数分でこの家のことは把握できそうだったが、黙って聞いた。
俺はマーシャに案内されるままダイニングキッチンに入る。
驚くべき事に、そこに広がる光景も今まで見てきたものとは異質だった。
それはもちろん、この異世界においてはという条件が付けられる。
俺にとっては見慣れた、ごくありふれたダイニングキッチン。
ステンレスのシンクに木製の白い流し台。
それと色を合わせたかのような棚が流し台の上に設置されている。
ガスなのか電気なのか魔法なのかはわからないが、コンロもあった。
そして、同じく白を基調としたデザインの冷蔵庫。食器棚。
ダイニングテーブルや椅子も、まるでどこかの家具量販店で買いそろえたかのよう。
「私、一人暮らしなのであまり料理は得意じゃないんですけど、頑張りますね」
「一人暮らし? 助けられた俺が言うのも何だけど……さすがに不用心じゃないか? 俺が悪いヤツだったら、襲われていたかも知れないぞ」
女の一人暮らしでおまけに美人。
あまりに危機意識が低い気がする。
だからこそ、俺のことも見捨てなかったんだろうけど。
「大丈夫ですよ」
自信たっぷりな声でマーシャは言った。
俺のことをよく知らないはずだろうに、そこまで信用しているのか。
信じてくれているからだけではないが、彼女を困らせるようなことはしたくないと思った。
「料理なら俺も少し手伝える」
大地彰の記憶なのか、それとも俺の記憶なのかわからないが、料理を作った経験はあった。
「そうなんですか? それじゃあ、お願いします」
冷蔵庫に入っていた食材は、見たことのあるものばかりだった。
牛バラ肉とピーマンがあったので、それの炒め物とジャガイモの味噌汁を作った。
米はあったが下準備をして炊き上がるまでにおかずが冷めてしまうと思ったので、主食はパンにした。
マーシャは自分で言っていた通り、あまり料理は上手ではなかった。
ほとんど俺一人で作って、途中からはダイニングの椅子に座りながら見ているだけだった。
出来上がった料理をマーシャが配膳する。
向かい合うように座り、「いただきます」を言ったところで箸が置かれていることに気がついた。
この国はこんな細かいところまで日本と同じなのか……。
「美味しい!」
マーシャの弾んだ声に俺も思わず笑みがこぼれた。
「お世辞でもそう言ってもらえると光栄だな」
「お世辞じゃありません。冷蔵庫には残り物の食材しかなかったのに……冒険者というのは料理も得意なんですね」
「いや、これは冒険者だからと言うより……」
俺自身の能力なのか、彰の能力なのか。
考えても不毛だ。
俺も食べることにした。
久しぶりの食事は全身に活力を与えてくれる気がした。
二人で綺麗さっぱり食べ尽くした。
後片付けはマーシャがやった。
その間に俺はお風呂に入ることを勧められた。
バスルームの前には洗面所と洗濯機まである。
もういちいち言及するのもアホらしくなってくるが、バスルームもよく見たことのある作りだった。
タイル張りの部屋で浴槽は大理石なのかプラスチックなのか。
とにかくごく一般的な風呂場の素材が使われている気がした。
この辺りはAIに分析させないとそこまで詳しくはわからない。
浴槽にはお湯が張っている。
そして、今までこの手の道具はこの世界だと魔力がなければ使えなかったので、俺には使えないんだろうなと思いつつ蛇口を捻った。
すると、当たり前のように水が出てくる。
「どういうことだ……ここの水道は魔法じゃなくて電気が使われてるって事なのか……」
わけがわからないが、この家が俺にとって快適な住み処であることは間違いなかった。
風呂から上がると、パジャマまで用意してくれていた。
俺の服は洗濯すると言って洗濯機の中へ放り込まれていた。
何となくだけど、これも俺に動かせる気がした。
とにかく、異世界にいるはずなのに、まったくそれを感じることなくその日は一日を終えた。
内容はおぼろげにしか覚えていない。
世間全てが敵になったような……。
それがまた俺を混乱させる。
大地彰も世界に敵視された。
俺が大地彰ではないなら、あの悪意は一体……。
目を開けると俺はベッドの上に寝かされていた。
妙な感覚だった。
懐かしくて安心する。
……似ているからだ。
夢で見たような光景に。
小さな部屋だった。
白い漆喰の壁に小さな窓があって、日の光が部屋の中に差し込んでいた。
ベッドの横にはサイドテーブル。
壁際にはタンスと本棚。それに、机も置かれていた。
これでテレビがあったら、それこそ現代日本のありふれた部屋のようだ。
そう思って体を起こしたら、形だけは液晶テレビに似た黒い板のようなものがテレビ台の上に置かれている。
「え……?」
まさか、本当にここは現代日本?
ベッドから降りて窓の外を確認する。
そこから見える風景もどこか懐かしさを感じさせる。
アスファルトの道路に、隣り合う住宅。
街灯や電柱まである。
もちろん、部屋の配置や家の間取りまで記憶にあるわけではない。
だから正確には同じではないと思う。
ただ、あまりにも現代日本のような風景だった。
妹は……大地彰の妹だから便宜上そう呼ばせてもらうが、確か現代日本のような町にいるといっていた。
ここがそうだとしたら、この町のどこかにいるということか?
しかし、それだとまだ会えないといったことと矛盾する。
足取りはまだ夢の中にいるようにフワフワしているが、体に痛みはない。
……服は、脇腹の辺りと左の袖に繕った跡がある。
誰かが直してくれたのか。
靴は履いていなかったが、日本人だからか特に違和感はなかった。
部屋の扉のノブをつかもうとしたら、ノックする音が聞こえてきた。
考えてみれば当たり前だ。
俺には意識がなかったんだからベッドで寝ることも服を繕うことも出来ない。
誰かが介抱してくれた。
その人物は、まさに扉の向こう側にいる。
「だ、誰だ?」
恐れていたわけではないが、久しぶりに声を出したせいで吃った。
「あら? もうお目覚めだったのですね。入ってもよろしいですか?」
優しげで穏やかな女の声。
残念ながら聞き覚えはなかった。
ここは俺の家じゃない。
見覚えのあるようなものばかりだが、それだけは間違いなかった。
声の主がきっとこの家に住んでいる人だろう。
わざわざ許可なんか取る必要はないのに、彼女は入ってくる気配はなかった。
「もしかして、お着替え中とか? でも、確か服は着替えさせていなかったはずですが……」
「あ、いや……そうじゃないんだ。入ってくれ」
俺は少しドアから離れて迎え入れた。
ほんの少しだけ警戒してしまうのは、やはりここがどこなのかはっきりしないからだ。
「……おはようございます……と言っても、もう夕方ですけど」
朗らかに微笑む顔に安心してしまう。
まるで作り物のように美しく隙のない顔。
見た目から察するに年は二十歳くらい。
長い黒髪を腰の辺りで束ねている。
俺よりも背は低いから、だいたい百六十センチくらいだろうか。
トレーナーにふんわりとしたスカートを穿いて、その上からエプロンを着けている。
にもかかわらず、大きな胸が目立ってしまうほど激しく主張していた。
「……あの、そんなに見つめられてしまうと、さすがに照れてしまいます」
彼女は手に持っていたお盆をベッドのサイドテーブルに置いた。
お盆の上には水差しと水の入った小さなおけ、濡らしたタオルがあった。
「あ、いや……そうじゃなくて……」
何だかさっきから同じ言葉を繰り返している。
「ごめん」
俺は素直に頭を下げた。
それは目の前の女性をほんの少しでも警戒してしまったことに対する謝罪の気持ちも込められていた。
「もうお体は大丈夫なのですか?」
「この通り、すっかり元気になったよ」
「それはよかったです。死んだように眠っていたので、このまま目を覚まさないのかと心配してました」
「君が、俺を介抱してくれたのか?」
「はい。……一週間くらい前でしょうか。仕事から帰ってきたらあなたが家の前に倒れていたので……」
一週間も俺は眠っていたって事か。
それほど魔王との戦いにおける消耗が激しかったって事だろう。
しかし、自分で言うのも何だがそんな不審人物を家に入れてよく面倒を見てくれたものだ。
「ところで……そろそろお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「え、ああ。そうだな……」
確かにこれだけのことをしてもらって名前を言わないのは失礼だろう。
だが、困った。
この体は大地彰のものらしいが、俺は大地彰ではないと彼の妹に否定されてしまった。
もちろん、俺が他の誰かであるという記憶はない。
どう自己紹介をしたらいいものか……。
「……申し訳ありません。名前を聞くならまず私から名乗るべきでした」
俺が自己紹介できなかったのは、彼女が名乗るのを待っていたわけではなかったが、結果的にそうなってしまった。
「私はマーシャと言います。仕事は、魔法関係と言えば理解していただけますでしょうか」
名前と仕事。
たったこれだけの情報でここが現代日本ではないという事は確認できてしまった。
名前だけなら外国人が住んでいるだけと思うことも出来るが、魔法関係の仕事が現代日本にあるわけはない。
見た目は純日本人のようだから妙な錯覚を覚える。
「俺は……大地彰らしい……」
迷ったあげく名乗ったのはこの体の名前。
正直に言えば自分が誰だかわからない、だが。
俺はこの世界ではその名前を使ってきたから、そう言っておかないと誤解を生むと思った。
「らしい? ご自分のお名前なのに、面白い言い方をするんですね」
マーシャは口元を抑えながらクスクスと笑う。
本当は名前も記憶も曖昧だと説明する気にはならなかった。
「では、ダイチさんと呼べばいいのでしょうか?」
「ああそうか、この世界だと逆になるんだった。俺のことはアキラと呼んでくれればいい」
「アキラさんですね。わかりました」
「ちなみに、わかってもらえるかどうかわからないが、上級冒険者だ」
「……上級冒険者……知ってます。ギルドに登録している冒険者の中でもかなりの実力者しか認められないとか」
ってことは、ここはやはり異世界のままなわけだ。
「ぶしつけで悪いんだが、ここは一体なんて国なんだ?」
俺の知っている国にこんな町や家は存在しない。
思い当たるのは一つしかない。
「……申し訳ありません。今のアキラさんにそれをお答えすることは出来ないのです」
「どうして?」
「脅すようなことになってしまいますが、この町のものは外からやってくる人をあまり信用していません。アキラさんの存在が周りに知られることもできる限り避けていただきたいのです」
その割には、マーシャはよく知らない俺のことを介抱してくれた。
俺のことを恐れたり拒絶する様子もない。
あまりに自然体だからそれが当たり前だと思ってしまったが、彼女は特別俺に優しくしてくれているんだと思い直した。
客観的に考えて、年頃の女性が見知らぬ男を助けてくれるなんてありえない。
不用心だと怒られかねない話だ。
でも、少なくとも冒険者の知識があるというのは俺にとってはプラスだった。
一応、この世界では身分を証明することも出来る。
「そちらの事情はわかった。今さらかも知れないが、これが上級冒険者の証だ」
上着の胸ポケットから掌サイズのカードを取り出して見せた。
魔法による印章もあるし、これで少しは信用してもらえればいいが。
マーシャはカードをしげしげ見つめながら、眉をひそめた。
「キラキラしていて素敵なカードだとは思いますが、この町にはギルドがないので……」
ギルドがない?
それじゃ俺の身分は証明できないって事だが、それよりもそっちの情報に惹かれた。
この世界でギルドが置かれていないのは帝国と妹のいる島国……ウォルカ王国だけだ。
もう答えが出たようなものじゃないか。
妹の言う安全な場所というのは、妹がくらす町だったと言うことだ。
「マーシャ、悪いがこの国のことはわかった。この町には大地未来――いや、ミク=ダイチという少女がいるはずだ。もし知っているなら教えて欲しい」
「……は……?」
マーシャは目を丸くさせる。
驚いていると言うよりは、どちらかというと俺の言っていることがまるで伝わっていないような……。
「えーと、ここは島国のウォルカ王国なんだろ?」
「……違いますけど……」
今度は俺の思考が固まる。
違う? これだけ状況証拠が揃ってるのに?
しかし、嘘をついているようには見えない。
こういう時に頼りになりそうなAIは何も言ってこない。
ネムスギアもまだ万全ではないのかも知れない。
変身できるかどうかも含めて確かめておくべきだな。
「あの、せっかく起きたのですから、食事にしませんか? 一週間も眠っていたからお腹も空いていると思うんですけど」
「ああ、うん。ありがとう……」
あからさまに話題を変えられた。
ただ、ここまでしてもらっておいて問い詰めるようなマネはしたくなかった。
そもそも、この町ではマーシャ以外の人が外部の人間を信用していないなら、彼女に追い出されたらきっとトラブルになる。
せめて体力とネムスギアのエネルギーが回復するまでは、思いきった行動には出ない方が良い。
……あれ? でも、この町のことを知ってどうするんだ?
また妹を捜しに行くのか?
いや、妹の場所はもうわかっている。
それじゃ、会いに行く? 会いに行けるのか?
考えてみれば、俺にはもうするべき事がないじゃないか。
俺が大地彰じゃないなら、ネムスに変身して正義のヒーローのまねごとをする意味もない。
大地彰だと思っていたから。
そうすることが当たり前だと思って戦ってきただけだ。
世界を救うヒーローは大地彰であって俺の役割じゃない。
彰の妹の言う、俺の正体については記憶も曖昧だしこの世界に手がかりがあるとは思えない。
何しろ、超能力を扱う彼女でさえ俺のことは知らないと言っていたんだ。
彰の記憶を取り戻すことも出来なかったのに、俺がどうやって何を思い出せば良いのか?
暗闇の海を漂うみたいなものだ。
だったらもう……。
「大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ? やっぱりまだ横になっていた方が……でも、食事も取った方が元気になると思うんですよね……」
「気にしないでくれ。体調はそれほど悪くないんだ。ただ、ちょっと……久しぶりに考え事をしたから疲れたんだよ。たぶん……」
「それなら良いんですけど、もし体調が悪くなったら言ってくださいね。私以外の者にアキラさんのことが知られたら、どんな目に遭わされるか……」
マーシャが目を伏せた。
まるで、この異世界に来たばかりのことを思い出す。
あの時もエリーネでさえ俺のことを信用していなかった。
この町にギルドがないなら、今までの俺の功績も知らないんだろう。
おまけに、この町へ来た経緯も説明が付かない。
たぶん、妹がテレポートで移動させたのだと思うが、それを説明すると余計に不審者扱いされかねない。
それが普通の人の反応だろう。
「それだけこの町の人が外部の人を信用していないのに、よくマーシャは俺のことを助けてくれたな」
「変でしょうか? どんな事情があって私の家の前に倒れていたのかは知りませんが、傷ついた人を放っておくことは出来ません。これもきっと、何かの縁なんでしょう」
「……俺の運がよかったのか、あるいは……」
妹がそう言う人を選んでテレポートさせたのか。
「さ、それじゃ下に来てください。一階にダイニングキッチンがあります」
部屋から出ると短い廊下があって、俺が寝ていた隣にも部屋の扉があった。
廊下は木の板で、この家は木造二階建てだった。
階段は二人並んで降りるのが窮屈なくらい狭い。
だが、逆にその狭さが懐かしさを覚える。
まさしく現代日本の一般的な住宅のようだった。
階段を降りるとやはり廊下があって、廊下に面していくつか部屋の扉がある。
「突き当たりを曲がって右に行くとバスルームがあります。その手前の扉はトイレです。それから左の手前の部屋がリビングで突き当たりの左側の扉がダイニングキッチンです。あ、リビングとダイニングキッチンは引き戸で繋がっているので、どちらからでも入れます」
マーシャが手を向けて説明する。
それほど広い家じゃないから説明されなくても数分でこの家のことは把握できそうだったが、黙って聞いた。
俺はマーシャに案内されるままダイニングキッチンに入る。
驚くべき事に、そこに広がる光景も今まで見てきたものとは異質だった。
それはもちろん、この異世界においてはという条件が付けられる。
俺にとっては見慣れた、ごくありふれたダイニングキッチン。
ステンレスのシンクに木製の白い流し台。
それと色を合わせたかのような棚が流し台の上に設置されている。
ガスなのか電気なのか魔法なのかはわからないが、コンロもあった。
そして、同じく白を基調としたデザインの冷蔵庫。食器棚。
ダイニングテーブルや椅子も、まるでどこかの家具量販店で買いそろえたかのよう。
「私、一人暮らしなのであまり料理は得意じゃないんですけど、頑張りますね」
「一人暮らし? 助けられた俺が言うのも何だけど……さすがに不用心じゃないか? 俺が悪いヤツだったら、襲われていたかも知れないぞ」
女の一人暮らしでおまけに美人。
あまりに危機意識が低い気がする。
だからこそ、俺のことも見捨てなかったんだろうけど。
「大丈夫ですよ」
自信たっぷりな声でマーシャは言った。
俺のことをよく知らないはずだろうに、そこまで信用しているのか。
信じてくれているからだけではないが、彼女を困らせるようなことはしたくないと思った。
「料理なら俺も少し手伝える」
大地彰の記憶なのか、それとも俺の記憶なのかわからないが、料理を作った経験はあった。
「そうなんですか? それじゃあ、お願いします」
冷蔵庫に入っていた食材は、見たことのあるものばかりだった。
牛バラ肉とピーマンがあったので、それの炒め物とジャガイモの味噌汁を作った。
米はあったが下準備をして炊き上がるまでにおかずが冷めてしまうと思ったので、主食はパンにした。
マーシャは自分で言っていた通り、あまり料理は上手ではなかった。
ほとんど俺一人で作って、途中からはダイニングの椅子に座りながら見ているだけだった。
出来上がった料理をマーシャが配膳する。
向かい合うように座り、「いただきます」を言ったところで箸が置かれていることに気がついた。
この国はこんな細かいところまで日本と同じなのか……。
「美味しい!」
マーシャの弾んだ声に俺も思わず笑みがこぼれた。
「お世辞でもそう言ってもらえると光栄だな」
「お世辞じゃありません。冷蔵庫には残り物の食材しかなかったのに……冒険者というのは料理も得意なんですね」
「いや、これは冒険者だからと言うより……」
俺自身の能力なのか、彰の能力なのか。
考えても不毛だ。
俺も食べることにした。
久しぶりの食事は全身に活力を与えてくれる気がした。
二人で綺麗さっぱり食べ尽くした。
後片付けはマーシャがやった。
その間に俺はお風呂に入ることを勧められた。
バスルームの前には洗面所と洗濯機まである。
もういちいち言及するのもアホらしくなってくるが、バスルームもよく見たことのある作りだった。
タイル張りの部屋で浴槽は大理石なのかプラスチックなのか。
とにかくごく一般的な風呂場の素材が使われている気がした。
この辺りはAIに分析させないとそこまで詳しくはわからない。
浴槽にはお湯が張っている。
そして、今までこの手の道具はこの世界だと魔力がなければ使えなかったので、俺には使えないんだろうなと思いつつ蛇口を捻った。
すると、当たり前のように水が出てくる。
「どういうことだ……ここの水道は魔法じゃなくて電気が使われてるって事なのか……」
わけがわからないが、この家が俺にとって快適な住み処であることは間違いなかった。
風呂から上がると、パジャマまで用意してくれていた。
俺の服は洗濯すると言って洗濯機の中へ放り込まれていた。
何となくだけど、これも俺に動かせる気がした。
とにかく、異世界にいるはずなのに、まったくそれを感じることなくその日は一日を終えた。
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