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変身ヒーローと未知の国
魔王に仕える三人の魔族
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そう言えば、異世界と言ったらドラゴンはポピュラーな存在だが、この異世界で見たのは初めてだった。
魔族やエルフとは違う存在なのだろうか。
「マーシャ、攻撃してくるようなら俺が止めるから」
「はい。車の防御ですね」
「……ずいぶん仲が良さそうですね」
ヨミが口を尖らせた。
「今はそんなことを言ってる場合か? 俺やヨミには防御魔法なんて使えないんだから、マーシャに頼むしかないだろ」
「そうですけど……」
「ほら、いじけてないで行くぞ。ドラゴンを相手にするのは初めてなんだから、ヨミのフォローが必要だ」
「はい! そうですね! エルフなんかよりもよっぽど役に立って見せますよ」
ちょっと褒めるとすぐに立ち直るのがヨミのいいところではあるが、俺の目の端でマーシャが鼻で笑ったような気がしたが黙殺することにして車を降りた。
「俺たちに何か用か?」
「はい。ですがあなたにと言うよりは、魔王ヨミ様に用事があります」
そう言ってドラゴンの背中から二人の男が飛び降りた。
すると、ドラゴンも闇に包まれて姿が変わる。
あっという間にドラゴンは少年の姿になった。
……違う。こっちが本来の姿か。
さっきのは魔族が変身した姿だ。
ヨミが俺の隣りにやってきて、彼らを見て声を上げた。
「あ! あなたたちは……」
「え? 知り合い?」
「……アキラもほんの少しだけ見たことがあると思います」
「俺も!?」
いや、思い当たるようなことは……。
マジマジと見てみる。
一人は背が高く長い髪が特徴的で、女ウケしそうな顔のモデルのような男だった。
その隣に立つのは、さらに背が高い。恐らく二メートル以上はあるんじゃないかと思われる。
彫りの深い精悍な顔つきで筋肉が大きく、見るからに武闘家のよう。
そして、右端の少年が先ほどドラゴンに変身していた。
黒髪の坊ちゃん刈りで儚げな印象だった。
図書室とかで本を読んでいるのが似合いそう。
言われてみると確かにどこかで見たことがあるような気がする。
「彼らは私の意志を尊重すると約束してくれた仲間です」
「な、仲間だなんて恐れ多い。私たちは魔王ヨミ様に忠誠を誓った魔族です。配下においていただけるだけでもありがたいことなのですから」
モデルのような男がそう言ってヨミの前に跪くと、横の二人も同じようにした。
そこでようやく俺も思いだした。
ヨミと再会した時に、俺やヨミに協力した魔族だ。
魔王として覚醒したヨミに近づく魔族の中で、本当の意味でヨミの考え方に共感した魔族が三人いた。
エルフの国に入る時、彼らの入国許可はもらえなかったから、リンドヒルーツ王国の町の外で待機させていたのだ。
その後、ヨミがエルフの女王に認められたり、車という移動手段を手に入れたことですっかり彼らのことを忘れていた。
「お、おい。さすがにちょっと謝っておいた方が良いんじゃないか?」
ヨミに耳打ちすると、顔を引きつらせていた。
俺と同じように、今の今までヨミも彼らのことを忘れていたのだ。
「あの、顔を上げてください」
「「「はい」」」
声を揃えて魔族たちはヨミを見上げる。
ヨミは頭を真っ直ぐに下げた。
「ごめんなさい。あなたたちのこと、忘れていました」
「ヨミ様! そのようなことで頭を下げないでください」
モデルのような魔族は慌ててそう言った。
「いえ、仲間だと言っておきながら、放置してしまったことは間違いありませんから」
「ヨミ様、俺たちは気にしてないから。頭を上げてくれないか? 好きな男と再会して舞い上がっちまっただけだろ?」
無骨な格闘家のような魔族が豪快に笑う。
「そ、そういう言い方は失礼だと思います」
少年のような魔族が諫めるように言うが、笑い声は止まらない。
「そんな小さなことを気にするような魔王じゃないから、俺たちはヨミ様に仕えると決めたんだろ」
「そ、そうですけど……エトワスさんもレオンさんの態度はよくないと思いますよね」
「え? あ、はい。クァッツくんの言う通りです。ヨミ様を笑うなど……」
「あの、許していただけるんですか?」
ヨミが顔を上げてそう言うと、三人とも少し顔を赤くさせて首を縦に振った。
「話がまとまったところで、自己紹介してもらっていいか?」
今のやりとりで名前と姿と関係性のようなものは見えたが、一応はっきりさせておきたい。
「まずはそうだな。言いだしたのは俺だから俺のことから――」
「その必要はありません。ヨミ様の旦那様のアキラ=ダイチ様ですよね。ヨミ様からいかに愛されているかは窺っております」
モデルのような魔族がそう言って、一礼してから言葉を続けた。
「私はエトワス。純粋に愛する気持ちを持つヨミ様の心に惹かれてお仕えすることに決めた魔族です」
次に無骨な格闘家のような魔族が一歩前に出て親指で自分のことを指した。
「俺はレオンだ。魔物から成り上がったヨミ様の力に惹かれた。もちろん、人間なのに魔王をも倒せるアキラ様にも興味はある。暇な時で良いから一度手合わせ願いたいものだな」
最後に少年のような魔族が両手を前に組んでぺこりと頭を下げた。
「えっと、僕はクァッツと言います。戦いはあまり好きじゃありません。だから、人間と戦わないヨミ様に仕えると決めました」
「ハッハッハッ! 違うだろ。ヨミ様が母親のように優しいから好きだって言っていたじゃないか!」
「れ、レオルさん! その事はいわない約束だったじゃないですか! エトワスさ~ん」
エトワスに泣きつこうとしたクァッツをヨミが抱きしめた。
「ありがとうございます。そう思っていただけたなら、うれしいです」
「よ、ヨミ様……」
「ですが、私が女として愛するのはアキラだけですから。そこだけはわかってください」
「は、はい。もちろん、お二人の邪魔をするようなことは、決して」
ヨミがクァッツの頭を撫でてあげると、恍惚の表情を浮かべたまま立ち尽くしていた。
これで一応の自己紹介は終わったと言えるが……。
車を見るがマーシャは運転席から降りるそぶりすら見せない。
名前だけでも俺から言っておくべきだろう。
「車の中に乗っているのはエルフのマーシャだ。魔族とエルフにはいろいろ思うところもあるだろうが、彼女のこともと言うか、エルフも人間と同様攻撃したりしないように」
「それはもちろん、心得ております」
エトワスが跪いたまま言った。
まあ、あの森での戦いの時もエルフは攻撃しなかったから、間違いは起こらないとは思っている。
「あの、ヨミ様。それで我々は何をすれば良いでしょうか?」
「え? 何をと言われても……」
「人間を襲う魔族と戦えばよろしいのでしょうか?」
ヨミと俺は顔を見合わせた。
それは確かに俺たちの望みではあるが、人間と魔族はすでに戦争状態に入っている。
たった三人の魔族で人間を襲う全ての魔族と戦うのは自殺行為に等しい。
人間の国には魔王も二人来ているという話だし。
「死ぬつもりか? いくら何でもたった三人の魔族で戦争を止めることは不可能だろ」
「私たちはヨミ様のためであれば、命を捧げる覚悟をしています」
言葉だけでなく表情からも覚悟が窺えた。
そこまでヨミに忠誠を誓っている。
「皆さんは私に従うと言いましたよね」
「はい」
「では、最初にこれだけは命令しておきます。私の許可なく勝手に死ぬようなことをすることは禁じます。それがたとえ私のためであっても、決して喜びません」
「「「はい! 畏まりました」」」
三人は声を揃えて返事をした。
さて、問題はこれからのことだ。
エトワスたちに何かをしてもらうよりも、まず俺たちが何をするべきなのか決めないことには始まらない。
「エトワスたちはヨミの命令には絶対に従うと考えて良いんだな」
「はい、ヨミ様だけではありません。ヨミ様の旦那様であるアキラ様のご命令にも従います」
「……それなんだけど、俺とヨミはまだ結婚しているわけでは……」
「そうなのですか? では、夫婦としての契りを今ここで結びましょう」
「エトワスさん、私にも心の準備が必要ですから。それは問題が解決してから改めてちゃんと結婚式をアキラとあげたいと思います」
「はっ! 申し訳ありませんでした。女性にとって最も大切な結婚式をこのような場所で早く済ませてしまおうなどと……差し出がましい提案でした」
魔族の結婚式か。人間と同じというか、俺たちの世界のようにウェディングドレスとか着るのだろうか。
「取り敢えず、俺とヨミは今のところ正式には婚約者と言ったところかな」
「そうですね」
「さて、問題はエトワスたちだけじゃなくて、俺たちがどうするのか決め切れていないってことだ」
「アキラ様。それはどういうことでしょうか?」
「戦争を止めるために人間を説得するのは、無理だと言われた」
キャリーはまだ俺を信頼してくれているようだが、それでもヨミと共に町へ入ることすら認めてはもらえなかった。
俺としてもキャリーの立場を危うくしてまで町に入るつもりはない。
そして、それはきっと他の国々でも同じ。
ここはやはりAIの提案を受け入れるしかないのだろうか。
ヨミを連れている限り、人間の国へ行くのはリスクが大きい。
「エトワスたちは魔界の事情について詳しいか?」
「はい。私たちは魔界出身の魔族ですから」
「もし、俺やマーシャが魔界へ行ったら、魔族はどうする?」
「それは、ヨミ様と一緒にと言うことですよね」
「当たり前だ。俺はもうヨミと離れて行動することはない」
「でしたら、特に問題はないと思いますよ」
やけにあっさりとそう言った。
「い、いやいや。魔族にとって人間はエサみたいなもんだろ? しかも、エルフまで連れて行ったらどう見ても敵と認識されないか?」
「ヨミ様は魔王ですよ。そのヨミ様が人間を婚約者として決めたなら、それを認めない魔族はいません」
「その割には、ヨミに取り入ろうとしていた魔族はヨミに従うつもりがないように見えたが……」
「彼らは新たに覚醒した魔王を主流派に取り込もうとしただけですから。あの一件でヨミ様は毅然と対応されましたし、今後は魔界でも一つの派閥として一目置かれるはずです」
「魔界には派閥なんてものがあるのか?」
「人間の世界で言うなら国ですね。王に従う者たちで構成されているという意味では」
「魔界には派閥が人間の国のようにたくさんあるのか?」
「いえ、今は大きく分かれて二つです。人間を滅ぼし、魔族に平和をもたらそうと行動している、いわゆる主流派。そして、人間と共生し平和な世界を目指そうとしているのがフェラルド派。ヨミ様の考え方はフェラルド様に近いですから、一度会っておいた方が良いと思います」
それじゃ、もう決まりだな。
フェラルドはアスルの父親だ。
ヨミの考え方とかを伝えるよりも、俺たちには会いに行く理由がある。
それと、エリーネを石化させた魔王の情報か。
「エトワスたちは石化させる魔法を使う魔王って知ってるか?」
「え? それでしたら、恐らくグロリア様ですね」
あっさりと名前がわかった。
「どんな奴だ?」
「三姉妹の魔族で次女ですね。生まれつき類い希なる魔力の持ち主で、彼女の力を恐れた魔王の一人が彼女を倒そうとして返り討ちに遭って、その時に魔王として覚醒したはずです」
「魔王ですら恐れる魔族って、そんなに好戦的な魔族だったのか?」
「いえ、逆ですね。争いとは無縁で、姉妹仲良く暮らしていただけだったのですが……」
なんか、人物像がよくわからない。
力は優れているが、争いを好まない。しかし魔王を返り討ちにしてしまう。それが今度は人間を石化させている。
「グロリア様がどうかされたのですか?」
「聞いた話だけど、人間を石化させたらしい」
「そんな!? ありえません。グロリア様はフェラルド様派閥の魔王ですよ。自分に従わない魔族と戦うことすら拒絶するグロリア様が、主流派と共に人間を襲うなんて……」
「……何か、事情がありそうですね……」
ヨミがつぶやいた。
確かに、そんな気はする。
エリーネが魔王と戦ったと聞いた時は冷静さを失っていたが、落ち着いて考えると違和感が残る。
キャリーがエリーネはまだ生きているといっていた。
人間を滅ぼそうと戦争を仕掛けてきた主流派の魔族や魔王は、人間を行動不能にするだけで放っておくなんてことがありえるのかなと思った。
しかし、グロリアという魔王の情報は少ない。
判断するには、もっと情報が必要だ。
「決めた! 俺たちはこのまま魔界へ行こう」
「それでは私たちはまたクァッツくんに変身してもらって、後を追います」
「また二人を乗せて飛ぶんですか? さすがに僕の体力が持ちませんよ」
エトワスの服の袖を掴んでクァッツが抗議した。
「じゃあ、俺は良いよ」
そう言うとレオンの体が闇に包まれて姿が変わる。
たてがみが逞しい、ライオンの姿になった。
「さすがにその乗り物の速度には追いつけないが、この姿なら匂いもたどれるし後を追うことくらいは出来る」
「いや、俺たちと一緒に魔界へ行くのはエトワスだけだ」
「え、なんでですか?」
クァッツが捨てられた子犬のような目をさせる。
「レオンも自力での移動手段があるのは好都合だった。二人にはこっちに残ってグロリアという魔王の行方を追って欲しい。居場所を確認できたら、俺たちに連絡して欲しいところだが……連絡手段がないんだよな」
「ありますよ。私たちは皆、使い魔が使えます」
使い魔か。バルトラムという魔族も言っていた。
魔族は連絡手段として使い魔を使うと。
「ヨミは使ったことがないよな」
「恐らく、ヨミ様は魔物でしたから。使い魔とは力の弱い魔物を使うので……」
同じ種族だと使えないと言うことか。
魔族と魔物も似ているようで微妙な違いがある。
それなのに魔王にまで至ったヨミはやはり特別な存在なのかも知れないな。
「それじゃあ、レオンとクァッツにはグロリアの調査を頼む。可能なら配下に付くと言って近づいてくれ。でも、絶対に無理はするなよ」
「ああ、わかった。任せておけ」
レオンはそう言うとすぐに走り去っていった。
「クァッツくんも頑張ってください」
「は、はい」
ヨミに励まされただけで、クァッツの瞳は輝いた。
そのままドラゴンの姿に変身し、飛び去っていく。
「ところで、エトワスも変身するのか?」
「ええ、ですが私はあの二人のように移動速度が速くなるわけではありませんので」
不必要に変身する気はないようだ。
命令すれば見せてくれるだろうが、俺もそんなくだらないことで命令するつもりはない。
「それじゃ、車に乗ってくれ」
ヨミはこれまで通り後ろの座席に座る。
エトワスはそれを見て固まっていた。
車の乗り方がわからないわけじゃない。
今、目の前でヨミがドアを開けて乗って見せたのだから。
「あ、あの……もしかして私はヨミ様のお隣に座るのでしょうか?」
「ああ、助手席は俺が座る」
何か起こった時に後ろの座席じゃ対応が遅れる。
「こ、婚約者であるアキラ様の前で、ヨミ様の隣りに、私が……」
「ヨミ、面倒だから」
「はい。エトワスさん、私の隣りに座ってください」
さすがにヨミにそこまで命令されては従わないわけにはいかない様子だった。
恐る恐ると言った風にエトワスは後ろの座席に乗り込んだ。
俺も助手席に乗ったところでマーシャが車のスイッチを入れる。
「行き先は決まったのですか?」
「ああ、魔界だ」
二度目に口にした言葉だったから、マーシャはもう驚かなかったが、それでも怪訝な表情は向けられた。
魔族やエルフとは違う存在なのだろうか。
「マーシャ、攻撃してくるようなら俺が止めるから」
「はい。車の防御ですね」
「……ずいぶん仲が良さそうですね」
ヨミが口を尖らせた。
「今はそんなことを言ってる場合か? 俺やヨミには防御魔法なんて使えないんだから、マーシャに頼むしかないだろ」
「そうですけど……」
「ほら、いじけてないで行くぞ。ドラゴンを相手にするのは初めてなんだから、ヨミのフォローが必要だ」
「はい! そうですね! エルフなんかよりもよっぽど役に立って見せますよ」
ちょっと褒めるとすぐに立ち直るのがヨミのいいところではあるが、俺の目の端でマーシャが鼻で笑ったような気がしたが黙殺することにして車を降りた。
「俺たちに何か用か?」
「はい。ですがあなたにと言うよりは、魔王ヨミ様に用事があります」
そう言ってドラゴンの背中から二人の男が飛び降りた。
すると、ドラゴンも闇に包まれて姿が変わる。
あっという間にドラゴンは少年の姿になった。
……違う。こっちが本来の姿か。
さっきのは魔族が変身した姿だ。
ヨミが俺の隣りにやってきて、彼らを見て声を上げた。
「あ! あなたたちは……」
「え? 知り合い?」
「……アキラもほんの少しだけ見たことがあると思います」
「俺も!?」
いや、思い当たるようなことは……。
マジマジと見てみる。
一人は背が高く長い髪が特徴的で、女ウケしそうな顔のモデルのような男だった。
その隣に立つのは、さらに背が高い。恐らく二メートル以上はあるんじゃないかと思われる。
彫りの深い精悍な顔つきで筋肉が大きく、見るからに武闘家のよう。
そして、右端の少年が先ほどドラゴンに変身していた。
黒髪の坊ちゃん刈りで儚げな印象だった。
図書室とかで本を読んでいるのが似合いそう。
言われてみると確かにどこかで見たことがあるような気がする。
「彼らは私の意志を尊重すると約束してくれた仲間です」
「な、仲間だなんて恐れ多い。私たちは魔王ヨミ様に忠誠を誓った魔族です。配下においていただけるだけでもありがたいことなのですから」
モデルのような男がそう言ってヨミの前に跪くと、横の二人も同じようにした。
そこでようやく俺も思いだした。
ヨミと再会した時に、俺やヨミに協力した魔族だ。
魔王として覚醒したヨミに近づく魔族の中で、本当の意味でヨミの考え方に共感した魔族が三人いた。
エルフの国に入る時、彼らの入国許可はもらえなかったから、リンドヒルーツ王国の町の外で待機させていたのだ。
その後、ヨミがエルフの女王に認められたり、車という移動手段を手に入れたことですっかり彼らのことを忘れていた。
「お、おい。さすがにちょっと謝っておいた方が良いんじゃないか?」
ヨミに耳打ちすると、顔を引きつらせていた。
俺と同じように、今の今までヨミも彼らのことを忘れていたのだ。
「あの、顔を上げてください」
「「「はい」」」
声を揃えて魔族たちはヨミを見上げる。
ヨミは頭を真っ直ぐに下げた。
「ごめんなさい。あなたたちのこと、忘れていました」
「ヨミ様! そのようなことで頭を下げないでください」
モデルのような魔族は慌ててそう言った。
「いえ、仲間だと言っておきながら、放置してしまったことは間違いありませんから」
「ヨミ様、俺たちは気にしてないから。頭を上げてくれないか? 好きな男と再会して舞い上がっちまっただけだろ?」
無骨な格闘家のような魔族が豪快に笑う。
「そ、そういう言い方は失礼だと思います」
少年のような魔族が諫めるように言うが、笑い声は止まらない。
「そんな小さなことを気にするような魔王じゃないから、俺たちはヨミ様に仕えると決めたんだろ」
「そ、そうですけど……エトワスさんもレオンさんの態度はよくないと思いますよね」
「え? あ、はい。クァッツくんの言う通りです。ヨミ様を笑うなど……」
「あの、許していただけるんですか?」
ヨミが顔を上げてそう言うと、三人とも少し顔を赤くさせて首を縦に振った。
「話がまとまったところで、自己紹介してもらっていいか?」
今のやりとりで名前と姿と関係性のようなものは見えたが、一応はっきりさせておきたい。
「まずはそうだな。言いだしたのは俺だから俺のことから――」
「その必要はありません。ヨミ様の旦那様のアキラ=ダイチ様ですよね。ヨミ様からいかに愛されているかは窺っております」
モデルのような魔族がそう言って、一礼してから言葉を続けた。
「私はエトワス。純粋に愛する気持ちを持つヨミ様の心に惹かれてお仕えすることに決めた魔族です」
次に無骨な格闘家のような魔族が一歩前に出て親指で自分のことを指した。
「俺はレオンだ。魔物から成り上がったヨミ様の力に惹かれた。もちろん、人間なのに魔王をも倒せるアキラ様にも興味はある。暇な時で良いから一度手合わせ願いたいものだな」
最後に少年のような魔族が両手を前に組んでぺこりと頭を下げた。
「えっと、僕はクァッツと言います。戦いはあまり好きじゃありません。だから、人間と戦わないヨミ様に仕えると決めました」
「ハッハッハッ! 違うだろ。ヨミ様が母親のように優しいから好きだって言っていたじゃないか!」
「れ、レオルさん! その事はいわない約束だったじゃないですか! エトワスさ~ん」
エトワスに泣きつこうとしたクァッツをヨミが抱きしめた。
「ありがとうございます。そう思っていただけたなら、うれしいです」
「よ、ヨミ様……」
「ですが、私が女として愛するのはアキラだけですから。そこだけはわかってください」
「は、はい。もちろん、お二人の邪魔をするようなことは、決して」
ヨミがクァッツの頭を撫でてあげると、恍惚の表情を浮かべたまま立ち尽くしていた。
これで一応の自己紹介は終わったと言えるが……。
車を見るがマーシャは運転席から降りるそぶりすら見せない。
名前だけでも俺から言っておくべきだろう。
「車の中に乗っているのはエルフのマーシャだ。魔族とエルフにはいろいろ思うところもあるだろうが、彼女のこともと言うか、エルフも人間と同様攻撃したりしないように」
「それはもちろん、心得ております」
エトワスが跪いたまま言った。
まあ、あの森での戦いの時もエルフは攻撃しなかったから、間違いは起こらないとは思っている。
「あの、ヨミ様。それで我々は何をすれば良いでしょうか?」
「え? 何をと言われても……」
「人間を襲う魔族と戦えばよろしいのでしょうか?」
ヨミと俺は顔を見合わせた。
それは確かに俺たちの望みではあるが、人間と魔族はすでに戦争状態に入っている。
たった三人の魔族で人間を襲う全ての魔族と戦うのは自殺行為に等しい。
人間の国には魔王も二人来ているという話だし。
「死ぬつもりか? いくら何でもたった三人の魔族で戦争を止めることは不可能だろ」
「私たちはヨミ様のためであれば、命を捧げる覚悟をしています」
言葉だけでなく表情からも覚悟が窺えた。
そこまでヨミに忠誠を誓っている。
「皆さんは私に従うと言いましたよね」
「はい」
「では、最初にこれだけは命令しておきます。私の許可なく勝手に死ぬようなことをすることは禁じます。それがたとえ私のためであっても、決して喜びません」
「「「はい! 畏まりました」」」
三人は声を揃えて返事をした。
さて、問題はこれからのことだ。
エトワスたちに何かをしてもらうよりも、まず俺たちが何をするべきなのか決めないことには始まらない。
「エトワスたちはヨミの命令には絶対に従うと考えて良いんだな」
「はい、ヨミ様だけではありません。ヨミ様の旦那様であるアキラ様のご命令にも従います」
「……それなんだけど、俺とヨミはまだ結婚しているわけでは……」
「そうなのですか? では、夫婦としての契りを今ここで結びましょう」
「エトワスさん、私にも心の準備が必要ですから。それは問題が解決してから改めてちゃんと結婚式をアキラとあげたいと思います」
「はっ! 申し訳ありませんでした。女性にとって最も大切な結婚式をこのような場所で早く済ませてしまおうなどと……差し出がましい提案でした」
魔族の結婚式か。人間と同じというか、俺たちの世界のようにウェディングドレスとか着るのだろうか。
「取り敢えず、俺とヨミは今のところ正式には婚約者と言ったところかな」
「そうですね」
「さて、問題はエトワスたちだけじゃなくて、俺たちがどうするのか決め切れていないってことだ」
「アキラ様。それはどういうことでしょうか?」
「戦争を止めるために人間を説得するのは、無理だと言われた」
キャリーはまだ俺を信頼してくれているようだが、それでもヨミと共に町へ入ることすら認めてはもらえなかった。
俺としてもキャリーの立場を危うくしてまで町に入るつもりはない。
そして、それはきっと他の国々でも同じ。
ここはやはりAIの提案を受け入れるしかないのだろうか。
ヨミを連れている限り、人間の国へ行くのはリスクが大きい。
「エトワスたちは魔界の事情について詳しいか?」
「はい。私たちは魔界出身の魔族ですから」
「もし、俺やマーシャが魔界へ行ったら、魔族はどうする?」
「それは、ヨミ様と一緒にと言うことですよね」
「当たり前だ。俺はもうヨミと離れて行動することはない」
「でしたら、特に問題はないと思いますよ」
やけにあっさりとそう言った。
「い、いやいや。魔族にとって人間はエサみたいなもんだろ? しかも、エルフまで連れて行ったらどう見ても敵と認識されないか?」
「ヨミ様は魔王ですよ。そのヨミ様が人間を婚約者として決めたなら、それを認めない魔族はいません」
「その割には、ヨミに取り入ろうとしていた魔族はヨミに従うつもりがないように見えたが……」
「彼らは新たに覚醒した魔王を主流派に取り込もうとしただけですから。あの一件でヨミ様は毅然と対応されましたし、今後は魔界でも一つの派閥として一目置かれるはずです」
「魔界には派閥なんてものがあるのか?」
「人間の世界で言うなら国ですね。王に従う者たちで構成されているという意味では」
「魔界には派閥が人間の国のようにたくさんあるのか?」
「いえ、今は大きく分かれて二つです。人間を滅ぼし、魔族に平和をもたらそうと行動している、いわゆる主流派。そして、人間と共生し平和な世界を目指そうとしているのがフェラルド派。ヨミ様の考え方はフェラルド様に近いですから、一度会っておいた方が良いと思います」
それじゃ、もう決まりだな。
フェラルドはアスルの父親だ。
ヨミの考え方とかを伝えるよりも、俺たちには会いに行く理由がある。
それと、エリーネを石化させた魔王の情報か。
「エトワスたちは石化させる魔法を使う魔王って知ってるか?」
「え? それでしたら、恐らくグロリア様ですね」
あっさりと名前がわかった。
「どんな奴だ?」
「三姉妹の魔族で次女ですね。生まれつき類い希なる魔力の持ち主で、彼女の力を恐れた魔王の一人が彼女を倒そうとして返り討ちに遭って、その時に魔王として覚醒したはずです」
「魔王ですら恐れる魔族って、そんなに好戦的な魔族だったのか?」
「いえ、逆ですね。争いとは無縁で、姉妹仲良く暮らしていただけだったのですが……」
なんか、人物像がよくわからない。
力は優れているが、争いを好まない。しかし魔王を返り討ちにしてしまう。それが今度は人間を石化させている。
「グロリア様がどうかされたのですか?」
「聞いた話だけど、人間を石化させたらしい」
「そんな!? ありえません。グロリア様はフェラルド様派閥の魔王ですよ。自分に従わない魔族と戦うことすら拒絶するグロリア様が、主流派と共に人間を襲うなんて……」
「……何か、事情がありそうですね……」
ヨミがつぶやいた。
確かに、そんな気はする。
エリーネが魔王と戦ったと聞いた時は冷静さを失っていたが、落ち着いて考えると違和感が残る。
キャリーがエリーネはまだ生きているといっていた。
人間を滅ぼそうと戦争を仕掛けてきた主流派の魔族や魔王は、人間を行動不能にするだけで放っておくなんてことがありえるのかなと思った。
しかし、グロリアという魔王の情報は少ない。
判断するには、もっと情報が必要だ。
「決めた! 俺たちはこのまま魔界へ行こう」
「それでは私たちはまたクァッツくんに変身してもらって、後を追います」
「また二人を乗せて飛ぶんですか? さすがに僕の体力が持ちませんよ」
エトワスの服の袖を掴んでクァッツが抗議した。
「じゃあ、俺は良いよ」
そう言うとレオンの体が闇に包まれて姿が変わる。
たてがみが逞しい、ライオンの姿になった。
「さすがにその乗り物の速度には追いつけないが、この姿なら匂いもたどれるし後を追うことくらいは出来る」
「いや、俺たちと一緒に魔界へ行くのはエトワスだけだ」
「え、なんでですか?」
クァッツが捨てられた子犬のような目をさせる。
「レオンも自力での移動手段があるのは好都合だった。二人にはこっちに残ってグロリアという魔王の行方を追って欲しい。居場所を確認できたら、俺たちに連絡して欲しいところだが……連絡手段がないんだよな」
「ありますよ。私たちは皆、使い魔が使えます」
使い魔か。バルトラムという魔族も言っていた。
魔族は連絡手段として使い魔を使うと。
「ヨミは使ったことがないよな」
「恐らく、ヨミ様は魔物でしたから。使い魔とは力の弱い魔物を使うので……」
同じ種族だと使えないと言うことか。
魔族と魔物も似ているようで微妙な違いがある。
それなのに魔王にまで至ったヨミはやはり特別な存在なのかも知れないな。
「それじゃあ、レオンとクァッツにはグロリアの調査を頼む。可能なら配下に付くと言って近づいてくれ。でも、絶対に無理はするなよ」
「ああ、わかった。任せておけ」
レオンはそう言うとすぐに走り去っていった。
「クァッツくんも頑張ってください」
「は、はい」
ヨミに励まされただけで、クァッツの瞳は輝いた。
そのままドラゴンの姿に変身し、飛び去っていく。
「ところで、エトワスも変身するのか?」
「ええ、ですが私はあの二人のように移動速度が速くなるわけではありませんので」
不必要に変身する気はないようだ。
命令すれば見せてくれるだろうが、俺もそんなくだらないことで命令するつもりはない。
「それじゃ、車に乗ってくれ」
ヨミはこれまで通り後ろの座席に座る。
エトワスはそれを見て固まっていた。
車の乗り方がわからないわけじゃない。
今、目の前でヨミがドアを開けて乗って見せたのだから。
「あ、あの……もしかして私はヨミ様のお隣に座るのでしょうか?」
「ああ、助手席は俺が座る」
何か起こった時に後ろの座席じゃ対応が遅れる。
「こ、婚約者であるアキラ様の前で、ヨミ様の隣りに、私が……」
「ヨミ、面倒だから」
「はい。エトワスさん、私の隣りに座ってください」
さすがにヨミにそこまで命令されては従わないわけにはいかない様子だった。
恐る恐ると言った風にエトワスは後ろの座席に乗り込んだ。
俺も助手席に乗ったところでマーシャが車のスイッチを入れる。
「行き先は決まったのですか?」
「ああ、魔界だ」
二度目に口にした言葉だったから、マーシャはもう驚かなかったが、それでも怪訝な表情は向けられた。
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小説家になろう様でも投稿しています。
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