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Book 11
「幸棲夢」⑤ ♡
しおりを挟む速攻で風呂に入ってくる、と早口で言ったシンちゃんは、そのとおり超高速でお風呂を済ませた。
そして、今、わたしたちは、シンちゃんが寝起きしている二階の客間に敷かれた客用布団の上で、しっかりと抱き合っている。←今ここ。
シンちゃんはわたしが来ているパジャマ代わりのGUのルームウェアをもどかしく脱がせた。
絶え間なく、くちづけを交わすわたしたちは、もうすでに、お互い恥ずかしいくらいの荒い息遣いになっている。
こんなことになるのなら「勝負下着」とまではいかなくても、もう少し気の利いたものでも着けていればよかった、と後悔の嵐だがあとの祭りだ。
もっともシンちゃんは、アウトレットで買ったワコールの色気のカケラもないナイトブラであろうと、モノともせずひん剥いて、全然違う柄のGUのショーツだって、さっさと引き下ろしたから、まったく気にも留めていないようだけれども……
煌々と昼光色の蛍光灯に照らされた下で、いきなり一糸まとわぬ真っ裸にされて、わたしは思わず両腕を交差させて胸を隠した。
「……シンちゃん……電気……明るいよ……」
今度は自分のスウェットをひん剥いていたシンちゃんが駄々っ子のように呻いた。
「……いやだ。……櫻子のカラダを見ながらする」
そして、全部を取り去ると、わたしの交差していた腕をとって、左右に押し広げた。
痛めた左手首がずきっ、としたけれど、恥ずかしさの方が優った。
シンちゃんは、とたんにあらわれた両方の乳房をじーっと凝視したかと思うと、勢いよくその片方へしゃぶりついた。
わたしのおっぱいを見たことのある人は一様に、着痩せするタイプだね、と目を見張る。
シンちゃんの大きな手のひらに包まれたもう片方のおっぱいは、覆いきれないほどだった。
だけど、こんなに余裕のない彼を見るのは、
——初めてだ。
カラダのあらゆるところを、シンちゃんの舌と指が蹂躙していく。
わたしのくちびるからは、我慢しきれない甘い喘ぎ声が漏れ出る。
特に、しつこくしつこく攻められた脚の恥ずかしい狭間からは、どうしようもないほど滴り流れている。
「……ちゃんと着けるから、安心して……」
シンちゃんはちゃんと「紳士の嗜み」を持っていた。
そういうのを「常備」して「臨戦態勢」でいる人だったのか、とわたしが怪訝な顔をしたら、
「先刻、ドラックストアに行ったときに買ってきた」
と言いながら、歯で封を切った。
——えっ、じゃあ、そのときにはもう、こんなことをしようと思ってたのっ?
しかし、次の瞬間、脚の間にとてつもない圧迫感を感じて、息が止まった。
——「シンちゃん」が挿入ってきたのだ。
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