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Book 12

「執(しつ)恋」① ♡

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 翌朝、目覚めたらすぐ横にシンちゃんの顔があって、飛び上がるほどびっくりした。
 とたんに、明け方まで続いた「あのこと」が脳裏にはっきりと甦り、わたしはパニックになった。

 布団をめくれば、まだ一糸まとわぬ真っ裸のまんまだったので、わたしはそーっと布団から出てGUのルームウェアを取ろうと腕を伸ばした。

 だけど、突然後ろから覆いかぶされて、また布団に引きずり込まれる。
「……ダメだよ、櫻子」
 シンちゃんがわたしの耳元で低くささやく。
「まだ……どこにも行かせない」
 有無も言わせぬ「皇帝」の声だった。

 そして、背後からわたしの両方の乳房を持ち上げるようにして、たぷたぷと揉みしだく。 

「……ぁん……っ」

 合間に乳首をくりくり弄られて、思わず、声が漏れる。はしたないくらい早く、自分の膣内おくが潤っていくのがわかった。

「……櫻子はおっぱいも感じやすいね。ふつう、こんなに大きかったら、感度が落ちるって言うけどね」
 到底そんなことは言わなさそうな、なめらかで落ち着いた声でわたしの耳に語りかける。

 それにしても……どこの統計?
 ——まさか、自らフィールドワークした「調査結果」じゃないでしょうね?

 振り向いて問いただしてやりたいのに、わたしはただがり声をあげるばかりで、なにもできなかった。

「櫻子、左手首は大丈夫?」
 心配そうな声音でシンちゃんが訊く。
 けれども、その手はわたしのおっぱいを弄ったまんまなので、わたしはくるしげに首を縦に振るしかできない。

「……よかった……じゃあ」
 シンちゃんの大きな手のひらが、わたしのおっぱいから離れた。

 ——えっ?うそっ!もう、終わり?
 わたしは呆けた顔で振り向いた。

 シンちゃんは四角い袋をくわえていた。
 魅惑的な切れ長の目を細めて、蠱惑的ににやりと笑う。
「櫻子、そのまま前を向いてて。……今度は、後ろから挿れてあげるから」
 ピッ、と歯で袋の封が切られた。

 ——昨夜の「あれ」を、今度は後背位バックでされるの?

 思う間もなく、猫が伸びをするみたいにお尻を高く引き上げられたかと思えば、何の躊躇もなく「シンちゃん」がずぶり、と突き挿された。

「ぁあああああああ……ぁっ⁉︎」


 そのあとは……
 朝っぱらからどうしようもないくらい、き叫ばされることとなった。

 シンちゃんはじっくりと突くだけでなく、緩急をつけて突くリズミカルな腰使いも——「お得意」のようだった。

 —— 真生まきちゃん、彼はご奉仕知らずの『マグロ男』ではなく、しっかり女慣れしたテクニシャンの方だったよ。


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