63 / 375
第5章 瀑水の試練編
63話 恐ろしい病気です
しおりを挟む
と言うわけで……
「やって来ました! フェーニル~!!」
目が覚めてから少しして、再びグロッキー状態に陥りかけましたが。
転移で道中をショートカット。
何とか二度目のダウンに陥る直前に、目的地であるフェーニル王国王都に到着する事が出来ました。
王都外壁に沿う様に長蛇の列が連なっており、その様はさながら何処ぞのテーマパークを連想させる。
まぁ幸いなことに、僕達はフェーニルの方から招待された身。
国境の関所と同様にすぐに王都に入る事が出来ました。
もし、あの長蛇の列に並ぶ事になっていれば……馬車の揺れに加え、人の多さも伴って早々に限界を迎えていた事は火を見るより明らか。
命拾いしました……
尤も、貴族や国賓を迎える為の特別門を使ったので、通常門に並んでいる人々から注目を浴びる羽目になりましたが。
まぁ倒れるよりかは幾分かマシです。
そして現在、僕達がいる場所は……王都と美しい海を一望出来る高台。
絶景が眼前に広がっています!!
背後には、ヨーロッパの街並みを想像させる白い荘厳な建物。
フェーニル王国で一番の高級ホテルで、今回僕たちが宿泊する場所でもあります。
因みに、王城は海に面した高い崖の上。
陸・海共に攻め入り難い場所と言えるでしょう。
幾つもの塔が重なり合うように建てられ、背後の青い海と合わさり幻想的な光景を醸し出す。
「ではお嬢様、私はチェックインを済ませて来ますので少々お待ちください」
「わかりました」
今回の旅の立役者であるコレールがホテルに入っていったのを見送り、再び眼下に視線を移す。
「外壁の長蛇の列にも驚かされましたが。
流石は世界最大の商業大国、海洋国家フェーニル王国ですね。
人通りで言えば帝都も負けていませんが、活気と熱気がここまで伝わって来ます」
もう既に日は落ちそうになっていると言うのにこの活気。
うーん! 商人魂が燻られますね!!
「今夜は夜の街に繰り出す、と言うのもアリかも知れませんね」
「なりませんよ、お嬢様」
「む、メルヴィーはケチですね。
フェルもそう思うでしょう?」
「ん、メルは真面目過ぎ、お母さんみたい」
「なっ!?」
フェルの言葉を受けて、メルヴィーの目が驚愕に見開かれる。
フェルよ、よくぞ言ってくれました。
これで盤面は2対1。
戦局は大きく僕に傾くことになったも同然!!
しかし、ここで油断してはいけません、戦では最後の詰めが一番重要なのです。
もしここで油断を見せれば、どの様に揚げ足を取られるか分かりません。
そして、そんな危惧を肯定するかの様にメルヴィーの口角が上がり……
「お、お母さん……お嬢様の、お母さん。
ウへ、ウヘヘヘへ」
とろんと蕩けた目で頬をほのかに染め上げ、クネクネと身体をくねらせるメルヴィー。
簡潔に言って、エロい。
一体どうしてしまったと言うのでしょうか?
今のメルヴィーからは普段の凛凛しさの欠片もありません。
時々、オルグイユも今のメルヴィーの様になってしまう時がありますけど……
まさかっ!? もしかして、メルヴィーとオルグイユは何か悪い病気を患っているのでは?
その病気とは高位の、それも女性の吸血鬼のみが罹るモノだとすれば……
現代医学にも多少精通している僕が全く知らない症状だと言う事にも納得できます。
しかし、神と同等以上に渡り合える程の力を持つオルグイユですら打ち勝てない病が存在するとは……
僕も吸血鬼である以上、いつかこの病に罹ってしまうかも知れませんし。
これは研究する必要がありそうですね。
「ノア姉様、お嬢様が何やら勘違いしています!」
「ええ、そうねシア。
でも、勘違いなさっているお嬢様もお可愛らしいです」
「あら、2人とも分かっているではないですかっ!
あぁ! 何とお可愛らしいお姿でしょう!!」
「そ、そうですね」
「え、えぇ、オルグイユ様の仰る通りです」
やっぱりオルグイユも病気を患っている様ですね。
ノアとシアが若干引き気味になってしまっています。
それにしても、一国をいとも容易く滅ぼせる力を持ち、傾国の美女である吸血鬼。
そんな2人が恍惚とした表情で扇情的に身体をくねらせ独り言を呟く……
紛れも無いカオス。
コレールが戻って来て、面白がって傍観を決め込んでいたアヴァリスが鎮静するまでしばしの間続きました。
「やって来ました! フェーニル~!!」
目が覚めてから少しして、再びグロッキー状態に陥りかけましたが。
転移で道中をショートカット。
何とか二度目のダウンに陥る直前に、目的地であるフェーニル王国王都に到着する事が出来ました。
王都外壁に沿う様に長蛇の列が連なっており、その様はさながら何処ぞのテーマパークを連想させる。
まぁ幸いなことに、僕達はフェーニルの方から招待された身。
国境の関所と同様にすぐに王都に入る事が出来ました。
もし、あの長蛇の列に並ぶ事になっていれば……馬車の揺れに加え、人の多さも伴って早々に限界を迎えていた事は火を見るより明らか。
命拾いしました……
尤も、貴族や国賓を迎える為の特別門を使ったので、通常門に並んでいる人々から注目を浴びる羽目になりましたが。
まぁ倒れるよりかは幾分かマシです。
そして現在、僕達がいる場所は……王都と美しい海を一望出来る高台。
絶景が眼前に広がっています!!
背後には、ヨーロッパの街並みを想像させる白い荘厳な建物。
フェーニル王国で一番の高級ホテルで、今回僕たちが宿泊する場所でもあります。
因みに、王城は海に面した高い崖の上。
陸・海共に攻め入り難い場所と言えるでしょう。
幾つもの塔が重なり合うように建てられ、背後の青い海と合わさり幻想的な光景を醸し出す。
「ではお嬢様、私はチェックインを済ませて来ますので少々お待ちください」
「わかりました」
今回の旅の立役者であるコレールがホテルに入っていったのを見送り、再び眼下に視線を移す。
「外壁の長蛇の列にも驚かされましたが。
流石は世界最大の商業大国、海洋国家フェーニル王国ですね。
人通りで言えば帝都も負けていませんが、活気と熱気がここまで伝わって来ます」
もう既に日は落ちそうになっていると言うのにこの活気。
うーん! 商人魂が燻られますね!!
「今夜は夜の街に繰り出す、と言うのもアリかも知れませんね」
「なりませんよ、お嬢様」
「む、メルヴィーはケチですね。
フェルもそう思うでしょう?」
「ん、メルは真面目過ぎ、お母さんみたい」
「なっ!?」
フェルの言葉を受けて、メルヴィーの目が驚愕に見開かれる。
フェルよ、よくぞ言ってくれました。
これで盤面は2対1。
戦局は大きく僕に傾くことになったも同然!!
しかし、ここで油断してはいけません、戦では最後の詰めが一番重要なのです。
もしここで油断を見せれば、どの様に揚げ足を取られるか分かりません。
そして、そんな危惧を肯定するかの様にメルヴィーの口角が上がり……
「お、お母さん……お嬢様の、お母さん。
ウへ、ウヘヘヘへ」
とろんと蕩けた目で頬をほのかに染め上げ、クネクネと身体をくねらせるメルヴィー。
簡潔に言って、エロい。
一体どうしてしまったと言うのでしょうか?
今のメルヴィーからは普段の凛凛しさの欠片もありません。
時々、オルグイユも今のメルヴィーの様になってしまう時がありますけど……
まさかっ!? もしかして、メルヴィーとオルグイユは何か悪い病気を患っているのでは?
その病気とは高位の、それも女性の吸血鬼のみが罹るモノだとすれば……
現代医学にも多少精通している僕が全く知らない症状だと言う事にも納得できます。
しかし、神と同等以上に渡り合える程の力を持つオルグイユですら打ち勝てない病が存在するとは……
僕も吸血鬼である以上、いつかこの病に罹ってしまうかも知れませんし。
これは研究する必要がありそうですね。
「ノア姉様、お嬢様が何やら勘違いしています!」
「ええ、そうねシア。
でも、勘違いなさっているお嬢様もお可愛らしいです」
「あら、2人とも分かっているではないですかっ!
あぁ! 何とお可愛らしいお姿でしょう!!」
「そ、そうですね」
「え、えぇ、オルグイユ様の仰る通りです」
やっぱりオルグイユも病気を患っている様ですね。
ノアとシアが若干引き気味になってしまっています。
それにしても、一国をいとも容易く滅ぼせる力を持ち、傾国の美女である吸血鬼。
そんな2人が恍惚とした表情で扇情的に身体をくねらせ独り言を呟く……
紛れも無いカオス。
コレールが戻って来て、面白がって傍観を決め込んでいたアヴァリスが鎮静するまでしばしの間続きました。
21
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる