最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
101 / 375
第7章 火炎の試練編

101話 温泉巡りと行きましょう!!

しおりを挟む
 かつてそこには、豊かで平和な笑顔に溢れた人間と獣人の国があった。
 しかし、ある日を境にその国は、憎しみが憎しみを生み、血で血を洗う戦場へと変貌を遂げる。
 道端には誰かも知らぬ骸が幾つも転がり、爆発音と悲鳴が何処からか響いてくる。

 始まりは貴族同士の小さな諍い。
 そんな些細なきっかけによって、笑顔に溢れた王国は血濡れた戦乱の世を迎えた。

 小さな綻びが、時を重ねるにつれ大きな綻びとなり。
 国は人間と獣人に真っ二つに別れ、終わりの無い戦いに明け暮れた。

 そんな凄惨な争いを嘆き、かつて幼馴染みであった人間と獣人の種族の異なる2人の少女が立ち上がる。
 2人は幼い頃の平和な時を胸に、それぞれの種族に訴えかける。

 しかし、積りに積もった憎しみはそう簡単には止められない。
 2人はそれぞれの種族から裏切り者として捕らえられ、遂には追放されてしまう。

 追放された2人は、神に祈りを捧げ、神の住まうとされている火山の火口にその身を投げた。
 その時、その地に一人の天使が舞い降りる。

 争いを憂う2人の少女に感銘を受け、降臨した天使は奇跡の光をもって瞬く間に2種族による争いを終結させた。
 美しい白銀に輝く髪と、純白の翼を持った天使は人々に神の御心を伝える。

 〝この地に住まう人の子達よ。
 其方らの争いによって土地は荒れ、この地を見守っていた精霊達は去った。
 しかし、我らは2人の少女に心動かされ、もう一度この地を見守ると決めた。
 2人の少女らが願うように、其方らが手渡り合い、平和な国を作る事を願っている〟

 その言葉を最後に、白銀の天使は一際大きな輝きを放ち。
 恵を産むダンジョンを作り上げ、天へとお帰りになった。

 その後、人々は天使の言葉通りその手を取り合い。
 二人の少女を聖女とし、平和で笑顔に溢れる国を作りました。







「うん、まぁなんでしょう。
 壮大ですね」

 手に持った本を閉じつつ、コレールに本を渡す。
 今読んでいた本は、温泉の国・アルテット公国の建国神話が子供用にアレンジを加えて描かれた絵本。

 イヴァル王達に面倒事を押し……じゃなくて商談をした後、早速転移でアルテット公国にやって来たわけです。

 それでもって、現在はアルテット公国首都内にあるホテルにいる訳ですが。
 勿論、このホテルもリーヴ商会系列のホテルです。

 フェーニル王国で傘下に加えたホテルのマニュアルを参考にホテル業を開業。
 これで一々、何処かに行く度にホテルを探す必要が無くなったと言う訳です。

 因みに、このリーヴ・ホテルはリーヴ商会にて製造、販売している商品を用いていて、品質・防備ともに最高峰を誇っています。

 そのおかげで、様々な国の貴族や大商人、果てには王族までもが御用達の超一流ホテルに成り上がりました。

 尤も、このリーヴ・ホテルに泊まる限り、王族だろうが平民だろうが奴隷だろうが、お客様に差を付ける事はありません

 リーヴ・ホテルにて身分がどうのこうのと、問題を起こせばみんな等しく強制退場。
 の、ハズなのですが……

「その本の事は取り敢えず置いておくとして。
 どうして、こんな事になっているのですか?」

「貴族だろうと王族だろうと、お客様として平等に扱いますが。
 お嬢様は別です」

 ジト目で訴えかける僕に対して、当然でしょうと言わんばかりにコレールが言い放ちました。
 周りを見渡すと、他のみんなも当然と頷いたりしています。

 ……これは、言ったところでどうにもなりませんね。
 まぁでも、今回は丸々貸切ではなく、最上階だけの貸切なのでまだマシな方でしょう。

「はぁ、仕方ありませんね。
 それにしてもこの本……あながち作り話って訳でも無いんですよね?」

「はい。
 天使や理由など多少の脚色はありますが、この国の建国の際に争いを止めた者がいるのは事実です」

「因みにその天使は非常に粗雑な奴ですので、近づいてはダメですよ、ルーミエル様」

 コレールが頷く隣で、オルグイユが真剣な顔で忠告してきました。

「吾、その話、知らない」

「フェルは、顔見知りじゃ無いのですか?」

「フェルはその時も寝ていましたからね」

 なる程、アヴァリスの言葉で納得してしまいました。

「でも、フェルも知ってる奴だぜ。
 昔、フェルに勝負を挑んでボコボコにされてたからなアイツ」

「まぁ、彼は単細胞でしたからね。
 物理が一切効かないフェルさんに物理攻撃を仕掛けるような方でしたし」

 と、リュグズールにエンヴィーまでも、散々な言いようですね。
 誰か分かったのか、フェルも苦い顔をしていますし。

「むぅ、気になります……早く火炎の試練に行きたいです!
 彼らさえ居なければすぐにでも行くのですが……」

 そう、アルテット公国には八大迷宮が一つ火炎の試練があるのです。
 その事もあり、アルテット公国に来たのですが。

 なんと、数日前に勇者一行が火炎の試練に向かったというのです!
 何という間の悪さ。
 フェーニルでも遭遇しましたし、もはや呪いですよ。

「ではお嬢様、待っている間、我々と共に温泉を楽しみませんか?」

 温泉……メルヴィー、素晴らしきかな!

「そうですね、そうしましょう!
 では勇者達が火炎の試練から戻ってくるまで、アルテット温泉巡りと行きましょう!!」
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...