最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
110 / 375
第7章 火炎の試練編

110話 それでは皆様、良い一日を

しおりを挟む
 各々、武器を構えて臨戦態勢をとっている勇者達。
 出来れば、素直なUターンして帰ってくれたら楽なんですけど……

 この様子を見るに、帰ってくれそうにありませんね。
 こんな幼気な幼女に武器を向けるなんて、勇者にあるまじき行為ですよっ!

 しかし、本当にどうしましょう。
 何この沈黙、キツいんですが……そもそも、いきなり乱入してきたのに名乗りもしないとは。
 勇者のくせに、テンプレがなってませんよ!

「貴方達は何者ですか?」

 おぉ!  向こうから話しかけてきてくれました。
 うんうん、やっぱり向こうもこの沈黙が辛かったに違いありません。
 良くやってくれました、学級委員長!

 とは言え、流石に元クラスメイト達と面と向かって何を話せば良いのか分かりません。
 しかし!  僕には奥の手、コレールにお任せがあるのです!!

 さり気なくコレールにアイコンタクトを送ると、微笑みながら頷きました。
 流石コレール!  お任せ下さいってその目が語っています。

「突然攻撃を仕掛けておいて、謝罪も無しとは……
 我々が名乗る前にそちらが先に名乗るのが礼儀なのでは無いでしょうか?」

 やれやれ、と言った風に軽く首を振り、子供を促す様に言うコレール。
 コレールだけでなく、皆んなリーヴ商会を始めてから、こう言った駆け引きが上手くなりましたね。

 コレールなんて、もう既に大商会の商会長としての貫禄が凄い。
 流石は万能執事です。

「攻撃って、こっちはその子をアイツから助けてやったんだぞ!」

 と声を上げるのは……おおっ!  懐かしい、キミは修学旅行の時の難癖君じゃないですか!!
 キミがそう言うって事は、ディベルとの戦闘は見られていないって事ですか。
 あの戦闘を見られていたら、誤魔化すのが面倒なので助かりました。

「貴方の言い分はそうかも知れません。
 ですが、貴方方の魔法によってお嬢様が危険に晒されたのは事実です」

「何だと?」

「まぁまぁ、日高も落ち着いて。
 名乗るのが遅れました、俺は稲垣 涼太、アレサレム王国の勇者です」

 まぁ、知ってましたけどね。
 もうここはコレールに任せて、僕はネコ耳に行ってもいいでしょうか?

「そうですか。
 私はコレールと申します、以後お見知り置き下さい」

「ではコレールさん、幾つか質問しても?」

「答えられる範囲であればお答えしましょう」

「では、貴方達は何故この場所に?
 ご存知だとは思いますが、ここは命の危険がある迷宮です。
 子供を連れて来るような場所ではありません」

 そう言って、稲垣は僕とフェルにチラッと視線を向けました。
 何故かニッコリと微笑まれましたが、一体何がしたいのでしょうか?

「この場に来た理由は機密です。
 申し訳ありませんが、お答えできません」

「そう、ですか。
 じゃあ、ここに来るまでに居た魔物が何処に行ったのか、知っていますか?」

「あの魔物共でしたら我々が始末しました」

 淡々と答えたコレールの言葉に、勇者一行が唖然としました。

「おいおい、俺たちをナメてんのか?
 俺たちでさえ12階層まで行くのがやっとだったんだぞ!」

 マジですか!
 何であんな低階層で引き返したのか疑問でしたが、まさか普通に実力だったとは……

 修学旅行で絡んで来た…日高君、でしたっけ?
 ハッキリ覚えてませんが。
 取り敢えず、思わぬカミングアウトをしてくれましたね。

「そうだよ、あんまり権力を笠に着る様な事はしたく無いけど。
 ここで隠し事をしても後々アレサレムが出てきて、どうなるかわからないよ?」

 ちょっとムッとした顔でそう言ってきたのは、クラスの双子の妹、双葉 真衣。
 確かにその脅しは、高位の冒険者にも有効でしょう。

 けど、僕達には悪手以外の何でもありませんね。
 僕は勿論の事、皆んなもアレサレムには良い感情を抱いていませんからね。
 この状況ではむしろ悪手でしかありません。

「ご安心を、お嬢さん。
 アレサレム王国が、我々に害を成すのであれば我々もそれなりの対応をさせて頂くだけですので」

「それなりの対応?
 ハッ、一般人が調子に乗ってんじゃねぇぞ!
 お前如きがアレサレム相手に何が出来るってんだよ!?」

 何かもう、日高が三下の雑魚にしか見えなくなってきました。
 言うなれば、フェーニルでの3人組と同列ですね。

「申し上げておりませんでしたでしょうか?
 私はとある商会の商会長を務めているのですが……」

「あぁ?  だから何だってんだよ?
 たかが一商会の分際で国に、勇者に楯突くんじゃねぇよ。
 俺たち勇者がお前の商会を使わないって言いふらせばどうなるのか、分からねぇのか?」

 あ~あ、コレールの言葉を遮って、遂に言っちゃいましたね。
 日高の性格を見て、この言葉を引き出すのがコレールの狙いだと言うのに。

「おい、日高…」

 稲垣が、日高を諫めようとしますが、もう遅い。

「そうですか。
 では今後一切、我々の商会を勇者殿達はお使いにならないと言う事で宜しいですね?」

「は?  お前、何言って……」

「では、各店舗にその様に通知致します。
 アヴァリス、お願いできますか?」

「ええ、分かりました」

 勇者が使わないと広めるって脅せばこちらが焦るとでも思っていたのでしょう。
 コレールの対応に戸惑っている日高を他所に、指示を受けたアヴァリスが転移でこの場から消えました。

「「「っ!?」」」

 その光景に、驚愕を露わにする勇者一行。
 イヴァル王達から聞いてはいましたが、どうやら本当に転移魔法って凄いみたいですね。

「そう言えば、まだ申し上げていませんでしたね。
 改めまして、私はリーヴ商会の会長を務めております」

「えっ!  リーヴ商会ってあのっ!?」

「貴方方は全リーヴ商会の支部、及び経営施設の使用は出来ませんので悪しからず」

 唖然と呟く、勇者一行を全く意に返さずに淡々とそう告げるコレール。

「う、嘘……」

「残念ながら本当ですよ、お嬢さん」

 コレールの言葉を受けて双葉姉妹も、軽く青ざめる。

「しかし、勇者殿達に使わないと広められると流石にアレサレム国内での活動は難しくなりそうですね。
 仕方ありません……」

 その言葉で、一斉にコレールに勇者一行の視線が集中します。

「アレサレム王国から訪問の招待を受けていたのですが。
 お断りしてアレサレム国内から撤退するとしましょう」

 無慈悲な微笑みを浮かべながら、勇者一行を完全に無視してそう呟きました。

 これは中々に酷いですね。
 上げてから落とす、今はコレールが悪魔に見えます!!

「そう言えば、皆様は我々が魔物を始末したと言う事を信じていらっしゃらないご様子。
 事実を虚偽と思われるのは心外ですので、少し我々の力をお見せしましょう」

「ちょ、ちょっと待って下さい!」

「それでは皆様、良い一日を」

 お腹に手を置いて、コレールが一礼すると同時に、勇者達が消え失せました。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...