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第10章 アレサレム戦争編
154話 紅き神獣 VS 黒き化身
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紅き輝きを放ち、世界を侵食するかの様に広がる黒を食止める幼女。
その正体は、ナイトメアの最高幹部の1人にして神話に語られる神獣霊鳥。
「フェル、様……」
「ん!」
ユリウスは後ろから聞こえてきた声に弾かれた様に振り返り、その姿を見て目を丸くして瞬かせる。
そんなユリウスに何故かドヤ顔を浮かべてピースサインを向ける様子は、どこか微笑ましくとても古の大戦を生き抜いた神獣には思えない。
しかし、ユリウスは……十剣達は知っている。
目の前の幼女と言っても差し支えないフェルが、神獣と呼ばれる所以を。
神話にさえ語られる、その圧倒的な実力を。
「まっ、まずいですよ!
貴女様がお姿をお見せになってしまっては!!」
フェルの突然の登場に目を丸くしていたユリウスは、ハッと我に帰って焦った様に声を上げる。
何故ならば今回の戦いに於いて、フェルは姿を見せ無いと言う事になっていたからだ。
「あの子は……」
フェルの姿に唖然と目を見開く稲垣を筆頭とした勇者達。
フェルが姿を見せない事になっていた理由。
それは、火炎の試練で遭遇した勇者達の存在に他ならない。
「ん、でも、仕方ない。
アレは……」
フェルの言葉が激しい揺れと轟音によって遮られる。
拮抗する黒と赤。
突如として現れた存在に、先程まで口角が吊り上がっていた黒き化身が駄々を捏ねる子供の様に地団駄を踏む。
力任せに踏み抜かれた足は地面を割り、一歩毎に地震の様に地面を揺らす。
「むぅ、お前、煩い」
煩わしそうに少し顔をしかめ、鬱陶しそうに呟くと同時に赤き柱が天高く立ち昇り、黒き化身を閉じ込める。
「あれは……」
「ん、吾の結界。
これで、暫くは静か」
「あ、あはは、流石ですね」
何でも無い様に信じられない規模の結界を一瞬で展開させた事実に対してユリウスに苦笑いが浮かぶ。
しかし、フェルの正体と実力を知らない勇者達は愕然と目を見開く。
「吾が、アレを倒すと、きっとエルも、褒めてくれる!!」
両手をグッと両手を握り締め、嬉しそうに呟くフェルの姿に静寂が舞い降りる。
十剣達は苦笑いを浮かべ、勇者達は理解が及ばず戸惑うばかり。
ドォッン!
唸る様に響くその後によって静寂が打ち壊された。
フェルが展開した超大規模結界に広がる罅を目にした勇者達の表情が強張る。
「ふふふ、エルに、なでなで……手柄は、絶対に譲らない」
罅が入った結界に目もくれず、妄想にニヤけていたフェルが真剣な表情で宣言するのと同時に、天まで届く赤き結界が砕ける。
「ギュオォッッ!!」
両腕を刃物の様な形状に変化させた黒き化身が、身体中に現れた口から叫び声を上げる。
膨大な魔力を伴い放たれた、黒き化身の産声との呼べる叫びに数名の勇者達が意識を失い倒れ伏す。
空気が爆ぜる。
黒き化身が音速を遥かに超える速度でフェルに切迫し、刃と化した自身の腕を振り上げる。
ドォゴォァッッン!!
横薙ぎに振るわれた腕によって、その先にあった地面が吹き飛び、土煙が舞い上がる。
勇者達も、十剣ですらその余波によって吹き飛ばされない様に踏ん張るのがやっとの威力。
「ん、大した事無い」
しかし、その圧倒的過ぎる一撃はフェルには届かない。
煙が晴れたそこには一歩も動く事も、腕を上げる事すら無く自然体で佇むフェルの姿。
黒き化身の腕は、フェルを守る結界によって罅すら入る事無く受け止められていた。
「ギュオォッッ!」
攻撃を受け止められた。
その事実に、苛立った様子で叫びながら何度も腕を叩き付ける。
「煩い」
煩わし気にフェルが睨み付けると同時に、黒き化身が吹き飛ばされる。
フェルの背中に現れた、真紅の翼によって。
フェルが吹き飛ばされ空間に漂う黒き化身に向けて片手を翳す。
そんなフェルの前方から放たれる直径数メートルはあろうかと言う赤い熱線。
黒き化身はその熱線を避けるも、熱線は際限無く次々と放たれる。
それは、まさしく鳥籠。
幾本もの熱線によって周囲を囲われ、退路を閉ざす。
「ん、ちょっとは、反省すべき」
何に対して反省するのか?
ルーミエルがこの場に居れば、首を傾げていただろうが、神々しさすら感じさせるフェルを見て、そんな愚かな疑問を口にする者は誰もいない。
フェルが翳していた手をグッと握り締める。
黒き化身の周囲を取り囲んでいた幾多の熱線が一瞬で収束され、限界を超えて圧縮された熱線が凄まじい爆発を生じさせる。
本来ならば周辺一帯を焦土を変えていたであろう爆発さえも、フェルが展開した結界によって封じ込まれ、結界内での威力は計り知れない。
ドゴッン!
黒き化身は受け身すら取れずに地面に落下する。
フェルが翼を乱雑に振るう、それだけで土煙が爆煙と共に消し飛ばされる。
顕になった黒き化身の姿に、勇者達が息を飲む。
片腕と片足が消し飛び、身体中から黒い血液を垂れ流す。
「反省、した?」
軽く首を傾げながら、唸り声を上げ身体を起こそうとする黒き化身の頭部を踏み付ける。
十剣5人を圧倒して見せた黒き化身を踏み付ける幼女。
そんなカオスとも言える光景を勇者達は唖然と見つめていた。
その正体は、ナイトメアの最高幹部の1人にして神話に語られる神獣霊鳥。
「フェル、様……」
「ん!」
ユリウスは後ろから聞こえてきた声に弾かれた様に振り返り、その姿を見て目を丸くして瞬かせる。
そんなユリウスに何故かドヤ顔を浮かべてピースサインを向ける様子は、どこか微笑ましくとても古の大戦を生き抜いた神獣には思えない。
しかし、ユリウスは……十剣達は知っている。
目の前の幼女と言っても差し支えないフェルが、神獣と呼ばれる所以を。
神話にさえ語られる、その圧倒的な実力を。
「まっ、まずいですよ!
貴女様がお姿をお見せになってしまっては!!」
フェルの突然の登場に目を丸くしていたユリウスは、ハッと我に帰って焦った様に声を上げる。
何故ならば今回の戦いに於いて、フェルは姿を見せ無いと言う事になっていたからだ。
「あの子は……」
フェルの姿に唖然と目を見開く稲垣を筆頭とした勇者達。
フェルが姿を見せない事になっていた理由。
それは、火炎の試練で遭遇した勇者達の存在に他ならない。
「ん、でも、仕方ない。
アレは……」
フェルの言葉が激しい揺れと轟音によって遮られる。
拮抗する黒と赤。
突如として現れた存在に、先程まで口角が吊り上がっていた黒き化身が駄々を捏ねる子供の様に地団駄を踏む。
力任せに踏み抜かれた足は地面を割り、一歩毎に地震の様に地面を揺らす。
「むぅ、お前、煩い」
煩わしそうに少し顔をしかめ、鬱陶しそうに呟くと同時に赤き柱が天高く立ち昇り、黒き化身を閉じ込める。
「あれは……」
「ん、吾の結界。
これで、暫くは静か」
「あ、あはは、流石ですね」
何でも無い様に信じられない規模の結界を一瞬で展開させた事実に対してユリウスに苦笑いが浮かぶ。
しかし、フェルの正体と実力を知らない勇者達は愕然と目を見開く。
「吾が、アレを倒すと、きっとエルも、褒めてくれる!!」
両手をグッと両手を握り締め、嬉しそうに呟くフェルの姿に静寂が舞い降りる。
十剣達は苦笑いを浮かべ、勇者達は理解が及ばず戸惑うばかり。
ドォッン!
唸る様に響くその後によって静寂が打ち壊された。
フェルが展開した超大規模結界に広がる罅を目にした勇者達の表情が強張る。
「ふふふ、エルに、なでなで……手柄は、絶対に譲らない」
罅が入った結界に目もくれず、妄想にニヤけていたフェルが真剣な表情で宣言するのと同時に、天まで届く赤き結界が砕ける。
「ギュオォッッ!!」
両腕を刃物の様な形状に変化させた黒き化身が、身体中に現れた口から叫び声を上げる。
膨大な魔力を伴い放たれた、黒き化身の産声との呼べる叫びに数名の勇者達が意識を失い倒れ伏す。
空気が爆ぜる。
黒き化身が音速を遥かに超える速度でフェルに切迫し、刃と化した自身の腕を振り上げる。
ドォゴォァッッン!!
横薙ぎに振るわれた腕によって、その先にあった地面が吹き飛び、土煙が舞い上がる。
勇者達も、十剣ですらその余波によって吹き飛ばされない様に踏ん張るのがやっとの威力。
「ん、大した事無い」
しかし、その圧倒的過ぎる一撃はフェルには届かない。
煙が晴れたそこには一歩も動く事も、腕を上げる事すら無く自然体で佇むフェルの姿。
黒き化身の腕は、フェルを守る結界によって罅すら入る事無く受け止められていた。
「ギュオォッッ!」
攻撃を受け止められた。
その事実に、苛立った様子で叫びながら何度も腕を叩き付ける。
「煩い」
煩わし気にフェルが睨み付けると同時に、黒き化身が吹き飛ばされる。
フェルの背中に現れた、真紅の翼によって。
フェルが吹き飛ばされ空間に漂う黒き化身に向けて片手を翳す。
そんなフェルの前方から放たれる直径数メートルはあろうかと言う赤い熱線。
黒き化身はその熱線を避けるも、熱線は際限無く次々と放たれる。
それは、まさしく鳥籠。
幾本もの熱線によって周囲を囲われ、退路を閉ざす。
「ん、ちょっとは、反省すべき」
何に対して反省するのか?
ルーミエルがこの場に居れば、首を傾げていただろうが、神々しさすら感じさせるフェルを見て、そんな愚かな疑問を口にする者は誰もいない。
フェルが翳していた手をグッと握り締める。
黒き化身の周囲を取り囲んでいた幾多の熱線が一瞬で収束され、限界を超えて圧縮された熱線が凄まじい爆発を生じさせる。
本来ならば周辺一帯を焦土を変えていたであろう爆発さえも、フェルが展開した結界によって封じ込まれ、結界内での威力は計り知れない。
ドゴッン!
黒き化身は受け身すら取れずに地面に落下する。
フェルが翼を乱雑に振るう、それだけで土煙が爆煙と共に消し飛ばされる。
顕になった黒き化身の姿に、勇者達が息を飲む。
片腕と片足が消し飛び、身体中から黒い血液を垂れ流す。
「反省、した?」
軽く首を傾げながら、唸り声を上げ身体を起こそうとする黒き化身の頭部を踏み付ける。
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