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第10章 アレサレム戦争編
165話 本当の姿です
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結局、寝れてません。
イライラは募るばかりですね……僕のお昼寝計画が……
「はぁ……」
トントンっと、玉座の肘掛けを指で叩く。
直後に訪れる揺れと轟音。
揺れは強く、音は大きくなって行き……謁見の間の中央に穴が開く。
「地下へ直通の螺旋階段をつくりました」
ふふふ、それにしても素晴らしい出来です。
細微まで施された華麗で繊細な装飾、我ながら自分の美的センスが恐ろしいっ!
地球なら世界遺産間違い無しですね。
でも、おかしいですね。
これ程の出来だと言うのに、皆んなの反応が妙に悪い。
まぁ、確かに多少は雑かもしれませんけど、この短時間で作ったにしては上出来だと思うのですが……
「あっ、後でちゃんと元に戻すのでご安心を」
ぶっちゃけ僕的にはどうでもいいですけど、彼らにはここは重要な場所でしょうしね。
ふふん! イライラしていてもアフターケアは忘れない。
これでこそ、常識のある社会人です。
とは言え、地下まで直通の長い階段。
これを歩くとなると憂鬱ですね。
人目があるので、僕の威厳の為にも抱っこして貰う訳にも行きませんし……仕方ありませんね。
*
「お味は如何ですか?」
「ん、苦しゅうないです!」
階段を降りながらもふわふわに包まれ座り込み。
ジュースと美味しいお菓子で、ご機嫌です!!
ちょっと、周りの視線を感じないでも無いですけど、僕のせいじゃ無いです。
「……ふっ」
こっちを呆れた様な目で見てくるイヴァル王とウェスル帝、鼻で笑ってやりました。
強がって2人とも呆れた様な顔をしてますけど、本当は乗せて欲しいに違いありませんからね!
まぁ、恨むなら自分を恨む事ですね。
何せ、フェンリルに拒否されたあの2人自身が悪いのですからっ!!
それにしても、このもふもふ……流石はフェンリル、ノアとシアに劣らぬ心地よさです。
動きたく無い! この心地よさに包まれて夢の世界に旅立ちたいっ!!
「お嬢様、到着致しましたよ」
そう言って微笑むメルヴィーの奥には、通路一杯に聳え立つ漆黒の扉。
「うぅ……現実は非情です。
フェンリルさん、ありがとうございました。
また後でもふらせて下さいね?」
さらもふな頭を軽く撫でて労ってやると、嬉しそうに鼻を擦り寄せてくるフェンリルさん。
ぐっ……す、凄まじい破壊力でした。
何とか誘惑に耐えてフェンリルさんを送還した自分を褒めてあげたい。
と言うか、あの誘惑に耐え切った僕を皆んな褒めてもいいと思います。
「ふふふ、よく出来ましたね」
「ルーミエル様、流石でございますね」
「では僭越ながら、私がフェンリルの代わりを務めさせて頂きますね」
メルヴィーとオルグイユに褒められて満足していると、アヴァリスに背後から抱き上げられました。
まぁ、いつもの事ですけど……これでは何の為にフェンリルさんに来て貰ったのかわかりませんっ!!
けどまぁ、いいです。
こうやって抑えて貰っていた方が安心ですからね。
この先を見てしまうと、プッツンしちゃうかもしれません。
少なくとも平常心を保つ自信は無いですからね。
「さて、アレサレム王国はネルウァクス帝国などとは異なり人間至上主義国であり、人間以外の種族を差別・排斥しています。
ここまでに間違いはありませんね?」
「いかにも」
何故か自信満々にそう答えるは先程の子爵さん。
まぁ今さら別に構いませんけど、ちょっと不愉快ですね。
「その中でも特に吸血鬼への迫害は苛烈を極める。
アレサレム貴族である皆さんに聞きます、何故ですか?」
「ふんっ、知れた事よ!
奴らは至高たる我ら人間の血を啜る害獣ぞ? 他国の代わりに駆除してやっているのだ。
感謝して欲しい程だ!!」
「そうですか。
ですが、そう考えているのはアレサレム王国だけです。
他の国々では多種多様な種族が生活しています。
勿論、吸血鬼も」
まぁアレサレム王国の属国も吸血鬼排他主義ですけど。
それも、属国となりアレサレム王国に強要された結果ですしね。
「神話に語られる古の大戦では神々と共に魔王とも戦った吸血鬼。
何故、アレサレム王国だけが吸血鬼を嫌悪し、迫害するのか……」
パチンと指を一度鳴らし滅光魔法で、背後に聳え立つ巨大な扉を消滅させる。
「これが、その答えです」
白い光に包まれて消え去った扉の奥。
そこには、地獄と表現するに相応しい光景が広がる。
濃厚な血の匂いが漂い、幾人かが口元を押さえて蹲る。
標本の様に磔にされた者、牢屋に繋がれた者、四肢を欠損している者、身体を切り刻まれた者、体液塗れで虚な目をした者。
ある者は死に絶え、ある者は生気の無い瞳で虚空を見つめる。
「吸血鬼を使った人体実験、虐待、拷問、強姦、挙げ句の果てにはワインの様に生き血を飲む」
扉の先を唖然と見つめるハワード公爵と嗚咽をしながらも目を見開く勇者達。
「ハワード公爵、貴方はアレサレム王国が魔教団と関係を持っているかと聞きましたね。
違いますよ、関係程度ではありません。
アレサレム王国は魔教団が作り上げた国家です。
魔教団でありながら、他国の支持を得る為に表向きには魔教団と対立して勇者を召喚し正義を語る。
その裏では各国から得た資金と勇者達への権利を用いて魔教団の運営資金を獲得し、非道な実験を繰り返す。
これが、アレサレム王国の闇……本当の姿です」
イライラは募るばかりですね……僕のお昼寝計画が……
「はぁ……」
トントンっと、玉座の肘掛けを指で叩く。
直後に訪れる揺れと轟音。
揺れは強く、音は大きくなって行き……謁見の間の中央に穴が開く。
「地下へ直通の螺旋階段をつくりました」
ふふふ、それにしても素晴らしい出来です。
細微まで施された華麗で繊細な装飾、我ながら自分の美的センスが恐ろしいっ!
地球なら世界遺産間違い無しですね。
でも、おかしいですね。
これ程の出来だと言うのに、皆んなの反応が妙に悪い。
まぁ、確かに多少は雑かもしれませんけど、この短時間で作ったにしては上出来だと思うのですが……
「あっ、後でちゃんと元に戻すのでご安心を」
ぶっちゃけ僕的にはどうでもいいですけど、彼らにはここは重要な場所でしょうしね。
ふふん! イライラしていてもアフターケアは忘れない。
これでこそ、常識のある社会人です。
とは言え、地下まで直通の長い階段。
これを歩くとなると憂鬱ですね。
人目があるので、僕の威厳の為にも抱っこして貰う訳にも行きませんし……仕方ありませんね。
*
「お味は如何ですか?」
「ん、苦しゅうないです!」
階段を降りながらもふわふわに包まれ座り込み。
ジュースと美味しいお菓子で、ご機嫌です!!
ちょっと、周りの視線を感じないでも無いですけど、僕のせいじゃ無いです。
「……ふっ」
こっちを呆れた様な目で見てくるイヴァル王とウェスル帝、鼻で笑ってやりました。
強がって2人とも呆れた様な顔をしてますけど、本当は乗せて欲しいに違いありませんからね!
まぁ、恨むなら自分を恨む事ですね。
何せ、フェンリルに拒否されたあの2人自身が悪いのですからっ!!
それにしても、このもふもふ……流石はフェンリル、ノアとシアに劣らぬ心地よさです。
動きたく無い! この心地よさに包まれて夢の世界に旅立ちたいっ!!
「お嬢様、到着致しましたよ」
そう言って微笑むメルヴィーの奥には、通路一杯に聳え立つ漆黒の扉。
「うぅ……現実は非情です。
フェンリルさん、ありがとうございました。
また後でもふらせて下さいね?」
さらもふな頭を軽く撫でて労ってやると、嬉しそうに鼻を擦り寄せてくるフェンリルさん。
ぐっ……す、凄まじい破壊力でした。
何とか誘惑に耐えてフェンリルさんを送還した自分を褒めてあげたい。
と言うか、あの誘惑に耐え切った僕を皆んな褒めてもいいと思います。
「ふふふ、よく出来ましたね」
「ルーミエル様、流石でございますね」
「では僭越ながら、私がフェンリルの代わりを務めさせて頂きますね」
メルヴィーとオルグイユに褒められて満足していると、アヴァリスに背後から抱き上げられました。
まぁ、いつもの事ですけど……これでは何の為にフェンリルさんに来て貰ったのかわかりませんっ!!
けどまぁ、いいです。
こうやって抑えて貰っていた方が安心ですからね。
この先を見てしまうと、プッツンしちゃうかもしれません。
少なくとも平常心を保つ自信は無いですからね。
「さて、アレサレム王国はネルウァクス帝国などとは異なり人間至上主義国であり、人間以外の種族を差別・排斥しています。
ここまでに間違いはありませんね?」
「いかにも」
何故か自信満々にそう答えるは先程の子爵さん。
まぁ今さら別に構いませんけど、ちょっと不愉快ですね。
「その中でも特に吸血鬼への迫害は苛烈を極める。
アレサレム貴族である皆さんに聞きます、何故ですか?」
「ふんっ、知れた事よ!
奴らは至高たる我ら人間の血を啜る害獣ぞ? 他国の代わりに駆除してやっているのだ。
感謝して欲しい程だ!!」
「そうですか。
ですが、そう考えているのはアレサレム王国だけです。
他の国々では多種多様な種族が生活しています。
勿論、吸血鬼も」
まぁアレサレム王国の属国も吸血鬼排他主義ですけど。
それも、属国となりアレサレム王国に強要された結果ですしね。
「神話に語られる古の大戦では神々と共に魔王とも戦った吸血鬼。
何故、アレサレム王国だけが吸血鬼を嫌悪し、迫害するのか……」
パチンと指を一度鳴らし滅光魔法で、背後に聳え立つ巨大な扉を消滅させる。
「これが、その答えです」
白い光に包まれて消え去った扉の奥。
そこには、地獄と表現するに相応しい光景が広がる。
濃厚な血の匂いが漂い、幾人かが口元を押さえて蹲る。
標本の様に磔にされた者、牢屋に繋がれた者、四肢を欠損している者、身体を切り刻まれた者、体液塗れで虚な目をした者。
ある者は死に絶え、ある者は生気の無い瞳で虚空を見つめる。
「吸血鬼を使った人体実験、虐待、拷問、強姦、挙げ句の果てにはワインの様に生き血を飲む」
扉の先を唖然と見つめるハワード公爵と嗚咽をしながらも目を見開く勇者達。
「ハワード公爵、貴方はアレサレム王国が魔教団と関係を持っているかと聞きましたね。
違いますよ、関係程度ではありません。
アレサレム王国は魔教団が作り上げた国家です。
魔教団でありながら、他国の支持を得る為に表向きには魔教団と対立して勇者を召喚し正義を語る。
その裏では各国から得た資金と勇者達への権利を用いて魔教団の運営資金を獲得し、非道な実験を繰り返す。
これが、アレサレム王国の闇……本当の姿です」
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