最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

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第11章 深淵の試練攻防戦編

171話 僕から提案です

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「交渉?」

「ええ、そうですよ双葉 結衣さん。
 勇者の皆さんの目的は宝玉、魔神の欠片に飲み込まれたコレ日高を助ける事でしょう?」

 指をパチンと鳴らすと同時に、ドサッと音を立てて現れる黒き化身。
 魔神の欠片に手を出した者の成れの果て。

「っ!!」

 そんな哀れな日高の姿を見て稲垣を筆頭に数名の勇者達が武器に手をかけ緊張が張り詰める。
 まぁ、つい数時間前までコレに殺されかけてた訳ですし、無理もないですね。

「そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。
 見ての通り、拘束しているので」

 まぁ、拘束してるのは僕じゃ無くてフェルですけどね。
 眠たそうに目を擦っていても、その実力は尋常じゃないんです!
 ウチの子は凄いんですっ!!

「コレが……日高、君?」

「そうですよ、山口先生。
 直接見ていない山口先生や居残り組の勇者さん達は信じられ無いでしょうが。
 彼は先の戦闘で宝玉と呼ばれる魔神の欠片の封印を解き、その憑代となったんです」

「そん、な……」

 ふらつく足取りで日高に近づく山口先生。
 自分の生徒がこんな変わり果てた姿になって、相当ショックだったのでしょう。
 教師として生徒を守ると言う使命感も多分に感じていそうですし、かなり心労が溜まってそうですね。

 僕が追放された事も心労の要因になっている……多分、きっと、そうじゃ無かったら流石に泣きます。
 まぁ取り敢えず今度、リーヴ商会のリラックス効果のある最高級アロマでもプレゼントするとしましょう。

「あっ、あんまり近づかない方がいいですよ。
 いくら拘束していると言っても、雁字搦めにしている訳じゃ無いので、のたうつ程度はできるでしょうし。
 見た感じ、多分それだけで当たれば大怪我しますよ?」

 この場に僕も含めコレール達、眷属の皆んなもいるので即死しない限り回復する事は可能ですが……先生のステータスでは即死しかねません。

「で、でも、助かるんですよね?」

 そう言って縋る様な視線を向けてくる山口先生。
 なるほど、僕を説得出来ないからと、先生を使っての泣き落としで来ましたか。

 これで勇者と言うのだから情けないですね。
 しかし残念。
 この程度の泣き落としで、僕が簡単に折れると思われていたなら心外です。
 まぁ、謁見の間での僕達のやり取りを見ていればそう考えるのもわからなくも無いですけど。
 腐食した貴族を炙り出すつもりが、まさか最初に勇者達が釣れるとは……

「ええ、彼を元に戻す事は可能です」

「じゃあっ!」

「しかし、僕が彼を助けるメリットがありますか?」

「えっ?」

 驚愕した様子で唖然と目を見開く山口先生。
 稲垣達、精鋭組は苦々しそうな顔になり、居残り組の勇者達は困惑して立ち尽くす。

「だ、だって、クラスメイトの友達なんですよ!
 何でっ……!?」

「何度も言ってる様に、元クラスメイトです。
 僕は既に勇者でも無ければ皆さんのクラスメイトでもありません」

 ショックを受けた様子の山口先生には悪いですが、勇者達は何を驚いているのでしょうか?
 僕を蔑み、遠ざけ、見捨てたのは彼らでしょうに。

「それ以前に、僕は商売人です。
 利益の無い人助けは基本しないのです。
 僕が助けたいと思った場合なんかは無償で人助けもしますけど……僕は地球で彼のグループに虐められてました。
 態々、手間を掛けてまで彼を助ける理由がありません」

「情は無いのかっ!?」

 絶望した様子で項垂れる山口先生の後ろで大声をあげたのは居残り組の男子。

「おかしな事を言いますね。
 では貴方は、持ち物を壊したり、机に落書きしたりしてくる人が目の前で困っていたら助けるのですか?」

「……」

「助けませんよね?
 助ける、とは言わせませんよ。
 何せ貴方達は、追放された時だけで無く地球にいた時も僕の事を助けてはくれなかったんですから」

 これでもなお、僕に対して情がどうのと言ってくるなら、彼には〝厚顔無恥〟の称号をステータスにプレゼントしましょう。

「とは言え、山口先生には日高達から庇って頂いた恩があります。
 だからこうして交渉の席に着いているのです」

 うん、どうやら理解してくれた様子ですね。
 本来なら助けたくも無い人を助ける為の交渉に僕が着いている事に感謝して欲しいくらいです。

「しかし、貴方達が僕に提示できる利益なんて殆ど……と言うか多分ありません。
 ぶっちゃけお金はアレサレム王国の国庫よりも持ってますし、欲しいレアな装備とかもありませんしね」

「そ、そんな……」

「ですから、僕から提案です。
 僕の言う条件を呑んでくれるなら、今すぐ彼を助けてあげましょう」

 うわぁ……と部屋の隅で引いているウェスル帝とイヴァル王を尻目に、僕は勇者達に対して営業スマイルを浮かべました。
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