最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
346 / 375
第19章 神魔大戦編

346話 最高戦力

しおりを挟む
「おっ、どうやら向こうはもう決着が付いた様だな」

「うん、そうだね」

 世間話の様にそんな会話を交わす長身の美女と可憐な少女。
 その少女、シングル序列4位のクロエは統一神界の外壁の縁に腰掛けて足を揺らす。

 クロエに焦った様子は一切無く、マイペースにジュースが注がれたお気に入りのコップを傾ける。
 そんなクロエの隣で腕を組んで佇む長身の美女ことリュグズールは苦笑いを浮かべつつ、クロエから前方に視線を向けて……

「なぁ、クロエ」

「何?」

「流石にそろそろ戦わねぇか?」

 2人の前方には魔皇神配下の大軍勢が視界を埋め尽くし。
 その大軍勢との間には薄い紫の堀が両者を分つ様に鎮座し、その上空を薄らと白い霧が静かに舞う。

 堀には僅かでも触れてしまえば即死、近くだけでさえ体を内部から破壊するリュグズールの猛毒が満ちており。
 周囲に舞っている霧はクロエの権能で生み出された絶対零度の氷結領域。

 地上の猛毒と上空の氷結をもって不可侵領域が形成されており。
 他の場所で続々と戦闘が開始される中、ずっと睨み合いが続いていたのだが……

「睨み合いじゃあ埒が明かねぇからな。
 まぁオレはゆっくり腰を据えてやっても良いんだけどよ、それだと……」

「それだと?」

「他の奴らに見せ場を取られて、お嬢に褒めて貰えねぇぞ?」

「っ!!」

 リュグズールの言葉を受けて、呑気にジュースを飲んでいたクロエが雷に打たれた様に硬直して目を見開く。

「それはマズイ!」

 お気に入りのコップを握り締め、勢いよく立ち上がって意気込むクロエにニヤリとリュグズールが笑みを浮かべる。

「じゃあ急がねぇと」

 いつもは面倒がってるフェルは活躍してお嬢に褒めて貰おうと早々に敵を片付けたみたいだし。
 流石は序列2位、いつもはアレだがフォルクレスも既に敵を殲滅済。
 そしてついさっき、4人のシングルと対峙していた魔力が消滅した。

「敵を潰した誰かに横取りされるぜ?」

「そ、それはダメ!  
 エルたん褒めて貰って頭を撫でて貰って、それから私もエルたんを撫でてあげて……」

 ぐふふ!  と残念な顔で妄想に浸るクロエに軽く苦笑いを浮かべつつ、リュグズールは内心思う。
 ちょろいな、と。

 面倒臭がりな子供の扱い方は、クロエよりもさらに面倒臭がりで幼いフェルで網羅済。
 妄想に浸って残念な感じになるのも2人の吸血鬼で耐性があるリュグズールにとって、クロエをやる気にさせる事なんて児戯に等しかった。

「まっ、そうと決まったなら……」

 クロエの頭をポンポンと撫でて、意識を引き戻しつつ前方へと視線を向ける。
 そこには先程と同様に視界を埋め尽くす大軍勢と、優雅に寛ぎつつもこちらを鋭い視線で睨み付けてくる2人の魔皇神の姿。

 あの2人は、魔皇神の中でもかなり上位の奴らみたいだし。
 もうちょっと、このまま観察しても良かったが……マジで見せ場を取られるとヤバいし仕方ねぇな。

 その推測通り、魔皇神の中でも最上位の一桁順位にしてヴィスデロビアの眷属である2人を見てリュグズールがニヤリと獰猛な笑みを浮かべる。

「オレ達もそろそろやろうぜ!」

「分かった。
 最速で敵を殲滅する」

 リュグズールから漏れ出る魔力で足元の外壁が溶け出し。
 クロエから魔力が立ち昇って、その身体がフワリと宙に浮き上がる。

「凍れ」

 ポツリと呟かれた可憐なクロエの声によって、蠢いていたいた軍勢が一瞬で凍り付き、視界が一気に白銀に染まる。

「これで雑魚はやった。
 あとはアイツらだけ」

 これだけの光景を作り出したクロエが、淡々と言葉を紡ぐ。
 その視線の先には空中に浮遊する2人の姿。

「やっと、やる気になった様ですね?」

「睨み合いだけじゃあつまらないからね。
 キミ達がその気になってくれて良かった」

 当然のようにクロエの攻撃を回避した魔皇神の2人が戦意に満ちた笑みを浮かべる。
 シングルとナイトメア最高幹部 VS 魔皇神序列一桁の眷属達。

 魔皇神は30名全員がヴィスデロビアが認めた、並の神程度歯牙にかけずに屠れる強者。
 その中でも一桁に位置する者達は、ヴィスデロビア直々に名を与えられた眷属であり、他の魔皇神とは一線を画する実力を誇る。

「さぁ、思う存分に殺り合おうか!」

 統一神界・ナイトメア勢力とヴィスデロビア勢力。
 双方の最高戦力が衝突した……
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...