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第20章 聖魔大戦編

351話 蹂躙せよ

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「ふん、ふん、ふ~ん」

 ふかふか、ぬくぬくなベッドに寝転がって。
 枕の代わりにもたれ掛かってる、もっふもふなミーシャに頬ずりして、マンガバイブルを読んでリラックスする。

『ご機嫌だね』

 当然!  これぞ至福!  これぞ至高!!
 あぁ、もう最高だわ。
 思わず鼻歌を歌ってしまう程に気分がいい。

 むふっ、むふふっ!!
 シルヴィアに怒られたからベッドの上でポテチとかのお菓子を食べたり、ジュースを飲んだりはしないけど。
 私の熱い説得の結果、マンガは返してもらえたからな! 

『あの涙目でじっと見つめるのが、熱い説得とは言わないと思うけど。
 嬉しそうで何よりだよ』

 ふふん!  我がマンガコレクションは健在なのだ!!
 地球では電子書籍もあったし、地球時代の私はほとんど入院してたからマンガとかは電子書籍で読んでたけど。
 やっぱり!  マンガは紙の本が良い!!

『えぇ~、場所もとるし、私は電子書籍の方が良いと思うけど』

 なん、だと……!?
 か、紙よりも電子書籍の方が良い?  な、何言ってんのお前??

『いや、動揺し過ぎでしょ』

 そんな事はどうでも良いっ!
 それよりも!  ズラッと本棚に並んだマンガの数々。
 それを眺めてるだけで何か幸せな、満ち足りた気分になれるのだ!
 絶対に電子書籍よりも紙の方が良いっ!!

『まぁ、どっちにも良し悪しはあるからね。
 キノコかタケノコか、と一緒でこれは議論しても結論は出ないと思うけど……悪魔ちゃんが紙媒体派だって事は理解できた』

 まぁ確かに、それもそうか。
 とにかく!  私のマンガは、それはもう劣化に日焼けを防ぐ結界を展開する程には大事で大切にしてるコレクションなのだよ。


 コン、コン


「む」

「失礼致します。
 準備が整いました」

 むぅ、邪神のせいでシルヴィアが呼びに来るまでに最後まで読めなかったじゃんかっ!!
 けどまぁ、準備ができたのなら仕方ない。

「ん、わかった」

「では、参りましょう」

 ナチュラルに私を抱っこしたな。
 まぁいつもの事だからもう別に良いけど。
 さぁシルヴィアよ!  私を目的地まで運ぶが良いっ!!

「ん?」

 どうしたんだろ?
 なんで私を抱っこした状態から動かないの?

「はぁ……ミーシャ、貴女は何をやっているのですか?」

「はっ!  も、申し訳ありません!!
 つい熟読してしまいまして……」

 なるほど、ミーシャがマンガに夢中になってたわけか。
 まぁ!  もともとこの世界には無い文化なわけだし、ミーシャがマンガに夢中になっちゃうのも当然だな!

「ん、それは仕方ない」

「レフィーお嬢様……はぁ、あまりミーシャを甘やかさないでください」

 そんな事言ったって、仕方ないものは仕方ないし。
 シルヴィアだって読めば夢中になるハズなのだ!!

「ミーシャ、お説教はまた後です。
 いきますよ」

「はい……」

 ぐはっ!!
 シルヴィアに名前を呼ばれて瞬時に人型に戻ったけど、しゅんと耳と尻尾が垂れてるミーシャも可哀想だけど可愛い!!

 っと、危ない危ない。
 シルヴィアに抱っこされてなかったかモフモフな尻尾目掛けてルパンダイブをしてたところだわ。
 今から重大な役目があるんだし、せっかくマンガを読んでリラックスしたんだから落ち着かないと。

「ふぅ」

 アーク達を配下にしてから1週間。
 あれからアーク達を魔国に連れて行って驚愕させたり。
 楽しい地獄の訓練に放り込んだり。
 暇潰しにボコ……こほん、修行をつけてやったり。
 他にも、アーク達の特訓中に何故か獣魔王レオンにネフェリル帝国皇帝ショウとその一行が遊びに来たりと色々あった。

 せっかく遊びに来たんだからレオン達もアーク達と一緒に訓練。
 悪魔軍団の先鋭にして私のお世話係兼近衛でもある14柱の最高位悪魔アークデーモン達の訓練に参加させてやったら何故か魔王であるレオンとアーク達が苦楽を共にした戦友みたいに仲良くなってたけど。

 昨日にやった単独で私のダンジョンである魔神の試練に巣食う神話級の魔物を討伐するって言う試験も無事に突破したし。
 まぁ、何はともあれこの1週間でアーク達は確実に強くなった。

『彼ら、本当によく死ななかったよね』

 え?  当然、死んだよ?

『……』

 そりゃあ、いくら人間の中ではトップクラスの実力を持っていると言っても所詮は人間レベルだし。
 シルヴィアから結構凄まじい課題を出されてる最高位悪魔達の訓練に放り込んで無事で済むはずがない。

 まぁ、仮に死んでも何回でも生き返れるように輪廻の呪縛を掛けてあげたからな。
 最初の2日間はそれこそ死んだ魚みたいな虚な目をしてたけど、今では皆んな元通りだし。
 ふふん!  その辺のアフターケアは完璧なのだよ!!

『今度、彼らをちゃんと労ってあげるんだよ』

 ん?  まぁ、そうだな。
 っと、そうこうしてる間に目的地に到着!

「シルヴィア」

「はい。
 レフィーお嬢様の勇姿、しかとこの目に焼き付けさせていただきます」

 いや、まぁうん。
 頑張ってね。

「こほん」

 眼前に広がるはズラっと並んで整列する悪魔王国軍の大軍勢。
 流石にこの状況でシルヴィアに抱っこされてたら格好がつかないからな、下ろしてくれて良かった。

皆んなみんな、時は満ちた」

 翼をバサァっと広げて、押さえ込んでた魔素エネルギーを解き放つ。

「ふふっ、さぁ戦争を始めよう。
 全軍、愚かな人間共を蹂躙せよ」
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