5 / 9
第五話
しおりを挟む
少女は不安そうな表情でその言葉を告げた。
嘘をついた罪悪感から少女は顔を背けるが、律紀はそれを悲しみからくるものだと勘違いする。
予想外の言葉だったのか全員が黙る。
沈黙を破ったのは赤の青年だった。
「ねぇ、小光がいい言うならこの子名前つけてあげようよ。」
赤の青年は言いづらそうに、光樹の表情を伺うように言う。
少しばかりの沈黙。そして光樹は口を開く。
「自己紹介、してからにしない?オレ達まだちゃんとしたこと話してないしさ。みんなが終わるまでには、覚悟決めとくから。」
光樹の、少しの前進。
「「「「「!」」」」」
律紀達はそれに驚く。それもそうだ。何年もあの事故から逃げてきた彼が、ようやく、向き合おうとしたのだ。
「じゃあ、いつもの順番で。」
律紀はそう言うと少女の前から下がり、入れ替わるように白の青年が少女の前に出てきた。
「ぼくは掛野悠真。カフェを経営しているよ。アメリカとジャパンのハーフだけど、日本語は高校生レベルまでなら使えるよ。たまに英語が混ざるけどわかんなかったら言ってね。」
悠真となのる白の青年は言った。
「我は汀凱亜。1人称と名前の通り中国人だよ。日本語は勉強中なんだよ。大学生だよ。」
凱亜となのる赤の青年は言った。
「俺…津崎詩音…ボクサー…。まともな…教育……受けて…ない…から……うまく…話せ…ない…」
詩音となのる緑の青年は言った。
「さっきも言ったけど、僕は華山律紀。アーティストやってるんだ。」
律紀は言った。
「本官は倉地由弦。警察官だ。」
由弦となのる紫の青年は言った。
「ここの家主、夜桜光樹だ。研究者をしている。なにかあったら言えばなんとかする。オレ達は全員で"混沌組"というバンドグループとして活動している。担当はめんどくさいから本人達に聞いてくれ。」
最後に光樹が言った。
再び律紀が前に出る。
「少しでも、覚えてること教えてくれないかな?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小光→光君
※小とは中国での、ちゃん・くんのこと。主に年上の人から年下の人に使われる。
我→自分を指す1人称
嘘をついた罪悪感から少女は顔を背けるが、律紀はそれを悲しみからくるものだと勘違いする。
予想外の言葉だったのか全員が黙る。
沈黙を破ったのは赤の青年だった。
「ねぇ、小光がいい言うならこの子名前つけてあげようよ。」
赤の青年は言いづらそうに、光樹の表情を伺うように言う。
少しばかりの沈黙。そして光樹は口を開く。
「自己紹介、してからにしない?オレ達まだちゃんとしたこと話してないしさ。みんなが終わるまでには、覚悟決めとくから。」
光樹の、少しの前進。
「「「「「!」」」」」
律紀達はそれに驚く。それもそうだ。何年もあの事故から逃げてきた彼が、ようやく、向き合おうとしたのだ。
「じゃあ、いつもの順番で。」
律紀はそう言うと少女の前から下がり、入れ替わるように白の青年が少女の前に出てきた。
「ぼくは掛野悠真。カフェを経営しているよ。アメリカとジャパンのハーフだけど、日本語は高校生レベルまでなら使えるよ。たまに英語が混ざるけどわかんなかったら言ってね。」
悠真となのる白の青年は言った。
「我は汀凱亜。1人称と名前の通り中国人だよ。日本語は勉強中なんだよ。大学生だよ。」
凱亜となのる赤の青年は言った。
「俺…津崎詩音…ボクサー…。まともな…教育……受けて…ない…から……うまく…話せ…ない…」
詩音となのる緑の青年は言った。
「さっきも言ったけど、僕は華山律紀。アーティストやってるんだ。」
律紀は言った。
「本官は倉地由弦。警察官だ。」
由弦となのる紫の青年は言った。
「ここの家主、夜桜光樹だ。研究者をしている。なにかあったら言えばなんとかする。オレ達は全員で"混沌組"というバンドグループとして活動している。担当はめんどくさいから本人達に聞いてくれ。」
最後に光樹が言った。
再び律紀が前に出る。
「少しでも、覚えてること教えてくれないかな?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小光→光君
※小とは中国での、ちゃん・くんのこと。主に年上の人から年下の人に使われる。
我→自分を指す1人称
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる