世界が壊れた夜、私は祈り踊る

紫咲

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第五話

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少女は不安そうな表情でその言葉を告げた。
嘘をついた罪悪感から少女は顔を背けるが、律紀はそれを悲しみからくるものだと勘違いする。
予想外の言葉だったのか全員が黙る。
沈黙を破ったのは赤の青年だった。
「ねぇ、小光 Xiǎo guāngがいい言うならこの子名前つけてあげようよ。」
赤の青年は言いづらそうに、光樹の表情を伺うように言う。
少しばかりの沈黙。そして光樹は口を開く。
「自己紹介、してからにしない?オレ達まだちゃんとしたこと話してないしさ。みんなが終わるまでには、覚悟決めとくから。」
光樹の、少しの前進。
「「「「「!」」」」」
律紀達はそれに驚く。それもそうだ。何年もあの事故・・から逃げてきた彼が、ようやく、向き合おうとしたのだ。
「じゃあ、いつもの順番で。」
律紀はそう言うと少女の前から下がり、入れ替わるように白の青年が少女の前に出てきた。
「ぼくは掛野悠真かけのゆうま。カフェを経営しているよ。アメリカとジャパンのハーフだけど、日本語は高校生レベルまでなら使えるよ。たまに英語が混ざるけどわかんなかったら言ってね。」
悠真となのる白の青年は言った。
 Wǒ汀凱亜ていがいあ。1人称と名前の通り中国人だよ。日本語は勉強中なんだよ。大学生だよ。」
凱亜となのる赤の青年は言った。
「俺…津崎詩音つざきしおん…ボクサー…。まともな…教育……受けて…ない…から……うまく…話せ…ない…」
詩音となのる緑の青年は言った。
「さっきも言ったけど、僕は華山律紀。アーティストやってるんだ。」
律紀は言った。
「本官は倉地由弦くらちゆづる。警察官だ。」
由弦となのる紫の青年は言った。
「ここの家主、夜桜光樹だ。研究者をしている。なにかあったら言えばなんとかする。オレ達は全員で"混沌組"というバンドグループとして活動している。担当はめんどくさいから本人達に聞いてくれ。」
最後に光樹が言った。
再び律紀が前に出る。
「少しでも、覚えてること教えてくれないかな?」
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小光→光君
※小とは中国での、ちゃん・くんのこと。主に年上の人から年下の人に使われる。
我→自分を指す1人称
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