かわいいお話

文野志暢

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探し物はどこだろう

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私は探しものが得意だ。 
ママのメガネはカバンの中 
パパの靴下はクッションの下 
先生のボールペンはノートの間 
いろいろ見つけた。
 誰のものかわからない紙飛行機だって、近くの人に聞き込みして、届けてあげたこともあるよ。 
 困ってた人が笑顔になるの、私も嬉しくなっちゃう

ある日、部屋で本を読んでいると弟が泣きながらやってきた。
 「お姉ちゃん」
  「どうしたの?」
   「ステラがいないんだ」
    どうやら弟の大好きなロボットのぬいぐるみがどこにもないみたい。 
    早速探すよ!!

まずはおもちゃ箱の中 
おもちゃ箱をひっくり返したけれど、あるのはミニカーや電車のおもちゃ、カードゲームだけ 
どこいったんだろう?

「最後の記憶は?」 
「寝る前までいっしょだったよ。朝起きたらいなくなってたんだ!」
 私が聞けば弟は涙目で答えた。

布団をめくると枕が転げ落ちる 
ここも違う
 ベッドの下は? 
 ゴミだけ。後で掃除しよう

どこだろう??

次はテレビのある部屋にいってみることにした。

お掃除しながら、ステラを探す。
 「あっ」 
 「あったの?」
  「これ、ママが探してた指輪」
   「ステラじゃないよー」

どこかな どこかな 
パパが部屋にやってきた
 「どうしたんだい?」
  「僕のステラが見つからないんだ」
   「おもちゃ箱の中もベッドの中も見てきたわ」
    「昨日いっしょに寝てただろう?」 
    「うん」
     弟はかなしそうに言った。 
     家の中でなくなってるのなんでだろう?
      いっしょに寝てたのに… もしかして、勝手に歩いていったのかな? 私達が困っていると洗濯が終わったママがやってきて
       「どうしたの?」
        「僕のステラどこに行ったか知らない?」 
        弟は慌てて言った。 
        そうしたらママが
         「あら、ごめんなさい。返事をしたから起きていると思ったの。ステラはお洗濯してきれいになってるわ」

「えーっ」 弟と私はびっくり。

それならば部屋中探しても見つからないわけだ。 
私達は物干し竿に吊るされてるステラをみて笑った。
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