花や植物が身近にある生活は癒されるという話。

星名雪子

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手入れの方法

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さて、手入れの方法も紹介しておこうと思う。

定期便の花は小さな箱に入っており、郵便ポストに投函される。対面での受け取りが不要なのは楽で良い。運搬中に枯れる事はないのかと不安になるが、栄養素が含まれるジェルに茎が包まれた状態で届くのでその心配はない。また、ご親切にも長持ちする栄養素が含まれた「延命剤」も付属されている。花にとっても注文者にとっても非常に優しいシステムである。

しかし、注意しなければならない事がある。花は花瓶に生けて終わりではない。その後、出来るだけ日持ちさせる為に入念な手入れが必要なのだ。それが毎日朝晩の水やりと定期的な水換えと水切りである。ただ水に入れているだけでは雑菌が繁殖したりして十分な栄養や水分を補給出来ず枯れてしまう。だから、最低でも3日に一度は水を換え、古くなった茎を水の中で斜めに切る「水切り」という手入れが必要なのだ。

もちろん水道水でも構わないが、おすすめは「延命剤」を自分で購入して水に混ぜる事だ。せっかくお金を払っているのだから長く綺麗な状態を保ちたい。何より彼、彼女らは生きているのだから少しでも長く元気に、また綺麗に咲いていてもらいたい。その為には少しの出費も私は厭わない。

花瓶の水の量も花によって異なる。例えばガーベラやアリウムは浅水、アジサイは逆に深水。しかもたっぷり水やりを行う。

また、基本的に花や植物は乾燥に弱い為エアコンの風は大敵だ。必ずエアコンの風が当たらない場所に置く。では、エアコンを稼働させなければいいのかと言うとそうではない。彼、彼女らは暑さにも弱い。だから部屋のな中を出来るだけ適温に保っておく必要がある。花屋に行くと店の奥に大きなガラス張りの冷蔵庫があり、その中に切花が沢山並べられ瑞々しさを保っているが、あれは外気温から花や植物を守る為なのである。

作業所にも全く同じ大きなサイズのガラス張りの冷蔵庫があってその中に花を保管していたのだが、夏場は開ける度に「涼しい~!」と言ってしばらく皆で涼み、スタッフに「早く閉めなさい!」と注意を受けたものである。今となっては懐かしい思い出だ。

定期便の利用者の感想を読んでいると「夏場はすぐに枯れてしまうからスキップして涼しくなってきたらまた再開してる」という声が多い。それは夏の暑さに花が弱いからである。在宅勤務や専業主婦など一日中自宅にいるような人はエアコンをつけっぱなしに出来るので花を枯らす心配はないが、外で働いたり、学校に通っている人は難しい。花の為だけにエアコンをつけっぱなしに出来る人などよほどの金持ちではないと無理だろう。(それかペットを飼っている人)

私も例外ではない。せっかく始めた趣味を夏の暑さなんかの為にストップしてしまうのら非常に惜しいし腹立たしいが、彼、彼女らに辛い思いをさせる訳にはいかない。なので、私も早ければ今月末の便、遅くても梅雨明けまでには一旦定期便をストップをしようと思っている。

秋になればまた様々な魅力的な花や植物が咲き始めるのでそれを楽しみに夏を乗り越えようと思う。
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