11 / 26
第二部 外からの誘い
その5 こっちにおいで
しおりを挟む
坂道羅漢のところで子供たちの姿が見えると言った香代美。
由紀子はお茶を淹れながら、最近、よく奈津子が愚痴っていたことを思い出した。
「妄想癖っていうのかしら。嘘つきとまでは思いたくはないのだけど。テレビの見すぎが悪いのかしらね」
まだ五歳の香代美について、ありもしないものを観たり聞いたりすると訴えられることがあると、奈津子は嘆いている。
その話を聞いた時は、由紀子も大して気にもとめず、「へえ、どんな」と興味本位で尋ねた位だった。奈津子は「どんなと言われても。おばあちゃんが何か言っているとか、あっちの部屋でパーティーしてるとかね」と、苦い顔で答えた。姉妹二人がそんな話をしている側で、香代美はばあちゃんと人形遊びをしており、呑気なものだった。
「女の子にありがちなんじゃない。夢みちゃうのよ、ありもしない夢を」
由紀子は、愚痴る奈津子をそう言って慰めた。
はたから見る分では、香代美は普通の元気な女の子である。
(もしかしたら)
とぽとぽと急須から継がれた緑茶は、よく香った。
プリンとお茶とジュースを乗せた盆を持って、奥の座敷に運んだ。暖房をよく利かせてあり、広々としたそこは、子供の良い遊び場になるはずだ。
廊下に出ると、思った通り、香代美のはじけるような笑いが響いていた。どんどんと、畳を飛び跳ねる派手な音も聞こえている。こらっと奈津子がそれを怒っている。
(子供がいると、いいな)
一瞬、自分の中に影がさしたような気がしたが、由紀子はすぐに蓋をした。
実家にいるころ、奈津子と香代美が来ても、こんなふうに陰りを感じることはなかった。恐らく、この藪家荘にいると、心が生の部分をむき出しにするのだろう。
ここは、療養の場なのだから。
(偽れない)
襖を開こうとした瞬間、「きいき」と、微かな音が聞こえた。ゆりかごが軋んでいる。由紀子は息を吐いた。
偽らないでもいいと、ゆりかごの主は言っている。子供が欲しい、元気な子供を持っている母親が羨ましい。そう感じることは間違いではない。当然だ。
ふうっと息を吐いてしまうと胸が楽になった。
由紀子は笑顔で襖を開いた。
**
雪見障子を開いて、ガラス越しに庭を眺めた。
スーパーで買った安いものなのに、プリンはとても美味しかった。香代美は大きなプリンアラモードに悪戦苦闘しており、口の周りを生クリームだらけにしている。
「御殿じゃない。旅館に来たみたい」
と、奈津子は感想を言った。もっとあばら家のような家を想像していたのかもしれない。由紀子は苦笑した。
管理会社がしっかりしてるのよ、と、お茶のお代わりを入れてやりながら由紀子は説明した。
「明治時代の建物だから古くて。それに、なにごとも規模が大きくて。庭木やボイラにしても、わたしじゃ到底追いつかない。だから、月に何度か管理会社の人が来てくれるの」
へえ、至れり尽くせりねえ、と、奈津子は言った。
ママ、遊んできていーい、と、香代美は言うと、いきなり障子を開き、縁に飛び出した。
こらっ、口を拭きなさい、と、奈津子は怒鳴り、お尻をあげて立ち上がる。どたばたと縁で騒ぎが起きた。由紀子はその間に自分の分のプリンを食べた。
そうだ、プリン。
冷蔵庫には、もう一つ、同じプリンが残っている。
(わたしはどうして、もう一つ買ってしまったんだろう)
ぼんやりと、食べかけのプリンを見下ろした。
あの時、スーパーで、三人分のプリンを籠に入れて通り過ぎようとしたのに、なにかに引き留められたような気がして、もう一つ、手に取ってしまった。
四人分。買ったプリンは。
(まるで、誰かにおねだりされたみたいに)
**
ねえママ、わたしの分は?
**
「もう、ハイテンションで困るわ。いつもと違うところに来たから、はしゃぎまわってるの」
ちゃぶ台に戻り、奈津子は溜息をついた。
縁では香代美が、どたばたとカエル飛びをして動き回っている。
「ママ、探検してきていい」
と、香代美はまた座敷に入って来て叫んだ。
いいとも悪いとも言わないうちに、香代美は襖を開いて廊下に出ていった。
あら、あら、あら、と、由紀子が呟きながら追いかけようとしたが、奈津子が逆に「いいわよ放っといても。そのへんにいるわ」と引き留めた。
奈津子は呑気に構えている。気の置けない姉の家にいると安堵している。
「危ないこともないんでしょう。家の中にいるわよ」
と、奈津子は言った。
由紀子は内心はらはらしながら、遠ざかってゆく香代美の足音を聞いた。家の中にいるから安全、という理屈が通用しないかもしれない、ということを、どう説明しようか困った。
(三階さえ行かなければ)
ふいに、そんな考えが浮かんだ。
由紀子ははっとした。そうだ、この藪家荘で、得体の知れない「なにか」がいるかもしれない場所は、多分、三階だ。
それは、ゆりかごを揺らす何かが住む場所のはずだった。
幼い香代美の足で、螺旋階段を上り、さらに、二階の奥の階段室を突き止め、あの急な階段を上ることができるとは考えにくい。
大丈夫だろう、と、由紀子も自分に言い聞かせた。
**
「それにしても、古いお屋敷よね」
奈津子は天井をぐるっと見上げて言った。
「母さんは、ここが良くないって言っていたらしいけれど。良い場所じゃない」
由紀子は言おうか言わまいか迷いながら、陽気な奈津子の顔を見ていた。
だけど、どうせいつか奈津子も耳にするのだろう、あの不可思議な音を、と思うと、心が決まった。
「あのね、実はここ、変な音が」
由紀子が言いかけた時、突然奈津子ががらっと表情を変えて、立ち上がった。襖を開いて通路に「香代美、あんたどこ開いたの」と叫んでいる。由紀子は茫然とした。
しおしおと、怒られてしゅんとした顔で、香代美は戻って来た。悪いことをしたと判っているようだ。
奈津子は香代美を座敷に引き入れると「駄目よ、勝手にどこでも入ったら」と怒った。
「わたしなにも分からなかったわ」
由紀子はびっくりしていった。
母親の勘というものを、目前で見たのは初めてだった。由紀子にはなにも感じ取れなかったが、奈津子は香代美がどこか、あまり良くない場所に行こうとしている気配を感じ取ったらしい。
(母親は、子供のことについては、感覚が普通ではなくなる)
**
ええん、と、香代美が泣き出したので、由紀子は我に返った。
そんなに怒らなくても、と、穏やかに親子の間に入った。ぷんと奈津子は眉毛をしかめている。
「おおきな台所に行ったんですって」
と、奈津子がいい、由紀子は、ああ、とうなずいた。
あの厨房に入ったか。確かに、包丁やいろいろな器具はあるだろうが、子供の手の届く場所にはない。陰気なだけで、危険はさしてない。
「大丈夫よ」
と、由紀子は言った。
「みんな働いていたわ。こっちにおいでって、美味しいサツマイモがあるよって言われたから」
泣きじゃくりながら香代美は言った。
こらっと奈津子は叱りつけた。
「またそんな嘘ばっかり。みんなって誰よ。このうちには、わたしたちしかいないのよっ」
**
香代美は随分ぐずっていた。
寝かせるわ、と、奈津子は言い、由紀子は二人を二階の客室に案内した。
たくさん部屋はあるが、とりあえず自分の寝室の隣がいいだろうと思い、昨日のうちに整えておいたのだ。
キングサイズのベッドは、奈津子と小さな香代美が寝ても、ゆったりできるだろう。
泣きじゃくる香代美をベッドに寝かせて布団をかけると、あっけなく、香代美は寝着いた。
すうすうと無邪気な顔をして昼寝をする香代美に、奈津子は肩をすくめて苦笑している。
「困ったものだわ」
と、奈津子は言った。
由紀子は黙っていた。
由紀子はお茶を淹れながら、最近、よく奈津子が愚痴っていたことを思い出した。
「妄想癖っていうのかしら。嘘つきとまでは思いたくはないのだけど。テレビの見すぎが悪いのかしらね」
まだ五歳の香代美について、ありもしないものを観たり聞いたりすると訴えられることがあると、奈津子は嘆いている。
その話を聞いた時は、由紀子も大して気にもとめず、「へえ、どんな」と興味本位で尋ねた位だった。奈津子は「どんなと言われても。おばあちゃんが何か言っているとか、あっちの部屋でパーティーしてるとかね」と、苦い顔で答えた。姉妹二人がそんな話をしている側で、香代美はばあちゃんと人形遊びをしており、呑気なものだった。
「女の子にありがちなんじゃない。夢みちゃうのよ、ありもしない夢を」
由紀子は、愚痴る奈津子をそう言って慰めた。
はたから見る分では、香代美は普通の元気な女の子である。
(もしかしたら)
とぽとぽと急須から継がれた緑茶は、よく香った。
プリンとお茶とジュースを乗せた盆を持って、奥の座敷に運んだ。暖房をよく利かせてあり、広々としたそこは、子供の良い遊び場になるはずだ。
廊下に出ると、思った通り、香代美のはじけるような笑いが響いていた。どんどんと、畳を飛び跳ねる派手な音も聞こえている。こらっと奈津子がそれを怒っている。
(子供がいると、いいな)
一瞬、自分の中に影がさしたような気がしたが、由紀子はすぐに蓋をした。
実家にいるころ、奈津子と香代美が来ても、こんなふうに陰りを感じることはなかった。恐らく、この藪家荘にいると、心が生の部分をむき出しにするのだろう。
ここは、療養の場なのだから。
(偽れない)
襖を開こうとした瞬間、「きいき」と、微かな音が聞こえた。ゆりかごが軋んでいる。由紀子は息を吐いた。
偽らないでもいいと、ゆりかごの主は言っている。子供が欲しい、元気な子供を持っている母親が羨ましい。そう感じることは間違いではない。当然だ。
ふうっと息を吐いてしまうと胸が楽になった。
由紀子は笑顔で襖を開いた。
**
雪見障子を開いて、ガラス越しに庭を眺めた。
スーパーで買った安いものなのに、プリンはとても美味しかった。香代美は大きなプリンアラモードに悪戦苦闘しており、口の周りを生クリームだらけにしている。
「御殿じゃない。旅館に来たみたい」
と、奈津子は感想を言った。もっとあばら家のような家を想像していたのかもしれない。由紀子は苦笑した。
管理会社がしっかりしてるのよ、と、お茶のお代わりを入れてやりながら由紀子は説明した。
「明治時代の建物だから古くて。それに、なにごとも規模が大きくて。庭木やボイラにしても、わたしじゃ到底追いつかない。だから、月に何度か管理会社の人が来てくれるの」
へえ、至れり尽くせりねえ、と、奈津子は言った。
ママ、遊んできていーい、と、香代美は言うと、いきなり障子を開き、縁に飛び出した。
こらっ、口を拭きなさい、と、奈津子は怒鳴り、お尻をあげて立ち上がる。どたばたと縁で騒ぎが起きた。由紀子はその間に自分の分のプリンを食べた。
そうだ、プリン。
冷蔵庫には、もう一つ、同じプリンが残っている。
(わたしはどうして、もう一つ買ってしまったんだろう)
ぼんやりと、食べかけのプリンを見下ろした。
あの時、スーパーで、三人分のプリンを籠に入れて通り過ぎようとしたのに、なにかに引き留められたような気がして、もう一つ、手に取ってしまった。
四人分。買ったプリンは。
(まるで、誰かにおねだりされたみたいに)
**
ねえママ、わたしの分は?
**
「もう、ハイテンションで困るわ。いつもと違うところに来たから、はしゃぎまわってるの」
ちゃぶ台に戻り、奈津子は溜息をついた。
縁では香代美が、どたばたとカエル飛びをして動き回っている。
「ママ、探検してきていい」
と、香代美はまた座敷に入って来て叫んだ。
いいとも悪いとも言わないうちに、香代美は襖を開いて廊下に出ていった。
あら、あら、あら、と、由紀子が呟きながら追いかけようとしたが、奈津子が逆に「いいわよ放っといても。そのへんにいるわ」と引き留めた。
奈津子は呑気に構えている。気の置けない姉の家にいると安堵している。
「危ないこともないんでしょう。家の中にいるわよ」
と、奈津子は言った。
由紀子は内心はらはらしながら、遠ざかってゆく香代美の足音を聞いた。家の中にいるから安全、という理屈が通用しないかもしれない、ということを、どう説明しようか困った。
(三階さえ行かなければ)
ふいに、そんな考えが浮かんだ。
由紀子ははっとした。そうだ、この藪家荘で、得体の知れない「なにか」がいるかもしれない場所は、多分、三階だ。
それは、ゆりかごを揺らす何かが住む場所のはずだった。
幼い香代美の足で、螺旋階段を上り、さらに、二階の奥の階段室を突き止め、あの急な階段を上ることができるとは考えにくい。
大丈夫だろう、と、由紀子も自分に言い聞かせた。
**
「それにしても、古いお屋敷よね」
奈津子は天井をぐるっと見上げて言った。
「母さんは、ここが良くないって言っていたらしいけれど。良い場所じゃない」
由紀子は言おうか言わまいか迷いながら、陽気な奈津子の顔を見ていた。
だけど、どうせいつか奈津子も耳にするのだろう、あの不可思議な音を、と思うと、心が決まった。
「あのね、実はここ、変な音が」
由紀子が言いかけた時、突然奈津子ががらっと表情を変えて、立ち上がった。襖を開いて通路に「香代美、あんたどこ開いたの」と叫んでいる。由紀子は茫然とした。
しおしおと、怒られてしゅんとした顔で、香代美は戻って来た。悪いことをしたと判っているようだ。
奈津子は香代美を座敷に引き入れると「駄目よ、勝手にどこでも入ったら」と怒った。
「わたしなにも分からなかったわ」
由紀子はびっくりしていった。
母親の勘というものを、目前で見たのは初めてだった。由紀子にはなにも感じ取れなかったが、奈津子は香代美がどこか、あまり良くない場所に行こうとしている気配を感じ取ったらしい。
(母親は、子供のことについては、感覚が普通ではなくなる)
**
ええん、と、香代美が泣き出したので、由紀子は我に返った。
そんなに怒らなくても、と、穏やかに親子の間に入った。ぷんと奈津子は眉毛をしかめている。
「おおきな台所に行ったんですって」
と、奈津子がいい、由紀子は、ああ、とうなずいた。
あの厨房に入ったか。確かに、包丁やいろいろな器具はあるだろうが、子供の手の届く場所にはない。陰気なだけで、危険はさしてない。
「大丈夫よ」
と、由紀子は言った。
「みんな働いていたわ。こっちにおいでって、美味しいサツマイモがあるよって言われたから」
泣きじゃくりながら香代美は言った。
こらっと奈津子は叱りつけた。
「またそんな嘘ばっかり。みんなって誰よ。このうちには、わたしたちしかいないのよっ」
**
香代美は随分ぐずっていた。
寝かせるわ、と、奈津子は言い、由紀子は二人を二階の客室に案内した。
たくさん部屋はあるが、とりあえず自分の寝室の隣がいいだろうと思い、昨日のうちに整えておいたのだ。
キングサイズのベッドは、奈津子と小さな香代美が寝ても、ゆったりできるだろう。
泣きじゃくる香代美をベッドに寝かせて布団をかけると、あっけなく、香代美は寝着いた。
すうすうと無邪気な顔をして昼寝をする香代美に、奈津子は肩をすくめて苦笑している。
「困ったものだわ」
と、奈津子は言った。
由紀子は黙っていた。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした
まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる