4 / 4
森の妖精
しおりを挟む
「うわぁぁぁあ!!またやってしまったぁぁぁあ!!」
頭を抱えて転げ回る僕。
何て事をしてしまったのかと言う自責の念に苛まれている最中だ。
「(なんだよこれぇぇぇ!!完全に化け物じゃないか僕!!)」
ある人は言う、『精神は肉体に引かれる』と。
僕がアンデッドとして転生してしまったがために、スキルだけではなく種族の特性として【食肉衝動】とでも言うべきモノが備わっているのではないか。
「はぁ…まあいいか…」
───しかし最も恐怖すべき事は、生き物のグロテスクな死を目撃して「まあいいか」で片付けてしまった自分の精神状態にあったことを、この時の僕はまだ知らない───
「あ、そうだ。顔とか治ってんのかな」
水辺に向かい、写った自分の顔を眺める。
顔立ちは生前とほぼ変わらないらしい。
低めの鼻、二重の睫毛が長い目、ほっそりとした線の細い顔立ち。
髪は短髪で、色は黒だ。
「…顔でも洗うか。」
いや、体ごと洗っちまおう。
僕は風呂が好きなんだ!!
着ているものを全て脱ぎ捨て、川にダイブした。
体を擦ると、垢は出なかったが泥や体液の汚れが流れて消えていく。
「おお~キモチィー!」
ワシャワシャと水中で頭を濯ぐ。
「くぅーっ!!こいつぁ石鹸が欲しいとこだぜ!!」
「…どうぞ…」
「お、ありがと……え″」
そんなことを呟くと、初めからそこに居たかのように、裸の女の子が僕に石鹸を渡してきた。
女の子は特に思うところも無いようで、僕が石鹸を受けとると、タオルで自分の体を洗い始めた。
「え!?ちょちょ、えぇ!?」
慌てて背中を向ける。
「…何…?」
「いやそんな風に首をかしげられても…」
いや、おちけつおちけつ…って落ち着けるかァーーーーッ!!!
彼女いない歴=年齢、恋人は右手と画面の向こうにいる女の子だけの俺が!!出来るわけ無いやろ!!
おっと…クールになれカズ…先ずは名前を…
「き、君の名前は何て言うにょ?」
はい噛んだーー噛みましたー!!
「…クラリス…」
…え?それだけ?
「…どこに住んでるの?」
よし、噛まなかったぞ。
「…すぐそこの…家…です…」
「そ、そうなんだ~…はは…」
だからそれだけかよ!?
話つづかねぇぇぇ!?
「…あな、たは…?」
「え?僕?」
おお、やっと話を振ってくれた…
「えっと…僕はカズって言います。一人で旅をしてて…はい。えっと…そんな感じです…。」
はい限界ーーっ!!
話振ってくれってお願いしたのに続けらんなくてすいませんでしたァァァァァア!!
二人とも黙りこくってしまう。
「……」
僕はちらりと彼女に目を向けた。
新雪のように透き通った白い肌、しっとりと濡れた金糸の髪、深い紫紺の瞳。
彫刻のような完璧なプロポーション。
前の世界では先ずお目にかかれないような美女、彼女を形容するとすれば、それは『妖精』と言う言葉を置いて他に無いだろう。
尖った耳もまた可愛らし…耳?
も、もしやこの子はエルフっ娘なのか…!?
「…冒険者…ですか?」
「え?あっ…冒険者…では無いです。」
そして冒険者と言う職業もあるのか。
なるっきゃ無いな。
「……」
再びの沈黙。
髪の毛を泡立てていると、いつの間にかアフロのようになっていた。
「…石鹸…返して…ください…」
「あ、はいはい石鹸ね…」
渡そうとすると、ぬめりのせいか僕の手から石鹸がすっぽ抜けてしまう。
「あわわわ!!」
流されていく石鹸を追い掛け手を必死に伸ばす。
「ふぅ…ヒヤヒヤしたぜ…はい。」
今度こそしっかり手渡した。
「…ありが…とう…です…」
そしてまた沈黙。
どのタイミングで川から上がれば良いのか分からない。
何も言わずに上がったら失礼だし…かといってはいさようなら、もなんか寂しいしな~…
と、初対面の女の子にありもしない運命を感じてしまう童貞丸出しフルスロットルの思考。
「あの」
僕はその言葉でハッと彼女を見た。
「今晩…どこに泊まる…とか、ある…?」
──バクンと跳ね上がる心臓。
「え?あっ…その、適当な木のうろとかで寝ようかなって…」
こっ、このパティーンはもしや…
「私の…家…きます…か?」
キタァァァァア!!
人生初の女の子からのお誘い。
僕は考えもせずに
「是非お願いします。」
と答えていた。
頭を抱えて転げ回る僕。
何て事をしてしまったのかと言う自責の念に苛まれている最中だ。
「(なんだよこれぇぇぇ!!完全に化け物じゃないか僕!!)」
ある人は言う、『精神は肉体に引かれる』と。
僕がアンデッドとして転生してしまったがために、スキルだけではなく種族の特性として【食肉衝動】とでも言うべきモノが備わっているのではないか。
「はぁ…まあいいか…」
───しかし最も恐怖すべき事は、生き物のグロテスクな死を目撃して「まあいいか」で片付けてしまった自分の精神状態にあったことを、この時の僕はまだ知らない───
「あ、そうだ。顔とか治ってんのかな」
水辺に向かい、写った自分の顔を眺める。
顔立ちは生前とほぼ変わらないらしい。
低めの鼻、二重の睫毛が長い目、ほっそりとした線の細い顔立ち。
髪は短髪で、色は黒だ。
「…顔でも洗うか。」
いや、体ごと洗っちまおう。
僕は風呂が好きなんだ!!
着ているものを全て脱ぎ捨て、川にダイブした。
体を擦ると、垢は出なかったが泥や体液の汚れが流れて消えていく。
「おお~キモチィー!」
ワシャワシャと水中で頭を濯ぐ。
「くぅーっ!!こいつぁ石鹸が欲しいとこだぜ!!」
「…どうぞ…」
「お、ありがと……え″」
そんなことを呟くと、初めからそこに居たかのように、裸の女の子が僕に石鹸を渡してきた。
女の子は特に思うところも無いようで、僕が石鹸を受けとると、タオルで自分の体を洗い始めた。
「え!?ちょちょ、えぇ!?」
慌てて背中を向ける。
「…何…?」
「いやそんな風に首をかしげられても…」
いや、おちけつおちけつ…って落ち着けるかァーーーーッ!!!
彼女いない歴=年齢、恋人は右手と画面の向こうにいる女の子だけの俺が!!出来るわけ無いやろ!!
おっと…クールになれカズ…先ずは名前を…
「き、君の名前は何て言うにょ?」
はい噛んだーー噛みましたー!!
「…クラリス…」
…え?それだけ?
「…どこに住んでるの?」
よし、噛まなかったぞ。
「…すぐそこの…家…です…」
「そ、そうなんだ~…はは…」
だからそれだけかよ!?
話つづかねぇぇぇ!?
「…あな、たは…?」
「え?僕?」
おお、やっと話を振ってくれた…
「えっと…僕はカズって言います。一人で旅をしてて…はい。えっと…そんな感じです…。」
はい限界ーーっ!!
話振ってくれってお願いしたのに続けらんなくてすいませんでしたァァァァァア!!
二人とも黙りこくってしまう。
「……」
僕はちらりと彼女に目を向けた。
新雪のように透き通った白い肌、しっとりと濡れた金糸の髪、深い紫紺の瞳。
彫刻のような完璧なプロポーション。
前の世界では先ずお目にかかれないような美女、彼女を形容するとすれば、それは『妖精』と言う言葉を置いて他に無いだろう。
尖った耳もまた可愛らし…耳?
も、もしやこの子はエルフっ娘なのか…!?
「…冒険者…ですか?」
「え?あっ…冒険者…では無いです。」
そして冒険者と言う職業もあるのか。
なるっきゃ無いな。
「……」
再びの沈黙。
髪の毛を泡立てていると、いつの間にかアフロのようになっていた。
「…石鹸…返して…ください…」
「あ、はいはい石鹸ね…」
渡そうとすると、ぬめりのせいか僕の手から石鹸がすっぽ抜けてしまう。
「あわわわ!!」
流されていく石鹸を追い掛け手を必死に伸ばす。
「ふぅ…ヒヤヒヤしたぜ…はい。」
今度こそしっかり手渡した。
「…ありが…とう…です…」
そしてまた沈黙。
どのタイミングで川から上がれば良いのか分からない。
何も言わずに上がったら失礼だし…かといってはいさようなら、もなんか寂しいしな~…
と、初対面の女の子にありもしない運命を感じてしまう童貞丸出しフルスロットルの思考。
「あの」
僕はその言葉でハッと彼女を見た。
「今晩…どこに泊まる…とか、ある…?」
──バクンと跳ね上がる心臓。
「え?あっ…その、適当な木のうろとかで寝ようかなって…」
こっ、このパティーンはもしや…
「私の…家…きます…か?」
キタァァァァア!!
人生初の女の子からのお誘い。
僕は考えもせずに
「是非お願いします。」
と答えていた。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(8件)
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
n番煎じの脇役令嬢になった件について
momo
ファンタジー
ある日、突然前世の記憶を思い出したレスティーナ。
前世、知識モンスターだった研究者の喪女であった事を思い出し、この世界が乙女ゲーム『光の聖女と聖なる騎士』だった事に驚く。
が、自分は悪役令嬢でも無く、ヒロインでもない成金のモブ令嬢だったと気付いて本編始まったら出歯亀しようと決意するのだった。
8歳で行われた祝福の儀で、レスティーナは女神イリスに出会う。女神の願いを叶える為に交換条件として2つの祝福を貰い乙女ゲーそっちのけで内政に励むのだった。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
誤字報告デス。
■一話
>純白の機体に高いスペックを持ち、撲を瞬く間にネットの世界へと導いた。
→僕を ←「イ」業
>始めて触れたネットはあまりに強力かつ魅力的で、
→初めて
>誕生日の横に表示された年齢が目に写る。
→目に映る
>次の瞬間には強烈な眠気が撲を襲い、目を醒ますとーー
→僕を
■二話
>何をするわけでもなくじっと撲を見つめている。
→僕を
■五話・後編
>ヒビが入った瞬間、僕の眼に写る緑のHPバーが大きく減り黄色になるのが分かった。
→眼に映る
※一話では「目」なので、どちらかに統一を推奨
>老人はひどく驚いていたが、治したからもう何でもないと諫め僕はギルドへ袋を引き渡しに行く。
→何でもないと宥(なだ)め
※諌める:間違いを正すために目上の人に対して苦言を呈すること
■八話・前編
>「…私たちに…着いてくるのは…良いけど……
→付いてくる
>彼女の眼は一体何を写しているのか。
→映して
※何かを「写し取る」魔眼の機能でしたらスミマセン
>「着いてきても良いって言ってるんだよ。
→付いてきて
>呻き声のような声だけを挙げ続ける“それ“は、
→声だけを上げ
※声を挙げる←社会的弱者が強者に対して意見をもって訴える など
※反射的、生理現象的な悲鳴や大声は「上げる」
■九話
>まるでスイカでも割るかのように一匹ずつ手斧を降り下ろしていく。
→振り下ろして
>手に持つ剣を降り下ろす。
→振り下ろす
>疲労から悲鳴を挙げる筋肉の声を無視して走り続ける。
→悲鳴を上げる
■十一話
>いやっほうと声を挙げて喜ぶ少女。
→声を上げて
>再びいやっほうと声を挙げた。
→上げた
誤字報告ありがとうございます!!
こんなにも大量の誤字報告を頂き感激です!!
これからも誤字には気を付けて誠心誠意頑張っていきます!!
文体の変化はそれほど気になりませんでした。むしろ、自分が書きやすい、表現しやすい方で書くのがいいのではないかと思います。
成る程…参考にさせていただきます。
ご意見、ありがとうございました。
読み始めました、面白そうですね。
ありがとうございますッ!!!
楽しんでいただけるよう日々精進する次第ですッ!!!