逆転の異世界生活~最強のチートスキルは『蠕動運動』でした。最高の逆転劇を見せてやる

先川(あくと)

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二章 秘宝「ジェタクの果印」

22話 山登りも修行のうち

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 どのようなものであれ、ジェタクが住んでいた場所を突き止めて、そこから探すべきだと思った。

「どのあたりって言われても……。ミーノはこの山としか聞いてません」
「おいおい、山って、相当広いぞ……」
「た、たしかに……。どうやって探しましょう……」

 ミーノが答えを求めて俺を見た。俺だってどう探したものか分からない。

「じゃあ、まずはジェタクが暮らした家を探してみるか」
「はい!!」

 俺たちは登山を再開した。
 家と言っても、五百年前の話だ。木造建築なら既に朽ちているだろう。仮に石でできていたとしても、植物に飲み込まれているかもしれない。洞窟のような場所で雨風をしのいでいたとすれば、まだ残っている可能性はある。だが、入口を植物が塞いでいるだろう。たとえ、洞窟があったとしても、相当近づかなければ、見つけることはできないはずだ。
「そうだ。ミーノはシリンキ山には詳しいのか?」
「はい! ふもとにミーノの村があるので、小さい頃はよく遊びに来ましたよ!」
「小さい頃って、今も小さいじゃないか」

 俺はつい口を挟んでしまった。
「いえ! ミーノはもうお姉さんなんです。弟や妹のためにも、畑を耕さなくちゃいけないんです」
 そのときのミーノは本当にお姉さんの顔になっていた。
「そうか。えらいんだな」
「えへへ、ちょっとだけエラいかもです」
 ミーノは照れ臭そうに笑う。

「それで、この山で、洞窟や石の家を見かけたことはなかったか?」
「洞窟なら、山頂近くにありますよ。行ってみましょうか」
「山頂……」

 俺は顔をあげ、ずっと向こうまで続く山の稜線を見た。
「ミーノ、あっちはシリンキ山じゃなくて、別の山なんだよな?」
「いえ、あっちもシリンキ山ですよ。」
「ウソだろ? じゃあ、あのずっと向こうに見えているのは?」
「あれもシリンキ山です」
「じゃ、じゃあ……、あのずっとずっと向こうに見えてる三角形は……」
「ふふふ、流石にあれは別の山ですよ」
「よかった……」

 俺はほっと胸をなでおろした。
とはいえ、シリンキ山はかなり起伏が激しいようだ。山頂まで行くとなれば、かなり歩かなければいけない。
 俺は既にバテバテだった。
こんな山登りなんかやめて、手っ取り早く魔獣を倒す方法はないものか。
 俺の気持ちを察したのか、ミーノがにっこりと笑って言った。

「ヤグラ君、これも修行ですよ。私たちは身体が弱いんですから、基礎体力をつけないといけません。シリンキ山も登れないようじゃ、魔獣も倒せませんよ?」
 幼女に正論を言われてしまった。
ミーノは私たちと自分も含めていったが、ミーノはまだ息すらあがっていない。どこにそんな力があるのか、細い足で、どんどん山を登っていく。
「これも修行ね……」
 俺は自分に言い聞かせるようにして、ミーノの後を追った。
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