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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
39話 ツンデレメイドゾンビにまつわるスキャンダルについて
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「そもそもそのメイドさんは、フリアーナ五世に仕えたお膳係の人なんですけど、去年か一昨年に、妊娠したまま死んでしまったんです」
「それは気の毒だな」
「なんですけど、子どもまで死ぬのはかわいそうだからってことで、呪術師の力によってゾンビにされたんです。そのメイドさんはゾンビのまま生きながらえて、子どもを産み、そのあとまた呪術師の力で人間に戻されたんです。でも、今までゾンビだったから生きていたものの、人間に戻ったところで生きる力なんてありません。メイドさんはそのまま死んじゃったんです。だけど、子どもが産まれたばかりでしょう? 子どもの将来が不安で成仏できずに、そのまま幽霊になってしまったんです」
「はあ……」
妊娠したまま死んでしまった妊婦を、子どもを産ませるためにゾンビにして、その後また殺したということらしい。
なんだか、かわいそうな話だ。
それが子どもを思うあまりに今度は幽霊になった。それでツンデレメイドゾンビの幽霊。あの山盛りの属性の裏にこんなすさまじい物語があるとは思わなかった。
「国王の側近が証言していて、それはどうも本当みたいなんです」
「じゃあ、噂というよりは真実なんだ」
「いえ、噂はここからなんです」
ミーノはその噂について話し始めた。
「いくら王宮に仕えた立派なメイドさんだからって、子どもを産ませるためだけにゾンビしたりするかって、みんなそこに疑問を抱いてるんです。子どもを産ませるため死んだ人をゾンビにするなんて、今まで聞いたこともありませんし」
「確かに前代未聞だよなあ」
「でしょう? その子どもにこだわりすぎている気がするんです」
「つまり、そこに何かがあると」
「はい。王都の人たちはその子どもは先代のフリアーナ五世との間にできた子どもなんじゃないかって」
「それが本当ならとんでもないスキャンダルだ」
「そうなんです」
フリアーナ五世が王宮のメイドと恋愛関係にあった。それだけでも立派なスキャンダルなのに、その子どもを産ませるためにゾンビにして生きながらえさせたとなれば、その噂でもちきりになるのも無理はない。
あれ? でも、さっきの話と食い違ってないか?
「ミーノ、それおかしくないか? だって、国王は子どもがいないから、次期国王を兄弟から選ぶって言ってたんだろう?」
それでクジ引きをしたのだ。
「そうなんですよ。そこも微妙で。メイドとの間にできた隠し子ですし、皇位継承争いに巻き込みたくなかったのかもしれません」
「だから、クジ引き国王はツンデレメイドゾンビの幽霊を探して、話を聞こうとしているんだな」
「ほんとのところを知るには、本人に聞くのが一番ですからね」
クジ引き国王からすれば、先代の国王の子どもは目の上のたんこぶだろう。自分の息子を七代目の国王にしたいと思っても、先代の子どもとのあいだで皇位継承争いが起こるかもしれない。
「で、そのツンデレメイドゾンビの幽霊さんはどこにいるんだ?」
「それは気の毒だな」
「なんですけど、子どもまで死ぬのはかわいそうだからってことで、呪術師の力によってゾンビにされたんです。そのメイドさんはゾンビのまま生きながらえて、子どもを産み、そのあとまた呪術師の力で人間に戻されたんです。でも、今までゾンビだったから生きていたものの、人間に戻ったところで生きる力なんてありません。メイドさんはそのまま死んじゃったんです。だけど、子どもが産まれたばかりでしょう? 子どもの将来が不安で成仏できずに、そのまま幽霊になってしまったんです」
「はあ……」
妊娠したまま死んでしまった妊婦を、子どもを産ませるためにゾンビにして、その後また殺したということらしい。
なんだか、かわいそうな話だ。
それが子どもを思うあまりに今度は幽霊になった。それでツンデレメイドゾンビの幽霊。あの山盛りの属性の裏にこんなすさまじい物語があるとは思わなかった。
「国王の側近が証言していて、それはどうも本当みたいなんです」
「じゃあ、噂というよりは真実なんだ」
「いえ、噂はここからなんです」
ミーノはその噂について話し始めた。
「いくら王宮に仕えた立派なメイドさんだからって、子どもを産ませるためだけにゾンビしたりするかって、みんなそこに疑問を抱いてるんです。子どもを産ませるため死んだ人をゾンビにするなんて、今まで聞いたこともありませんし」
「確かに前代未聞だよなあ」
「でしょう? その子どもにこだわりすぎている気がするんです」
「つまり、そこに何かがあると」
「はい。王都の人たちはその子どもは先代のフリアーナ五世との間にできた子どもなんじゃないかって」
「それが本当ならとんでもないスキャンダルだ」
「そうなんです」
フリアーナ五世が王宮のメイドと恋愛関係にあった。それだけでも立派なスキャンダルなのに、その子どもを産ませるためにゾンビにして生きながらえさせたとなれば、その噂でもちきりになるのも無理はない。
あれ? でも、さっきの話と食い違ってないか?
「ミーノ、それおかしくないか? だって、国王は子どもがいないから、次期国王を兄弟から選ぶって言ってたんだろう?」
それでクジ引きをしたのだ。
「そうなんですよ。そこも微妙で。メイドとの間にできた隠し子ですし、皇位継承争いに巻き込みたくなかったのかもしれません」
「だから、クジ引き国王はツンデレメイドゾンビの幽霊を探して、話を聞こうとしているんだな」
「ほんとのところを知るには、本人に聞くのが一番ですからね」
クジ引き国王からすれば、先代の国王の子どもは目の上のたんこぶだろう。自分の息子を七代目の国王にしたいと思っても、先代の子どもとのあいだで皇位継承争いが起こるかもしれない。
「で、そのツンデレメイドゾンビの幽霊さんはどこにいるんだ?」
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