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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
43話 ツンデレメイドゾンビの幽霊との出会い
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ミーノの言う通り、トイレの前には一人の幽霊がいた。重たいドレスを着ており、俺の幽霊のイメージとは少し異なる。だが、これが異世界スタイルなのだろう。足が透けているので幽霊に違いない。
「あの……、すみません。トレイ待ってますか?」
幽霊は頷いた。
「じゃあ、ちょっと前すみません」
俺は上映中に映画館を抜け出してトイレに行く要領で、幽霊の前を横切った。ミーノも同じように幽霊の前を通る。
グイッ……。
抵抗を感じて振り向くと、幽霊が不満げに俺の服をつまんでいる。横入りするなということか。
「すみません、確認したいことがあるんで……」
フルフル。
幽霊が首を横に振る。
「いや、別に、トイレを先に使おうと思ってるわけでは……」
「順番抜かし、ダメ……」
幽霊が喋った!! 俺は思わず叫びそうになった。しかも、この世で一番幽霊が言わなさそうな台詞である。
「ヤグラ君、やっぱり順番抜かしは駄目だよ……」
ミーノがお姉さんの顔になっている。
「はあ……じゃあ待ってます……」
俺は幽霊の後ろに並びなおした。別にトイレに行きたいわけではない。ただ中に幽霊がいるのだとしたら、その子がツンデレメイドゾンビの幽霊かどうか確認したいだけなのだ。そんなのはトイレのドアを開ければすぐに分かる話なのだ。
はやる気持ちを抑えて、辛抱強く待っていると、トイレのドアが開いて、中から女の人が現れた。
俺はすぐに足元を見た。やはり透けている。幽霊だ。順番待ちをしていた幽霊が小さく会釈をして、トイレの中に入っていった。妙に義理堅い幽霊だ。
俺は中から出てきた幽霊をもう一度見た。その幽霊はゴスロリのメイド服を身にまとい、青白い顔をしている。冷たく澄ました表情がツンデレっぽい……。
「あの、すみません、ツンデレメイドゾンビの幽霊さんですか?」
俺はだしぬけに声をかけた。
「ハァ? あんた誰?」
幽霊は嫌悪感を隠そうともせず、目尻を釣り上げた。ツンデレっぽい!!
「あの、俺たちは冒険者でして、緊急クエストでツンデレメイドゾンビの幽霊を探さなくちゃいけないんです」
「ふーん、それで?」
「それで、あなたがツンデレメイドゾンビの幽霊だったら、話がはや――」
「ミタカ」
「えっ?」
「私の名前、ミタカだから。ツンデレメイドゾンビの幽霊なんて言われて、『はい、私です』って言う人はいないわ。あんただって、『地味ネクラ手拭い勇者』なんて言われたらいやでしょ?」
「地味ネクラ手拭い勇者……」
俺って属性で言うとそうなるのか。さらに、肛門と口が逆についているという属性もある。俺は悲しくなりながら、人を属性で呼ばないでおこうと決めた。
「確かに……、すみません」
「いいわ。面と向かって言われたから、ムッとしただけで、私のことを言ってるんだろうなとは思ったもの。だって、ゾンビで幽霊になったのは、きっと私だけだろうから」
ミタカさんは澄まして言った。
「それで、何の用?」
「えーっと、フリアーナ六世があなたのことを探しておりまして……」
「フリアーナ六世!? ……………………先代の国王は死んだの?」
ミタカさんの表情が曇った。
「あの……、すみません。トレイ待ってますか?」
幽霊は頷いた。
「じゃあ、ちょっと前すみません」
俺は上映中に映画館を抜け出してトイレに行く要領で、幽霊の前を横切った。ミーノも同じように幽霊の前を通る。
グイッ……。
抵抗を感じて振り向くと、幽霊が不満げに俺の服をつまんでいる。横入りするなということか。
「すみません、確認したいことがあるんで……」
フルフル。
幽霊が首を横に振る。
「いや、別に、トイレを先に使おうと思ってるわけでは……」
「順番抜かし、ダメ……」
幽霊が喋った!! 俺は思わず叫びそうになった。しかも、この世で一番幽霊が言わなさそうな台詞である。
「ヤグラ君、やっぱり順番抜かしは駄目だよ……」
ミーノがお姉さんの顔になっている。
「はあ……じゃあ待ってます……」
俺は幽霊の後ろに並びなおした。別にトイレに行きたいわけではない。ただ中に幽霊がいるのだとしたら、その子がツンデレメイドゾンビの幽霊かどうか確認したいだけなのだ。そんなのはトイレのドアを開ければすぐに分かる話なのだ。
はやる気持ちを抑えて、辛抱強く待っていると、トイレのドアが開いて、中から女の人が現れた。
俺はすぐに足元を見た。やはり透けている。幽霊だ。順番待ちをしていた幽霊が小さく会釈をして、トイレの中に入っていった。妙に義理堅い幽霊だ。
俺は中から出てきた幽霊をもう一度見た。その幽霊はゴスロリのメイド服を身にまとい、青白い顔をしている。冷たく澄ました表情がツンデレっぽい……。
「あの、すみません、ツンデレメイドゾンビの幽霊さんですか?」
俺はだしぬけに声をかけた。
「ハァ? あんた誰?」
幽霊は嫌悪感を隠そうともせず、目尻を釣り上げた。ツンデレっぽい!!
「あの、俺たちは冒険者でして、緊急クエストでツンデレメイドゾンビの幽霊を探さなくちゃいけないんです」
「ふーん、それで?」
「それで、あなたがツンデレメイドゾンビの幽霊だったら、話がはや――」
「ミタカ」
「えっ?」
「私の名前、ミタカだから。ツンデレメイドゾンビの幽霊なんて言われて、『はい、私です』って言う人はいないわ。あんただって、『地味ネクラ手拭い勇者』なんて言われたらいやでしょ?」
「地味ネクラ手拭い勇者……」
俺って属性で言うとそうなるのか。さらに、肛門と口が逆についているという属性もある。俺は悲しくなりながら、人を属性で呼ばないでおこうと決めた。
「確かに……、すみません」
「いいわ。面と向かって言われたから、ムッとしただけで、私のことを言ってるんだろうなとは思ったもの。だって、ゾンビで幽霊になったのは、きっと私だけだろうから」
ミタカさんは澄まして言った。
「それで、何の用?」
「えーっと、フリアーナ六世があなたのことを探しておりまして……」
「フリアーナ六世!? ……………………先代の国王は死んだの?」
ミタカさんの表情が曇った。
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