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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
48話 幽霊の浮遊能力
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「ミーノ、怖くないのか? 相手の戦闘力も分からないんだぞ」
「ほんとのことを言うと少し怖いんですけど……、ここで退くわけにはいきません。ヤグラ君がミタカさんを逃がそうって言ったとき、ミーノ、仲間がヤグラ君で良かったなって思ったんです。ミーノは農民ですから、跡継ぎ争いのために殺したり、生き返らせたりってあんまりピンとこないんですよね。それよりも大事なものがあると思います」
「そうか……。じゃあ、戦うか」
「はい」
「面白いじゃねえか。お前らも冒険者の端くれ。その力、見せてくれよな!!」
アゴヒゲの男がタバコを投げ捨て、地面を蹴った。マッチョの方が後に続く。
俺とミーノはオバケカボチャの実を齧った。身体が光に包まれ、俺たちは雪だるまの親戚みたいなカボチャのオバケになる。
アゴヒゲはミーノの体当たりを避け、彼女の横腹に蹴りを入れた。ミーノのか細いうめき声が聞こえた。
俺がミーノのフォローに回ろうとしたとき、マッチョの男が立ちはだかった。
「お前の相手は俺だ」
男は軽快なステップで間合いを詰めると、俺の胴体に拳を打ち込んだ。俺は痛みを覚え、後ろに飛びのいた。
カボチャのオバケの攻撃方法は体当たりだ。動きの遅い大型魔獣や、長距離攻撃を得意とするアーチャーには有効だが、こうやって間合いを詰めてくる格闘家タイプを最も苦手とする。
間合いが短い分、体当たりの威力は減る。そのうえ、彼らは自分の間合いとこっちの攻撃の間合いを常に図るようにして戦っている。
反撃に出るだけの距離が取れないのだ。
俺は距離を開けようと、後ろに飛んだが、男は的確に間合いを詰めてくる。
ミーノも苦戦しているのだろう。
オバケカボチャの装甲は固く、ダメージはそれほどではない。だが、彼らは確実に俺たちの体力を奪っていった。
ミーノが焦れて攻撃に転じたとき、アゴヒゲの右足が彼女の顔をとらえた。
「ミーノ!!」
俺が叫んだとき、不思議なことが起こった。
ミーノの身体がふわりと宙に浮き、アゴヒゲの足が虚しく空を切った。ミーノは上空で、戸惑うようにあたりを見回していた。
「バカ!! よそ見してんじゃないわよ!!」
後ろでミタカさんの声が聞こえた。
咄嗟に前を向くと男が足を踏み込み、右ストレートを俺に打ち付けた。
俺が思わず目を閉じたとき、俺の身体は浮き上がり、男は勢いそのままにつんのめった。
「これはどういうことだ?」
俺は上空から男たちを見て言った。
「私の能力よ」
ミタカさんが言った。
「幽霊って足がないから常に浮いているでしょう? 私たちは物体を浮かせることができるのよ」
「じゃあ、俺たちよりアイツらを浮かせてくださいよ……」
「うるさいわね!! 私だってやろうとしたわよ。でも、無理なの。あいつら、何かお守りのようなものを持ってるわ。対ゴースト用の護符をね」
「どうでもいいが、浮いてちゃお姫様を守れないんじゃねえか?」
アゴヒゲは不敵に笑うと、ミタカさんに向かって走り出した。
「ミタカさん下ろして!!」
浮力を失った俺は急速に落下し、ミタカさんの前に着地する。
「邪魔だ!! どけっ!!」
アゴヒゲが俺の身体に蹴りを入れた。カボチャの装甲が潰れ、中から俺の身体が露出する。
「へー、そんな風になってるんだ。面白い技だなあ」
アゴヒゲは素早い蹴りを繰り出した。アゴヒゲは俺の装甲を剥がすように、壊れかけた装甲を何度も蹴った。装甲のヒビが広がり、ぼろぼろと破片がこぼれ始める。そのうちに衝撃がもろに身体に響くようになった。
一度壊れれば、あとは一瞬だった。ヒビが腹部から、全身に広がったとき、俺の身体は光に包まれ、生身の人間に戻っていた。
「ぐっ!!」
目の前でアゴヒゲが吹き飛ばされたのが見えた。ミーノが横からアゴヒゲに体当たりをくらわしたのだ。
「チクショウ!! やるじゃねえか」
口の中を切ったらしい。アゴヒゲは真っ赤に染まったツバを吐き捨てると立ち上がった。
「ほんとのことを言うと少し怖いんですけど……、ここで退くわけにはいきません。ヤグラ君がミタカさんを逃がそうって言ったとき、ミーノ、仲間がヤグラ君で良かったなって思ったんです。ミーノは農民ですから、跡継ぎ争いのために殺したり、生き返らせたりってあんまりピンとこないんですよね。それよりも大事なものがあると思います」
「そうか……。じゃあ、戦うか」
「はい」
「面白いじゃねえか。お前らも冒険者の端くれ。その力、見せてくれよな!!」
アゴヒゲの男がタバコを投げ捨て、地面を蹴った。マッチョの方が後に続く。
俺とミーノはオバケカボチャの実を齧った。身体が光に包まれ、俺たちは雪だるまの親戚みたいなカボチャのオバケになる。
アゴヒゲはミーノの体当たりを避け、彼女の横腹に蹴りを入れた。ミーノのか細いうめき声が聞こえた。
俺がミーノのフォローに回ろうとしたとき、マッチョの男が立ちはだかった。
「お前の相手は俺だ」
男は軽快なステップで間合いを詰めると、俺の胴体に拳を打ち込んだ。俺は痛みを覚え、後ろに飛びのいた。
カボチャのオバケの攻撃方法は体当たりだ。動きの遅い大型魔獣や、長距離攻撃を得意とするアーチャーには有効だが、こうやって間合いを詰めてくる格闘家タイプを最も苦手とする。
間合いが短い分、体当たりの威力は減る。そのうえ、彼らは自分の間合いとこっちの攻撃の間合いを常に図るようにして戦っている。
反撃に出るだけの距離が取れないのだ。
俺は距離を開けようと、後ろに飛んだが、男は的確に間合いを詰めてくる。
ミーノも苦戦しているのだろう。
オバケカボチャの装甲は固く、ダメージはそれほどではない。だが、彼らは確実に俺たちの体力を奪っていった。
ミーノが焦れて攻撃に転じたとき、アゴヒゲの右足が彼女の顔をとらえた。
「ミーノ!!」
俺が叫んだとき、不思議なことが起こった。
ミーノの身体がふわりと宙に浮き、アゴヒゲの足が虚しく空を切った。ミーノは上空で、戸惑うようにあたりを見回していた。
「バカ!! よそ見してんじゃないわよ!!」
後ろでミタカさんの声が聞こえた。
咄嗟に前を向くと男が足を踏み込み、右ストレートを俺に打ち付けた。
俺が思わず目を閉じたとき、俺の身体は浮き上がり、男は勢いそのままにつんのめった。
「これはどういうことだ?」
俺は上空から男たちを見て言った。
「私の能力よ」
ミタカさんが言った。
「幽霊って足がないから常に浮いているでしょう? 私たちは物体を浮かせることができるのよ」
「じゃあ、俺たちよりアイツらを浮かせてくださいよ……」
「うるさいわね!! 私だってやろうとしたわよ。でも、無理なの。あいつら、何かお守りのようなものを持ってるわ。対ゴースト用の護符をね」
「どうでもいいが、浮いてちゃお姫様を守れないんじゃねえか?」
アゴヒゲは不敵に笑うと、ミタカさんに向かって走り出した。
「ミタカさん下ろして!!」
浮力を失った俺は急速に落下し、ミタカさんの前に着地する。
「邪魔だ!! どけっ!!」
アゴヒゲが俺の身体に蹴りを入れた。カボチャの装甲が潰れ、中から俺の身体が露出する。
「へー、そんな風になってるんだ。面白い技だなあ」
アゴヒゲは素早い蹴りを繰り出した。アゴヒゲは俺の装甲を剥がすように、壊れかけた装甲を何度も蹴った。装甲のヒビが広がり、ぼろぼろと破片がこぼれ始める。そのうちに衝撃がもろに身体に響くようになった。
一度壊れれば、あとは一瞬だった。ヒビが腹部から、全身に広がったとき、俺の身体は光に包まれ、生身の人間に戻っていた。
「ぐっ!!」
目の前でアゴヒゲが吹き飛ばされたのが見えた。ミーノが横からアゴヒゲに体当たりをくらわしたのだ。
「チクショウ!! やるじゃねえか」
口の中を切ったらしい。アゴヒゲは真っ赤に染まったツバを吐き捨てると立ち上がった。
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