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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
57話 熱湯裁判をぶっ潰す!
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今度はミタカさんに会いに行った。彼女は神明裁判に備えて、教会の地下に幽閉されているそうだ。
俺は教会に行くと、神父に頼み込み、ミタカさんに会わせてもらった。
「そりゃあ、面会をさせるなとは言われてませんから、一応取り次がせてもらいますがねえ……。見張りの方がなんて言うか知りませんよ」
神父について狭い階段を降りた。幽閉と聞いて、牢屋を想像していたが、そこは物置き小屋のような場所だった。
ミタカさんは地面に座らされていた。すでに肉体を与えられたようで、スカートの裾からすらりとした足が伸びていた。
ミタカさんは驚いていたが、それはすぐに沈痛な表情へと戻っていった。
見張りとはアゴヒゲとマッチョのことだった。二人は壁に寄りかかって、ぼそぼそと雑談をしていた。
「どうしたんだ?」
「この青年が彼女と会わせてほしいと聞きませんので、お二人さえよければと思って連れてきたんですが……」
「なんだ、またお前か。この女を救い出しにきたのか?」
「いえ、少しだけ話させてください」
俺はコフネさんに渡したように、彼らに千リラずつ握らせた。俺がケツから酒を飲んで手に入れた金はこうしていとも簡単に消えていった。
「なんだこれ?」
「とりあえず取っておいてください。それで、本当は席を外してほしいんですが、さすがにそういうわけにはいきませんよね?」
「そりゃあ、無理な相談だ。会話するくらいどうとも思わねえが、席を外すとなれば話が変わってくる。お前が何考えてるかもよくわからねえしな」
「分かりました。じゃあ、なるべく遠くで、あまり話を聞かないようにお願いします」
「まあ、それくらいは良いとしよう」
アゴヒゲは握らせた千リラをさっと懐に忍ばせた。
「ミタカさん」
俺は物置小屋の窓から彼女に声をかけた。
「何?」
「あと一時間もすれば裁判が始まります」
「そう」
「おそらくミタカさんはデュオス像の前で鍋に手を入れることになります。コフネさんから聞いたんですけど、単に鍋に手を入れるだけじゃなくて、中に入っている石ころを掴みださなくてはいけません」
熱湯裁判の進行はコフネさんから聞いていた。
まずミタカさんの手に傷がないことを確かめる。熱湯に手を突っ込んでできた傷が、前からあった傷かを把握するためだ。
それが終わると、ミタカさんは神の前で「自分の子がフリアーナ五世の子どもでないこと」を誓う。それから神父さんたちによって祈りが捧げられる。神のご加護があるようにと。そして最後に神の名を唱え、真実が明かされることを要求する。
それが終わると、ぐつぐつと煮えたぎったお湯の中から、石ころを掴みだす。熱くて掴みだせない場合や、仮に掴みだしたとしてもヤケドを負った場合はクロ。ミタカさんはウソを言ったことになる。
石ころを掴みだしたうえで、ヤケドを負わなければシロ。ミタカさんは正しかったのだ。
「そんなことできっこないわ」
ミタカさんは泣きそうになっていた。
それはそうだろう。でも、俺だって指をくわえて見ているつもりはなかった。やるだけのことをやってみよう。
そして、熱湯裁判をぶっ潰す!
俺は教会に行くと、神父に頼み込み、ミタカさんに会わせてもらった。
「そりゃあ、面会をさせるなとは言われてませんから、一応取り次がせてもらいますがねえ……。見張りの方がなんて言うか知りませんよ」
神父について狭い階段を降りた。幽閉と聞いて、牢屋を想像していたが、そこは物置き小屋のような場所だった。
ミタカさんは地面に座らされていた。すでに肉体を与えられたようで、スカートの裾からすらりとした足が伸びていた。
ミタカさんは驚いていたが、それはすぐに沈痛な表情へと戻っていった。
見張りとはアゴヒゲとマッチョのことだった。二人は壁に寄りかかって、ぼそぼそと雑談をしていた。
「どうしたんだ?」
「この青年が彼女と会わせてほしいと聞きませんので、お二人さえよければと思って連れてきたんですが……」
「なんだ、またお前か。この女を救い出しにきたのか?」
「いえ、少しだけ話させてください」
俺はコフネさんに渡したように、彼らに千リラずつ握らせた。俺がケツから酒を飲んで手に入れた金はこうしていとも簡単に消えていった。
「なんだこれ?」
「とりあえず取っておいてください。それで、本当は席を外してほしいんですが、さすがにそういうわけにはいきませんよね?」
「そりゃあ、無理な相談だ。会話するくらいどうとも思わねえが、席を外すとなれば話が変わってくる。お前が何考えてるかもよくわからねえしな」
「分かりました。じゃあ、なるべく遠くで、あまり話を聞かないようにお願いします」
「まあ、それくらいは良いとしよう」
アゴヒゲは握らせた千リラをさっと懐に忍ばせた。
「ミタカさん」
俺は物置小屋の窓から彼女に声をかけた。
「何?」
「あと一時間もすれば裁判が始まります」
「そう」
「おそらくミタカさんはデュオス像の前で鍋に手を入れることになります。コフネさんから聞いたんですけど、単に鍋に手を入れるだけじゃなくて、中に入っている石ころを掴みださなくてはいけません」
熱湯裁判の進行はコフネさんから聞いていた。
まずミタカさんの手に傷がないことを確かめる。熱湯に手を突っ込んでできた傷が、前からあった傷かを把握するためだ。
それが終わると、ミタカさんは神の前で「自分の子がフリアーナ五世の子どもでないこと」を誓う。それから神父さんたちによって祈りが捧げられる。神のご加護があるようにと。そして最後に神の名を唱え、真実が明かされることを要求する。
それが終わると、ぐつぐつと煮えたぎったお湯の中から、石ころを掴みだす。熱くて掴みだせない場合や、仮に掴みだしたとしてもヤケドを負った場合はクロ。ミタカさんはウソを言ったことになる。
石ころを掴みだしたうえで、ヤケドを負わなければシロ。ミタカさんは正しかったのだ。
「そんなことできっこないわ」
ミタカさんは泣きそうになっていた。
それはそうだろう。でも、俺だって指をくわえて見ているつもりはなかった。やるだけのことをやってみよう。
そして、熱湯裁判をぶっ潰す!
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