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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
61話 コフネさんの覚悟
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祭壇の上座に座っていたフリアーナ六世に、コフネさんが静かに近寄った。
コフネさんはそれ以上言葉を続けなかった。
フリアーナ六世は不機嫌そうな顔を一層不機嫌にした。
「結果が出た以上、彼女に関わるつもりはない。彼女の赤ん坊にもだ。もちろん臣下にも何も言わせん」
コフネさんが首を振った。
そして、泣きそうな顔になって絞り出すように言った。
「そうではありません。私は今回のことを言ってるのではないのです。これからも……こんな政治を続けるつもりですか? クジ引き国王と、あなたをあなどる臣下たちを前に、神の意向だと納得させながらこの国を動かしていく。そんなことを続けていくつもりですか?」
あまりにも率直な物言いに会場が冷えていくのが分かった。コフネさん、そんなにはっきり言って大丈夫かよ……。
「確かに、真実を神の名のもとに明かしたとなれば、あなたの判断を否定するものはいなくなるでしょう。ですが、そんな」
俺はフリアーナ六世の顔を見た。
フリアーナ六世はコフネさんを睨んだ。
「身の程をわきまえろ!! 私にたてつくなど許された身か!!」
フリアーナ六世の威圧感に、みなが委縮するのが分かった。その中でコフネさんだけがまっすぐ陛下を見つめていた。
「イヤです!! 今だけは、失礼を承知で言わせていただきます!! 陛下、どうか私を『左拾遺』に任命してください。もし、あなたが判断を誤れば、私があなたの失政を諫めましょう。あなたの判断が正しければ、私はあなたを指示し、周りの反発も私が沈めます。あなたをクジ引き国王だなんて言わせません!! 私は、別に自分の出世のために言ってるんではありません。私にあなたの政策を肯定できる官位を下さい!! 国中があなたを見くびっていても、私だけは、あなたの判断を尊重したいんです!!」
コフネさんの声には強い覚悟がこもっていた。
あとで聞いた話だが、『左拾遺』とは国王の通達する書類に事前に目を通すポジションだそうだ。国王の政策は、各省庁に下される前に一度『左拾遺』でチェックを受ける。
『左拾遺』は政策の善悪を判断し、国王に意見する。悪政をあらかじめ防ぐことができ、さらに左拾遺が認めた政策と言えば、宰相や官僚を黙らせることができる。
以前はかなり重大なポジションだったそうだが、いつの間にか「臣下の言うことを聞く民主的な王」というアピールのためだけに置かれ、形骸化していったという。
フリアーナ六世はそれまで『左拾遺』を置いていなかったそうだ。
なんでも周囲の臣下が『左拾遺』のポストが空いていることをひた隠しにしていたそうだ。先代の体制を維持するために。
マツリゴトに疎かったフリアーナ六世は、コフネさんに言われるまで、そんな官位があることを知らなかったという。
陛下は、コフネさんの訴えを黙って聞いていたが、長い沈黙ののちにふっと表情を緩めた。
「ふ、ふははは………………、やっぱり君は面白いな」
フリアーナ六世が笑ったのを見て、コフネさんの目から涙があふれた。
コフネさんはそれ以上言葉を続けなかった。
フリアーナ六世は不機嫌そうな顔を一層不機嫌にした。
「結果が出た以上、彼女に関わるつもりはない。彼女の赤ん坊にもだ。もちろん臣下にも何も言わせん」
コフネさんが首を振った。
そして、泣きそうな顔になって絞り出すように言った。
「そうではありません。私は今回のことを言ってるのではないのです。これからも……こんな政治を続けるつもりですか? クジ引き国王と、あなたをあなどる臣下たちを前に、神の意向だと納得させながらこの国を動かしていく。そんなことを続けていくつもりですか?」
あまりにも率直な物言いに会場が冷えていくのが分かった。コフネさん、そんなにはっきり言って大丈夫かよ……。
「確かに、真実を神の名のもとに明かしたとなれば、あなたの判断を否定するものはいなくなるでしょう。ですが、そんな」
俺はフリアーナ六世の顔を見た。
フリアーナ六世はコフネさんを睨んだ。
「身の程をわきまえろ!! 私にたてつくなど許された身か!!」
フリアーナ六世の威圧感に、みなが委縮するのが分かった。その中でコフネさんだけがまっすぐ陛下を見つめていた。
「イヤです!! 今だけは、失礼を承知で言わせていただきます!! 陛下、どうか私を『左拾遺』に任命してください。もし、あなたが判断を誤れば、私があなたの失政を諫めましょう。あなたの判断が正しければ、私はあなたを指示し、周りの反発も私が沈めます。あなたをクジ引き国王だなんて言わせません!! 私は、別に自分の出世のために言ってるんではありません。私にあなたの政策を肯定できる官位を下さい!! 国中があなたを見くびっていても、私だけは、あなたの判断を尊重したいんです!!」
コフネさんの声には強い覚悟がこもっていた。
あとで聞いた話だが、『左拾遺』とは国王の通達する書類に事前に目を通すポジションだそうだ。国王の政策は、各省庁に下される前に一度『左拾遺』でチェックを受ける。
『左拾遺』は政策の善悪を判断し、国王に意見する。悪政をあらかじめ防ぐことができ、さらに左拾遺が認めた政策と言えば、宰相や官僚を黙らせることができる。
以前はかなり重大なポジションだったそうだが、いつの間にか「臣下の言うことを聞く民主的な王」というアピールのためだけに置かれ、形骸化していったという。
フリアーナ六世はそれまで『左拾遺』を置いていなかったそうだ。
なんでも周囲の臣下が『左拾遺』のポストが空いていることをひた隠しにしていたそうだ。先代の体制を維持するために。
マツリゴトに疎かったフリアーナ六世は、コフネさんに言われるまで、そんな官位があることを知らなかったという。
陛下は、コフネさんの訴えを黙って聞いていたが、長い沈黙ののちにふっと表情を緩めた。
「ふ、ふははは………………、やっぱり君は面白いな」
フリアーナ六世が笑ったのを見て、コフネさんの目から涙があふれた。
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