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三章 クジ引き国王とツンデレメイドゾンビの幽霊
62話 浮遊能力が………………発動していない!!
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「陛下はすっかり変わられたと。もう……笑わないものだと思ってました……」
「笑わないものか。私はどうせいい加減なクジ引き国王だ」
「そんな……」
「コフネの言葉で目が覚めた。私はどうせクジ引き国王だ。周囲に自分の能力を誇示することも、臣下を納得させることもない。悪しき独裁者として好き勝手やらせてもらおう。そのために、君に相談役になってほしい。手伝ってくれるね?」
「陛下……私で良ければ、精一杯務めさせていただきます」
コフネさんは声を殺して泣いていた。
なんとなく良い話っぽいのも、ミタカさんの無実が証明されたからだ。これでミタカさんが大やけどしていたら、良い話じゃ終われない。
俺はミーノを連れて教会を出た。
雲一つない青空に手を伸ばしあくびを一つした。ふう、これで今日はぐっすり眠れそうだ。
ベチャッ……。
何かが目の前に落ちてきて、俺は飛び上がった。
茶色い物体が地べたのうえで潰れていた。
………………これが………………空から落ちてきたのだ。
俺は天を仰いだ。上空には俺が浮遊させた牛フンが見える。その一つが徐々に大きくなっていくのが分かった。
俺は咄嗟に振り向いて、教会を見た。ミタカさんは気を失っている。
浮遊能力が………………発動していない!!
べちゃっ、べちゃっ、べちゃっ。
次から次へと落下してくるウンコに俺はパニックになった。こんなもん頭の上に落ちてきたらひとたまりもないぞ。
「うわああああああ、ミタカさん、大変です!! 目を覚ましてください!!」
俺は慌てて駆け出すと、礼拝堂で眠るミタカさんを揺すった。
「牛フンが、うんこが降ってくるんです!! そとはうんこの大雨ですよ!!」
そう言っている間にも屋根の上でべちゃべちゃと不快な音がする。
「ミタカさん!! 早く起きて~~~~~」
俺は泣きながら叫んだ。
彼女が目を覚ましたのはそれから十分もあとだった。
この話にはいくつか後日談がある。
ミタカさんがヤケドをしなかったため、彼女の潔白は証明され、子どもの安全も保障された。王の血を引いていなければ、その子を擁立し、クーデターを企てる者もいないからだ。
ミタカさんは肉体を手に入れ、自由の身となった。
肉体を持った幽霊って、それもう生きた人じゃね? と思うのだが、普通の人とは異なる能力があるらしい。
浮遊能力はいまだに健在とか。
今は赤ん坊と王都を離れて、周辺の村で暮らしている。
ミタカさんの赤ん坊は結局誰の子どもだったのか……。
熱湯裁判でヤケドを負わなかったのは、俺がお湯の沸点を下げたからだ。別に、神の加護があったわけでもないし、父親が先代である可能性も否定しきれない。
真相はミタカさんとその相手にしか分からない。
本当は先代の子どもなのかもしれないが、それはもう済んだ話だ。真相はどこまで行っても神のみぞ知る、ということだ。
とにかく、ミタカさんの属性は一つ増え、ツンデレメイドゾンビの肉体を持った幽霊となった。子どもと一緒に暮らせるのだから良かったのだろう。
コフネさんはフリアーナ六世に仕えることとなった。王宮図書館の特別顧問から、『左拾遺』は異例の鞍替えでコフネさんは一夜にして大出世を果たした。
臣下の中には文句を言うものもいるが、フリアーナ六世は気にしていないそうだ。
臣下を顧みない王と聞くと少し怖いイメージもある。だが、コフネさんがついているのであれば、とりあえずは大丈夫だろう。
「笑わないものか。私はどうせいい加減なクジ引き国王だ」
「そんな……」
「コフネの言葉で目が覚めた。私はどうせクジ引き国王だ。周囲に自分の能力を誇示することも、臣下を納得させることもない。悪しき独裁者として好き勝手やらせてもらおう。そのために、君に相談役になってほしい。手伝ってくれるね?」
「陛下……私で良ければ、精一杯務めさせていただきます」
コフネさんは声を殺して泣いていた。
なんとなく良い話っぽいのも、ミタカさんの無実が証明されたからだ。これでミタカさんが大やけどしていたら、良い話じゃ終われない。
俺はミーノを連れて教会を出た。
雲一つない青空に手を伸ばしあくびを一つした。ふう、これで今日はぐっすり眠れそうだ。
ベチャッ……。
何かが目の前に落ちてきて、俺は飛び上がった。
茶色い物体が地べたのうえで潰れていた。
………………これが………………空から落ちてきたのだ。
俺は天を仰いだ。上空には俺が浮遊させた牛フンが見える。その一つが徐々に大きくなっていくのが分かった。
俺は咄嗟に振り向いて、教会を見た。ミタカさんは気を失っている。
浮遊能力が………………発動していない!!
べちゃっ、べちゃっ、べちゃっ。
次から次へと落下してくるウンコに俺はパニックになった。こんなもん頭の上に落ちてきたらひとたまりもないぞ。
「うわああああああ、ミタカさん、大変です!! 目を覚ましてください!!」
俺は慌てて駆け出すと、礼拝堂で眠るミタカさんを揺すった。
「牛フンが、うんこが降ってくるんです!! そとはうんこの大雨ですよ!!」
そう言っている間にも屋根の上でべちゃべちゃと不快な音がする。
「ミタカさん!! 早く起きて~~~~~」
俺は泣きながら叫んだ。
彼女が目を覚ましたのはそれから十分もあとだった。
この話にはいくつか後日談がある。
ミタカさんがヤケドをしなかったため、彼女の潔白は証明され、子どもの安全も保障された。王の血を引いていなければ、その子を擁立し、クーデターを企てる者もいないからだ。
ミタカさんは肉体を手に入れ、自由の身となった。
肉体を持った幽霊って、それもう生きた人じゃね? と思うのだが、普通の人とは異なる能力があるらしい。
浮遊能力はいまだに健在とか。
今は赤ん坊と王都を離れて、周辺の村で暮らしている。
ミタカさんの赤ん坊は結局誰の子どもだったのか……。
熱湯裁判でヤケドを負わなかったのは、俺がお湯の沸点を下げたからだ。別に、神の加護があったわけでもないし、父親が先代である可能性も否定しきれない。
真相はミタカさんとその相手にしか分からない。
本当は先代の子どもなのかもしれないが、それはもう済んだ話だ。真相はどこまで行っても神のみぞ知る、ということだ。
とにかく、ミタカさんの属性は一つ増え、ツンデレメイドゾンビの肉体を持った幽霊となった。子どもと一緒に暮らせるのだから良かったのだろう。
コフネさんはフリアーナ六世に仕えることとなった。王宮図書館の特別顧問から、『左拾遺』は異例の鞍替えでコフネさんは一夜にして大出世を果たした。
臣下の中には文句を言うものもいるが、フリアーナ六世は気にしていないそうだ。
臣下を顧みない王と聞くと少し怖いイメージもある。だが、コフネさんがついているのであれば、とりあえずは大丈夫だろう。
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