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第四十五話 カザン

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カミルトン「カザン?カザンってあの国を守った英雄の辞書に載ってる?あのカザン?」

トルタナ「そう、カザンは表向きは英雄として今も語り継がれている一人だ。それと、カザンには血は繋がっていないけど弟がいる。彼の名は知らないし、容姿も分からないけど、噂によれば人を殺すのを楽しんでいるらしいよ。カザンも似たようなものだけどね。」

カミルトン「そんなやつが、なんで俺らを別空間に移したんだ?殺しを楽しむやつらなら、俺たちもまとめて殺せばいいものを。」

トルタナ「多分、大方カザンは勿体無いって思ったんじゃないかな?」

カミルトン「勿体無い?」

トルタナ「カザンってね、昔からそうなんだけど自分より格下の相手は直ぐに殺して、自分といい勝負ができそうな相手は育つまでとっておくんだよ。で、成長したら殺す。それがカザンの唯一の楽しみなのさ。」

カミルトン「……ってことは、俺たちは当分大丈夫ってことか。」

トルタナ「そうとも限らないけどね。」

ダリア「結局、以前はカザンひとりだったけど今は弟がいるからってことね?」

トルタナ「そーゆーこと!」

カフス「どうすんだー、ウェイン。このまま黙って奴等に殺されるか?」

トルタナ「ボクがそうはさせないさ、勿論ボクも協力させてもらうつもりだよ!でも、ウェインたちと行動を共にすればもしもの時、助けられないかもしれない。だから、ボクは別行動をとる。ウェインたちは、今から言うことをよく聞いて。」

トルタナとカミルトンたちは、集まって作戦を話し合った。

トルタナ「じゃあ、作戦通りに頼むよ。またあとで。」と言うと、入ってきたところをまた突き破って、また修復して戻っていった。
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