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第二十話 入学試験~当日その2
しおりを挟む場所は試験会場に移った。会場にはたくみの師であるカミルトンと守護隊長のタイナー、試験官そしてたくみの四名がその場にいる。
試験官「さぁ…受験番号二十番、前へ。」すると、タイナーがカミルトンの肩に手を置き、話しかけた。
「カミルトン様、あの青年はあなたの弟子でございましょう?お手並み拝見致しますよ。」
「なーに、私の弟子といってもまだ話になりませんよ。」
「俺の名はローウェン・ラフカだ。」たくみはこちらの世界専用の名前をカミルトンとロゼウの意向により、新たに作っていた。
試験官「では、ローウェンくん?力をためてくれ。」
「よし、やってやる。見ててくださいよ?まずは、集中して………そして力の流れをイメージ、そこから一点に集中する。」たくみは気持ちを整えて『力をためる』ことに集中し、イメージを作りながら力の流れを想像すると、身体全体から赤いオーラが浮き出してきた。それから『フォース』が一点に集まり、そこでストップがかかった。
試験官「もう、そのくらいで大丈夫。君は不合格だ、残念だよ。また来年受けなさい。待ってるからね?」
「……っ?そっ…そうですか。分かりました、ありがとうございました。」
試験官「まあ、誰でも一度は落ちる仕組みになってるから、君はなかなか良い筋してたぞ。だが君はまだ若い、いくらでも強ぐはっ……ぐっ…き、君は…。」
バタッ……。
試験官が助言していると、突如現れた黒い衣服の少年に目にも止まらぬ速さで、胸を一突きされた。試験官はたくみの前に転がり、カミルトンが脈を確認したが死亡が確認された。そして、すぐにタイナーもカミルトンのそばに来た。
「タイナー、ここは…たく…ローウェンを守りながらヤツを叩く。」
「ええ、もちろんです、カミルトン様。」
カミルトンとタイナーはローウェン(たくみ)を擁護しながら、黒い衣服の少年と戦いを始めようとしていた。
自分の守りに入った二人を見ていて、ローウェンは言った。
「ちょっと、時間をください。師匠?」突然のタイミングで戦いが起き始めようとしていたが、カミルトンは冷静だった。ローウェンに逆に聞き返した。
「何故だ、ロウ?今の人選ならすぐにでもヤツを叩けるのに、どのような理由で私たちをはばかろうと言うのだ?」
「それは、こいつがさっき孤独な目をしていたから、それが俺に重なったんだ。俺なら説得できる、そう思う。だから10分だけ時間がほしい、頼むよ師匠?」
「わかった、10分だ、それが過ぎたら全力で叩きにかかる。いいな?」
「ああ、それで十分だ。助かるよ。」
「俺たちは外すから、10分だからな?」というと、カミルトンたちは会場の外に出た。
ローウェンが黒い衣服の少年に話しかける。
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