【完結】体を代償に魔法の才能を得る俺は、無邪気で嫉妬深い妖精卿に執着されている

秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)

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1-2.妖精卿との出会いと平穏の崩壊編2【R-18:半非合意、胸部愛撫】

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 突然のことに俺が混乱して動けない間に、ヴァルネラは服に手を掛けてきた。
 けれど手際よく脱がせることはできず、正気を取り戻した俺は慌てて距離を取る。

「ねぇ、本当に脱がないといけないの? 接触が必要なら、手を握るとかさ」

 情けなく体を隠しながら説得を試みるが、ヴァルネラは諦めず距離を詰めてきた。
 彼の表情は真面目そのもので下心は見えず、だから本気の抵抗にも踏み切れない。

「それだと接触面が少なくて、効率が悪すぎるんですよ。体内から魔力を引き上げるには、直接接触が一番ですし」

 恐らくヴァルネラが言っていることは正論だが、寝台の上だから拒否感がすごい。
 でも俺が脱がないと話は進まないのだろうから、覚悟を決めるしかないのだろう。

「……分かったよ。でもいきなり全部は」
「なら最初は上半身だけにしましょうか、少しはだけさせますよ」

 結局恥ずかしさが勝って自分で脱ぐことはできず、彼に手伝われながら肌を晒す。
 羞恥のせいか自分の皮膚が色づいているのが見えて、気が狂いそうになった。

「震えてる、かわいいですね」
「うるさい、早くして」

 顔を寄せてきたヴァルネラに早口で返し、早くこの行為が終わるように祈る。
 けれど彼の指先が頬に触れ、胸元まで下りてくると背筋が震えあがった。

「えぇ、では始めます。まずは胸の上に手を置きますよ、心臓は魔力の源ですから」
「っあ、なんかやだ、それ! ……あんっ」

 皮膚が粟立つような感覚に背筋が跳ね、自分のものじゃないような声が漏れた。
 口元を押さえたが既に遅く、目の前の青年は楽しそうに目を細めている。

「胸、触られると気持ちいいんですか? ここ、人間の性感帯なんでしたっけ」
「あっ、だめ、なんか変! ヴァルネラ、もうやめて!」

 弾む声を抑えて抗議するが、指は止められるどころか胸の先端を掠めてきた。
 更に指の腹で撫でられると、押し出されるように形を持ち始める。

「まだ始めたばかりですよ。ほら、手をどかして」

 経験したことがない刺激に俺が暴れても、ヴァルネラは取り合ってくれない。
 それどころか押しのけようとした両手は掴まれ、頭上で一纏めにされてしまった。

「う、触っちゃダメだってば! やぁっ」
「あんまり抵抗しないで、魔力がうまく引きあげられませんから」

 触れられた左胸が熱を帯びて、与えられる感覚を逃がそうと足をばたつかせる。
 けれどそれは寝台を蹴るだけで、なんの解決にもなりはしない。

「ほら。貴方が気持ちよくなるほど、魔力の巡りは良くなりますよ」
「あっ、やぁ、あぁっ!」

 段々と彼の表情は剥がれ落ち、まともそうな外見に反した好奇心が表出する。
 触れられる度に思考が溶かされて、彼の思う儘に痴態を晒されてしまう。

(体が、熱い。どうなってるの、俺)

 そうこうしている間に右胸にも手が這って、爪先で胸の先端をくすぐられる。
 すると勝手に甲高い悲鳴が漏れて、恥ずかしくて死にそうになった。

「ちょっ、そこばっかり触らないで! ……っん、ん」
「胸だけでこんな感じちゃうんですか。へぇ、貴方面白いですね」

 明らかに反応を楽しみ始めたヴァルネラは、片方の手を俺の腰に滑らせる。
 反射的に足を閉じようとするが、腹を撫でる手は容赦なく降下してきた。

「や、ヴァルネラどこ触ってんの! うあ! 本当にやめろ!」
「ならもう少し、胸に触れましょうか。既に真っ赤になってしまってますけど」

 俺が全力で暴れると多少は話を聞く気があるのか、下腹部への接触が止められる。
 代わりに胸にヴァルネラの顔が寄せられ、今度は生暖かい舌で先端を遊ばれた。

「あぅ、く、口に出さないで! ひゃっ、舐めるのも許してない!」
「そんなに気持ちよさそうな顔で、よく嫌がれますね。ふふ、楽しくなってきた」

 予想外の刺激に体が仰け反り、俺は情けなく喘ぐ声を抑えることもできない。
 胸を舐める音や突起を噛まれる感覚は、毒のように体と思考を痺れさせる。

「俺で遊ばないでよ、アンタの玩具じゃないんだから! 歯も立てないで!」
「でも腰揺れてますよ、よっぽど気持ちいいんですね」

 彼が浮き上がった腰骨を撫でるだけで、押さえつけられた体が大袈裟に跳ねた。
 熱に浮かされた体は言うことを聞かず、小刻みに震えることしか許されない。

「も、やだってばぁ……! あっ、う、体が熱い……!」
「魔力が全身に巡ってきたんでしょうね、ちゃんとできてる証拠です」

 優しく言い聞かせるような声とは裏腹に、俺を暴く動きは止まらない。
 体に渦巻く熱は行き場を失い、発散の方法も見つからずに体内を暴れまわる。

「でも苦しいから、いったん休憩したい。中が熱くて、頭おかしくなりそう」
「発露した魔力に、体が慣れていないからです。少し私に合わせましょうか」

 そういうとヴァルネラは、今まで乱さなかった自身の服に手を掛ける。
 俺と同じように上半身を露わにし、再び俺の上に重なってきた。

「え、ヴァルネラも脱ぐの? そ、そのままくっつくの?」
「直接肌を合わせた方が、魔力が伝わりやすいんです。ほら、腕を背中にまわして」

 拘束されていた腕を解放された俺は、言われるまま彼の後ろに手を伸ばす。
 すると自然に俺とヴァルネラは、隙間なく抱き合う体勢になった。

(あ、確かにちょっと楽になった。でも、代わりに変な気持ちになってくる)

 今まで体内にくすぶっていた熱がヴァルネラに伝わり、少し息が楽になる。
 憎らしいことに魔力を渡されても彼は余裕らしく、俺の耳元で小さく笑っていた。

「じゃあ次は下を脱いで、足を開きましょうか。もっと腰を上げてくださいね」
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