神の国から逃げた神さまが、こっそり日本の家に住まうことになりました。

羽鶴 舞

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番外編

働き口

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 僕は、巫女さんから紙らしきものを受け取った。

「料金はツケで頂いております。アキラさん、領収書です」

 恐る恐ると領収書を覗くと、目が点になってしまった。

「はぁ!? に、2万! しかも1か月前から!」
「そうです。神さまは、アキラさんが支払ってくれるのでツケておいて! とおっしゃっていました」
 
 おい! コノハ! お前!
 いくらなんでも、ひどいわっ!

 ちょっと待って。
 メニューを読むと、三色団子は150円で、お茶は400円だった。ああ、良質なお茶なのか。
 つまり、550円はかかっているな。
 2万ということは、追加料金を含めると1ヵ月間、ここに行っていたということか!

 僕は、コノハをギロリと見つめて言った。

「ねぇ? コノハ……ここ1か月間、毎日行ってたの?」

 そう言うと、コノハはギクリとするように、視線を逸らした。

「あは、あはは……だって、1人ぽっちで寂しいんだもん!」
「それは分かるけど、2万だよ! まだ学生の僕にとっては、高額だよ!」

 巫女さんは、ピンとするように手をポンと叩いた。

「あ、ひらめきました。アキラさん、ちょっといいでしょうか?」
「な……何でしょうか?」

 巫女さんの目が、キラリとするように人差し指を立てて言った。

「神さまをここで働くのはどうでしょうか? もちろん、8時から5時まで毎日と」

 おお、それならありがたい。コノハなら寂しい思いをせずに過ごせるだろう。
 そう思った僕は、オッケーと認めようとしたとたん、

「いやだ――! アキラの部屋でのんびりしたいんだ――!」

 と、コノハはイヤイヤとわめいた。

「自業自得だよ? コノハ、反省してよ!」
「でもっ、あたしがいないと寂しいんじゃないのっ!?」
「大丈夫じゃない? だって、5時までだろ? ちょうど学校終わる時間帯だし!」
「あ、アキラ……う、裏切りものぉ──!」

 こうして、コノハは1ヶ月間ただ働きすることになった。
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