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vsゴブリンキング
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俺達は3層にあるホワイトエルフの拠点へと戻り情報収集をすることにした。
ホワイトエルフの幹部と会談をした。
「ゴブリンキングの強さはオークの上位種にも匹敵します。また、キングの配下であるゴブリン四天王も種族値が3500です」
「ゴブリンなのに、なぜそんなに強いのですか?」
「ゴブリン族は生前階級制であり種としての強力な遺伝子をキングと四天王へと集中させているのです」
よくわからない説明だが、まあいいや。
「私は一目見ただけで強さを判別できるスキルを保持しておりますが、レオ君の力は四天王とは同等ですがキングには遠く及ばないでしょう」
今の俺より強いゴブリンがいるのか、だが俺には幻獣グリフォンの魔法力がある。
「四天王はキングの護衛こそが最重要任務だと脳内にプログラムされているため、常に4人中3人が護衛として側に仕えています」
「詳しくご存じなのですね」
ソラが静かに言った。
「はい、ゴブリンキングダムはかつてホワイトエルフの王宮でしたが、ゴブリンに侵略されてしまいました。王宮は5つの城壁で囲まれており、城壁内には無数のゴブリンが配備されておりますが王宮の内部にはキングと四天王しかおりません」
「ご丁寧な説明をありがとうございます」
俺達は3層の宿で一休憩した。
「ラミ奪還だけなら俺のスキルでどうにかなりそうだがゴブリンキングを倒さないことには同じ被害が繰り返されるから今回は討伐が絶対条件だ」
「戦闘が避けられないならラミを人質にとられて交渉条件にされるのが一番危険だろう、まずは敵をラミから引き離すのが最善だな」
ベルが冷静に言った。
「ならば、まずは俺のスキルで城壁内へと潜入して王宮内の状況を確認して可能であればベルのスキルの出口を設置してこよう」
俺達は5層へと戻ると6層へと下れる坂を発見した。
MP節約の為に〈学級閉鎖〉で6層へと降りたが敵に感知されることはなかった。
6層に辿り着くと巨大な門と高い塀が俺達に立ちはだかった。
俺は〈純潔の絆〉を発動してソラとベルの手を握った。
ゴブリン兵団の出兵により巨大な門が少し開いた。その隙に内部へと潜入できた。
残り4つの城壁を越えなければ王宮に辿り着けないが、内部は入り組んだ迷路みたいになっており順路がわからず道に迷った。
2つ目の城壁を突破した時に〈純潔の絆〉の効果切れまで残り15秒となった。
「スキルのタイムリミットだ、いったん、〈学級閉鎖〉に切り替える」
すると城壁内に大音量のサイレンが鳴り響いた。
「ゴブリンキングより全兵に命じる、城壁内に侵入者を感知、早急に始末せよ」
「やはり、ゴブリンキングに〈学級閉鎖〉は通用しない、だが〈純潔の絆〉が再使用できるまでの3分間の辛抱だ」
幸い城壁内のゴブリン達は〈学級閉鎖〉を使った俺達を感知することができず、壁際で息を潜める俺達の目の前を走り回っては通り過ぎていく。
ようやく3分が経過したから〈純潔の絆〉を再発動した。
しばらく歩くと、ついに五重の城壁を突破して王宮の前へと辿り着いた。スキルの効果切れまでは一時間近くある。
王宮内は3階建てになっており中央には螺旋階段がある。エルフの建造物だけあり壮麗な造りとなっており、壁には高価そうな絵画が数多く飾られている。
螺旋階段を昇りきると3階に王室があった。室内ではゴブリンキングと四天王が長机を取り囲み会議をしていた。
部屋の奥の鉄格子の中にラミがいた。俺達の方を見て手を振って大喜びしていた。
どうやら〈純潔の絆〉をもってしてもラミの聴力では俺達に気が付けるみたいだ。
ラミが騒ぐとゴブリン達に怪しまれるから俺達はあえて無視した。
「見ろお前ら、ラミが儂に手を振っておるぞ」
ゴブリンキングが満足気に語った。
「本題だが城壁内に何者かがいたのは間違いない、おそらく4体だが1体からとてつもない魔法力を感じ取った」
「私が現場へと急行しましたが正確な位置が掴めませんでした、力不足で申し訳ございません」
「たわけが、だが数分で跡形もなく気配を消したのは事実、瞬間移動が使える猛者ということか……腹立たしい、次に感知したら儂が直々に出向き葬り去ろう」
俺のスキルの効果切れまであと40分であり、これ以上の長居は無理だ。
ゴブリンに発見されない位置にベルの新スキルの出口を設置して脱出しなければならない。
王宮の1階にある倉庫は埃まみれであり、しばらく誰も出入りしていないのが明白であった。
ベルの新スキル〈亜空の扉〉を倉庫の隅に設置した。
--------------------------------------
〈亜空の扉〉 消費MP:250 残MP:400/650
移動玄関の上位互換。距離を問わず発動できるが必ず出口から設置しなければならず複数設置は不可。
--------------------------------------
俺達は歩いてきた道を駆け足で戻った。帰りは迷わなかったから30分で城壁外へと脱出できた。
俺達は急いで3層の宿へと戻り作戦会議をした。
作戦はまず俺が城壁内でスキルを解除してキングを誘き寄せる。この際に側近の四天王が3人は付いてくるはずだ。
それと同時にベルのスキルでソラとベルが王宮内に潜入。残る1人の四天王を撃破してラミを救出するという流れに決まった。
「これ以上綿密に作戦を練らない方がいい、不測の事態には臨機応変に対応しよう」
「うん、ラミは必ず救い出そう!」
ソラが真剣な眼差しで言った。
俺としてはソラとベルが心配だから幻獣グリフォンを二人に貸したいところだが、俺にしか力を与えられないから二人に貸しても意味がない。
とにかく俺はできる限り早くキングと四天王を撃破して、ソラとベルの戦闘の加勢へと参上することにしよう。
ホワイトエルフの幹部と会談をした。
「ゴブリンキングの強さはオークの上位種にも匹敵します。また、キングの配下であるゴブリン四天王も種族値が3500です」
「ゴブリンなのに、なぜそんなに強いのですか?」
「ゴブリン族は生前階級制であり種としての強力な遺伝子をキングと四天王へと集中させているのです」
よくわからない説明だが、まあいいや。
「私は一目見ただけで強さを判別できるスキルを保持しておりますが、レオ君の力は四天王とは同等ですがキングには遠く及ばないでしょう」
今の俺より強いゴブリンがいるのか、だが俺には幻獣グリフォンの魔法力がある。
「四天王はキングの護衛こそが最重要任務だと脳内にプログラムされているため、常に4人中3人が護衛として側に仕えています」
「詳しくご存じなのですね」
ソラが静かに言った。
「はい、ゴブリンキングダムはかつてホワイトエルフの王宮でしたが、ゴブリンに侵略されてしまいました。王宮は5つの城壁で囲まれており、城壁内には無数のゴブリンが配備されておりますが王宮の内部にはキングと四天王しかおりません」
「ご丁寧な説明をありがとうございます」
俺達は3層の宿で一休憩した。
「ラミ奪還だけなら俺のスキルでどうにかなりそうだがゴブリンキングを倒さないことには同じ被害が繰り返されるから今回は討伐が絶対条件だ」
「戦闘が避けられないならラミを人質にとられて交渉条件にされるのが一番危険だろう、まずは敵をラミから引き離すのが最善だな」
ベルが冷静に言った。
「ならば、まずは俺のスキルで城壁内へと潜入して王宮内の状況を確認して可能であればベルのスキルの出口を設置してこよう」
俺達は5層へと戻ると6層へと下れる坂を発見した。
MP節約の為に〈学級閉鎖〉で6層へと降りたが敵に感知されることはなかった。
6層に辿り着くと巨大な門と高い塀が俺達に立ちはだかった。
俺は〈純潔の絆〉を発動してソラとベルの手を握った。
ゴブリン兵団の出兵により巨大な門が少し開いた。その隙に内部へと潜入できた。
残り4つの城壁を越えなければ王宮に辿り着けないが、内部は入り組んだ迷路みたいになっており順路がわからず道に迷った。
2つ目の城壁を突破した時に〈純潔の絆〉の効果切れまで残り15秒となった。
「スキルのタイムリミットだ、いったん、〈学級閉鎖〉に切り替える」
すると城壁内に大音量のサイレンが鳴り響いた。
「ゴブリンキングより全兵に命じる、城壁内に侵入者を感知、早急に始末せよ」
「やはり、ゴブリンキングに〈学級閉鎖〉は通用しない、だが〈純潔の絆〉が再使用できるまでの3分間の辛抱だ」
幸い城壁内のゴブリン達は〈学級閉鎖〉を使った俺達を感知することができず、壁際で息を潜める俺達の目の前を走り回っては通り過ぎていく。
ようやく3分が経過したから〈純潔の絆〉を再発動した。
しばらく歩くと、ついに五重の城壁を突破して王宮の前へと辿り着いた。スキルの効果切れまでは一時間近くある。
王宮内は3階建てになっており中央には螺旋階段がある。エルフの建造物だけあり壮麗な造りとなっており、壁には高価そうな絵画が数多く飾られている。
螺旋階段を昇りきると3階に王室があった。室内ではゴブリンキングと四天王が長机を取り囲み会議をしていた。
部屋の奥の鉄格子の中にラミがいた。俺達の方を見て手を振って大喜びしていた。
どうやら〈純潔の絆〉をもってしてもラミの聴力では俺達に気が付けるみたいだ。
ラミが騒ぐとゴブリン達に怪しまれるから俺達はあえて無視した。
「見ろお前ら、ラミが儂に手を振っておるぞ」
ゴブリンキングが満足気に語った。
「本題だが城壁内に何者かがいたのは間違いない、おそらく4体だが1体からとてつもない魔法力を感じ取った」
「私が現場へと急行しましたが正確な位置が掴めませんでした、力不足で申し訳ございません」
「たわけが、だが数分で跡形もなく気配を消したのは事実、瞬間移動が使える猛者ということか……腹立たしい、次に感知したら儂が直々に出向き葬り去ろう」
俺のスキルの効果切れまであと40分であり、これ以上の長居は無理だ。
ゴブリンに発見されない位置にベルの新スキルの出口を設置して脱出しなければならない。
王宮の1階にある倉庫は埃まみれであり、しばらく誰も出入りしていないのが明白であった。
ベルの新スキル〈亜空の扉〉を倉庫の隅に設置した。
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〈亜空の扉〉 消費MP:250 残MP:400/650
移動玄関の上位互換。距離を問わず発動できるが必ず出口から設置しなければならず複数設置は不可。
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俺達は歩いてきた道を駆け足で戻った。帰りは迷わなかったから30分で城壁外へと脱出できた。
俺達は急いで3層の宿へと戻り作戦会議をした。
作戦はまず俺が城壁内でスキルを解除してキングを誘き寄せる。この際に側近の四天王が3人は付いてくるはずだ。
それと同時にベルのスキルでソラとベルが王宮内に潜入。残る1人の四天王を撃破してラミを救出するという流れに決まった。
「これ以上綿密に作戦を練らない方がいい、不測の事態には臨機応変に対応しよう」
「うん、ラミは必ず救い出そう!」
ソラが真剣な眼差しで言った。
俺としてはソラとベルが心配だから幻獣グリフォンを二人に貸したいところだが、俺にしか力を与えられないから二人に貸しても意味がない。
とにかく俺はできる限り早くキングと四天王を撃破して、ソラとベルの戦闘の加勢へと参上することにしよう。
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