最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y

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4 ゴブリンの巣

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森の中を進みながら、俺は自分の体を小さく揺らした。

ぷるん。

最近、この動きにもだいぶ慣れてきた。

最初はまともに移動することすら難しかったが、今ではぴょんぴょんと跳ねながら森を進めるようになっている。

とはいえ――

「まだまだ遅いな……」

俺は小さく呟いた。

スライムの移動速度はやはり遅い。
ゴブリンを捕食したことで多少は速くなったが、それでも森の魔物たちと比べれば決して速いとは言えない。

だからこそ、俺は基本的に待ち伏せ戦法を使っていた。

隠れて、近づいてきた敵を捕まえる。

そして捕食する。

その繰り返しだ。

だが今日は、少し事情が違った。

森を探索している途中で――

俺は妙な気配の集まりを感じたのだ。

「……多いな」

一体や二体じゃない。

十体以上はいる。

しかも全部、同じような気配。

ゴブリンだ。

俺はゆっくりと草むらの中を進んだ。

そして木の陰から、そっと先を覗く。

その瞬間――

「……おお」

思わず声が漏れた。

そこには、小さな開けた場所があった。

木々が少し途切れ、地面がむき出しになっている空間。

その中央には、粗末な木の小屋のようなものがいくつか建っていた。

そしてその周りを――

ゴブリンたちがうろうろしている。

一体、二体、三体……

いや、それどころじゃない。

ざっと見ただけでも十数体はいる。

「……これ、ゴブリンの集落か」

どうやら俺は、ゴブリンの巣を見つけてしまったらしい。

普通なら、逃げるところだろう。

これだけの数のゴブリンに囲まれたら、スライムなんて一瞬で潰される。

だが――

俺は逆に、少しわくわくしていた。

「……経験値の宝庫じゃないか」

ゴブリン一体でレベルがかなり上がる。

それが十体以上いる。

つまり――

ここで狩りができれば、一気に強くなれる。

もちろん、正面から突っ込むつもりはない。

そんなことをすれば、確実に袋叩きだ。

だが、俺には作戦がある。

「……一体ずつ、だな」

俺は草むらの奥に身を潜めた。

しばらく観察していると、ゴブリンたちは意外とバラバラに動いていることが分かった。

見張りのように周囲を歩く個体もいる。

食べ物を探して森へ入る個体もいる。

つまり――

単独になる瞬間がある。

そのチャンスを狙えばいい。

しばらく待っていると、一体のゴブリンが集落の外へ歩き出した。

どうやら森の中へ行くつもりらしい。

「……よし」

俺は静かに草むらから滑り出た。

ゴブリンの後ろを、距離を保ちながら追いかける。

もちろん、足音なんてない。

スライムは意外と静かに動ける。

そして――

ゴブリンが木の陰に入った瞬間。

「今だ」

ぴょん!

俺は勢いよく跳ねた。

突然、背後から飛びつかれたゴブリンは驚いたようだった。

「ギャッ!?」

短い悲鳴。

だが、もう遅い。

べちゃっ。

俺の体がゴブリンの背中に張り付く。

「ギャアアッ!?」

ゴブリンが慌てて暴れる。

棍棒を振り回し、必死に俺を引き剥がそうとする。

だが、俺は離れない。

むしろ――

ずぶずぶと体の中へ沈んでいく。


---

【捕食発動】

【ゴブリンを吸収しています】


---

ゴブリンの体が、ゆっくりと俺の中へ飲み込まれていく。

腕が沈み、肩が沈み、

そして――

数秒後。

ゴブリンは跡形もなく消えていた。

その直後。

頭の中に、いつもの声が響く。


---

【レベルが上がりました】

【スキルを獲得しました】


---

「……スキル?」

俺は驚いた。

今まで能力は手に入れていたが、新しいスキルは初めてだ。

表示が続く。


---

【新スキル】

【擬態 Lv1】


---

「擬態……?」

その瞬間だった。

俺の体の色が、ゆっくりと変化した。

青いゼリー状だった体が――

周囲の落ち葉と同じ、茶色っぽい色へ変わっていく。

「……え?」

俺は自分の体を見下ろした。

ほとんど地面と同化している。

草むらの中にいれば、まず気づかれないだろう。

「……これ、やばくないか?」

思わず呟く。

スライムは遅い。

だが――

見つからなければ問題ない。

そして俺は、すでに知っている。

この森には――

まだ大量のゴブリンがいる。

俺はゆっくりと体を揺らした。

ぷるん。

次の獲物を求めて、

再びゴブリンの集落へ視線を向ける。
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