最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y

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3 最弱スライム、狩りを覚える

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森の奥から、複数の気配が近づいてきていた。

俺は地面の上で、ぷるん、と小さく揺れる。

「……どうする?」

さっきの戦いを思い出す。

ゴブリンを一体、捕食した。
そのおかげでレベルも上がり、スキルも強化された。

だが――

それでも俺はスライムだ。

森の中では、最弱クラスの魔物に違いない。

「正面から戦うのは危ないよな……」

俺はゆっくりと体を動かしながら、森の中を進んだ。

地面は柔らかく、落ち葉が厚く積もっている。
湿った土の匂いが漂い、どこからか小さな虫の羽音が聞こえてくる。

木々は高く伸び、枝葉が空を覆っていた。
昼間のはずなのに、森の中は薄暗い。

そんな森の地面を、俺はぬるりと滑るように移動していた。

だが――

「遅い……」

思わずぼやく。

ぴょん、と軽く跳ねてみる。

確かに、前よりは動ける。
ゴブリンを捕食したことで、体の弾力も増している。

だが、それでも――

遅い。

人間どころか、ゴブリンにだって簡単に追いつかれるだろう。

スライム最大の弱点。

それは、機動力の低さだ。

「このままじゃ、狩りにならないな……」

俺は立ち止まり、周囲を見渡した。

木々の根元には草むらが広がり、落ち葉が積もっている。
岩や倒木もあちこちに転がっていた。

視界は決して良くない。

むしろ――

隠れる場所が多い。

その瞬間、ふとある考えが浮かんだ。

「……待ち伏せすればいいのか」

追いかける必要はない。

相手が近づいてきた瞬間に襲えばいい。

スライムは遅い。
だが、動かなければ関係ない。

俺は近くの草むらへ体を滑り込ませた。

冷たい土の感触が体に伝わる。
落ち葉の影に隠れると、青い体もほとんど見えなくなった。

「……これなら」

外から見れば、ただの湿った地面にしか見えないだろう。

俺はじっと動かずに待つ。

森は静かだった。

遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。
風が木々を揺らし、葉がさわさわと音を立てる。

そして――

ガサガサ。

草を踏む音が近づいてきた。

現れたのは、小柄な緑色の魔物。

ゴブリンだ。

尖った耳。
醜い顔。
手には棍棒を握っている。

ゴブリンは周囲を警戒するように、きょろきょろと見回しながら歩いていた。

だが――

俺には気づいていない。

距離は、あと数歩。

俺はじっと待った。

焦るな。

もっと近くまで――

ゴブリンが俺のすぐ横を通り過ぎようとした、その瞬間。

「今だ!」

ぴょん!

俺は勢いよく跳ねた。

突然、地面から何かが飛び出してきたことで、ゴブリンは驚いたようだった。

「ギャッ!?」

短い悲鳴。

だがもう遅い。

べちゃっ。

俺の体がゴブリンの腕に張り付いた。

「ギャッ!? ギャッ!?」

ゴブリンは慌てて腕を振り回す。

だが、俺は離れない。

むしろ――

腕が、ずぶずぶと俺の体の中へ沈んでいく。

「ギャアアッ!」

ゴブリンが暴れる。

だが、捕食は止まらない。


---

【捕食発動】

【ゴブリンを吸収しています】


---

俺の体の中へ、ゴブリンの腕が沈む。
肩が沈む。
そして――

体ごと飲み込まれていく。

数秒後。

ゴブリンの姿は完全に消えていた。

森は再び静まり返る。

残っているのは、ぷるぷると揺れる俺だけだ。

その時、頭の中に声が響いた。


---

【レベルが上がりました】

【レベル5 → レベル8】

【ゴブリンの筋力を獲得】

【ゴブリンの耐久を獲得】


---

「……おお」

思わず声が漏れる。

一気にレベルが三つも上がった。

体の内側から、力が湧き上がるような感覚がある。

試しに跳ねてみる。

ぴょん!

さっきよりも、明らかに高く跳んだ。

「おおっ!」

体の弾力も強くなっている。

移動速度も、少し上がっている気がした。

「なるほどな……」

俺は理解し始めていた。

スライムは確かに弱い。

遅いし、攻撃手段も少ない。

だが――

待ち伏せすれば関係ない。

そして捕食さえ成功すれば、

俺はどんどん強くなる。

森の奥を見つめる。

木々の向こうには、まだ多くの気配がある。

ゴブリン。

小動物。

そして、もっと強い魔物もいるかもしれない。

だが――

今の俺には関係ない。

「……全部食えばいいんだ」

ぷるん、と体が揺れる。

最弱モンスターのスライム。

だがこの森で、

俺はもう――

狩られる側じゃない。

狩る側だ。

その時、森の奥からまた新しい気配が近づいてきていた。
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