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一章.ブレイキングケイジ編
14.僕の『本性』
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「何だよこの糞展開!俺たちはヒャッハーって突っ込んですぐにやられる雑魚キャラかぁっ!!」
「舐めてんじゃねぇぞこら久島ぁ!!」
浦和と前池が少しずれて僕に殴りかかる!先に来たのは浦和で、振りかぶるような左のテレフォンパンチだったので……左斜め前に踏み込みながら、即座に襟首を掴み、ぐいいと引っ張った。
「うぉああ!?」
殴りかかった勢いをのせて、浦和が僕に引き寄せられながら振り回されて、そして話してしまえば教室の机がボーリングのピンの如く薙ぎ倒され喧しい音を立てる。
本来なら、もう片手で相手の手首掴んだり脇に挟んだりしながらいなす、ムエタイやキックボクシングの技術『首相撲』の応用だった、襟を掴んだから『柔道』にもなるのかなと、倒れ伏す浦和を見てどっちでもいいかと今は考えるのをやめた。
見ていたクラスメイト達、特に女子は悲鳴をあげで教室の外に出ていき先生を呼びに行ったらしい。
「てめぇ!!」
放り投げられた浦和を見て、前池が両手を伸ばしつかみかかってくる。バスケ部は身長のびるらしけど確かに高いなと、なりつつ、僕も右腕を伸ばした!
「の!?あ!?いだぁだだだだ!?」
右腕を、前池の左腕に絡みつかせ、そのまま僕は前池を引き込み床に押さえつけた。前池の肘と肩の関節が極められて、軋みを上げて痛みに前池は叫ぶ!
「……折ってやろうか?多分一生、バスケできなくなるけど?」
「あぁああがあぁあ!?や、やめ!やめ!!」
そんな話を聞いて力を加えてやったら、前池はヒイヒイ息を荒げ待ったをかけたので、僕は腕を離してやった。
「ぁぁあ、いてぇ、いてぇよ……」
「うぅあ……ああ……」
浦和くんはぶつけた時に頭打ったのかな?頭から流血している。前池くんは肩を押さえてるけど加減したから冷やしたら十分どうにでもなるだろうなと、僕は制服の埃を払って立ち上がって一息吐いた。
「て、テメェ久島、調子こいてんじゃーー」
下から前池くんが、せっかく離したのにまだやる気を見せてきたので、僕は見下ろして思い切り左足を振り上げた。
「やめてぇえ!!」
バガ アア アアン!!!
女子の誰かの叫びをかき消す、喧しい音と共に、教室が揺れた。振り下ろされた左の足、踏み抜かれたのは前池……の右耳スレスレの床。
タイルがひび割れ、スリッパが割れて足の形をくっきりつけたその場所から、僕は左足を持ち上げて前池くんに言ってあげる。
「よかったね、秋山くんみたいに入院沙汰にならなくて?バスケもできるし、楽しい青春を謳歌できるよ」
「あ……ああ……」
涙を流し、口をあんぐり開ける前池くんの股座からシミが広がり異臭を放つ。お揃いの失禁とはなぁと、僕は彼の瞳に笑う自分を見て……やらかした事に気づいて我に帰った。
「……伊佐美くん、帰ろうもう、今日は」
「お、おい!?久島!?」
僕は、伊佐美くんにそう言って、逃げるように2年2組の教室を出て行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私たちの『澄み切った青春』は、粉々に砕け散った。
皆、ただ普通に仲良くなって、それぞれ頑張っていた。一緒に遊んで、笑い合って……ただそれだけだった。
ちょっとした火遊びもしたけど、迷惑をかけたつもりはない。誰も彼も、動画を見ている向こうの私たちのファンも、私たちの楽しい姿に憧れていた筈で、クラスメイトからも憧れていた。
それが、たった一つの、私の彼氏が少し間違えただけで砕け散った。
コメント欄に溢れかえる罵倒や嘲り、ハッシュタグに刻まれた炎上の二文字……頼りになる男子二人は、たった一人にこうまでやられて恥を晒されて……。
「なんなのよこれぇ……私、私たち何か、悪い事したぁ!?」
私はわからなくなって、頭を抱えて崩れ落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何をやっているんだろう、何をやらかしているんだろう……こんな事の為に僕は、格闘技をやっていたわけじゃないのに……。
走り込みすらしてないのに心臓の動悸が激しい、汗も嫌になるくらい吹き出てる、僕は早足に下駄箱まで降りて、凹まされた自分の下駄箱をこじ開ける。
「久島!おい久島!!」
伊佐美くんの声に、はっとようやく体が止まった。着いて来てくれていた山城くんや本田くんも、心配そうにこちらを見ている。
「伊佐美……くん、山城くん……本田くん……ぼ、僕は」
「よし、よし分かってる、な?とりあえず座ろうや、落ち着いて」
大丈夫だと、伊佐美くんは肩を叩いて僕を床に座らせた。そのおかげか、過呼吸気味だった僕はゆっくりと平静を取り戻せた……。
「何であんな……喧嘩じみた事……僕は……」
「いや、なるって久島、流石にお前キレてしかたねぇよ……つか、ありがとなボール防いでくれて、上履きやられて空気読めとか……お前キレてよかった場所だって」
「我慢した方だ、久島は……しかし、これからどうする?」
あんな、DQNじみた行為をした僕を、二人は擁護してくれるのが心苦しかった。呆れられる行為だったのに、その肯定が間違っていても、僕を助けてくれた。一騒動起こしたがどうするよと尋ねる本田に、山城が震えながらも答えた。
「これ……絶対大人交えて話した方がいいよ……流石にまた、向かい合ったら……どうなっちゃうか……」
もう学生の僕らでは解決できない事態になっている。大人達を交えて、しっかり話をしなければまた、何かが火種となり引火しかねないと山城くんの言葉に、伊佐美くんがだなと頷いた。
「またもみ消しとかされねぇかな……」
だが、屋上ブレイキングケイジをもみ消した教師達だ。なにされるかたまったものじゃねぇとなった伊佐美くんに本田くんがスマホを見せた
「安心しろ、さっきの一部始終動画撮ってる、削除されても大丈夫なように。家のPCにも今送ってバックアップ取った」
「ナイス本田ぁ!抜け目ねぇな!!」
証拠はこちらにあり、これなら相手も言い逃れはできねぇと、伊佐美くんは拳を握った。校内が騒がしくなりつつある、ゴールデンウィーク初日の波浜高校は……口内を揺るがす大騒動から始まったのであった。
「舐めてんじゃねぇぞこら久島ぁ!!」
浦和と前池が少しずれて僕に殴りかかる!先に来たのは浦和で、振りかぶるような左のテレフォンパンチだったので……左斜め前に踏み込みながら、即座に襟首を掴み、ぐいいと引っ張った。
「うぉああ!?」
殴りかかった勢いをのせて、浦和が僕に引き寄せられながら振り回されて、そして話してしまえば教室の机がボーリングのピンの如く薙ぎ倒され喧しい音を立てる。
本来なら、もう片手で相手の手首掴んだり脇に挟んだりしながらいなす、ムエタイやキックボクシングの技術『首相撲』の応用だった、襟を掴んだから『柔道』にもなるのかなと、倒れ伏す浦和を見てどっちでもいいかと今は考えるのをやめた。
見ていたクラスメイト達、特に女子は悲鳴をあげで教室の外に出ていき先生を呼びに行ったらしい。
「てめぇ!!」
放り投げられた浦和を見て、前池が両手を伸ばしつかみかかってくる。バスケ部は身長のびるらしけど確かに高いなと、なりつつ、僕も右腕を伸ばした!
「の!?あ!?いだぁだだだだ!?」
右腕を、前池の左腕に絡みつかせ、そのまま僕は前池を引き込み床に押さえつけた。前池の肘と肩の関節が極められて、軋みを上げて痛みに前池は叫ぶ!
「……折ってやろうか?多分一生、バスケできなくなるけど?」
「あぁああがあぁあ!?や、やめ!やめ!!」
そんな話を聞いて力を加えてやったら、前池はヒイヒイ息を荒げ待ったをかけたので、僕は腕を離してやった。
「ぁぁあ、いてぇ、いてぇよ……」
「うぅあ……ああ……」
浦和くんはぶつけた時に頭打ったのかな?頭から流血している。前池くんは肩を押さえてるけど加減したから冷やしたら十分どうにでもなるだろうなと、僕は制服の埃を払って立ち上がって一息吐いた。
「て、テメェ久島、調子こいてんじゃーー」
下から前池くんが、せっかく離したのにまだやる気を見せてきたので、僕は見下ろして思い切り左足を振り上げた。
「やめてぇえ!!」
バガ アア アアン!!!
女子の誰かの叫びをかき消す、喧しい音と共に、教室が揺れた。振り下ろされた左の足、踏み抜かれたのは前池……の右耳スレスレの床。
タイルがひび割れ、スリッパが割れて足の形をくっきりつけたその場所から、僕は左足を持ち上げて前池くんに言ってあげる。
「よかったね、秋山くんみたいに入院沙汰にならなくて?バスケもできるし、楽しい青春を謳歌できるよ」
「あ……ああ……」
涙を流し、口をあんぐり開ける前池くんの股座からシミが広がり異臭を放つ。お揃いの失禁とはなぁと、僕は彼の瞳に笑う自分を見て……やらかした事に気づいて我に帰った。
「……伊佐美くん、帰ろうもう、今日は」
「お、おい!?久島!?」
僕は、伊佐美くんにそう言って、逃げるように2年2組の教室を出て行った。
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私たちの『澄み切った青春』は、粉々に砕け散った。
皆、ただ普通に仲良くなって、それぞれ頑張っていた。一緒に遊んで、笑い合って……ただそれだけだった。
ちょっとした火遊びもしたけど、迷惑をかけたつもりはない。誰も彼も、動画を見ている向こうの私たちのファンも、私たちの楽しい姿に憧れていた筈で、クラスメイトからも憧れていた。
それが、たった一つの、私の彼氏が少し間違えただけで砕け散った。
コメント欄に溢れかえる罵倒や嘲り、ハッシュタグに刻まれた炎上の二文字……頼りになる男子二人は、たった一人にこうまでやられて恥を晒されて……。
「なんなのよこれぇ……私、私たち何か、悪い事したぁ!?」
私はわからなくなって、頭を抱えて崩れ落ちた。
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何をやっているんだろう、何をやらかしているんだろう……こんな事の為に僕は、格闘技をやっていたわけじゃないのに……。
走り込みすらしてないのに心臓の動悸が激しい、汗も嫌になるくらい吹き出てる、僕は早足に下駄箱まで降りて、凹まされた自分の下駄箱をこじ開ける。
「久島!おい久島!!」
伊佐美くんの声に、はっとようやく体が止まった。着いて来てくれていた山城くんや本田くんも、心配そうにこちらを見ている。
「伊佐美……くん、山城くん……本田くん……ぼ、僕は」
「よし、よし分かってる、な?とりあえず座ろうや、落ち着いて」
大丈夫だと、伊佐美くんは肩を叩いて僕を床に座らせた。そのおかげか、過呼吸気味だった僕はゆっくりと平静を取り戻せた……。
「何であんな……喧嘩じみた事……僕は……」
「いや、なるって久島、流石にお前キレてしかたねぇよ……つか、ありがとなボール防いでくれて、上履きやられて空気読めとか……お前キレてよかった場所だって」
「我慢した方だ、久島は……しかし、これからどうする?」
あんな、DQNじみた行為をした僕を、二人は擁護してくれるのが心苦しかった。呆れられる行為だったのに、その肯定が間違っていても、僕を助けてくれた。一騒動起こしたがどうするよと尋ねる本田に、山城が震えながらも答えた。
「これ……絶対大人交えて話した方がいいよ……流石にまた、向かい合ったら……どうなっちゃうか……」
もう学生の僕らでは解決できない事態になっている。大人達を交えて、しっかり話をしなければまた、何かが火種となり引火しかねないと山城くんの言葉に、伊佐美くんがだなと頷いた。
「またもみ消しとかされねぇかな……」
だが、屋上ブレイキングケイジをもみ消した教師達だ。なにされるかたまったものじゃねぇとなった伊佐美くんに本田くんがスマホを見せた
「安心しろ、さっきの一部始終動画撮ってる、削除されても大丈夫なように。家のPCにも今送ってバックアップ取った」
「ナイス本田ぁ!抜け目ねぇな!!」
証拠はこちらにあり、これなら相手も言い逃れはできねぇと、伊佐美くんは拳を握った。校内が騒がしくなりつつある、ゴールデンウィーク初日の波浜高校は……口内を揺るがす大騒動から始まったのであった。
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