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一章.ブレイキングケイジ編
エピローグ クラス崩壊
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こうして……秋山千才を発端とした『ブレイキングケイジ事件』は、一応の解決に向かおうとしていた。
秋山千才及びYouTuberグループ『クリアユース』というYouTuber人気から信者を得ていた波浜高校2年2組と、教師陣による『屋上ブレイキングケイジ隠匿』は、教師達から謝罪を受け、全校集会を開きかつ全生徒の親への説明と謝罪の場が設けられた。
学校側も、最近のSNS事情による炎上を避ける為、そう舵を切った事を校長含め謝罪。その事から2年2組の担任の交代及び、校長と副校長の辞任、更迭で大人達は責任を取った。昨今は知らぬ存ぜぬ、我が身可愛さにそんな行動に移る大人たちが多い中、しっかり大人としてのけじめと責任を果たしたのだ。
さて……僕たちに下された沙汰について語ろう。
そもそもの発端は友達がやられた復讐として、いじめのような事を行なった、浦和と前池側にあるとなった。
校内設備の破損に、人の所有物の汚損、そして硬式球を投げつけた暴力行為……決して許してはなるまいと、2人は停学を言い渡され……そして、連帯責任から波浜高校今年の夏大会、サッカー部とバスケ部は参加を取り消された。
3年の最後を奪ってしまった彼らが、今後部内でどうなるのか?残るのか、それとも辞めてしまうのかは知らない……救いがあるとすれば、見ていただけの『クリアユース』女子陣まで被害が行かなかった事か……。
いや、クリアユースというリア充高校生グループYouTuberとして、炎上騒動に焼かれて、もう前のように校内で振る舞えないだろうなという事は分かる。
そして僕、久島秀忠だが……お咎め無しとはいかなかった。
殴ったり蹴ったりはしなかったが、前池くんを踏み潰す振りが流石に待ったが入った。新しい担任含め、2年団の先生からも『喧嘩両成敗とまでは言わない、しかしあの場面を見たクラスメイト達から見て、お咎め無しは目線がキツくなるだろう』と、クラス内での体裁を兼ねる意味合いで、僕は『放課後に校舎裏の清掃一週間』を課せられたのだった。
やらかしたのは僕1人、伊佐美くんや山城くん、本田くんが巻き込まれなかったのが幸いだった。これで大事になりBOFユースのシード権が取り上げになったら泣くしかなかったが、そうならなくてよかったと僕は胸を撫で下ろした。
あの時……もしもあの屋上で、山城くんを助けなかったらこんな大事にならなかったのしれない。
だが……あそこで見過ごした瞬間、僕は人として何かを失っていただろうから、後悔は決して無いとだけ言っておく。
「……どこを掃除しろと?」
その初日、校舎裏に来た僕は、ゴミ一つ見当たらないその景色に、これ以上何をしろというのか困った。道具は一応所定の掃除道具倉庫はあるのだが、困ったなと首を傾げた。
「あら、久島くん本当に来たのね律儀……」
困り果てた僕の背後から、女性の声が聞こえた。気怠げながらスラっとした長髪オレンジブラウンの女性教師がそこに居た。
「岩田先生?」
前任の2組が解雇され、更迭して担任となった岩田令奈先生だった。タバコ型ハッカパイプを咥えながら寝惚け目で髪を掻き僕に言うのだ。
「あなた、あの清掃の意味を本気で捉えたのかしら?」
「本気で……とは?」
「来なさい……」
どう言う事だ?怠そうに着いて来いと語る岩田先生が、こっちに来いと先導し、さらに奥へと僕は着いていく。そして、たどり着いたのは、校舎裏と街路をつなぐ小さな鉄扉の勝手口だった。
「体裁の関係でそう沙汰を下したけど、あなたが悪くないのは知ってるわ、災難だったわね?校外の活動にまで巻き込まれて……一週間はここから出て帰りなさい、見つかったらいけないからまっすぐ帰るか、掃除した時間潰して帰る事、いい?」
「は、はぁ……」
つまりは、表面上清掃の罰を与えただけで帰れると言う事だった。逆にいいのか?と、なりつつも、岩田先生が扉を開けて出るように指示される。
「BOF、大会は先だけど、あるんでしょう?あんな試合する羽目になるわ貴方も大変ね……」
「え……あの……知ってるんですか?」
出る直前、岩田先生は僕がBOFのアマチュアである事を、そして大会がある事も知っていた。事情聴取の際に話に出したかなと思い返してみたが、出してないなと覚えがないとなる中、ハッカパイプを口から外して岩田先生は言う。
「見てたのよ、大晦日たまたま、うちの生徒だったのは知らなかったけど……それだけ、まぁ程々に頑張んなさい」
「あ、はい……ありがとうございます」
意外と……見てくれた人は居たのかもしれない。僕は扉を出て校外に踏み出す中、岩田先生は別れ際に言った。
「……少数派はままならいわね」
「え?」
「秋山くんの件、私突っぱねたのよ……そしたら私、色々と他の同僚から言われてさ?貴方がブレイキングケイジで、秋山くんを倒してから流れ変わって……助かったのよ、ありがとう」
岩田先生はそう僕に伝えて、ドアを閉めた。
あの職員室でも、大人達の中でも、クラスと同じ事が起きていたのかと、僕は居た堪れなくなった。事さらに、秋山千才というクラスメイトが掌握していた、カーストや立ち回りにより得た権力というのが、今更になり恐ろしくなった。
こうして、2年始まっての新しいクラスで起きた騒動は幕を閉じた。様々な遺恨の種火を残しながらも、明日はまたやってくるのだ。
秋山千才及びYouTuberグループ『クリアユース』というYouTuber人気から信者を得ていた波浜高校2年2組と、教師陣による『屋上ブレイキングケイジ隠匿』は、教師達から謝罪を受け、全校集会を開きかつ全生徒の親への説明と謝罪の場が設けられた。
学校側も、最近のSNS事情による炎上を避ける為、そう舵を切った事を校長含め謝罪。その事から2年2組の担任の交代及び、校長と副校長の辞任、更迭で大人達は責任を取った。昨今は知らぬ存ぜぬ、我が身可愛さにそんな行動に移る大人たちが多い中、しっかり大人としてのけじめと責任を果たしたのだ。
さて……僕たちに下された沙汰について語ろう。
そもそもの発端は友達がやられた復讐として、いじめのような事を行なった、浦和と前池側にあるとなった。
校内設備の破損に、人の所有物の汚損、そして硬式球を投げつけた暴力行為……決して許してはなるまいと、2人は停学を言い渡され……そして、連帯責任から波浜高校今年の夏大会、サッカー部とバスケ部は参加を取り消された。
3年の最後を奪ってしまった彼らが、今後部内でどうなるのか?残るのか、それとも辞めてしまうのかは知らない……救いがあるとすれば、見ていただけの『クリアユース』女子陣まで被害が行かなかった事か……。
いや、クリアユースというリア充高校生グループYouTuberとして、炎上騒動に焼かれて、もう前のように校内で振る舞えないだろうなという事は分かる。
そして僕、久島秀忠だが……お咎め無しとはいかなかった。
殴ったり蹴ったりはしなかったが、前池くんを踏み潰す振りが流石に待ったが入った。新しい担任含め、2年団の先生からも『喧嘩両成敗とまでは言わない、しかしあの場面を見たクラスメイト達から見て、お咎め無しは目線がキツくなるだろう』と、クラス内での体裁を兼ねる意味合いで、僕は『放課後に校舎裏の清掃一週間』を課せられたのだった。
やらかしたのは僕1人、伊佐美くんや山城くん、本田くんが巻き込まれなかったのが幸いだった。これで大事になりBOFユースのシード権が取り上げになったら泣くしかなかったが、そうならなくてよかったと僕は胸を撫で下ろした。
あの時……もしもあの屋上で、山城くんを助けなかったらこんな大事にならなかったのしれない。
だが……あそこで見過ごした瞬間、僕は人として何かを失っていただろうから、後悔は決して無いとだけ言っておく。
「……どこを掃除しろと?」
その初日、校舎裏に来た僕は、ゴミ一つ見当たらないその景色に、これ以上何をしろというのか困った。道具は一応所定の掃除道具倉庫はあるのだが、困ったなと首を傾げた。
「あら、久島くん本当に来たのね律儀……」
困り果てた僕の背後から、女性の声が聞こえた。気怠げながらスラっとした長髪オレンジブラウンの女性教師がそこに居た。
「岩田先生?」
前任の2組が解雇され、更迭して担任となった岩田令奈先生だった。タバコ型ハッカパイプを咥えながら寝惚け目で髪を掻き僕に言うのだ。
「あなた、あの清掃の意味を本気で捉えたのかしら?」
「本気で……とは?」
「来なさい……」
どう言う事だ?怠そうに着いて来いと語る岩田先生が、こっちに来いと先導し、さらに奥へと僕は着いていく。そして、たどり着いたのは、校舎裏と街路をつなぐ小さな鉄扉の勝手口だった。
「体裁の関係でそう沙汰を下したけど、あなたが悪くないのは知ってるわ、災難だったわね?校外の活動にまで巻き込まれて……一週間はここから出て帰りなさい、見つかったらいけないからまっすぐ帰るか、掃除した時間潰して帰る事、いい?」
「は、はぁ……」
つまりは、表面上清掃の罰を与えただけで帰れると言う事だった。逆にいいのか?と、なりつつも、岩田先生が扉を開けて出るように指示される。
「BOF、大会は先だけど、あるんでしょう?あんな試合する羽目になるわ貴方も大変ね……」
「え……あの……知ってるんですか?」
出る直前、岩田先生は僕がBOFのアマチュアである事を、そして大会がある事も知っていた。事情聴取の際に話に出したかなと思い返してみたが、出してないなと覚えがないとなる中、ハッカパイプを口から外して岩田先生は言う。
「見てたのよ、大晦日たまたま、うちの生徒だったのは知らなかったけど……それだけ、まぁ程々に頑張んなさい」
「あ、はい……ありがとうございます」
意外と……見てくれた人は居たのかもしれない。僕は扉を出て校外に踏み出す中、岩田先生は別れ際に言った。
「……少数派はままならいわね」
「え?」
「秋山くんの件、私突っぱねたのよ……そしたら私、色々と他の同僚から言われてさ?貴方がブレイキングケイジで、秋山くんを倒してから流れ変わって……助かったのよ、ありがとう」
岩田先生はそう僕に伝えて、ドアを閉めた。
あの職員室でも、大人達の中でも、クラスと同じ事が起きていたのかと、僕は居た堪れなくなった。事さらに、秋山千才というクラスメイトが掌握していた、カーストや立ち回りにより得た権力というのが、今更になり恐ろしくなった。
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