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1章
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家に到着した俺は手洗いうがいを済ませると階段を上りすぐに自室に入った。
部屋にあるのは頭に装着するVRゲーム機が枕元に置いてあるだけ。カーテンを見ても、机上を見ても、棚を見ても少し薄い茶色で落ち着くような色合いの特徴のない部屋だ。
俺は学校のカバンを机の上にそのまま置き、制服の首元を緩めるとそのままVR機をつける。
どんどん体がとろけていくような感覚に襲われ、気が付くと別世界、 Between Online通称BTOというゲームの中の自室で目が覚める。
俺はベッドの上で目が覚める。
ゲームの中の俺の部屋は現実とは正反対でキラキラと輝いている骨董品が壁に飾られ、ふかふかのベッドに巨大のモニターまである。
資格の右上にメニューコマンドがあり、通知マークが点滅している状態。
大きな枕を頭上の壁に立たせてそこのゆっくりを体重を乗せる。そしてメニューコマンドを開く。
“今日の戦いは楽しみにしている。先に国立競技場武道館で待つ”
たくさんのメッセージはいつも通り軽く流すだけなのだが、今日はプレイヤーランキング四位の小次郎というプレイヤーとの決闘があるのだ。
「誠、今日は久々に決闘があるな」
「雅、入るときはノックぐらいしろよな」
「ごめんよ、そんなことより今回は何を賭けたんだ?」
「特に何も賭けてないよ」
「なんだよ、てっきりいつもみたいに人には考えられないようなものをかけたのだと思ったよ」
「……」
「なんか言えよな! まあ、頑張って来いよ!」
「ありがとう」
俺は一度自分が持てるアイテムを確認して家を出た。
屋外に出ると主要場所にはループできるシステムがあるため、それを使って移動する。
ドーム状になっている武道館の前に到着するともうそこは観客たちの歓声で溢れかえっている。
ランキング一位、誠のファン。首位残留を望む客から、そろそろではないかとランキングの入れ替わりを期待する者。
武道館の中央にある大きなスクリーンの画面が誰もが知っている赤色ベースに白の水玉の蝶ネクタイがトレードマークの有名実況者、藤田に代わる。
「さあ、皆さんが一番楽しみにしているトップランカーによる決闘がありまーす! 今日戦うのは誰もが知ってる不動の一位! 最強の武士、誠だー! その絶対王者に挑戦するのは小次郎! こちらは現実でも有名人。現実世界で彼を見たものは口をそろえて『大きな壁が目の前にあった』という! まさに最強の軍人なのだ!」
藤田が会場を煽ると大きな歓声。両者の名前のコールが鳴りやまない。
「さてそれでは、選手の入場です!」
武道館の中の関係者専用通路を競技場方面に歩いていくと大きな歓声と眩しい光に包まれていくような感覚に陥る。
戦う場所はまるで昔の闘技場のようなところ。
正面に大きな体の小次郎という男が立ちはだかる。皆口をそろえて壁と称する男はまさしく壁。障壁というものに間違いないだろう。
「今日は決闘の申し込みを受けていただき光栄に思う」
彼は深々と頭を下げた。
「いえいえ。こちらこそわざわざありがとうございます」
軽く挨拶を交わしたら目の前にいい聞く十という数字が表示される。この数字がゼロになると戦闘開始の合図だ。
目の前の彼はカウントが小さくなっていくに連れ刀を抜き、切先が俺の頭に向け直線を引くような、まるで剣道で竹刀を構えるかのようにしている。
カウントがゼロになると、実況、観客が盛り上げ、同時に小次郎が踏み込んできた。
俺は左足を引き、腰を低くし、左手親指で少し刀を抜き、柄に右手を添え、静かに呼吸をする。
「さぁ、始まりました! 開始直後互いに自分の構えに入る。攻撃的な小次郎に対し、その場で誰よりも低く構える誠だ!」
高々と振り上げられた刀は寸分狂わず俺の頭上に振り下ろされる。
彼が血を蹴った時の音、そして俺めがけて振り抜かれる刀の音は遅れて観客のいるところまで届く。
これに当たれば一溜りもないが、俺は右膝を折り右に体の重心をずらすことによりギリギリかわす。そして同時に刀を抜く。
背を取られぬようすぐに右足を軸に回転。
小次郎は走り抜けた後、振り向いてくる。
「やるな」
彼は血を流し、痛みを耐えるかのように歯を食いしばっている。
俺は避けながらも小次郎の左腕を切りつけていた。
このゲームはほとんど現実世界と同じと思っていい。ゲームだからといって自分の身体能力が劇的に上がるなんてことはない。他にも血を流した時の痛み、自分が捉える五感までも現実そっくりに作られている。
だから、ゲーム以外の用途もなしているのだが。
小次郎はじりじりと俺との距離を詰める。
俺はまた低く構え、音、相手の視線に集中する。
集中力が高まったおれにはもう雑音なんて聞こえてこない。静かな真っ白の空間に一人の大男を相手にしている、まさにそんな感覚だった。
今度は俺から行こうと思う。奴が一呼吸を置いてから俺のほうに向かってこようと思ったのだろう。ゆっくりと瞬きをした。
俺は奴に目掛けて一直線で駆け抜ける。奴が目を開くと同時に俺は剣を抜き始める。
驚き大きく目を見開いた時にはもう遅い。俺の刀は奴の首筋を切り抜いている。
俺は相棒の刀、三日月宗近をゆっくりと鞘に納めた。
「決闘終了! なんと! 今回も相手に何もさせず勝利! 誠の勝利だ! 彼の無敗記録はいつまで続くのか!」
小次郎の傷は光に包まれゆっくりと回復していく。
決闘は勝負が決まるとオートで回復してくれるのだ。
「本当に君の強さには驚きだよ。戦ってくれてありがとう」
「いえいえ、小次郎さんの音をも置き去りにする剣劇も見事なものでしたよ」
「それでも誠さんには敵わなかったわけですからさすがランキング一位の王者ですね」
「東の国の軍隊の大将が何を言いますか」
「それでは賭けていた条件につきましてはこれからあなたのパーティーと我々のギルドの協力関係承諾しますので今度のイベント頑張りましょう」
「はい。とても助かります」
「ところで今度直接お話ができたらなと思うんですが、直接誠さんのお家を訪ねてもいいですか?」
俺は少し悩んだが、自分の国の軍隊のトップと話ができるのを考慮してこの話を都内のカフェに場所を移してもらって呑んだ。
部屋にあるのは頭に装着するVRゲーム機が枕元に置いてあるだけ。カーテンを見ても、机上を見ても、棚を見ても少し薄い茶色で落ち着くような色合いの特徴のない部屋だ。
俺は学校のカバンを机の上にそのまま置き、制服の首元を緩めるとそのままVR機をつける。
どんどん体がとろけていくような感覚に襲われ、気が付くと別世界、 Between Online通称BTOというゲームの中の自室で目が覚める。
俺はベッドの上で目が覚める。
ゲームの中の俺の部屋は現実とは正反対でキラキラと輝いている骨董品が壁に飾られ、ふかふかのベッドに巨大のモニターまである。
資格の右上にメニューコマンドがあり、通知マークが点滅している状態。
大きな枕を頭上の壁に立たせてそこのゆっくりを体重を乗せる。そしてメニューコマンドを開く。
“今日の戦いは楽しみにしている。先に国立競技場武道館で待つ”
たくさんのメッセージはいつも通り軽く流すだけなのだが、今日はプレイヤーランキング四位の小次郎というプレイヤーとの決闘があるのだ。
「誠、今日は久々に決闘があるな」
「雅、入るときはノックぐらいしろよな」
「ごめんよ、そんなことより今回は何を賭けたんだ?」
「特に何も賭けてないよ」
「なんだよ、てっきりいつもみたいに人には考えられないようなものをかけたのだと思ったよ」
「……」
「なんか言えよな! まあ、頑張って来いよ!」
「ありがとう」
俺は一度自分が持てるアイテムを確認して家を出た。
屋外に出ると主要場所にはループできるシステムがあるため、それを使って移動する。
ドーム状になっている武道館の前に到着するともうそこは観客たちの歓声で溢れかえっている。
ランキング一位、誠のファン。首位残留を望む客から、そろそろではないかとランキングの入れ替わりを期待する者。
武道館の中央にある大きなスクリーンの画面が誰もが知っている赤色ベースに白の水玉の蝶ネクタイがトレードマークの有名実況者、藤田に代わる。
「さあ、皆さんが一番楽しみにしているトップランカーによる決闘がありまーす! 今日戦うのは誰もが知ってる不動の一位! 最強の武士、誠だー! その絶対王者に挑戦するのは小次郎! こちらは現実でも有名人。現実世界で彼を見たものは口をそろえて『大きな壁が目の前にあった』という! まさに最強の軍人なのだ!」
藤田が会場を煽ると大きな歓声。両者の名前のコールが鳴りやまない。
「さてそれでは、選手の入場です!」
武道館の中の関係者専用通路を競技場方面に歩いていくと大きな歓声と眩しい光に包まれていくような感覚に陥る。
戦う場所はまるで昔の闘技場のようなところ。
正面に大きな体の小次郎という男が立ちはだかる。皆口をそろえて壁と称する男はまさしく壁。障壁というものに間違いないだろう。
「今日は決闘の申し込みを受けていただき光栄に思う」
彼は深々と頭を下げた。
「いえいえ。こちらこそわざわざありがとうございます」
軽く挨拶を交わしたら目の前にいい聞く十という数字が表示される。この数字がゼロになると戦闘開始の合図だ。
目の前の彼はカウントが小さくなっていくに連れ刀を抜き、切先が俺の頭に向け直線を引くような、まるで剣道で竹刀を構えるかのようにしている。
カウントがゼロになると、実況、観客が盛り上げ、同時に小次郎が踏み込んできた。
俺は左足を引き、腰を低くし、左手親指で少し刀を抜き、柄に右手を添え、静かに呼吸をする。
「さぁ、始まりました! 開始直後互いに自分の構えに入る。攻撃的な小次郎に対し、その場で誰よりも低く構える誠だ!」
高々と振り上げられた刀は寸分狂わず俺の頭上に振り下ろされる。
彼が血を蹴った時の音、そして俺めがけて振り抜かれる刀の音は遅れて観客のいるところまで届く。
これに当たれば一溜りもないが、俺は右膝を折り右に体の重心をずらすことによりギリギリかわす。そして同時に刀を抜く。
背を取られぬようすぐに右足を軸に回転。
小次郎は走り抜けた後、振り向いてくる。
「やるな」
彼は血を流し、痛みを耐えるかのように歯を食いしばっている。
俺は避けながらも小次郎の左腕を切りつけていた。
このゲームはほとんど現実世界と同じと思っていい。ゲームだからといって自分の身体能力が劇的に上がるなんてことはない。他にも血を流した時の痛み、自分が捉える五感までも現実そっくりに作られている。
だから、ゲーム以外の用途もなしているのだが。
小次郎はじりじりと俺との距離を詰める。
俺はまた低く構え、音、相手の視線に集中する。
集中力が高まったおれにはもう雑音なんて聞こえてこない。静かな真っ白の空間に一人の大男を相手にしている、まさにそんな感覚だった。
今度は俺から行こうと思う。奴が一呼吸を置いてから俺のほうに向かってこようと思ったのだろう。ゆっくりと瞬きをした。
俺は奴に目掛けて一直線で駆け抜ける。奴が目を開くと同時に俺は剣を抜き始める。
驚き大きく目を見開いた時にはもう遅い。俺の刀は奴の首筋を切り抜いている。
俺は相棒の刀、三日月宗近をゆっくりと鞘に納めた。
「決闘終了! なんと! 今回も相手に何もさせず勝利! 誠の勝利だ! 彼の無敗記録はいつまで続くのか!」
小次郎の傷は光に包まれゆっくりと回復していく。
決闘は勝負が決まるとオートで回復してくれるのだ。
「本当に君の強さには驚きだよ。戦ってくれてありがとう」
「いえいえ、小次郎さんの音をも置き去りにする剣劇も見事なものでしたよ」
「それでも誠さんには敵わなかったわけですからさすがランキング一位の王者ですね」
「東の国の軍隊の大将が何を言いますか」
「それでは賭けていた条件につきましてはこれからあなたのパーティーと我々のギルドの協力関係承諾しますので今度のイベント頑張りましょう」
「はい。とても助かります」
「ところで今度直接お話ができたらなと思うんですが、直接誠さんのお家を訪ねてもいいですか?」
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