チートを知らないチーター⁉ 浮世離れした日常より

倒置法.

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第一章 ③
 俺は都内のカフェテリアの個室で佐々木一という大男を目の前にしてる。
 彼は先日BTOで決闘をした相手の小次郎であり、東日本の軍の総司令官という立場の人間だ。
 ここのカフェは彼がわざわざ予約を取ってくれた。
 少し伸びた白髪で色黒の彼であるがどうやら俺を前にして少し緊張しているらしい。

「改めて、先日はいい決闘をありがとう。誠君。いや、横江真也君」

 彼は低い声でテーブルの上に両手をつき会釈をして挨拶をしてくれた。

「こちらこそありがとうございました。いい決闘になりました」

「少し今の日本についてお話をしませんか?」

 彼は俺にこんな提案をしてきた。
 これにはここ数年で日本という国が随分と変化したからだ。

 俺たちが住む日本は二千三百年は現在東日本と西日本に二つに分断している。
 一年前に俺たちが住む東日本にコック王と呼ばれる人間が誕生した。その国王はもともとは政治家で与党側の勢力が増大し、そのトップにあたる人間がついに東日本という国にしてしまったのだ。

「いいですよ。佐々木さんも何か思うことがあるのでしょうし。僕としても何か聞けることはいい経験にもなるので」
「そうやって行ってくれるととても助かるよ」

 彼はテーブルの上に肘を置き、少し曇った表情をした。

「真也君も知るように今の日本は東西に分断している。そして、これまで何も統制の取れていなかった西日本が昔の野党側の人間が革命軍として立ち上がったんだ」
「それは知らなかったです」
「この情報に関しては近日中にテレビなど何かマスコミが取り上げて東日本中に広まると思うんだ。そして本当の話はここから。西日本は昔に日本を取り戻そうとこそこそと準備を開始しているらしい。そこで我々東日本の軍隊も動き出したいと思っている。そしてここからが提案なんだが、是非真也君に我々の力になってほしいんだ」

 彼は深々と頭を下げた。

「一さん顔をあげてくださいよ」
「悪い。少し興奮して話が早まった」

 彼はコーヒーを一口飲み、一拍おいてもう一度話を始める。

「まだ説明をしていなかったんだが、最近世界的に戦争が無くなりつつある。無くなるというより、現実で行われていた核戦争が仮想世界で行われるようになった。そして戦争が行われるゲームの名前はMock Battle War通称MBWと言われるゲーム。そしてそのゲームに一番近いものと言われているのが真也君が個人ランキング一位をキープしているゲーム、BTOなんだ。そして、真也君にはそのMBWにダイブしてもらって、東日本軍の特殊攻撃部隊の戦闘員として参加して欲しいのだ」
「……なるほど」

 俺が今言われていることを整理しながら長考していると、彼は勢いよく言葉を続ける。
 
「君をスカウトして来いというのは私よりも上に人間なのだが、私自身君のその剣術に惚れたんだ!」

「あのスタイルは誰にもまねをすることができない。もちろん私の片腕として腕を振るっているものでさえだ」
「お言葉はとてもありがたいのですが……」
「真也君、君は世界を変えられるかもしれぬのだぞ。君の戦力は一人で戦車並み、いやそれ以上かもしれないのだ」

 褒められていることは素直にうれしいのだが、俺みたいな高校生が一人で決めていい問題でもない。
 やはりこれは一度持ち帰って考えるべきなのか。

「もちろん君の学生生活や家庭のことなどはすべてこちらから説明させていただくし、それなりの報酬は用意するつもりだ。国家案件だしな」
「……分かりました。ですが条件があります」
「条件?」

 男は前のめりになりながら目を輝かせていた。

「条件は僕の僕のパーティーメンバーについては巻き込まないでほしいということです」

 ここで雅の参加も強いられると少しめんどくさいことになってしまう。

「分かった! そういうことなら君に入っていただけるならその条件は飲ませてもらう。他にはないのかね?」
「そうですね。他は特に心配はしてないです」
「ではまた後日詳細は送らせていただく。特殊攻撃部隊についてや戦争はいつ始まるのかなど、まぁ、そういったことだな」
「分かりました」
「それでは私は仕事があるのでこの辺で失礼させてもらう。長々と失礼した。真也君が来てくれるのを楽しみに待っているよ」

 彼はそういって席を立ち、伝票をもって個室を後にした。

 数日後、俺の家には手紙が届いた。
 同日の夜、筒井沙紀の家の固定電話が鳴った。
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