9 / 15
第2章
悪役令嬢は授業を受ける。
しおりを挟む
「絵梨だけど、中身はエリザベス。」
なんだかもうずいぶん聞き慣れた気がする雑な紹介の仕方をされながら、エリザベスは何度目かの自己紹介をする。いつものようにカーテシーをしたエリザベスが顔を上げると、先ほどの健太郎と同じように目を見開いた絵梨の親友、美知がエリザベスをじっと見ていた。
「JK異世界転生って言ったっけ?見た、見た。あれでしょ?ツンデレエリザベス。」
「さすが美知先輩!わかってるぅ。」
友梨が指を突き出して、美知の肩をつつく。美知が「ふふん」と得意げに笑った。
「絵梨の席は、ここね。」
同じ制服を着た生徒達で溢れる教室。紹介された美知に案内されて、エリザベスは席についた。ひとりひとりにあてがわれた机。雑多なものに覆われて、向こうの世界の教室とは全く雰囲気が違う。思わずキョロキョロしてしまうエリザベスに、友梨は「じゃあ、また放課後迎えに来るから。」と言って手を振り、背中を向けた。
「あ、友梨様。あの、ありがとうございました。」
慌ててお礼を言ったエリザベスの方を振り返った友梨は、「ほら、敬語!気を付けてね!」と言って手を振ると、教室を出て行ってしまった。友梨と離れ離れになってしまうことは不安ではあったが、まわりにいる同級生たちは誰も帯剣している様子は無い。それならば、危害を加えられることは無いだろうと心を落ち着ける。どんな状況でも堂々とした姿を見せること、エリザベスが口酸っぱく教えられてきたことだ。
「しかし、絵梨もいよいよ転生するとはね。」
どうやら前の席らしい美知が、後ろに座るエリザベスの方に身体を向けて、呆れたように笑った。「中身が変わっただけのようなので、正しくは転生ではないと、友梨様が…」とエリザベスが言うと、「そんなん似たようなもんじゃん⁉」と言って、美知は苦笑した。
(こちらの世界の人達は、嘘の笑顔を張り付ける貴族の世界とは全く違って、皆表情が豊かだわ…。)
作られていない笑顔、裏の無い言葉。それらにひどく力が抜ける自分がいることに、エリザベスは気が付いていた。美知の苦笑につられるように、エリザベスが思わずといったように微笑むと、「ほんとに、あのエリザベス?」と美知は首を傾げた。
「なんだか、片肘張る必要が無いようなので、少し気が抜けているようです。」
エリザベスが素直にその本心を明かすと、「ふぅうん?」と、わかったような、それでいてわかっていないような、そんな美知の反応に、エリザベスはふふっと思わず声を出して笑った。
(相手に壁があるから、こちらも壁を作る。相手が心を隠すから、こちらも本音を隠す。逆もまた然り、ね。)
「エリたんのツンデレ、好きなんだけどなぁ。」
美知がつまらなそうに呟くと、「私は、ツンデレなどではございません。」とエリザベスが顔をツンとそっぽを向いた。そんなエリザベスを見て、「ツンデレの人は自分がツンデレだ!なんて言わないよ!」と美知が笑った。
チャイムの音と共に、教師が教室に入ってきた。「席につけー!」という男性の教師と、がやがやと賑やかなまま席に戻っていく生徒達。
向こうの世界では貴族ばかりだったため、教師が生徒に命令することはほとんど無い。チャイムが鳴る前に席についていることも、当たり前のことだった。
あまりにも違った雰囲気に、エリザベスは驚きを隠せずにいたが、「おい、早くしろよぉ。」と、いつものことだと言わんばかりに注意する教師の様子に、思わず笑ってしまった。
「なんだ、佐伯。なんか、楽しいことでもあったか?」
そんなエリザベスに気が付いた教師が、急に話しかけて来て、不測の事態にエリザベスは目を見開いて固まってしまった。まさか、話しかけられるとは全く思ってもいなかったのだ。
「先生。絵梨、今、憑依中なんで。」
エリザベスが何かを答える前に、前の席の美知が手を挙げて言った。「なんだ、またか。」と教師が苦笑する。まだがやがやと落ち着きのない生徒達も、数名が笑ったようだった。
「あの、美知様。そんな正直に言ってしまって、絵梨様にご迷惑がかかってしまったりいたしませんか?」
背中からそっと声をかければ、美知が振り返り「だいじょぶ、だいじょぶ。ほら、どうせ絵梨だから。」とコソッと言って、ニッと笑った。
――――――――――
1時間目は、国語の授業だった。授業自体は読むことばかりで、全く問題は無かったのだが、どうやら書き取りができないらしいことにエリザベスは気が付いた。全く違う文字なのだ。読めるが、書けない。ノートに黒板のものを書きうつすらしいのだが、エリザベスは仕方なく、自分の国の言葉でノートに書き写した。
「うっわ。それ、なんて書いてあんの。いや、英語か? んんん?」
美知が振り返って、エリザベスのノートを覗く。確かに、エリザベスの世界の言葉は少し英語に似ている気がした。「あの小説を書いたのは日本人だし、もしかしたら、英語をイメージしたのかもしれないね。」と、美知は言った。
英語の教科書を引っ張り出して読んでみれば、確かに読めるし、書けそうだ。嬉しくなって、休み時間の間その教科書を眺めていたら、「言っておくけど、絵梨の英語はカスだから、なんか勉強してる風なの、やめたげて。」と、美知が困った顔をした。
2時間目は数学だった。それはエリザベスにとって、信じられないほどに難しいものだった。これが、平民全てに与えられる教育なのかと驚きを隠せず、授業の内容は全く理解できないまま終わってしまった。
黒板に書かれた記号だらけの数式というものを、とにかくそのまま絵を描くようにノートに写す。その作業は、意味の分からない魔法陣を描かされているかのようだ。チャイムの音共に、やっとの思いで書き写した黒板の文字が、あっという間に消されていくのを、恨めし気に見ていたエリザベスに、「次はもっと魔法陣だよ。」と言って美知が笑った。
3時間目の生物で教わったのは、————化学式という、もっと不可解なものだった。
なんだかもうずいぶん聞き慣れた気がする雑な紹介の仕方をされながら、エリザベスは何度目かの自己紹介をする。いつものようにカーテシーをしたエリザベスが顔を上げると、先ほどの健太郎と同じように目を見開いた絵梨の親友、美知がエリザベスをじっと見ていた。
「JK異世界転生って言ったっけ?見た、見た。あれでしょ?ツンデレエリザベス。」
「さすが美知先輩!わかってるぅ。」
友梨が指を突き出して、美知の肩をつつく。美知が「ふふん」と得意げに笑った。
「絵梨の席は、ここね。」
同じ制服を着た生徒達で溢れる教室。紹介された美知に案内されて、エリザベスは席についた。ひとりひとりにあてがわれた机。雑多なものに覆われて、向こうの世界の教室とは全く雰囲気が違う。思わずキョロキョロしてしまうエリザベスに、友梨は「じゃあ、また放課後迎えに来るから。」と言って手を振り、背中を向けた。
「あ、友梨様。あの、ありがとうございました。」
慌ててお礼を言ったエリザベスの方を振り返った友梨は、「ほら、敬語!気を付けてね!」と言って手を振ると、教室を出て行ってしまった。友梨と離れ離れになってしまうことは不安ではあったが、まわりにいる同級生たちは誰も帯剣している様子は無い。それならば、危害を加えられることは無いだろうと心を落ち着ける。どんな状況でも堂々とした姿を見せること、エリザベスが口酸っぱく教えられてきたことだ。
「しかし、絵梨もいよいよ転生するとはね。」
どうやら前の席らしい美知が、後ろに座るエリザベスの方に身体を向けて、呆れたように笑った。「中身が変わっただけのようなので、正しくは転生ではないと、友梨様が…」とエリザベスが言うと、「そんなん似たようなもんじゃん⁉」と言って、美知は苦笑した。
(こちらの世界の人達は、嘘の笑顔を張り付ける貴族の世界とは全く違って、皆表情が豊かだわ…。)
作られていない笑顔、裏の無い言葉。それらにひどく力が抜ける自分がいることに、エリザベスは気が付いていた。美知の苦笑につられるように、エリザベスが思わずといったように微笑むと、「ほんとに、あのエリザベス?」と美知は首を傾げた。
「なんだか、片肘張る必要が無いようなので、少し気が抜けているようです。」
エリザベスが素直にその本心を明かすと、「ふぅうん?」と、わかったような、それでいてわかっていないような、そんな美知の反応に、エリザベスはふふっと思わず声を出して笑った。
(相手に壁があるから、こちらも壁を作る。相手が心を隠すから、こちらも本音を隠す。逆もまた然り、ね。)
「エリたんのツンデレ、好きなんだけどなぁ。」
美知がつまらなそうに呟くと、「私は、ツンデレなどではございません。」とエリザベスが顔をツンとそっぽを向いた。そんなエリザベスを見て、「ツンデレの人は自分がツンデレだ!なんて言わないよ!」と美知が笑った。
チャイムの音と共に、教師が教室に入ってきた。「席につけー!」という男性の教師と、がやがやと賑やかなまま席に戻っていく生徒達。
向こうの世界では貴族ばかりだったため、教師が生徒に命令することはほとんど無い。チャイムが鳴る前に席についていることも、当たり前のことだった。
あまりにも違った雰囲気に、エリザベスは驚きを隠せずにいたが、「おい、早くしろよぉ。」と、いつものことだと言わんばかりに注意する教師の様子に、思わず笑ってしまった。
「なんだ、佐伯。なんか、楽しいことでもあったか?」
そんなエリザベスに気が付いた教師が、急に話しかけて来て、不測の事態にエリザベスは目を見開いて固まってしまった。まさか、話しかけられるとは全く思ってもいなかったのだ。
「先生。絵梨、今、憑依中なんで。」
エリザベスが何かを答える前に、前の席の美知が手を挙げて言った。「なんだ、またか。」と教師が苦笑する。まだがやがやと落ち着きのない生徒達も、数名が笑ったようだった。
「あの、美知様。そんな正直に言ってしまって、絵梨様にご迷惑がかかってしまったりいたしませんか?」
背中からそっと声をかければ、美知が振り返り「だいじょぶ、だいじょぶ。ほら、どうせ絵梨だから。」とコソッと言って、ニッと笑った。
――――――――――
1時間目は、国語の授業だった。授業自体は読むことばかりで、全く問題は無かったのだが、どうやら書き取りができないらしいことにエリザベスは気が付いた。全く違う文字なのだ。読めるが、書けない。ノートに黒板のものを書きうつすらしいのだが、エリザベスは仕方なく、自分の国の言葉でノートに書き写した。
「うっわ。それ、なんて書いてあんの。いや、英語か? んんん?」
美知が振り返って、エリザベスのノートを覗く。確かに、エリザベスの世界の言葉は少し英語に似ている気がした。「あの小説を書いたのは日本人だし、もしかしたら、英語をイメージしたのかもしれないね。」と、美知は言った。
英語の教科書を引っ張り出して読んでみれば、確かに読めるし、書けそうだ。嬉しくなって、休み時間の間その教科書を眺めていたら、「言っておくけど、絵梨の英語はカスだから、なんか勉強してる風なの、やめたげて。」と、美知が困った顔をした。
2時間目は数学だった。それはエリザベスにとって、信じられないほどに難しいものだった。これが、平民全てに与えられる教育なのかと驚きを隠せず、授業の内容は全く理解できないまま終わってしまった。
黒板に書かれた記号だらけの数式というものを、とにかくそのまま絵を描くようにノートに写す。その作業は、意味の分からない魔法陣を描かされているかのようだ。チャイムの音共に、やっとの思いで書き写した黒板の文字が、あっという間に消されていくのを、恨めし気に見ていたエリザベスに、「次はもっと魔法陣だよ。」と言って美知が笑った。
3時間目の生物で教わったのは、————化学式という、もっと不可解なものだった。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。
aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる