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幸福な時
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私は亡き親友フィーに彼の母である彼女の言う通り再会した。フィーが私の前に再び居る事実は信じられないくらい嬉しくて少し経った今でもこの気持ちをどう抑えたらいいのか分からない。これが偽者ならこうはならないがいろいろと確認した今、あれは紛れもなくフィーなのだ。
「本当にこんな奇跡があるのか」
落ち着いたはずの涙がまた出そうで私は目を手で押さえた。
「ああ、でも私はどうして召喚の儀に出なかったんだ!」
フィーからある程度、話は聞いたがこんな事があるなら出るべきだったと後悔するも彼が関係なければ全くと言っていいほど興味がなかった。周りは出席しろと煩かったがそんな成功するかも分からないものよりフィーが亡くなった原因であるドラゴンがまた目覚めたと聞き封印をしに赴く方が私には重要だったのだ。
静かな部屋に私のため息が響くが過ぎた事はどうすることも出来ないので今に集中することにし、私は座っていた椅子から立ち上がる。そして浴室に続く扉前に行くと少しだけ扉を開け声をかけた。
「フィー、大丈夫か?」
あれから今は二人になりたくてあまり使っていない私の屋敷にフィーを招待し、泊まっていってもらうことにした。そしてフィーは涙で濡れた服を替えるついでに入浴をしていて私はそれを待っているのだが、まだ気持ちが落ち着いていない自分は一人になって数分で彼がきちんと居るか確認したくなった。
「あ、シア、いいところに来た。少し来てよ」
フィーの声が聞こえ安心するが何か用があったようで確認してよかったと私は思った。そして私はすぐに浴室へ入るがなぜかフィーはバスタブの前で座り込んでいた。腰にタオルは巻いているがほぼ裸は寒いと私はフィーに近づく。
「何しているんだ、冷えるだろう」
私はフィーの両脇に手を入れて持ち上げるが彼は伸びるだけでまだ膝をつけたまま落ち込んだように話し始めた。
「聞いてよ、俺は前は魔力があって意識せずお湯にしてて、今世の世界は勝手に温まる物でね。こっちに来た時、新米騎士の入浴は水桶だったかなって思いながら、水で入浴済ませてたんだ」
「それで今、普通はお湯にして使うと思い出した自分に落ち込んでいたと」
まったく立ち上がろうとしないフィーに私は諦め、とりあえず冷える床から離すため抱き上げれば彼と目が合う。しかし彼は相変わらず落ち込んだ様子で話す。
「それもあるけど、俺、一生水風呂じゃない?」
「私がお湯にするから落ち込まないでくれ」
そういえば、今のフィーには魔力がないのだと思い出しながら私はバスタブの水を温める。水はすぐに温まり、フィーに入れると口を開きかけた私だが、ふと彼の腹部が目に入り驚く。
「待ってくれ、その傷……」
フィーは私の視線の先に気付くと、手で隠した。そして困った表情で私を見る彼に私はため息をつくだけでそれ以上何も言わず、彼を湯船に下ろした。それから今度は私がバスタブの前に座るがフィーにじっと見られ、悪戯心で魔法を使いお湯を彼の顔にかけた。
「何するんだよ、魔法はなし。ずるいじゃないか」
顔にかかった水を手で拭いながら言うフィーに私はバスタブの縁に片腕をかけて言った。
「なら、冷めても温めないがいいか?」
「駄目だね、それからシャワーもお願い」
どうも水桶は辛かったんだなと分かる反射で返すフィーはその後、湯船に肩まで浸かり存分に温かいお風呂を楽しんでいた。私は様子を見ているだけだったがもう一度、フィーといられるのなら今の時間すらとても幸福といえた。
「本当にこんな奇跡があるのか」
落ち着いたはずの涙がまた出そうで私は目を手で押さえた。
「ああ、でも私はどうして召喚の儀に出なかったんだ!」
フィーからある程度、話は聞いたがこんな事があるなら出るべきだったと後悔するも彼が関係なければ全くと言っていいほど興味がなかった。周りは出席しろと煩かったがそんな成功するかも分からないものよりフィーが亡くなった原因であるドラゴンがまた目覚めたと聞き封印をしに赴く方が私には重要だったのだ。
静かな部屋に私のため息が響くが過ぎた事はどうすることも出来ないので今に集中することにし、私は座っていた椅子から立ち上がる。そして浴室に続く扉前に行くと少しだけ扉を開け声をかけた。
「フィー、大丈夫か?」
あれから今は二人になりたくてあまり使っていない私の屋敷にフィーを招待し、泊まっていってもらうことにした。そしてフィーは涙で濡れた服を替えるついでに入浴をしていて私はそれを待っているのだが、まだ気持ちが落ち着いていない自分は一人になって数分で彼がきちんと居るか確認したくなった。
「あ、シア、いいところに来た。少し来てよ」
フィーの声が聞こえ安心するが何か用があったようで確認してよかったと私は思った。そして私はすぐに浴室へ入るがなぜかフィーはバスタブの前で座り込んでいた。腰にタオルは巻いているがほぼ裸は寒いと私はフィーに近づく。
「何しているんだ、冷えるだろう」
私はフィーの両脇に手を入れて持ち上げるが彼は伸びるだけでまだ膝をつけたまま落ち込んだように話し始めた。
「聞いてよ、俺は前は魔力があって意識せずお湯にしてて、今世の世界は勝手に温まる物でね。こっちに来た時、新米騎士の入浴は水桶だったかなって思いながら、水で入浴済ませてたんだ」
「それで今、普通はお湯にして使うと思い出した自分に落ち込んでいたと」
まったく立ち上がろうとしないフィーに私は諦め、とりあえず冷える床から離すため抱き上げれば彼と目が合う。しかし彼は相変わらず落ち込んだ様子で話す。
「それもあるけど、俺、一生水風呂じゃない?」
「私がお湯にするから落ち込まないでくれ」
そういえば、今のフィーには魔力がないのだと思い出しながら私はバスタブの水を温める。水はすぐに温まり、フィーに入れると口を開きかけた私だが、ふと彼の腹部が目に入り驚く。
「待ってくれ、その傷……」
フィーは私の視線の先に気付くと、手で隠した。そして困った表情で私を見る彼に私はため息をつくだけでそれ以上何も言わず、彼を湯船に下ろした。それから今度は私がバスタブの前に座るがフィーにじっと見られ、悪戯心で魔法を使いお湯を彼の顔にかけた。
「何するんだよ、魔法はなし。ずるいじゃないか」
顔にかかった水を手で拭いながら言うフィーに私はバスタブの縁に片腕をかけて言った。
「なら、冷めても温めないがいいか?」
「駄目だね、それからシャワーもお願い」
どうも水桶は辛かったんだなと分かる反射で返すフィーはその後、湯船に肩まで浸かり存分に温かいお風呂を楽しんでいた。私は様子を見ているだけだったがもう一度、フィーといられるのなら今の時間すらとても幸福といえた。
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