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第一部 幸せな日々、そして旅立ち
第四章 第六話
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その馬車には男しか乗っていなかった。
しかも、筋骨隆々とした、肉体自慢の者が多く、暑苦しい事この上ない。
だが、暑苦しくはあっても男だけの気安さがあり、彼らはその事にいつも満足していた。
たまには女と……なんて考える事もあるが、そんな事はめったに無い。
同性だからこそ何の気兼ねも無く出来る多彩な話題で、いつだって馬車の中は大賑わいだった。
その時も、馬車の中は他愛も無い、だが女性には聞かせられない話で大いに盛り上がっていた。だから、その事に気付くのがほんの少し遅れた。
最初に気がついたのは軽業師のジェドだ。
20代半ばのこの男は、暑苦しい外見の男達が集まる中、筋肉質ではあるものの比較的細身で、顔もそれなりに整っている。
彼もその時、もちろん馬鹿話に大笑いしていたのだが、何かが聞こえた気がしてふいに馬車の後方にある小さな窓の外を見た。
「ん?後ろの馬車がついてこねぇな。トラブルか?」
独り言のように呟き、更によく確認しようと走る馬車の戸を開け放ち、身を乗り出した。
「どうした?ジェド」
刀剣師のアジェスが仲間の様子に気付いて問いかける。
「いや、後ろの馬車が止まってるから何かあったのかと思ってよ。ん……?誰かこっちに来るな?ありゃあもしかしてセイラか??」
目を凝らし、近づいてくる人影をじっと見た。
その姿は確かに一座の舞姫・セイラの様に見える。
だが、何故彼女がわざわざこちらに来るのか分からない。用事があるなら下っ端連中に命じて伝令をさせればいいだろうに。
彼女はなにやら必死に叫んでいるようだ。その様子に鬼気迫るものを感じたジェドは、軽く眉を顰め呟く。
「こりゃあ、何かトラブったか……」
それから振り向き、御者台に向かって叫んだ。
「おい、馬車止めろ!!!」
「!?。は、はいっっ」
裏返った声の返事が返り、程なく馬車が止まる。
それを待たずに外に飛び出したジェドは、ドアから顔を出したアジェスを見上げ、
「後ろでなにかあったみてぇだ。俺はひとっ走りして事情を聞いてくる。お前さんは伝令立てて前の馬車も止めておいてくれ」
「心得た。すぐに動こう。気をつけていけよ、ジェド」
「おう。んじゃ、行ってくるぜ」
にかっと笑い、ジェドは軽やかに駆け出した。
走り出してすぐ、ジェドは雑木林の方から飛び出した影に気付いた。
大きな身体の獣のような何か。
黒光りする身体は驚くほど身軽に地を駆けている。それが向かう先には、こちらに向かうセイラの姿があった。
「っ。やべぇ!おい、セイラ!!!狙われてんぞ!!!!早くこっちに来い!!!!」
叫んだ声が届いたのか、セイラはグンと足を早めた。
だが、それでも獣の足の速さには敵わない。じわじわと距離が詰められる。
ジェドは舌打ちをし、腰のナイフケースからいつも出し物に使っている小型ナイフを数本取り出し、構えた。
今の彼にそれ以外の武器は無い。
こんな荒事になるならアジェスの野郎にこっちを任せるんだったな―そんな事を思うがもう遅い。
ジェドは走りながらも慎重に狙いを定めて、舞姫に迫る未知の獣にナイフを投擲した。
数本のナイフが獣に迫る。
大した威力は無いが、足止めぐらいにはなるだろうと結果を見守っていた青年の瞳が、次の瞬間大きく見開かれた。
ナイフの狙いは正確だった。
獣の左右の前肢、胸元、鼻面、そして眉間。投げたナイフは狙ったとおりの場所に向かい、そして……
キンッ―とありえない音を立てて獣の体毛に弾かれた。
「うっそだろ……」
思わずもれた呟き。
ナイフは演技用のものであるが鉄製で、それなりの重さもあり、切れ味も鋭い。
それがああも簡単に弾かれるなど、まるで現実味がない。あり得ない話だ。
だが実際問題、そのあり得ない事が目の前で起こっており、獣はまるで変わらぬ足取りでセイラに迫っていた。
「ちっくしょう。化け物め」
ぎりっと歯をくいしばり、足を早めた。
再びナイフを構え、投擲。彼の手を離れたナイフは二本。
生き物の急所の一つである眼球を狙って投げられたその牙は、走りながら投げられたとは思えないほど正確に獣の両の瞳を目指す。
(よし、今度こそ!)
そう思ったのも束の間、流石に目に迫るナイフは脅威だったのだろう。
獣は足を止め、そのナイフを迎え撃った。常識では考えられない方法で。
迫る凶器を正面から見つめながら、獣が大きく口を開ける。ナイフはその口の中に吸い込まれ……
ガキッ……ガキン……
獣の口元から信じられない咀嚼音が聞こえてきた。
しばらくそうして咀嚼し、口の中のモノを呑み込んだ獣は、口の周りを大きな舌でべろんべろん舐め、再びのっそりと足を踏み出した。
だが、その間に距離を稼いだセイラは、ジェドのすぐ近くまで来ていた。獣との距離もわずかではあるが開いている。
「よし、これで何とか……」
逃げられる―そう続けようとしたジェドの顔が引きつった。
セイラの後方で、獣がパカンと口を開けた。その喉の奥に黒い何かが凝縮し、そして―。
咆哮と共に放たれた。
それは黒い球体となって、すごい勢いでセイラの後ろに迫っていた。走って逃げられるスピードではない。
ジェドは必死の形相でセイラに飛びついていた。
柔らかな身体を腕に抱き、地面に押し倒す。
間一髪だった。
直後、それまでセイラの身体のあった場所を黒い球体がものすごい勢いで通り過ぎ、少し先にあった岩を木っ端微塵にした。
「なんなのよ、これ。まるででたらめじゃない」
耳元で聞こえる色っぽいかすれ声。
ジェドも全く同感だった。つばを呑み込み、目線だけで黒い獣を探した。
(やつはどこだ?早く逃げねぇと)
必死に探す。
さっきまでの場所にはいない。ならばどこに行ったのか。
ズゥ……ン
すぐ間近に重いモノが落ちたような地響きに二人の身体が揺れた。
見たくないと思った。
でも確かめずにはいられない。
止まらない震えにまるで思うように動かない身体を何とか動かして、顔を、上げた。
血の様に赤い眼が、間近から二人を見ていた。
愉悦に細められた禍々しい瞳。
黒い体の大きな獣……奴はそこにいた。ジェドの目の前。その息遣いすら感じられる程近くに。
しかも、筋骨隆々とした、肉体自慢の者が多く、暑苦しい事この上ない。
だが、暑苦しくはあっても男だけの気安さがあり、彼らはその事にいつも満足していた。
たまには女と……なんて考える事もあるが、そんな事はめったに無い。
同性だからこそ何の気兼ねも無く出来る多彩な話題で、いつだって馬車の中は大賑わいだった。
その時も、馬車の中は他愛も無い、だが女性には聞かせられない話で大いに盛り上がっていた。だから、その事に気付くのがほんの少し遅れた。
最初に気がついたのは軽業師のジェドだ。
20代半ばのこの男は、暑苦しい外見の男達が集まる中、筋肉質ではあるものの比較的細身で、顔もそれなりに整っている。
彼もその時、もちろん馬鹿話に大笑いしていたのだが、何かが聞こえた気がしてふいに馬車の後方にある小さな窓の外を見た。
「ん?後ろの馬車がついてこねぇな。トラブルか?」
独り言のように呟き、更によく確認しようと走る馬車の戸を開け放ち、身を乗り出した。
「どうした?ジェド」
刀剣師のアジェスが仲間の様子に気付いて問いかける。
「いや、後ろの馬車が止まってるから何かあったのかと思ってよ。ん……?誰かこっちに来るな?ありゃあもしかしてセイラか??」
目を凝らし、近づいてくる人影をじっと見た。
その姿は確かに一座の舞姫・セイラの様に見える。
だが、何故彼女がわざわざこちらに来るのか分からない。用事があるなら下っ端連中に命じて伝令をさせればいいだろうに。
彼女はなにやら必死に叫んでいるようだ。その様子に鬼気迫るものを感じたジェドは、軽く眉を顰め呟く。
「こりゃあ、何かトラブったか……」
それから振り向き、御者台に向かって叫んだ。
「おい、馬車止めろ!!!」
「!?。は、はいっっ」
裏返った声の返事が返り、程なく馬車が止まる。
それを待たずに外に飛び出したジェドは、ドアから顔を出したアジェスを見上げ、
「後ろでなにかあったみてぇだ。俺はひとっ走りして事情を聞いてくる。お前さんは伝令立てて前の馬車も止めておいてくれ」
「心得た。すぐに動こう。気をつけていけよ、ジェド」
「おう。んじゃ、行ってくるぜ」
にかっと笑い、ジェドは軽やかに駆け出した。
走り出してすぐ、ジェドは雑木林の方から飛び出した影に気付いた。
大きな身体の獣のような何か。
黒光りする身体は驚くほど身軽に地を駆けている。それが向かう先には、こちらに向かうセイラの姿があった。
「っ。やべぇ!おい、セイラ!!!狙われてんぞ!!!!早くこっちに来い!!!!」
叫んだ声が届いたのか、セイラはグンと足を早めた。
だが、それでも獣の足の速さには敵わない。じわじわと距離が詰められる。
ジェドは舌打ちをし、腰のナイフケースからいつも出し物に使っている小型ナイフを数本取り出し、構えた。
今の彼にそれ以外の武器は無い。
こんな荒事になるならアジェスの野郎にこっちを任せるんだったな―そんな事を思うがもう遅い。
ジェドは走りながらも慎重に狙いを定めて、舞姫に迫る未知の獣にナイフを投擲した。
数本のナイフが獣に迫る。
大した威力は無いが、足止めぐらいにはなるだろうと結果を見守っていた青年の瞳が、次の瞬間大きく見開かれた。
ナイフの狙いは正確だった。
獣の左右の前肢、胸元、鼻面、そして眉間。投げたナイフは狙ったとおりの場所に向かい、そして……
キンッ―とありえない音を立てて獣の体毛に弾かれた。
「うっそだろ……」
思わずもれた呟き。
ナイフは演技用のものであるが鉄製で、それなりの重さもあり、切れ味も鋭い。
それがああも簡単に弾かれるなど、まるで現実味がない。あり得ない話だ。
だが実際問題、そのあり得ない事が目の前で起こっており、獣はまるで変わらぬ足取りでセイラに迫っていた。
「ちっくしょう。化け物め」
ぎりっと歯をくいしばり、足を早めた。
再びナイフを構え、投擲。彼の手を離れたナイフは二本。
生き物の急所の一つである眼球を狙って投げられたその牙は、走りながら投げられたとは思えないほど正確に獣の両の瞳を目指す。
(よし、今度こそ!)
そう思ったのも束の間、流石に目に迫るナイフは脅威だったのだろう。
獣は足を止め、そのナイフを迎え撃った。常識では考えられない方法で。
迫る凶器を正面から見つめながら、獣が大きく口を開ける。ナイフはその口の中に吸い込まれ……
ガキッ……ガキン……
獣の口元から信じられない咀嚼音が聞こえてきた。
しばらくそうして咀嚼し、口の中のモノを呑み込んだ獣は、口の周りを大きな舌でべろんべろん舐め、再びのっそりと足を踏み出した。
だが、その間に距離を稼いだセイラは、ジェドのすぐ近くまで来ていた。獣との距離もわずかではあるが開いている。
「よし、これで何とか……」
逃げられる―そう続けようとしたジェドの顔が引きつった。
セイラの後方で、獣がパカンと口を開けた。その喉の奥に黒い何かが凝縮し、そして―。
咆哮と共に放たれた。
それは黒い球体となって、すごい勢いでセイラの後ろに迫っていた。走って逃げられるスピードではない。
ジェドは必死の形相でセイラに飛びついていた。
柔らかな身体を腕に抱き、地面に押し倒す。
間一髪だった。
直後、それまでセイラの身体のあった場所を黒い球体がものすごい勢いで通り過ぎ、少し先にあった岩を木っ端微塵にした。
「なんなのよ、これ。まるででたらめじゃない」
耳元で聞こえる色っぽいかすれ声。
ジェドも全く同感だった。つばを呑み込み、目線だけで黒い獣を探した。
(やつはどこだ?早く逃げねぇと)
必死に探す。
さっきまでの場所にはいない。ならばどこに行ったのか。
ズゥ……ン
すぐ間近に重いモノが落ちたような地響きに二人の身体が揺れた。
見たくないと思った。
でも確かめずにはいられない。
止まらない震えにまるで思うように動かない身体を何とか動かして、顔を、上げた。
血の様に赤い眼が、間近から二人を見ていた。
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