83 / 248
第一部 幸せな日々、そして旅立ち
第七章 第十二話
しおりを挟む
イルサーダと共に村に戻ると、宿屋の前には一座の面々と共にセイラもいて、ジェドやアジェスと何か話しているようだが、とてもイライラしている様子が伺えた。
それに巻き込まれないように遠巻きに、女の子達やリインが見ていたが、何かを感じたのか、不意にリインがこっちを見た。
「雷砂」
鈴のような声が、雷砂の名前を呼ぶ。
その瞬間、男達に噛みついていたセイラがこちらを振り向いた。
疲れ切って、青ざめた顔。
いきなり雷砂と引き離され、仲間の元へ戻ったら戻ったで、座長が龍だったとかなんとかと訳の分からない話を聞かされ、雷砂の無事も分からずに不安で仕方なかったのだ。
今にも泣きだしそうな、雷砂の無事な様子を見てほっとしたような顔をして、セイラは雷砂を見つめている。
雷砂は歩く足を早め、セイラの前に立ち、彼女を見上げた。
セイラの手が伸びて、雷砂の存在を確かめるようにその頬に触れた。
彼女の手の上に雷砂も手を重ね、
「セイラ、心配かけてごめん。もう、大丈夫だよ。今度こそ、終わったから」
そう言って微笑んだ。
「も・・・・・・ほ、ほんとに、心配、したんだからね」
彼女の瞳から涙がこぼれるのを見て、雷砂は精一杯背伸びしてその涙に唇を寄せた。
「うん。ごめん」
すがりつくように彼女の腕が雷砂を抱き寄せ、雷砂も彼女の体に腕を回す。
そして彼女をなだめるように、ぽんぽんと優しく背中をたたきながら、
「もう、ほんとにほんとに大丈夫だから」
そんな言葉を、セイラが落ち着くまで優しくささやき続けるのだった。
「じゃあ、キアルは家に帰ったんだね?」
「ええ。ここに一緒に連れてこようとしたんだけど」
しばらくして、セイラが落ち着いてからキアルのことを訪ねると、セイラは困ったようにそう言った。
一緒にいこうと言うセイラに、彼はどうしても家に戻りたいと、1人走り去ってしまったらしい。
追いかける途中で彼を見失い、仕方なく仲間の泊まる宿へ戻ってきたのだそうだ。
「ごめんね、雷砂。彼のこと、任されたのに」
「セイラは土地勘がないし、仕方ないよ。気にしなくて平気だからね?
キアルの事は、これから行って様子を見てくるから」
言うなり出かけようとする雷砂の手をセイラが掴む。
「出かけるのは良いけど、その前に服、着替えない?」
そう言われて、雷砂は自分の格好に思い至り、苦笑いを浮かべた。
服をぼろぼろにされ、一応イルサーダにもらった布で覆っているものの、あまり人前にさらしていい姿では無いだろう。
「確か、何枚か着替えを置いてあるでしょ?私の部屋に」
「うん」
「キアルの事は確かに気になるけど、着替える時間くらいは大丈夫よ、きっと」
「わかった。そうする」
じゃあ、着替えてくるよーそう言って宿に向かう雷砂の後を、セイラも追う。雷砂は、後ろからついてくる彼女をちらりと見て、
「ん?セイラも来るの?」
そう問いかけると、彼女は嬉々とした表情で、
「ええ。もちろん」
そう答えるのだった。
セイラの部屋に入り、自分の着替えを入れたタンスを探っていると、後ろから手が伸びてきて体に巻き付けていた布をするりとはぎ取られた。
すると、ぼろぼろに引きちぎられたような服の残骸が現れて、それをみたセイラの瞳がすうっと細められる。
「雷砂?ちょっとこっち向いて立って」
ひんやりした声でそう言われ、雷砂は作業を一時中断してセイラの言うとおりにした。逆らうのは、何だか危険な気がしたから。
正面から見ると、雷砂の姿は更に悲惨だった。
服はぼろぼろで少女の幼い体を隠す用途を為してないし、白い肌の上には赤黒い小さな痣が転々と残されている。
セイラはその痣を指でなぞるようにしながら、雷砂の瞳をのぞき込む。
「これって、キスマークでしょ?」
怒りを押し殺した、感情の見えない声で問われ、雷砂はしばし考えてポンと手を打った。
そう言えば、あんまり気にしてなかったけど、なめ回されながら、色々なところを吸われたりもしたな、と。
あの時は正直、村がどうなってしまうかという方が気になって、あの男にされていた事はあまり気になってなかったのだ。
気にする余裕が無かったという方が正しいのかもしれないが。
まあ、舐めたり吸われたりする以外のことはされなかったのだから問題ないだろうと、雷砂はなんの悪気もなく、隠すこともなく、その痣が出来た経緯を語った。
それがセイラの逆鱗に触れることになるとも知らずに。
「そんな、事を。ひどい」
「や、オレは別に気にしてない。何してるのかを、気にしてる暇もなかったし。だから、大丈夫だよ、セイラ」
ショックを受けたようなセイラの反応に、雷砂は慌ててそう言い募る。だが、それではセイラの気持ちが収まらなかったらしい。
きっと涙目で雷砂を見据え、きっぱりと言った。
「雷砂、脱いで」
「へ?」
思わずそんな声が出る。
きょとんとしてセイラを見上げると、
「さ、早く脱いで。ちゃんと消毒しとかないとね」
彼女はそう言って、とっても良い笑顔で笑った。
「ぬ、脱いだけど」
抵抗しきれずに、結局脱ぐ羽目になってしまった。
どうせ着替えの為に脱ぐはずだったし、と自分に言い聞かせながら小さくため息。もちろん下は脱いでない。
セイラは、はい、良くできました、と微笑み、
「で、キスはされたの?」
そう切り込んでくる。
「キス?どうだったかな・・・・・・あー、されたかも。唇をなめ回されたけど、口は開けなかった、よ?」
「ふむふむ。キスはされたけど、舌は受け入れなかった、と。じゃあ、唇の消毒からね」
ふわり、と彼女の唇が降りてくる。柔らかい唇。甘い彼女の匂いが鼻孔をくすぐった。
目を閉じ、彼女の唇の心地よさに力を抜くと、その隙をつくように、彼女の舌が口腔に忍び込んできた。
びっくりして目を開けると彼女もこっちを見ていて、微笑むように目を細めた。
その間も、彼女の舌は雷砂の口の中を優しく蹂躙する。歯をなぞり、口の中を柔らかくかき混ぜ、舌をからめ、刺激する。
2人の唾液が混ざり合い、淫らな水音をたてた。
「んぅ・・・・・・ぅんっ、ちゅぅっ・・・・・・っはぁ。だ、だから、舌は入れられて無いって」
「ちゅっ、んんっ・・・・・・ふふ。ごちそうさま」
唇をとがらせる雷砂に、セイラは妖艶な笑みで答える。
唾液に濡れた、雷砂の唇が艶っぽくて、セイラは己の下半身が熱を持つのを感じた。
「もう、セイラは、あ、んっ・・・・・・んんっ、そ、こ、くすぐったい、よ」
雷砂の、熱い吐息混じりの抗議を聞きながら、セイラは首筋を丁寧に舐め、他人が残したマークに唇を押し当てて強く吸う。
そうやって上書きしながら、セイラは丁寧に丁寧に、雷砂の白い素肌に舌を這わせていく。
鎖骨の辺りや、胸に散った無数のマークを余すことなく上書きしていく。
マークを残した外道は、雷砂の胸がお気に入りだったようだ。
こんな小さな子に欲情するなんて、まったく、変態なんだからーと自分の事は棚に上げ、心の中で罵りながら胸とその頂は特に念入りに消毒した。
途中、刺激に耐えきれずに体をふるわせた雷砂が座り込みそうになったので、その体をベッドに横たえてしつこいくらいに更に消毒した。
消毒の激しさに比例するように、どんどん熱を増す雷砂の可愛らしい声は、セイラの劣情をこれでもかというくらい刺激してくれたが、今にも下半身に伸びて自分を慰めようとする手は何とか押しとどめた。
これはあくまで消毒なのだ。そう、自分に言い聞かせて。
わき腹の傷口の血を舐め取ってみると、驚いたことに、そこにあった傷口はもうほとんど塞がっていた。
痛くないのか、と訪ねると、痛くないと、不思議そうな声が返ってきた。自分でもどうして治っているのかが分からないようだった。
消毒もほぼ終わり、潤んだ瞳でこちらを見上げる雷砂に触れるだけのキスをする。
やっと終わったかと、ほっとした顔をする雷砂に悪戯心を刺激され、
「ズボンは脱がされて無いみたいだし、雷砂のココが無事で安心したわ」
悪戯っぽく告げ、雷砂の大事なところをそっと、だがそれなりの刺激を与えるように考慮しながらなで上げた。
雷砂の背筋がピンと反り返る。
「っんんん・・・・・・」
押し殺したような声を上げ、雷砂がきつく目を閉じた。体を震わせて、荒い息をつく。
セイラは愛しそうに雷砂を見つめ、乱れた金色の髪を梳いて整えてあげた。
だが、感じやすくなっている体はそれすらも快い刺激となるようで、雷砂は無意識のうちに、小さくあえぎ声をあげてしまうのだった。
しつこいくらいの消毒が終わり、何とか着替え終わった雷砂は、赤みが抜けきらない頬で、恨みがましくセイラを見つめた。
セイラは大人の余裕で雷砂の眼差しを受け止めてにっこり笑う。
「じゃあ、気をつけてね、雷砂。帰ってきたら、一緒にお風呂に入りましょうね?」
悪びれずにそう言うと、雷砂は少しあきれたような顔をした後、仕方ないなぁと言うように破顔した。
「うん。行ってきます、セイラ」
背伸びをして、彼女の頬にキスをして、離れようとしたら逆にセイラに捕まって唇を奪われた。
「・・・・・・行ってらっしゃい、雷砂」
見ているだけで幸せになるような彼女の微笑みに見送られて、雷砂はキアルの家へ向かうのだった。
それに巻き込まれないように遠巻きに、女の子達やリインが見ていたが、何かを感じたのか、不意にリインがこっちを見た。
「雷砂」
鈴のような声が、雷砂の名前を呼ぶ。
その瞬間、男達に噛みついていたセイラがこちらを振り向いた。
疲れ切って、青ざめた顔。
いきなり雷砂と引き離され、仲間の元へ戻ったら戻ったで、座長が龍だったとかなんとかと訳の分からない話を聞かされ、雷砂の無事も分からずに不安で仕方なかったのだ。
今にも泣きだしそうな、雷砂の無事な様子を見てほっとしたような顔をして、セイラは雷砂を見つめている。
雷砂は歩く足を早め、セイラの前に立ち、彼女を見上げた。
セイラの手が伸びて、雷砂の存在を確かめるようにその頬に触れた。
彼女の手の上に雷砂も手を重ね、
「セイラ、心配かけてごめん。もう、大丈夫だよ。今度こそ、終わったから」
そう言って微笑んだ。
「も・・・・・・ほ、ほんとに、心配、したんだからね」
彼女の瞳から涙がこぼれるのを見て、雷砂は精一杯背伸びしてその涙に唇を寄せた。
「うん。ごめん」
すがりつくように彼女の腕が雷砂を抱き寄せ、雷砂も彼女の体に腕を回す。
そして彼女をなだめるように、ぽんぽんと優しく背中をたたきながら、
「もう、ほんとにほんとに大丈夫だから」
そんな言葉を、セイラが落ち着くまで優しくささやき続けるのだった。
「じゃあ、キアルは家に帰ったんだね?」
「ええ。ここに一緒に連れてこようとしたんだけど」
しばらくして、セイラが落ち着いてからキアルのことを訪ねると、セイラは困ったようにそう言った。
一緒にいこうと言うセイラに、彼はどうしても家に戻りたいと、1人走り去ってしまったらしい。
追いかける途中で彼を見失い、仕方なく仲間の泊まる宿へ戻ってきたのだそうだ。
「ごめんね、雷砂。彼のこと、任されたのに」
「セイラは土地勘がないし、仕方ないよ。気にしなくて平気だからね?
キアルの事は、これから行って様子を見てくるから」
言うなり出かけようとする雷砂の手をセイラが掴む。
「出かけるのは良いけど、その前に服、着替えない?」
そう言われて、雷砂は自分の格好に思い至り、苦笑いを浮かべた。
服をぼろぼろにされ、一応イルサーダにもらった布で覆っているものの、あまり人前にさらしていい姿では無いだろう。
「確か、何枚か着替えを置いてあるでしょ?私の部屋に」
「うん」
「キアルの事は確かに気になるけど、着替える時間くらいは大丈夫よ、きっと」
「わかった。そうする」
じゃあ、着替えてくるよーそう言って宿に向かう雷砂の後を、セイラも追う。雷砂は、後ろからついてくる彼女をちらりと見て、
「ん?セイラも来るの?」
そう問いかけると、彼女は嬉々とした表情で、
「ええ。もちろん」
そう答えるのだった。
セイラの部屋に入り、自分の着替えを入れたタンスを探っていると、後ろから手が伸びてきて体に巻き付けていた布をするりとはぎ取られた。
すると、ぼろぼろに引きちぎられたような服の残骸が現れて、それをみたセイラの瞳がすうっと細められる。
「雷砂?ちょっとこっち向いて立って」
ひんやりした声でそう言われ、雷砂は作業を一時中断してセイラの言うとおりにした。逆らうのは、何だか危険な気がしたから。
正面から見ると、雷砂の姿は更に悲惨だった。
服はぼろぼろで少女の幼い体を隠す用途を為してないし、白い肌の上には赤黒い小さな痣が転々と残されている。
セイラはその痣を指でなぞるようにしながら、雷砂の瞳をのぞき込む。
「これって、キスマークでしょ?」
怒りを押し殺した、感情の見えない声で問われ、雷砂はしばし考えてポンと手を打った。
そう言えば、あんまり気にしてなかったけど、なめ回されながら、色々なところを吸われたりもしたな、と。
あの時は正直、村がどうなってしまうかという方が気になって、あの男にされていた事はあまり気になってなかったのだ。
気にする余裕が無かったという方が正しいのかもしれないが。
まあ、舐めたり吸われたりする以外のことはされなかったのだから問題ないだろうと、雷砂はなんの悪気もなく、隠すこともなく、その痣が出来た経緯を語った。
それがセイラの逆鱗に触れることになるとも知らずに。
「そんな、事を。ひどい」
「や、オレは別に気にしてない。何してるのかを、気にしてる暇もなかったし。だから、大丈夫だよ、セイラ」
ショックを受けたようなセイラの反応に、雷砂は慌ててそう言い募る。だが、それではセイラの気持ちが収まらなかったらしい。
きっと涙目で雷砂を見据え、きっぱりと言った。
「雷砂、脱いで」
「へ?」
思わずそんな声が出る。
きょとんとしてセイラを見上げると、
「さ、早く脱いで。ちゃんと消毒しとかないとね」
彼女はそう言って、とっても良い笑顔で笑った。
「ぬ、脱いだけど」
抵抗しきれずに、結局脱ぐ羽目になってしまった。
どうせ着替えの為に脱ぐはずだったし、と自分に言い聞かせながら小さくため息。もちろん下は脱いでない。
セイラは、はい、良くできました、と微笑み、
「で、キスはされたの?」
そう切り込んでくる。
「キス?どうだったかな・・・・・・あー、されたかも。唇をなめ回されたけど、口は開けなかった、よ?」
「ふむふむ。キスはされたけど、舌は受け入れなかった、と。じゃあ、唇の消毒からね」
ふわり、と彼女の唇が降りてくる。柔らかい唇。甘い彼女の匂いが鼻孔をくすぐった。
目を閉じ、彼女の唇の心地よさに力を抜くと、その隙をつくように、彼女の舌が口腔に忍び込んできた。
びっくりして目を開けると彼女もこっちを見ていて、微笑むように目を細めた。
その間も、彼女の舌は雷砂の口の中を優しく蹂躙する。歯をなぞり、口の中を柔らかくかき混ぜ、舌をからめ、刺激する。
2人の唾液が混ざり合い、淫らな水音をたてた。
「んぅ・・・・・・ぅんっ、ちゅぅっ・・・・・・っはぁ。だ、だから、舌は入れられて無いって」
「ちゅっ、んんっ・・・・・・ふふ。ごちそうさま」
唇をとがらせる雷砂に、セイラは妖艶な笑みで答える。
唾液に濡れた、雷砂の唇が艶っぽくて、セイラは己の下半身が熱を持つのを感じた。
「もう、セイラは、あ、んっ・・・・・・んんっ、そ、こ、くすぐったい、よ」
雷砂の、熱い吐息混じりの抗議を聞きながら、セイラは首筋を丁寧に舐め、他人が残したマークに唇を押し当てて強く吸う。
そうやって上書きしながら、セイラは丁寧に丁寧に、雷砂の白い素肌に舌を這わせていく。
鎖骨の辺りや、胸に散った無数のマークを余すことなく上書きしていく。
マークを残した外道は、雷砂の胸がお気に入りだったようだ。
こんな小さな子に欲情するなんて、まったく、変態なんだからーと自分の事は棚に上げ、心の中で罵りながら胸とその頂は特に念入りに消毒した。
途中、刺激に耐えきれずに体をふるわせた雷砂が座り込みそうになったので、その体をベッドに横たえてしつこいくらいに更に消毒した。
消毒の激しさに比例するように、どんどん熱を増す雷砂の可愛らしい声は、セイラの劣情をこれでもかというくらい刺激してくれたが、今にも下半身に伸びて自分を慰めようとする手は何とか押しとどめた。
これはあくまで消毒なのだ。そう、自分に言い聞かせて。
わき腹の傷口の血を舐め取ってみると、驚いたことに、そこにあった傷口はもうほとんど塞がっていた。
痛くないのか、と訪ねると、痛くないと、不思議そうな声が返ってきた。自分でもどうして治っているのかが分からないようだった。
消毒もほぼ終わり、潤んだ瞳でこちらを見上げる雷砂に触れるだけのキスをする。
やっと終わったかと、ほっとした顔をする雷砂に悪戯心を刺激され、
「ズボンは脱がされて無いみたいだし、雷砂のココが無事で安心したわ」
悪戯っぽく告げ、雷砂の大事なところをそっと、だがそれなりの刺激を与えるように考慮しながらなで上げた。
雷砂の背筋がピンと反り返る。
「っんんん・・・・・・」
押し殺したような声を上げ、雷砂がきつく目を閉じた。体を震わせて、荒い息をつく。
セイラは愛しそうに雷砂を見つめ、乱れた金色の髪を梳いて整えてあげた。
だが、感じやすくなっている体はそれすらも快い刺激となるようで、雷砂は無意識のうちに、小さくあえぎ声をあげてしまうのだった。
しつこいくらいの消毒が終わり、何とか着替え終わった雷砂は、赤みが抜けきらない頬で、恨みがましくセイラを見つめた。
セイラは大人の余裕で雷砂の眼差しを受け止めてにっこり笑う。
「じゃあ、気をつけてね、雷砂。帰ってきたら、一緒にお風呂に入りましょうね?」
悪びれずにそう言うと、雷砂は少しあきれたような顔をした後、仕方ないなぁと言うように破顔した。
「うん。行ってきます、セイラ」
背伸びをして、彼女の頬にキスをして、離れようとしたら逆にセイラに捕まって唇を奪われた。
「・・・・・・行ってらっしゃい、雷砂」
見ているだけで幸せになるような彼女の微笑みに見送られて、雷砂はキアルの家へ向かうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる