龍は暁に啼く

高嶺 蒼

文字の大きさ
228 / 248
第二部 旅のはじまり~星占いの少女編~

星占いの少女編 第十六話

しおりを挟む
 一連の騒動が落ち着いてから数日、雷砂は時間を惜しむように大切な人達と過ごした。
 楽しい時の流れは早く、あっという間に過ぎ去って。
 やがて、旅立ちの時がくる。


 「じゃあ、行ってくる」


 今日からしばし、離れて過ごす面々を見回して、雷砂は短い言葉で旅立ちを告げる。
 そして、一人一人と言葉を交わすために、それぞれの前へ立った。

 まず最初はミカのところ。
 ミカは泣くのを我慢する子供のような顔で雷砂を迎えた。
 そんなミカの顔を見上げて、雷砂は思わず苦笑してしまう。


 「別に、これが永遠の別れって訳じゃないんだよ?オレだけ、ちょっと別の場所で修行するだけなんだから。また、すぐに会えるんだし、そんな顔しなくても」


 大げさだなぁと言うと、ミカはだってよぅ、と唇を尖らせる。


 「んなこと言ったって、しばらく会えないのは確かだろ?せっかく雷砂にくっついて来たのに、もう別々なんて……」


 寂しすぎるだろ、としょんぼりするミカを困ったように見上げ、


 「しょうがないなぁ、ミカは」


 微笑んだ雷砂は、ちょっとしゃがんで、とミカに告げる。


 「ん?こうか??」


 素直にしゃがみ込んで、手が届くようになったミカの頭をよしよしと撫で、


 「あっという間だよ。別々の間なんて。オレだってみんなに会えないのは寂しい。オレも頑張って早く帰ってくる。だから、それまでの間、オレの帰ってくる場所を、守っていてほしい。もちろん、ミカ自身も含めてね?」


 そんなお願いの言葉を唇に乗せる。
 ミカは、視線の高さが近くなった分、より間近になった雷砂の顔に見惚れつつ、


 「う……お、おう」


 照れたように頬を染め、短く肯定の言葉を返した。


 「ミカの買ってくれた剣、大事に使うよ」

 「うん……体に、気ぃつけろよ?雷砂が怪我をしたら、オレもみんなも、悲しいんだからな?」

 「ん。ありがとう……」


 寂しさをこらえ、相手を気遣うその言葉に、雷砂は微笑みを深め、ミカの頬を優しく撫でた。
 そして、


 「大好きだよ、ミカ。みんなのこと、お願い」


 そんな言葉と共に、彼女の頬に唇をそっと押し当てた。
 ミカは一瞬きょとんとした顔をし、自分のほっぺたを自分の手で押さえた後、一気にその顔を赤くした。
 そのまま、ぺたんと地面にお尻を落として座り込んでしまったミカの頭をもう一度撫でてから、雷砂はクゥの前へ立つ。
 クゥは茫洋とした赤い瞳で雷砂を見上げ、


 「雷砂。クゥも撫でて?」


 そんなおねだり。
 断る理由もないので手を伸ばしてサラサラの白い髪に手を滑らせると、それに割り込むように、


 「マスタ。ロウも……」


 忠実な僕であり大切な友人でもあるロウが、狼耳をぴくぴくさせながら頭を差し出してくる。
 雷砂は思わず微笑んで、もう片方の手でロウの頭も撫でてやる。
 そして、うっとり満足そうに目を細めている二人に、そっとお願いの言葉を告げた。


 「ロウ、クゥ。オレがいない間、セイラやリインやミカや……この一座の人達をオレの代わりに守って欲しい。出来るよな?」


 その言葉に、ロウが苦虫を噛み潰したような顔をした。


 「うう~~。ロウはマスタについて行きたい。でも、マスタのお願いも聞いてあげたい……マスタ、危なくなったら絶対にロウを呼ぶって約束する?」

 「ああ。ロウも、みんなに何かあったらオレに教えてくれるか?きちんと出来たら、ご褒美もちゃんとやるから」

 「ご、ご褒美……なにを、くれるの?マスタ??」

 「ロウが欲しいものでいいよ。次に会うときまでに、欲しいものを一つ何か、考えておいて」

 「欲しいものを一つに絞るのはかなりの難問。でも、分かった。考えておく。マスタの代わりにみんなも守る」

 「……ありがとな、ロウ。頼りにしてる」

 「マスタに頼られた……なんだか、幸せ。わかった。ロウに任せて。ロウは頑張る」


 うっとりした顔をのロウの頭をもう一度しっかり撫でてから、今度はクゥの方へ顔を向けた。


 「クゥはどう?オレのお願い、聞いてくれる?」

 「クゥは雷砂と一緒に行きたいよ。ダメ?」

 「うん。今度は一人だけで行かなきゃならないんだ。ごめんな?」

 「ん……寂しいけど、クゥ、我慢するね」

 「いい子だ。クゥがみんなと一緒に居てくれれば、絶対にまた会える。今のオレが帰る場所は、ここだから」

 「うん、分かった……お利口にしてたら、クゥにもご褒美、くれる?」

 「いいよ。クゥも、なにが欲しいか、考えておいて?」

 「うん!」


 嬉しそうに笑ったクゥの頭を撫でると、クゥは名残惜しそうに雷砂に抱きついてきた。


 「でも、覚えておいて、雷砂。クゥはもう雷砂のもの。雷砂がこの世界から居なくなっちゃったら、きっと狂って魔物の本性に戻っちゃう。クゥが狂ったら、一緒にいるセイラ達も危険だからね?そうならないように、雷砂は自分をしっかり守らないとダメだよ?雷砂に何かがあったら、クゥにはきちんと分かるから」

 「そんなの、ロウにだって分かる!」


 クゥに対抗するように、ロウが反対側から抱きついてきて、雷砂は見事なまでにサンドイッチ状態になる。
 不幸中の幸いなのは、相手がクゥとロウであったという事だろう。
 二人には身長差があるし、両方から抱きつかれても微笑ましいだけだが、これがもしミカとセイラに挟まれたのなら話は変わってくる。
 そうなっていたら、雷砂はミカの圧倒的なまでの胸の質量に窒息寸前に追いやられたかもしれない、そんなことを考えつつ雷砂は微笑んだ。
 そして、抱きついたまま、お互いの有能差を延々と言い合うある意味仲の良い二人をなだめて引きはがし、それぞれをきちんと抱きしめてから、今度はリインの前に立った。


 「雷砂。私は恋人としてハグとキスを要求する」


 そんないきなりの要求に、雷砂は目を丸くして、それから堪えきれないように笑い声をあげた。
 それから、大人しくその要求に従ってあげる。
 断る理由もないし、断るつもりも無かったから。
 リインに抱きつき、キスをねだるように身を屈めてきた彼女の頬を両手で包み込んで唇を奪った。丁寧に、優しく。
 そして、間近に見えるリインの瞳を悪戯っぽくのぞき込んで、


 「満足した?」


 そんな問い。
 リインは、とろんとした瞳を満足そうに細め、


 「ん。満足。あ、でも頭も撫でて欲しい」


 可愛らしいおねだりと共に、頭を差し出してきた。
 雷砂は求められるままに頭を撫で、リインの顔の至る所にキスを落とし、別れを惜しんだ。


 「ん……これで、離れている間の雷砂分は補充出来た。でも、長くは持たないから、出来るだけ、早く帰ってきて?」

 「うん。努力する。オレも、リインに早く会いたいから、頑張るよ」

 「でも、無理はダメ。困ったら相談。ね?」

 「そうする。ありがと、リイン。大好きだよ」

 「私も、大好き」


 想いを伝えあって、もう一度キスをして。
 唇を離した後、リインは姉を振り返った。もういいよ、と伝えるように。
 頷いたセイラが前に進み出る。
 そして、手に持っていた腕輪を、腕輪型の冒険者証がはまっているのとは反対の腕にはめてくれた。


 「腕輪??」


 はめてくれた腕輪をまじまじと見つめながら呟く。
 綺麗な細工の腕輪だった。
 地の部分は金と銀が絡み合うように構成されていて、細かな細工の所々に菫色の石と青い色の石がはめ込まれていた。
 その色合いは、目の前の双子の姉妹を連想させた。雷砂は二人の顔を見上げる。


 「これ、二人のイメージで作ったの?」

 「そう。特別に注文して作ってもらったの。雷砂のイメージも入っているのよ?雷砂の色も、金と青、でしょう?ただ、雷砂の瞳はもっと深い青だから……」


 言いながら、セイラの指が腕輪の一点を示す。


 「ここに一つだけ、他よりちょっと大きい石を入れてもらったの。雷砂の瞳に一番近いイメージの石を」


 雷砂は促されるままにその一点に目を落とし、


 「へえ。すごいなぁ。キレイ。ありがとう、大切にする」


 にっこり微笑んで言うと、セイラの横からリインが身を乗り出してきた。


 「雷砂。これは綺麗なだけの腕輪じゃない。ちょっと、魔力を流してみて?」

 「魔力??えーっと、こうかな……」


 言われるままに、微量の魔力を腕輪に流してみる。
 すると、雷砂の瞳の色の石が淡く光り、そこから小さなセイラとリインが飛び出した。
 魔法で作った映像か何かなのだろうか。小さな二人の体は透けている。
 その二人が次に行ったこと。それは歌と舞い。リインが歌ってセイラが踊る。
 雷砂は見入られたようにそれをじっと見つめていた。
 だが、やがて曲が終わり、二人の姿も消えて、石が沈黙すると、雷砂は再び二人の顔を見上げた。


 「すごいな、これ。魔法?」

 「広い意味で言えばそうね。魔法回路を組み込んで、私とリインの歌と舞いを好きな時に見ることが出来るように加工してもらったの。ちょうどこの街に、そう言うのを得意にしてる店があったから……」

 「パターンは五つ。寂しくなったときに見て?」

 「ありがとう。大切にする」


 セイラとリインの言葉に頷いて、感謝の気持ちを込めてリインを抱きしめ、セイラを抱きしめた。
 それから改めてセイラを見上げる。

 言葉が無くとも、セイラが求めていることを察した雷砂は、セイラの首に手を回してキスをする。
 深く、深く。熱くて、情熱的なキスを。セイラへの、今この場では語りきれない想いを込めて。
 お互いの体の隙間が出来ないくらいにしっかりと抱きしめあってキスをして、息を切らして唇を離し、間近で顔を見合わせたまま笑いあう。
 それから、もう一度キスをした。
 さっきよりは穏やかに。でも、いっぱいの愛情を込めて。


 「大好きだよ、セイラ」


 吐息のようにささやけば、


 「愛してるわ、雷砂」


 そんなささやきが返ってくる。
 雷砂は?と目で問われ、雷砂は幼い頬をほんのりと赤く染め、上目遣いでセイラを見つめた。
 唇をちろりと舐め、心を落ち着けるように小さな息を吐き出してから、改めてセイラの瞳をまっすぐに見上げる。


 「……オレも、愛してる。セイラ」


 そうささやいて、三度のキスをした。


 「待ってて、くれる?」


 不安そうに揺れる瞳が愛おしくて、セイラは雷砂の体を抱きしめる。
 今はまだ腕の中にすっぽりと収まるこの体が、次に会うときにはどれだけ成長しているのかが楽しみだった。
 寂しいけれど、耐えられる。再びの約束さえあれば。


 「待ってるわ。雷砂が待っていて欲しいと願う限り、いつまでも」


 両手で雷砂の頬を包み込み、想いを込めて伝える。
 雷砂は己の頬を包み込んでくれるセイラの手をその上から包み、彼女を見つめた。


 「待ってて。オレは絶対、セイラのところへ帰ってくるから」


 頷くセイラに微笑みかけ、雷砂はセイラから離れる。
 そしてもう一度みんなを見回し、最後に再びセイラを見つめてから、くるりと背を向けて走り出した。
 その背中はどんどん小さくなって、やがて見えなくなり。
 それでも誰一人、動き出すものは居なかった。
 だがしばらくして、あきれた声のイルサーダに促され、一人、また一人と馬車の中へのりこんで。
 一座もまた、雷砂が向かった道とは別の道へと進み始める。

 色々な事がありつつも楽しく幸せだった始まりの旅が終わりを告げ、また新たな旅路が始まる、そんな思いを胸に、雷砂はひたすら走る。
 たった今、別れてきたばかりの人達をもう一度だけでも見たい、そんな思いをかみ殺しながら。
 目指すは人が滅多に踏み入らぬ神秘の大森林を越えた先に連なる大山脈の龍の峰。
 雷砂は遙か彼方にかすむようにその先端を覗かせる目的の場所を睨みつけ、残した想いを振り切るように足を速めた。
 少しでも早く、己の能力を開花させんが為に。



 そんな雷砂を見つめている目がある。
 その赤い赤い瞳は、愛おしそうに、物欲しそうに雷砂を見つめる。


 「大森林に龍の峰、か。あの辺りはちょっとちょっかいをかけにくいんだよなぁ。出来れば、こうなる前に雷砂を落としたかったけど、仕方がない。所詮、分体なんかでどうこうできるタマじゃ無かったってことだ。でも、これからどうしようか……」


 男は、使い魔を通じて入ってくる映像を見つめながら、うーんとうなって腕を組んだ。
 大森林も龍の峰も、人より遙かに高い能力を持った種族が住まう地。
 下手に手を出したら、藪をつついて蛇が出ると入った状況を作りかねない。
 まだ、体調が万全でない今、そんな危険をおかすのは出来れば避けたいところだった。
 しかし、手をこまねいて見るだけというのも面白くない。


 「龍の峰はあり得ないとしても、大森林なら、少しはちょっかいをかけられるかな……」


 そんなことを思いつつ策を練る。
 龍の峰と違い、大森林は多種多様な種族や生き物が住まう地。そこに付け入る隙があるかもしれない、そんなことを思いつつも。
 とにもかくにも、雷砂が大森林に至るまではまだしばらくの猶予はある。
 その間に、何か良い考えが浮かんだら試してみようと、そんなのんきなことを考えつつ、男は雷砂をじぃっと見つめるのだった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...