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第二部 旅のはじまり~小さな娼婦編~
小さな娼婦編 第十七話
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薄暗い坑道を、数人の男が団子のようになって歩いていた。
鉱夫ではない。
その男達は、昨日雷砂に懲らしめられたならず者達だった。
彼らは初めて足を踏み入れる坑道に迷いながらもある場所を目指して歩き続けていた。
儲けをすべて雷砂に取り上げられた穴埋めを、この件の依頼人に払わせる為に。
リーダー格の男は、ゆらぐ松明の火の元で手元の地図をのぞき込む。
さんざん迷いはしたが、どうやら目的の場所にやっとたどり着いた様だった。
そこは少し開けた空間で、明かり一つ無いその場所は妙に静まりかえっていた。
「な、なぁ、兄貴。本当にここなのかよ?」
「地図が間違ってなけりゃな」
弟分のおびえた声に答えながら、周囲を見回す。
その見事なまでに人の気配を感じない待ち合わせ場所に、男は眉根を寄せ、もう一度地図に目を落とした。
だが何度見てみても、図面が示す場所はここだと再確認出来ただけだった。
もう少しここで粘るべきか、それともあきらめて引き返すべきか。
男は迷い、周囲を見回す。
それから、弟分達の顔を見回したとき、その顔が1つ足りないことに気がついた。
「おい。ベスターの野郎はどうした?」
兄貴分に問われ、男達は互いの顔を見合わせた。
確かに1人、メンツが足りない。
さっきまでは居たはずだと騒ぐ弟分達を放って、男は再び周囲を見回した。
何となく、いやな予感がした。
今回は諦めよう、男はそう考え、後戻りしようとした。
だが、その決断は遅すぎた。
てめぇら、戻るぞーそう声をかけようとして振り向いた男はぽかんと口を開いたまま固まった。
彼の背後に居たはずの弟分達の姿が消えていた。
まるで最初からそこに居なかったように。
「お、おい。ジョン、ダズ……どこに行きやがった?怒らねぇからさっさと出てこいよ。キーム、居るんだろう?」
男は狂ったように周囲を見回した。
だが、男の呼びかけに答えるものはなく、暗い空間に人影は無い。
顔をひきつらせ、少しずつ後ずさる。
何か得体の知れないモノがいるこの場所から、早く逃げなければならないと思うものの、急に1人取り残された恐怖から、思うように足が動かなかった。
手下を連れ、偉そうにしてはいたものの、所詮彼が相手にしてきたのは自分より弱い獲物ばかり。
人外の存在は専門外なのだ。
欲を出してこんな所に来るんじゃなかったー男は心からそう思った。
次の瞬間、男は自分の体に何かが巻き付き、すごい勢いで引き寄せられるのを感じた。
その視界に、薄暗い中立ち尽くす、見覚えのある足が見えた。
そしてぼんやりと思う。
あいつは何で、腰から下しかねぇんだろうなぁ、と。
その足がぐらりと揺れ、地面に吸い込まれるように倒れる様子を見ながら、男はああ、と思った。
(なぁんだ。ありゃ、俺の足じゃねぇか)
そしてそれが男の最後の思考になる。
彼の意識はゆっくりと闇に落ち、二度と再び浮かび上がることはなかった。
複数の男を補食してなお、その異形の食欲は落ちなかった。
もっと、もっとと体が叫ぶ。
その思いに急かされるように、打ち出した糸で最後の獲物を絡め取ったが、引き寄せる勢いが強すぎたのか、獲物は2つに割れてしまった。
こぼれてしまった血や中身を眺め、ああ、もったいないと思う。
食べ物は無駄にしてはいけないのに、と。
複数の人間を補食したせいで人間らしい思考が混じった異形は、もったいないという言葉の意味さえ曖昧なまま、最後の獲物を残さず補食した。
こぼれてしまったモノや、取り残された下半身も余すことなく。
すべて食べ尽くした後、異形は自分の頭の中に、自分のモノではない記憶があることに気がついた。
それは、異形が食べた人間の持っていた記憶だった。
その記憶を、何で手に入れられたかは分からない。
少なくとも、今まで鉱山の中の生き物を補食した時には起きなかった事だ。
異形は、その記憶に興味を持った。
その興味のままに、記憶を開いていく。
様々な記憶があった。
親の記憶、仲間の記憶、悪事の記憶、欲望の記憶、愛の記憶……そしてそれらに埋もれるようにして、彼らが見た雷砂についての記憶があった。
初めて見たのに、なぜかそれが雷砂だと分かった。
黄金《きん》の髪に色違いの瞳。神々しいくらいに美しい生き物。
自分とはまるで違う、異形は思った。自分も、雷砂の様になりたいと。
そしてその思いのまま、異形は行動を開始する。
まずは男達の記憶の検索から。
彼らが今までに見て、美しいと感じた人の容姿を集めて脳裏に並べ、それを平均化する。
脳裏に出来上がった姿は大人の女のものだったが、異形は少し考えてその年齢を雷砂と同じくらいに調整した。
ただ1カ所、女の象徴とも言うべき部分のボリュームは残したままに。
どの男もその部分への執着は強く、雷砂もきっとそうであろうとの予測の元に。
そうして理想の容姿を脳裏に作り上げた異形は、次の段階へと作業を進めた。
しゅるしゅると真っ白な糸を吐き出して、己の体をその糸で包み込んでいく。
しばらくすると、そこにはそれなりの大きさの繭の様なものが残された。
それから、どれくらい時間がたっただろうか。
繭の一部に亀裂が入り、そこからゆっくり裂けていく。
その裂け目から現れたのは一人の少女。
色彩は、彼女の父親と近い色だ。さらりと長い紫紺の髪に、紅の瞳。
なめらかな素肌は透けるような白で、その頬だけがほんのりと上気して色づいている。
年の頃は10歳前後だろうか。だが、幼げな容姿に不似合いなほどに、その胸元は大きく張り出していた。
少女はぺたぺたと不慣れな様子で歩き、水場へと向かう。
普段から飲み水に使っている透明な水に己の姿を映し、少女は妖しく微笑む。
少し勝ち気そうに見える切れ長の瞳をうっとりと細め、男を誘うぷっくりとした唇に笑みの形を刻んで。
「雷砂」
少女は愛しい遊び相手の名を呼ぶ。
以前とは段違いな、なめらかな発音で。
「これでいつでも、会いに行ける」
可愛らしい声でそう呟き、少女は再び笑う。
だが、今の自分の状況を再確認し、少女は形の良い眉を少し潜めた。
己の肉体を理想の形に作り替えるために、蓄えていた魔力をかなり消費してしまったのだ。
「もっと、魔力を食べないと」
ぽつりと呟き、少女は裸のまま歩き出した。
暗い坑道へ向かって。少しでも早く雷砂に会えるように、魔力の高い獲物を補食するために。
下半身のみを最適化した戦闘形態に変えて少女は疾走する。
彼女が鉱山内の獲物を喰い尽くすまで、さほど時間はかからなかった。
鉱夫ではない。
その男達は、昨日雷砂に懲らしめられたならず者達だった。
彼らは初めて足を踏み入れる坑道に迷いながらもある場所を目指して歩き続けていた。
儲けをすべて雷砂に取り上げられた穴埋めを、この件の依頼人に払わせる為に。
リーダー格の男は、ゆらぐ松明の火の元で手元の地図をのぞき込む。
さんざん迷いはしたが、どうやら目的の場所にやっとたどり着いた様だった。
そこは少し開けた空間で、明かり一つ無いその場所は妙に静まりかえっていた。
「な、なぁ、兄貴。本当にここなのかよ?」
「地図が間違ってなけりゃな」
弟分のおびえた声に答えながら、周囲を見回す。
その見事なまでに人の気配を感じない待ち合わせ場所に、男は眉根を寄せ、もう一度地図に目を落とした。
だが何度見てみても、図面が示す場所はここだと再確認出来ただけだった。
もう少しここで粘るべきか、それともあきらめて引き返すべきか。
男は迷い、周囲を見回す。
それから、弟分達の顔を見回したとき、その顔が1つ足りないことに気がついた。
「おい。ベスターの野郎はどうした?」
兄貴分に問われ、男達は互いの顔を見合わせた。
確かに1人、メンツが足りない。
さっきまでは居たはずだと騒ぐ弟分達を放って、男は再び周囲を見回した。
何となく、いやな予感がした。
今回は諦めよう、男はそう考え、後戻りしようとした。
だが、その決断は遅すぎた。
てめぇら、戻るぞーそう声をかけようとして振り向いた男はぽかんと口を開いたまま固まった。
彼の背後に居たはずの弟分達の姿が消えていた。
まるで最初からそこに居なかったように。
「お、おい。ジョン、ダズ……どこに行きやがった?怒らねぇからさっさと出てこいよ。キーム、居るんだろう?」
男は狂ったように周囲を見回した。
だが、男の呼びかけに答えるものはなく、暗い空間に人影は無い。
顔をひきつらせ、少しずつ後ずさる。
何か得体の知れないモノがいるこの場所から、早く逃げなければならないと思うものの、急に1人取り残された恐怖から、思うように足が動かなかった。
手下を連れ、偉そうにしてはいたものの、所詮彼が相手にしてきたのは自分より弱い獲物ばかり。
人外の存在は専門外なのだ。
欲を出してこんな所に来るんじゃなかったー男は心からそう思った。
次の瞬間、男は自分の体に何かが巻き付き、すごい勢いで引き寄せられるのを感じた。
その視界に、薄暗い中立ち尽くす、見覚えのある足が見えた。
そしてぼんやりと思う。
あいつは何で、腰から下しかねぇんだろうなぁ、と。
その足がぐらりと揺れ、地面に吸い込まれるように倒れる様子を見ながら、男はああ、と思った。
(なぁんだ。ありゃ、俺の足じゃねぇか)
そしてそれが男の最後の思考になる。
彼の意識はゆっくりと闇に落ち、二度と再び浮かび上がることはなかった。
複数の男を補食してなお、その異形の食欲は落ちなかった。
もっと、もっとと体が叫ぶ。
その思いに急かされるように、打ち出した糸で最後の獲物を絡め取ったが、引き寄せる勢いが強すぎたのか、獲物は2つに割れてしまった。
こぼれてしまった血や中身を眺め、ああ、もったいないと思う。
食べ物は無駄にしてはいけないのに、と。
複数の人間を補食したせいで人間らしい思考が混じった異形は、もったいないという言葉の意味さえ曖昧なまま、最後の獲物を残さず補食した。
こぼれてしまったモノや、取り残された下半身も余すことなく。
すべて食べ尽くした後、異形は自分の頭の中に、自分のモノではない記憶があることに気がついた。
それは、異形が食べた人間の持っていた記憶だった。
その記憶を、何で手に入れられたかは分からない。
少なくとも、今まで鉱山の中の生き物を補食した時には起きなかった事だ。
異形は、その記憶に興味を持った。
その興味のままに、記憶を開いていく。
様々な記憶があった。
親の記憶、仲間の記憶、悪事の記憶、欲望の記憶、愛の記憶……そしてそれらに埋もれるようにして、彼らが見た雷砂についての記憶があった。
初めて見たのに、なぜかそれが雷砂だと分かった。
黄金《きん》の髪に色違いの瞳。神々しいくらいに美しい生き物。
自分とはまるで違う、異形は思った。自分も、雷砂の様になりたいと。
そしてその思いのまま、異形は行動を開始する。
まずは男達の記憶の検索から。
彼らが今までに見て、美しいと感じた人の容姿を集めて脳裏に並べ、それを平均化する。
脳裏に出来上がった姿は大人の女のものだったが、異形は少し考えてその年齢を雷砂と同じくらいに調整した。
ただ1カ所、女の象徴とも言うべき部分のボリュームは残したままに。
どの男もその部分への執着は強く、雷砂もきっとそうであろうとの予測の元に。
そうして理想の容姿を脳裏に作り上げた異形は、次の段階へと作業を進めた。
しゅるしゅると真っ白な糸を吐き出して、己の体をその糸で包み込んでいく。
しばらくすると、そこにはそれなりの大きさの繭の様なものが残された。
それから、どれくらい時間がたっただろうか。
繭の一部に亀裂が入り、そこからゆっくり裂けていく。
その裂け目から現れたのは一人の少女。
色彩は、彼女の父親と近い色だ。さらりと長い紫紺の髪に、紅の瞳。
なめらかな素肌は透けるような白で、その頬だけがほんのりと上気して色づいている。
年の頃は10歳前後だろうか。だが、幼げな容姿に不似合いなほどに、その胸元は大きく張り出していた。
少女はぺたぺたと不慣れな様子で歩き、水場へと向かう。
普段から飲み水に使っている透明な水に己の姿を映し、少女は妖しく微笑む。
少し勝ち気そうに見える切れ長の瞳をうっとりと細め、男を誘うぷっくりとした唇に笑みの形を刻んで。
「雷砂」
少女は愛しい遊び相手の名を呼ぶ。
以前とは段違いな、なめらかな発音で。
「これでいつでも、会いに行ける」
可愛らしい声でそう呟き、少女は再び笑う。
だが、今の自分の状況を再確認し、少女は形の良い眉を少し潜めた。
己の肉体を理想の形に作り替えるために、蓄えていた魔力をかなり消費してしまったのだ。
「もっと、魔力を食べないと」
ぽつりと呟き、少女は裸のまま歩き出した。
暗い坑道へ向かって。少しでも早く雷砂に会えるように、魔力の高い獲物を補食するために。
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