♀→♂への異世界転生~年上キラーの勝ち組人生、姉様はみんな僕の虜~

高嶺 蒼

文字の大きさ
91 / 545
第二部 少年期のはじまり

第九十一話 謎の女冒険者

しおりを挟む
 国境近くの街、スベランサ。
 そこの冒険者ギルドは今日も朝から荒れくれ男達でにぎわいを見せていた。
 そんな中、一人の女が冒険者ギルドの扉をくぐってその喧騒の中へと入っていく。

 褐色の肌に銀色の髪。切れ長の涼しげな瞳の色は蒼天の蒼。耳は笹の葉の様に先が尖っていた。
 肌の色と耳の形状からわかる様に、彼女の種族はダークエルフ。
 エルフ族のほっそりとした華奢な体型とは違い、細いながらも出るところはしっかりと出た体型は、周囲の男達の視線をまるで磁石のように引きつけた。

 だが、彼女に不埒な真似をするような男はここにはいない。
 特に、このスベランサをホームに冒険者稼業している男達の間では、彼女の存在は畏怖と崇拝の対象であった。
 彼女は時折、顔見知りの冒険者に手を振ったり、笑顔を振りまいたりしながらも、まっすぐにギルドの窓口へと向かう。
 そしてそこに、久しぶりにみる顔見知りのギルド職員の顔を見つけ、嬉しそうに微笑むと彼女の窓口へ歩み寄った。


 「ミーナ。久しぶり。もう育児休暇があけたの?子供を産んでも相変わらずの美人さんね」

 「ヴィオラ!あなたの方こそ、相変わらず恐ろしいくらいに綺麗ねぇ。ちょうど今日から復帰したのよ。復帰初日にあなたに会えるなんてさい先が良いわ」


 ミーナと呼ばれた女性も嬉しそうに笑って、目の前に立つダークエルフの女性ーヴィオラの顔を見上げた。


 「依頼達成の報告よね?かなりの大物だったんでしょう?」

 「まぁね。ほら、いつもレッサードラゴン達の巣になってるウィダニア山脈のドラゴンの峰があるじゃない?レッサードラゴンの素材目当てに山に入った冒険者が、ドラゴンを目撃したって騒いだ件で、事実確認と討伐に行って来たってわけ」

 「そう。お疲れさま。で、ドラゴンは居たの?」

 「ん~。居たと言えば居たし、居ないと言えば居なかったって感じかしら」

 「なに?謎かけ??」

 「多分、その冒険者がドラゴンに遭遇したのは確かだと思うのよ。レッサードラゴンとは違う痕跡や魔力残滓があったし。ただ、私が行ったときはもう移動した後だったのか、まるで見つからなかったのよねぇ。これって依頼的にはどうなると思う?」

 「討伐はしてないけど、事実確認は出来たんでしょう?何か、証拠になりそうなもの、持ってきた??あなたのことだから、そのへんは抜かりはないと思うけど」

 「うーん。一応……」


 ヴィオラは少々歯切れ悪く、空間魔法がかけられた魔法のバッグを取り出して窓口のカウンターの上に乗せた。
 だが、中々その中身を出そうとしない。
 ミーナはそんなヴィオラの様子に首を傾げ、


 「どうしたの?早く出してみせてよ」

 「ほんとに、出していい?」

 「なぁに、もったいぶって。出さなきゃそれが事実確認の証拠になるか判断出来ないじゃない。ほら、早く!」

 「うん。わかった……」


 ミーナに促され、ヴィオラは渋々己の魔法バッグに手を突っ込む。
 そして取り出した大きな皮袋をどーんとカウンターの上に置いた。


 「はい。ドラゴンのう○ち」

 「うわ!くっさぁぁっ!!!」


 周囲には何ともいえない臭気が漂い、ギルド内にいた不幸な人たちは、突然の悪臭テロに悶えた。
 特に、獣人や獣人の混血の面々の苦しみようはすさまじかった。


 「えーっと、中に未消化のレッサードラゴンとか、ワイバーンの牙とか鱗があったから、それより上位のドラゴンのう○ちで間違いないとは思うんだけど……」

 
 確かめる?と可愛らしく小首を傾げて皮袋……否、悪臭袋を押しつけてこようとする美しき冒険者に殺意を覚えそうになりつつも、


 「それヤバい!それ、ヤバいから!!早く!一刻も早くしまって!!!」

 「え~、でも、せっかく出したのに……」

 「いいからとっととしまえっ!!!」


 有無をいわせずに怒鳴りつけ、悪臭の源を元通り魔法バッグの中にしまわせた。
 とたんに悪臭が薄まり、ほーっと息をつくミーナ。
 そんな彼女の様子に唇を尖らせて、


 「もうっ。ミーナが出せっていうから出したのに」


 ヴィオラがそう文句を言えば、ミーナはじとっと彼女を睨み、


 「冒険者規約に納品の際の注意事項、書いてあるでしょう?損傷が著しいものや、匂いの強いものは、直接地下の納品所へ持ってきて申告するようにって」


 そんな豆知識を披露。


 「あれ?そんなの、あったっけ??」

 「あったの!!もう、何年冒険者やってるのよ~!!」


 初耳とばかりに首を傾げるヴィオラに、あきれたような口調でミーナが返す。


 「そうねぇ。かれこれ数十年ほど……。新人の頃に読んだかもしれないけど、すっかり記憶の彼方だわ。ごめんね?」

 「もう~、仕方ないわねぇ。次からは気をつけてよね?魔法バッグの中のそれで依頼の達成証明にはなると思うから、下で確認して貰った後、もう一回こっちにきてちょーだい」

 「はぁい。んじゃ、ちょっくら行ってくるわね」


 そう言って、窓口から離れようとするヴィオラの姿を見送っていたミーナは、あることを思い出してあっと口を開く。


 「ヴィオラ、そう言えばあなた宛に手紙が届いてたわよ??」

 「手紙ぃ~?誰から??」

 「えっと、差出人はミフィルカ・ルバーノさんってなってるけど……」

 「ミフィーから手紙?ここ何年も音沙汰が無かったのに珍しい。確か、人間の亭主を捕まえて田舎に引っ込んでたはずだけど……。引越しでもしたのかしら。手紙、頂戴?読んでみるわ」


 窓口の前まで戻ったヴィオラは、ミーナから手紙を受け取ると早速中身を取り出した。


 「はい、どうぞ。ごゆっくり。ミフィルカさんとはどういうご関係?お友達???」

 「んーん。娘」

 「ふぅん。娘さんかぁ……って娘ぇ!?ヴィオラ、子供なんていたの!?いつの間に産んだのよ!?」


 なにげに問いかけた質問への答えの余りの衝撃にミーナが目をむくと、


 「うーんと、かれこれ数十年前にね。まあ、私にも色々あったって訳よ」


 ヴィオラはそう言って、苦笑混じりに微笑んだ。


 「な、なるほど~……で、娘さんからなんて?」

 「ん~、なんか亭主を亡くして引っ越ししたって」

 「ご主人を亡くして引っ越し……大変じゃない!?娘さんも苦労してるわね……。引っ越し先は??」

 「アズベルグ。たしかそこそこおっきい街よね?地方都市にしては」

 「アズベルグかぁ。あそこなら、ここからそう遠くないんじゃない?」

 「そうね~。行って行けない距離じゃあ無いわね。それにしても、ミフィーの奴、どうやって私の居場所を調べたのかしら??」

 「なによ、ヴィオラ。もしかして、居場所教えてなかったの?」

 「うん」

 「あら~、薄情ねぇ~」

 「といっても娘もいい年だし、ちゃんと独り立ちさせたし、十分面倒をみた方でしょ??産み捨てた訳じゃないんだから」


 ミーナの言葉に、ヴィオラは形のいい唇を尖らせて反論する。


 「まあ、そりゃそうかもしれないけど」


 と、ミーナが肩をすくめて答えれば、


 「分かってくれればいいのよ。分かってくれれば。あの子が小さい頃は私だってそれなりに、母親稼業をしてたんだからね。これでも。何十年も連絡を取り合ってなかったのに、何でここがわかったのかしらね~?まあ、別に場所を知られて困る訳じゃないからいいんだけど」


 ヴィオラも軽い調子でそう返した。


 「ま、あなたの居場所なんて、特に知らせて居なくてもちょっと調べればバレバレでしょうしね」

 「はい?」


 だが、次いでミーナの口からもたらされた情報に、ヴィオラは思わず読みかけの手紙から顔を上げて、彼女の顔を凝視した。


 「すぐに調べられると思うわよ?あなたの居場所」

 「えっと、どうしてって聞いてもいい??」

 「あなた、自分の知名度の高さをまるで認識してないでしょ?SSダブルエス級の疾風戦鬼のヴィオラと言えば、よっぽどぺーぺーの冒険者じゃない限り、誰でも知ってるわよ?あなたが今ホームにしてるギルドがここだってことも、冒険者ギルドに出向いて聞けばすぐに分かると思うし」

 「そ、そうなんだ?」

 「そうなのよ」


 思いも寄らなかった事実に、ヴィオラはびっくりした顔で固まり、ミーナは重々しく頷いた。


 「はー、びっくりした~。最近の冒険者ギルドって色々便利なのねぇ」


 しばらくして再起動を果たしたヴィオラはそんな事を言いながら手紙を読み進め、不意に首を傾げてその動きを止める。
 それを見ていたミーナが、


 「ん?どうしたの??」


 と問えば、ヴィオラはぎぎぎと軋んだような動きで彼女の方へと顔を向け、


 「私、いつのまにかおばあちゃんになってた」


 そう、答えた。


 「おばあちゃん!?」


 妙齢の美しい女性を表現するにはややそぐわないその言葉に、ミーナもまた、驚いたような声を上げる。


 「それって、その、孫が出来たってこと?」

 「うん。男の子。もう、五歳だって」

 「五歳って……うちの子より全然大きいじゃない」

 「うん。びっくりしたぁ」


 言いながら、ヴィオラは手紙を読み進める。
 その途中、彼女の長く美しい指先が、手紙の上をそっとなぞった。


 「シュリナスカ……シュリ、かぁ。ふぅん。中々いい名前じゃない?」


 シュリの名前を確かめるように口にして、彼女はその口元に優しげな笑みを浮かべた。


 「シュリ君、ねぇ。ヴィオラの孫なら、将来はいい男になりそうね~。ね、一度ここへ連れていらっしゃいよ?冒険者登録するなら、是非うちのギルドでよろしくね」


 ミーナはヴィオラの孫なら冒険者としても大成するはずとふんで、早速の営業トーク。


 「冒険者って……まだ五歳よ?流石に……でも、鍛えるなら、早い方がいいわよね?きっと」


 気の早いミーナに反射的に苦笑混じりの返事を返したものの、不意に思い浮かんだ考えに、ヴィオラは考え込む。
 そんな彼女の様子に、今度はミーナが苦笑を漏らし、


 「ちょっと、ヴィオラ。冗談よ。流石に五歳で冒険者は早すぎるでしょ?それより娘さんは、手紙でなんて?孫の顔を見に来いとでも書いてあった??」


 そんな風に話題の転換を図る。ヴィオラもそれにあえて乗って、


 「うん。五歳の誕生日会をするから、よかったら来ないか、だって」


 そう返した。


 「ふぅん。いいんじゃない?いってきたら??」

 「行くって言いたいところだけど、誕生会の日程には間に合いそうにないわ。この手紙、私が今回の依頼に出た直後くらいに届いてたみたいなのよね~」

 「そうかぁ。残念だったわねぇ」

 「うん。でも、まあ、せっかくの機会だし、アズベルグへ足をのばしてみようかしら。孫の顔でも見に。ここの所、ずーとここに引きこもってたし、たまには河岸を変えてみるのもいいかもね」

 「そうね。たまには気分を変えるのもいいかもしれないわよ?ただし、ちゃんとここに帰ってきなさいよ?」

 「はいはい。私にとってはここが一番落ち着く場所だから、ちゃーんと帰ってくるわよ。何かあったらギルドを通して連絡をちょうだい?」

 「わかったわ。ま、そうそうあなたに連絡をとらなきゃいけない事態なんて起きないとは思うけど」

 「ま、確かに。でも、一応ね。じゃあ、ミーナ。行ってくるわ」


 にっこり手を振り微笑んで、遠ざかるヴィオラの背中に、ミーナはあわてて声をかける。


 「ヴィオラ!ちゃんと下に寄ってアレ、確認してもらってね!!」

 「あ~、忘れてた!ドラゴンのう○こね!!う○こ!!ちょっと下に行って置いてくるわ~」


 そう言って、ヴィオラはギルドの地下へと階段を下っていった。
 ミーナは、う○こ、う○こと連発する残念な美女を見送り苦笑を浮かべる。

 ヴィオラ・シュナイダー。
 美の化身とも言えるような美しいダークエルフでSSダブルエスの冒険者、その二つ名は疾風戦鬼。
 王でさえも一目置くような有名な冒険者の正体は、見た目は美女で中身はちょっと残念、知り合いに聞けば10人中10人が変わり者だと答えるような、そんな人物なのであった。

しおりを挟む
感想 221

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない

仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。 トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。 しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。 先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。

処理中です...