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第1章 レコンキスタ
ダンジョン探索
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天井からコウモリがばささっと飛び降りてきて、俺の頬をかすめて飛んでいく。
直後、後ろで叫び声がした。
「ぎひぃッ?!」
「うぉぉい! コウモリ来るなら来るって言えよ! E級! 」
青筋を浮かべて、こちらに文句を言ってくる。
ロイとかいうB級冒険者はまだしも、取り巻きの奴らは目も当てられない。
まったく、コウモリくらいでビビるなよ。
驚いて剣を振った冒険者たちに驚いて、コウモリは逃げるように身を翻す。
そして、先人たちが壁に設置していったトーチの1つに激突して燃え上がり、やがてその命を終えた。
地下深くへと潜っていくタイプのダンジョンでは、こういう「モンスター」と呼ぶのもバカバカしいザコが無数にいる。
そんなのに対していちいち「コウモリ出ますよ」「足元にムカデいるから気を付けましょう」なんて、子供の引率じゃねえんだぞ俺は!
「うぃ、すいませーん」
「ったく……これだから。ねえロイさん!」
「……俺のメンバー采配に文句があるのか?」
「す、すんません」
どうやらこのパーティーは、ロイってやつの独裁みたいだ。
ま、ささっと行って、ぱっと帰って、金貨7枚もらって終わりにしよう。
こんな居心地が悪いパーティーにいつまでもいたら、俺までおかしくなる。
「アレン、最底辺の貴様にいいことを教えてやる」
うわっ。ようやく黙って仕事ができると思ったのに。
俺は、自分ができる精一杯の笑顔で振り返って「なんですか?」と聞いた。
「このバーデンの街には、巨大なダンジョンが存在し――」
「そっすね。まさにここ」
「……で、だ! ダンジョンの内部には、20を超える分岐がある。中でも、まだ誰も立ち入ったことのないルートが8つ……これは『死の八道』と呼ばれていて――」
「はいはい、本来俺みたいなE級はすぐに命を落とす、ってやつですよね」
呆れた口調で言った後に気付いた。マズった……ガマンできなかった……!
明らかに、ロイの機嫌が悪くなってしまった。
「アレン、貴様」
「えっと、はは……その、受付で何回も聞かされてるんで……つい」
「俺のような『上位』冒険者が教えを説いてやっているんだぞ!」
「あ! ちょっとここ怪しそうなんで、索敵しながらでいいすか?」
「……ちっ」
俺は前を向き、見えないように顔を歪めた。
何食って生きてたら、そんなひん曲がったプライドが形成されるんだよッ!
俺は口の中で絶叫して、左右に目配せをする。
大丈夫。ここには、トラップや危険な生物はいない。
「……まあいい、よく聞け『E級冒険者』。ダンジョンのうち、すでに内部構造が把握されている12ルートは、お前らみたいな『低級』冒険者向きだ」
「うーい……」
分かってる。
わざわざ言われなくても、俺の目的は金を稼ぐことだけだ。
ルグトニアが集めているという、『神の残滓』なんて、俺はこれっぽっちの興味もない。
いや、ゼロじゃないが、それよりも金貨だ。
金持ちになって、王都に帰って、腹いっぱい飯食って、みんなにも飯食わせて……。
そんで、神の残滓は、博物館でもなんでも、どっかに展示されてるのを見れればいい。
だから、わざわざ『死の八道』なんてヤバげな名前の付いたルートに行く必要なんてないんだ。
「聞いているのか?」
「聞いてますよ? ただ、ちょっと嫌な気配が……」
わざとキョロキョロして様子を伺ってやると、後ろで剣を構える音がした。
コイツら、ホントに上級冒険者なのかよ。気配どころか、物音ひとつしてないだろ。
「……低級冒険者の役割は、安全な12ルートの中で狩りつくされた害獣の余りをチビチビと討伐し、上級冒険者が『死の八道』へ潜っていきやすい環境を作ることだ」
これも、ほとんど受付嬢が毎回教えてくれる内容だ。
「そして12ルートの詳細な内部調査を行い、新ルートがないか探る。これがお前たちの本来の仕事だ」
頭が痛くなってくる。知っていることを「知らないフリ」で聞き流し、適当に相槌を打った。
「ですね」
「……アレン、俺はお前のためを思って」
「ありがとうございます!」
「おい!」
ごんッ、と岩壁を叩く音がした。遠くで、コウモリが飛び立つ羽音。
「ロイさん、刺激するとあいつらが出てきますよ」
「コウモリごとき、貴様が斬ればいいだろう。……ああ、すまなかった。貴様が持っているそれは『打撃専用』で『最低品質』の『こん棒』だったな」
間違ったことは言ってない。
俺が今手に持っているのは、剣ですらない、ただの棒切れだ。
「まあ、別に危害は無いですけど」
「俺らは襲われてるんだよ。お前からドブのようなニオイがするから、仲間だと思われているんだろ」
俺はため息をついた。
はぁ、本当、早くこの冒険終わんないかな。
「で、次は右ですか? 左ですか?」
「……右だ」
「はいっす。段差あるんで気を付けてくださいね」
俺が歩き出したのに少し遅れて、ロイたちも付いてくる音がした。
◇◇◇
ここまでのルートは、『E級』で『下等』な冒険者の俺ですら、何度か来たことのある道だった。
言ってしまえば、すべてのルートの中で1番ヌルいコースで、湧いてくる敵も大したことのないものばかり。
とりあえず全部殴って倒していくが、たまに取りこぼすと後ろのロイが舌打ちをしながら退治している。
「礼は?」
「……あざっす」
とまあ、だいたいこんな調子である。
確かにこの程度の敵を倒しきれない俺も問題だが……それより、今回俺は索敵役って聞いてたんだけど。
俺は立ち止まり、振り返った。
「ロイ……さん、ここって初心者向けルートですよね」
「ああ」
「こんなところを探索するだけで金貨60枚って、本当ですか」
ロイは怪訝な顔をして振り返る。
ほかの冒険者たちは、全員焦ったように首を横に振った。
「報酬は全体で『金貨20枚』だが?」
「あー……」
そっか。そういうことになっているんだった。
「すんません、勘違いしてたかもです」
「気にするな。それで?」
「……いや、このド初心者向けルートで金貨20枚って、どう考えてもおかしくないですか? 俺もここに何人かのE級と潜ったことがありますけど、報酬は銀貨10枚でしたよ」
金貨1枚は、銀貨20枚、銅銭500枚と等価。
つまり、今回の依頼は普段の40倍の価値がある探索、ということになる。
……まあ、本当は金貨60枚分の報酬だから、120倍の価値がある、ってことになるわけだが。
いくらB級冒険者がやっているからといって、それだけで探索の価値が跳ね上がるわけはない。
「……この穴へ」
ロイはそれに答えず、左を指さした。
そこには、幅1m、高さ2mくらいの小さな穴があった。
「……こんなところに、分岐なんてありましたっけ?」
「いいから入れ」
なんかイヤな予感がする。
俺は気の抜けた返事をして、その穴をくぐった。
これまでの洞窟は、先人たちが残したであろうトーチで煌々と道が照らされていたが、ここは真っ暗で、何も見えない。
「これを持て」
ロイが、俺に手持ちサイズのランタンを渡してきた。
「お前が先頭を行くんだ」
「……ははっ、トーチが置かれてないってことは、まだほとんど探索されてないんでしょ?」
「『ほとんど』じゃない。『まったく』だ」
ロイはニヤっと笑った。
「『金貨20枚』でB級の俺に依頼してくる仕事だぞ? 生ぬるい既存ルートの探索なわけがないだろう」
「……てことは、これ、新規ルート……」
「その通りだ」
ロイの後ろに付いている冒険者が、ザックからトーチを取り出して壁に設置する。そして最後尾の男が、そのトーチに1つずつ火を灯していく。
「ここは、数日前に発見された新ルートだ。当然、低級の奴らでは危険すぎるので、発見だけしてギルドに報告した。そのルートの探索依頼が、俺にやってきたわけだ」
勘弁してくれ。俺は、「楽に小銭を稼ぎたい」だけなんだ。
まさか新規ルートの探索とか……。
「言っただろう。貴様は鼻が利く。新規探索であればこそ、先頭を切ってこの冒険を成功に導いてほしい。……というか」
ロイの目は、あまりに信用ならない。
「こんな崇高な探索に参加させてやってるんだから、光栄に思え。取り分も『誰よりも多い』しな」
今からでも断って帰りたい。
だが無理だ。頼まれていたのは見られていたし、B級冒険者の依頼から逃げ帰ったとなれば、今後の稼ぎにも悪影響が出る。
「……不満か?」
「いやあ、ロイさんの華麗な経歴に『E級冒険者の案内でダンジョン攻略』が追加されちゃうかなと」
こんな分かりやすい煽りに乗って、少しだけでも先陣を切ってくれると助かる。
だが、ロイにじとっとした目で睨まれて、俺は目をそらした。
「先に行くのはお前だが……確かに経歴は問題だな。全部終わったら、お前を殺して口封じとしよう」
「ッ!?」
どれだけ内心バカにされていようが、口に出して罵倒されようが構わないが、こんなダンジョンの、しかも「まだ一般的なルートとして認知されていない場所」で殺されたら、証拠隠滅は簡単だ。
当然、俺が『B級冒険者』に勝てる見込みは万に一つもないだろう。できて逃げることくらいだが、それだってどうなるか……。
「ハハハ! 冗談に決まっているだろ!」
「クソ、勘弁してくれよ……」
俺はうっすらかいた脂汗を拭って、振り返った。
「まあ、冗談にするかどうかは、今後のお前の態度次第だな」
「……心掛けます」
◇◇◇
ランタンの弱い明りを手に、どんどん先へと進んでいく。
するとすぐに、二手の分かれ道が現れた。
「……どっち行きます?」
「どちらでもいいが、最終的な目標である『神の残滓』に近いほうがいい。最深部にたどり着けそうなほうを選んでくれ」
「んなメチャクチャな……」
右を見る。暗い。
左を見る。暗い。
もう一度右を見る。
どちらの道も大して変わらない。
だが……右からは、なんか嫌な予感がする。
「左、行きますか」
俺は左手を指さした。
「バカだなぁ、これだからE級は」
ロイの後ろに付き従っていた冒険者……なんか入り口で名乗っていたはずだったが、どうでも良すぎて忘れてしまった。
そいつがぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた。
「いいか? ダンジョンの構造を思い出せよ。隠しルートは左側に存在したんだぞ。ここで左に進んだら、入り口側に戻っちまうだろ。つまり、正解は右! こっちが――」
と勝手にトーチを持ち、右の分岐へと足を突っ込んでいった。
「危ない! そこには落とし穴が――」
「は? ッぉぉ~~!? ……ッあ……!」
ばごっ、と地面が抜け、一瞬で彼の姿が見えなくなった。
「ジャック!!」
あ、そうだ、アイツの名前、ジャックだった。じゃなくて!
「みんな動くな!」
俺はそーっと落とし穴の上へと近付いて、大声を上げた。
「ジャックーッ! 聞こえるかぁーッ!!」
遠くから、反響しながら返事がある。
「下は水だッ! 俺は大丈夫!!」
「そこはおそらくトラップ祭りだ! 下手に動くと死ぬぞ!」
もう一度、思い切り息を吸い込む。埃っぽい空気が肺に溜まる。
「水に浸かり続けていると寒くて衰弱する! とりあえず岸に上がって、そこでじっとしてろ! 壁にもたれかかるのもダメだ! 座って、じっとしとけ!」
下から返事はなかった。
……まあ、これで理解してもらえなきゃ、死んでも仕方ない。
クソ……面倒ごとを増やしやがって。
俺は振り返り、ロイを見上げた。
「ここに、とりあえず進入禁止のロープを張ってくれ」
「あ、う、うむ……」
ロイは、さらに後ろにいた男に目配せをして、ザックからロープと杭を取り出し、打ち込ませた。
「アレン……ジャックはどうなる?」
「さあね。俺たちの運が良ければ、見つけられるだろう」
「運が良ければって……アイツも俺たちの大切な仲間だろ!」
冒険者の一人が食ってかかってきたが、俺はため息を吐くしかなかった。
「先人切ってトラップ解除すんのが俺の仕事っすよね? それなのに勝手に動いた奴の事なんて知らねーよ!」
そう言うと、彼は奥歯を噛んで舌打ちした。
「ダンジョンはところどころ空間が歪んでる。常識だろ? そんなことも知らずに『前は左に行ったから、次は右!』とかやられたんじゃ、たまったもんじゃないですよ。それとも、みんなで仲良く助けに行って全滅します?」
これまでにないほど神妙な面持ちのロイが、俺に手を差し伸べている。
俺はその手を掴んで立ち上がり、分岐の手前へと戻った。
「さっきお前、ジャックに『下はトラップだらけ』って言ったよな?」
「……言いましたね」
「なぜそんなことが分かるんだ? どれだけの距離があるか分からないが、そんなところまで分かるのか?」
「分かるっていうか……」
俺は首を傾げた。
「1つは、ふつう落とし穴の下って、確実に仕留めるために針の山とかにするでしょ。なのに落下先は水だった。つまり、中のやつが餌なんですよ。助けに行った奴を殺すための」
目をつぶり、肩を落とす。
「もう1つは……まあ、これはマジでオカルトみたいなもんで、なんか、このダンジョンって来た事があるような気がするんですよね……そんで、そこの落とし穴の先のことも、なんか分かるっていうか……」
「だが、それが落とし穴ではなく、ただの脆弱な岩盤だったとしたら……?」
「ぐぎゃぁぁぁッッ……!!」
穴の中から、耳をふさぎたくなるような絶叫が聞こえる。
「ジャック! 大丈夫かジャック!!」
「……急ぎましょう。多分左側の先のどこかで、落ちた先に合流できると思いますよ。急いだほうが、ジャックさんの命も助かる可能性があるかも」
俺は目を伏せ、歩き出した。
……が、みな足を止め、落とし穴のほうをのぞき込んでいる。
「ロイさん、どうするんすか?」
「落とし穴にわざと落ちて、ジャックを助けるという選択肢は……」
「分かってて聞いてますよね」
俺は呆れて、彼の顔をじっと見た。
「……俺1人で先に進んでもモンスターと戦えないんで、皆さんが来てくれないなら流石に帰りますけど」
みな一様に殺気立っている。俺のあまりに物言いのせいだろう。
だが、俺にだって言い分はある。散々罵倒されて、勝手に動かれて、勝手に落とし穴に落ちて、勝手に絶体絶命になっている奴の事なんて、知ったこっちゃない。
◇◇◇
左のルートは、毒矢、火炎放射、巨大岩の落下トラップなど、古典的ながらなかなか強力な罠が満載だった。
「こんだけ厳重なら、何か奥にあるかもしれないですね」
俺はトラップの1つを解除しながら、ロイに向かってつぶやいた。
「おい危ない! 頭下げろ!」
「は?」
訳も分からず、言われるがままに頭を下げる。
すると直後、俺の頭の上を炎がかすめていった。
「またトラップ……!?」
「ドラゴン族だ! このッ……」
見ると、暗闇のはるか向こうから小型のヘビみたいな奴が炎を吐いている。
まったく気配を感じられなかった……!
だが、ロイは俺よりも早く気付いていたらしい。
「氷瀑<アイシングフォール>ッッ!!」
ドゴゴゴッ、と激しい音がして、炎が順々に凍っていく。
その氷がドラゴンにまで到達すると、一瞬で敵ごと凍り付かせた。
「散……!」
さらに凍った炎に斬撃を加えると、氷がひび割れ、砕けていき、やがてドラゴン本体までもを完全に粉砕した。
「……つえー……」
俺は後頭部の少し焼けた髪を撫でながら、涼しげな表情を浮かべているロイを見た。
ムカつくヤツだが、さすがはB級冒険者。魔法も剣撃も、どちらも一級品だ。
これでA級じゃないってんだから恐ろしい。
もしかして、冒険者のランク分けには「性格」って項目でもあるんじゃないのか?
俺は道の奥を見た。
このまま行けば、たぶん最深部にたどり着く、はず。
そこに何があるのかは知らないが、コイツらが行きたいというのだから、案内してやればいい。
「貴様を連れてきて正解だったな」
「どうも。報酬を弾んでくれてもいいんですよ。正当な額にね」
「……考えておこう」
ロイは俺をにらみつけた。
直後、後ろで叫び声がした。
「ぎひぃッ?!」
「うぉぉい! コウモリ来るなら来るって言えよ! E級! 」
青筋を浮かべて、こちらに文句を言ってくる。
ロイとかいうB級冒険者はまだしも、取り巻きの奴らは目も当てられない。
まったく、コウモリくらいでビビるなよ。
驚いて剣を振った冒険者たちに驚いて、コウモリは逃げるように身を翻す。
そして、先人たちが壁に設置していったトーチの1つに激突して燃え上がり、やがてその命を終えた。
地下深くへと潜っていくタイプのダンジョンでは、こういう「モンスター」と呼ぶのもバカバカしいザコが無数にいる。
そんなのに対していちいち「コウモリ出ますよ」「足元にムカデいるから気を付けましょう」なんて、子供の引率じゃねえんだぞ俺は!
「うぃ、すいませーん」
「ったく……これだから。ねえロイさん!」
「……俺のメンバー采配に文句があるのか?」
「す、すんません」
どうやらこのパーティーは、ロイってやつの独裁みたいだ。
ま、ささっと行って、ぱっと帰って、金貨7枚もらって終わりにしよう。
こんな居心地が悪いパーティーにいつまでもいたら、俺までおかしくなる。
「アレン、最底辺の貴様にいいことを教えてやる」
うわっ。ようやく黙って仕事ができると思ったのに。
俺は、自分ができる精一杯の笑顔で振り返って「なんですか?」と聞いた。
「このバーデンの街には、巨大なダンジョンが存在し――」
「そっすね。まさにここ」
「……で、だ! ダンジョンの内部には、20を超える分岐がある。中でも、まだ誰も立ち入ったことのないルートが8つ……これは『死の八道』と呼ばれていて――」
「はいはい、本来俺みたいなE級はすぐに命を落とす、ってやつですよね」
呆れた口調で言った後に気付いた。マズった……ガマンできなかった……!
明らかに、ロイの機嫌が悪くなってしまった。
「アレン、貴様」
「えっと、はは……その、受付で何回も聞かされてるんで……つい」
「俺のような『上位』冒険者が教えを説いてやっているんだぞ!」
「あ! ちょっとここ怪しそうなんで、索敵しながらでいいすか?」
「……ちっ」
俺は前を向き、見えないように顔を歪めた。
何食って生きてたら、そんなひん曲がったプライドが形成されるんだよッ!
俺は口の中で絶叫して、左右に目配せをする。
大丈夫。ここには、トラップや危険な生物はいない。
「……まあいい、よく聞け『E級冒険者』。ダンジョンのうち、すでに内部構造が把握されている12ルートは、お前らみたいな『低級』冒険者向きだ」
「うーい……」
分かってる。
わざわざ言われなくても、俺の目的は金を稼ぐことだけだ。
ルグトニアが集めているという、『神の残滓』なんて、俺はこれっぽっちの興味もない。
いや、ゼロじゃないが、それよりも金貨だ。
金持ちになって、王都に帰って、腹いっぱい飯食って、みんなにも飯食わせて……。
そんで、神の残滓は、博物館でもなんでも、どっかに展示されてるのを見れればいい。
だから、わざわざ『死の八道』なんてヤバげな名前の付いたルートに行く必要なんてないんだ。
「聞いているのか?」
「聞いてますよ? ただ、ちょっと嫌な気配が……」
わざとキョロキョロして様子を伺ってやると、後ろで剣を構える音がした。
コイツら、ホントに上級冒険者なのかよ。気配どころか、物音ひとつしてないだろ。
「……低級冒険者の役割は、安全な12ルートの中で狩りつくされた害獣の余りをチビチビと討伐し、上級冒険者が『死の八道』へ潜っていきやすい環境を作ることだ」
これも、ほとんど受付嬢が毎回教えてくれる内容だ。
「そして12ルートの詳細な内部調査を行い、新ルートがないか探る。これがお前たちの本来の仕事だ」
頭が痛くなってくる。知っていることを「知らないフリ」で聞き流し、適当に相槌を打った。
「ですね」
「……アレン、俺はお前のためを思って」
「ありがとうございます!」
「おい!」
ごんッ、と岩壁を叩く音がした。遠くで、コウモリが飛び立つ羽音。
「ロイさん、刺激するとあいつらが出てきますよ」
「コウモリごとき、貴様が斬ればいいだろう。……ああ、すまなかった。貴様が持っているそれは『打撃専用』で『最低品質』の『こん棒』だったな」
間違ったことは言ってない。
俺が今手に持っているのは、剣ですらない、ただの棒切れだ。
「まあ、別に危害は無いですけど」
「俺らは襲われてるんだよ。お前からドブのようなニオイがするから、仲間だと思われているんだろ」
俺はため息をついた。
はぁ、本当、早くこの冒険終わんないかな。
「で、次は右ですか? 左ですか?」
「……右だ」
「はいっす。段差あるんで気を付けてくださいね」
俺が歩き出したのに少し遅れて、ロイたちも付いてくる音がした。
◇◇◇
ここまでのルートは、『E級』で『下等』な冒険者の俺ですら、何度か来たことのある道だった。
言ってしまえば、すべてのルートの中で1番ヌルいコースで、湧いてくる敵も大したことのないものばかり。
とりあえず全部殴って倒していくが、たまに取りこぼすと後ろのロイが舌打ちをしながら退治している。
「礼は?」
「……あざっす」
とまあ、だいたいこんな調子である。
確かにこの程度の敵を倒しきれない俺も問題だが……それより、今回俺は索敵役って聞いてたんだけど。
俺は立ち止まり、振り返った。
「ロイ……さん、ここって初心者向けルートですよね」
「ああ」
「こんなところを探索するだけで金貨60枚って、本当ですか」
ロイは怪訝な顔をして振り返る。
ほかの冒険者たちは、全員焦ったように首を横に振った。
「報酬は全体で『金貨20枚』だが?」
「あー……」
そっか。そういうことになっているんだった。
「すんません、勘違いしてたかもです」
「気にするな。それで?」
「……いや、このド初心者向けルートで金貨20枚って、どう考えてもおかしくないですか? 俺もここに何人かのE級と潜ったことがありますけど、報酬は銀貨10枚でしたよ」
金貨1枚は、銀貨20枚、銅銭500枚と等価。
つまり、今回の依頼は普段の40倍の価値がある探索、ということになる。
……まあ、本当は金貨60枚分の報酬だから、120倍の価値がある、ってことになるわけだが。
いくらB級冒険者がやっているからといって、それだけで探索の価値が跳ね上がるわけはない。
「……この穴へ」
ロイはそれに答えず、左を指さした。
そこには、幅1m、高さ2mくらいの小さな穴があった。
「……こんなところに、分岐なんてありましたっけ?」
「いいから入れ」
なんかイヤな予感がする。
俺は気の抜けた返事をして、その穴をくぐった。
これまでの洞窟は、先人たちが残したであろうトーチで煌々と道が照らされていたが、ここは真っ暗で、何も見えない。
「これを持て」
ロイが、俺に手持ちサイズのランタンを渡してきた。
「お前が先頭を行くんだ」
「……ははっ、トーチが置かれてないってことは、まだほとんど探索されてないんでしょ?」
「『ほとんど』じゃない。『まったく』だ」
ロイはニヤっと笑った。
「『金貨20枚』でB級の俺に依頼してくる仕事だぞ? 生ぬるい既存ルートの探索なわけがないだろう」
「……てことは、これ、新規ルート……」
「その通りだ」
ロイの後ろに付いている冒険者が、ザックからトーチを取り出して壁に設置する。そして最後尾の男が、そのトーチに1つずつ火を灯していく。
「ここは、数日前に発見された新ルートだ。当然、低級の奴らでは危険すぎるので、発見だけしてギルドに報告した。そのルートの探索依頼が、俺にやってきたわけだ」
勘弁してくれ。俺は、「楽に小銭を稼ぎたい」だけなんだ。
まさか新規ルートの探索とか……。
「言っただろう。貴様は鼻が利く。新規探索であればこそ、先頭を切ってこの冒険を成功に導いてほしい。……というか」
ロイの目は、あまりに信用ならない。
「こんな崇高な探索に参加させてやってるんだから、光栄に思え。取り分も『誰よりも多い』しな」
今からでも断って帰りたい。
だが無理だ。頼まれていたのは見られていたし、B級冒険者の依頼から逃げ帰ったとなれば、今後の稼ぎにも悪影響が出る。
「……不満か?」
「いやあ、ロイさんの華麗な経歴に『E級冒険者の案内でダンジョン攻略』が追加されちゃうかなと」
こんな分かりやすい煽りに乗って、少しだけでも先陣を切ってくれると助かる。
だが、ロイにじとっとした目で睨まれて、俺は目をそらした。
「先に行くのはお前だが……確かに経歴は問題だな。全部終わったら、お前を殺して口封じとしよう」
「ッ!?」
どれだけ内心バカにされていようが、口に出して罵倒されようが構わないが、こんなダンジョンの、しかも「まだ一般的なルートとして認知されていない場所」で殺されたら、証拠隠滅は簡単だ。
当然、俺が『B級冒険者』に勝てる見込みは万に一つもないだろう。できて逃げることくらいだが、それだってどうなるか……。
「ハハハ! 冗談に決まっているだろ!」
「クソ、勘弁してくれよ……」
俺はうっすらかいた脂汗を拭って、振り返った。
「まあ、冗談にするかどうかは、今後のお前の態度次第だな」
「……心掛けます」
◇◇◇
ランタンの弱い明りを手に、どんどん先へと進んでいく。
するとすぐに、二手の分かれ道が現れた。
「……どっち行きます?」
「どちらでもいいが、最終的な目標である『神の残滓』に近いほうがいい。最深部にたどり着けそうなほうを選んでくれ」
「んなメチャクチャな……」
右を見る。暗い。
左を見る。暗い。
もう一度右を見る。
どちらの道も大して変わらない。
だが……右からは、なんか嫌な予感がする。
「左、行きますか」
俺は左手を指さした。
「バカだなぁ、これだからE級は」
ロイの後ろに付き従っていた冒険者……なんか入り口で名乗っていたはずだったが、どうでも良すぎて忘れてしまった。
そいつがぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた。
「いいか? ダンジョンの構造を思い出せよ。隠しルートは左側に存在したんだぞ。ここで左に進んだら、入り口側に戻っちまうだろ。つまり、正解は右! こっちが――」
と勝手にトーチを持ち、右の分岐へと足を突っ込んでいった。
「危ない! そこには落とし穴が――」
「は? ッぉぉ~~!? ……ッあ……!」
ばごっ、と地面が抜け、一瞬で彼の姿が見えなくなった。
「ジャック!!」
あ、そうだ、アイツの名前、ジャックだった。じゃなくて!
「みんな動くな!」
俺はそーっと落とし穴の上へと近付いて、大声を上げた。
「ジャックーッ! 聞こえるかぁーッ!!」
遠くから、反響しながら返事がある。
「下は水だッ! 俺は大丈夫!!」
「そこはおそらくトラップ祭りだ! 下手に動くと死ぬぞ!」
もう一度、思い切り息を吸い込む。埃っぽい空気が肺に溜まる。
「水に浸かり続けていると寒くて衰弱する! とりあえず岸に上がって、そこでじっとしてろ! 壁にもたれかかるのもダメだ! 座って、じっとしとけ!」
下から返事はなかった。
……まあ、これで理解してもらえなきゃ、死んでも仕方ない。
クソ……面倒ごとを増やしやがって。
俺は振り返り、ロイを見上げた。
「ここに、とりあえず進入禁止のロープを張ってくれ」
「あ、う、うむ……」
ロイは、さらに後ろにいた男に目配せをして、ザックからロープと杭を取り出し、打ち込ませた。
「アレン……ジャックはどうなる?」
「さあね。俺たちの運が良ければ、見つけられるだろう」
「運が良ければって……アイツも俺たちの大切な仲間だろ!」
冒険者の一人が食ってかかってきたが、俺はため息を吐くしかなかった。
「先人切ってトラップ解除すんのが俺の仕事っすよね? それなのに勝手に動いた奴の事なんて知らねーよ!」
そう言うと、彼は奥歯を噛んで舌打ちした。
「ダンジョンはところどころ空間が歪んでる。常識だろ? そんなことも知らずに『前は左に行ったから、次は右!』とかやられたんじゃ、たまったもんじゃないですよ。それとも、みんなで仲良く助けに行って全滅します?」
これまでにないほど神妙な面持ちのロイが、俺に手を差し伸べている。
俺はその手を掴んで立ち上がり、分岐の手前へと戻った。
「さっきお前、ジャックに『下はトラップだらけ』って言ったよな?」
「……言いましたね」
「なぜそんなことが分かるんだ? どれだけの距離があるか分からないが、そんなところまで分かるのか?」
「分かるっていうか……」
俺は首を傾げた。
「1つは、ふつう落とし穴の下って、確実に仕留めるために針の山とかにするでしょ。なのに落下先は水だった。つまり、中のやつが餌なんですよ。助けに行った奴を殺すための」
目をつぶり、肩を落とす。
「もう1つは……まあ、これはマジでオカルトみたいなもんで、なんか、このダンジョンって来た事があるような気がするんですよね……そんで、そこの落とし穴の先のことも、なんか分かるっていうか……」
「だが、それが落とし穴ではなく、ただの脆弱な岩盤だったとしたら……?」
「ぐぎゃぁぁぁッッ……!!」
穴の中から、耳をふさぎたくなるような絶叫が聞こえる。
「ジャック! 大丈夫かジャック!!」
「……急ぎましょう。多分左側の先のどこかで、落ちた先に合流できると思いますよ。急いだほうが、ジャックさんの命も助かる可能性があるかも」
俺は目を伏せ、歩き出した。
……が、みな足を止め、落とし穴のほうをのぞき込んでいる。
「ロイさん、どうするんすか?」
「落とし穴にわざと落ちて、ジャックを助けるという選択肢は……」
「分かってて聞いてますよね」
俺は呆れて、彼の顔をじっと見た。
「……俺1人で先に進んでもモンスターと戦えないんで、皆さんが来てくれないなら流石に帰りますけど」
みな一様に殺気立っている。俺のあまりに物言いのせいだろう。
だが、俺にだって言い分はある。散々罵倒されて、勝手に動かれて、勝手に落とし穴に落ちて、勝手に絶体絶命になっている奴の事なんて、知ったこっちゃない。
◇◇◇
左のルートは、毒矢、火炎放射、巨大岩の落下トラップなど、古典的ながらなかなか強力な罠が満載だった。
「こんだけ厳重なら、何か奥にあるかもしれないですね」
俺はトラップの1つを解除しながら、ロイに向かってつぶやいた。
「おい危ない! 頭下げろ!」
「は?」
訳も分からず、言われるがままに頭を下げる。
すると直後、俺の頭の上を炎がかすめていった。
「またトラップ……!?」
「ドラゴン族だ! このッ……」
見ると、暗闇のはるか向こうから小型のヘビみたいな奴が炎を吐いている。
まったく気配を感じられなかった……!
だが、ロイは俺よりも早く気付いていたらしい。
「氷瀑<アイシングフォール>ッッ!!」
ドゴゴゴッ、と激しい音がして、炎が順々に凍っていく。
その氷がドラゴンにまで到達すると、一瞬で敵ごと凍り付かせた。
「散……!」
さらに凍った炎に斬撃を加えると、氷がひび割れ、砕けていき、やがてドラゴン本体までもを完全に粉砕した。
「……つえー……」
俺は後頭部の少し焼けた髪を撫でながら、涼しげな表情を浮かべているロイを見た。
ムカつくヤツだが、さすがはB級冒険者。魔法も剣撃も、どちらも一級品だ。
これでA級じゃないってんだから恐ろしい。
もしかして、冒険者のランク分けには「性格」って項目でもあるんじゃないのか?
俺は道の奥を見た。
このまま行けば、たぶん最深部にたどり着く、はず。
そこに何があるのかは知らないが、コイツらが行きたいというのだから、案内してやればいい。
「貴様を連れてきて正解だったな」
「どうも。報酬を弾んでくれてもいいんですよ。正当な額にね」
「……考えておこう」
ロイは俺をにらみつけた。
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